1800年代のピアノ?!

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 日曜日の夕方、二人でおやつを買いに出かけた帰り、Antichita'アンティークという看板が目に留まった。中を覗いて見ると、そこにはピアノが!
 アンティーク家具の中に仲良く溶け込んで、美しいピアノがにっこりと私に微笑み返す。もしかして1800年代のピアノ?!これは運命かもしれない!

 と興奮したものの、優柔不断のため試奏に行く決心がつかず数日が過ぎ、今日の昼、エノテカに行くついでに外から見るだけ、見るだけ・・・とガラス越しに見つめていたら、急に足がババッと勝手に動いて店内に。
 すみませ~ん、あのアンティークのピアノを見たいんですが!

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 若いお姉さんに案内され、展示部屋に入る。
 ああ、なんてきれい!この色、そして艶、手の込んだ彫り込み、蝋燭置き、そして想像した通り、象牙の鍵盤・・・。
 あれ、でも高音が3音足りない・・・。まぁ、古いピアノならそういうこともあるか。

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 MUSSARD FRE'RES というパリのメーカー。知らないなぁ。恐る恐る触ってみると、音はちゃんと出る。中身がひどい状態だったので、全て修復したとのこと。へぇ~、ラグーザなのにやるなぁ・・・、と感心しながら弾く。音質は決して悪くない。ぺったんこな音しか出ないひどいアップライトも知っているけれど、これは丸みがあってまぁまぁ。調整すれば何とかなりそう。
 ただ一つ、ペダルがかなり甘いのが気になった。鍵盤とうまく連動していないような感じがして、お姉さんに言ってみたら、ああ、それは直せますから、とにっこり。

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 ピアノの箱としては本当にきれい。蝋燭台、持ち手、ペダル周りにも装飾。私の好きなネジネジ脚、鍵盤も損傷なし。中身は随分、大々的に修理されているみたいだけれど・・・。
 試奏を終えて、ピアノを修理したオーナーが来てくれることに。

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 約10分後、オーナーのおじさんがやって来た。
 これは1800年代後半のフランスのピアノで、中身は全部私が直したんだよ。ほらね!と蓋を外した瞬間に、えっ!
 鍵盤の内部構造の根元部分がザリザリ・・・。

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 よく見るとさらに驚き。
 ハンマーの根元部分に青いボールペンで番号が!修理の時に順番を間違えないためだろうけれど、せめて鉛筆で小さく見えない所に書いてほしい。さらに、数字が書かれた部分の長さがマチマチ。63番だけ長い、というか青い切り落とし線が見えている。
 なぜ?
 
 話を聞くと、このピアノの中身は使い物にならないくらいひどかったので取り外し、スペインのMELFORDというピアノの中身とそっくり入れ替え、その際、奥行きの小さなこのピアノに合わせて部品を削った、とのこと。大仕事だったよ!工房にはまだそういうピアノがあるんだ!と自慢気に話すおじさんは、続けて・・・・、
 この家具部分に私は興味がない。私の手仕事分だけを考えて3500ユーロというところかね

 エッ!
 目玉が落ちそうになった。

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 きれいな楽器なのに、どうして中身を捨ててしまったのだろう。修理ができるのなら、オリジナルのパーツを修理すればいいのに。これではピアノの価値がガタ落ちだ。おじさんには気の毒だけれど400~500ユーロ(約64000~80000円)しか出せないな。


 このピアノのために、他のピアノの命を奪ったと思うと悲しくなる。ピアノは生まれた時の心臓を持って生き続けるべきものだと思う。人間の心臓移植のようにはいかないはずだ。
 ペダルの違和感はそういうことだったのか・・・。
 
 おじさんは私が音楽学をやっていることを知ると、さらにエスカレート!アンティークの楽器がもう一つあるんだよ。
 見てみますか、一応・・・。

 ということで、続いちゃいます・・・。

すごい修理・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-05-16 09:25 | 生活


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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2013年11月、共著出版



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