エビの青い卵！
　日本の甘エビに薄緑色の卵が付いているのは見たことがあるけれど、こんなのは初めて。しかも毒々しい青。エビ４種を買ったのにこれだけが卵を抱えている。

　ペンキみたいな青。おもちゃみたい。誰かが絵の具を注入したんじゃないか。人間の食するものには見えないけれど。宇宙のエビじゃないの？！
　などなど不安を次々に口にしていたら、いえいえブオニッスィモbuonissimoですよ、と魚屋の若旦那に笑われた。

　料理してみると、意外なことにこの青卵は透き通るような赤に変わり、食感はあのトビっ子のようだった。味の違いが知りたくて少しずつ買った４種のエビ（最初の写真）は、一緒に料理したので良く分からなかったが、甘味が何重にも広がって、う～んとうなってばかりいた。
　この日、店にはシチリアの黒マグロが入ったばかりだった。私の胴体ほどもあるマグロの腹から尾にかけての部分が、無造作に作業台に乗っていた。色は新鮮そのもの。臭みもない。２切れ太めに切ってもらった。

　上の写真、左側に映っているのがオオトロ部分。イタリアではこれをパンチェタと呼ぶ。豚肉と同じ呼び方。
　オオトロと赤身部分にきれいに分け、皮も取り、とりあえず冷凍するのだが、その前にいつものちょっと、を。
　もちろん、刺身として。生食を想定していない売り方なので、ワサビを利かせて一口。
　ああ、日本の味・・・。

　この店ではいつもおまけをしてくれる。今日はトータノtotanoという小さなイカを2杯。イカなのにエビのように甘いからびっくり。小さいくせに目がギョロっとしているので不気味だったけれど、すっかり見直した！

　青卵のエビもそうだけれど、見た目が気持ち悪いものほど美味しいのかな、シチリアの魚介は。

　追伸：エビ４種11匹とマグロ700グラム、ヤリイカcalamaro２杯で30ユーロ（4800円）。魚屋の帰りは財布が軽い。

青い卵、キョー・・・！。