砂糖入りラヴィオリ、トマトソース掛け

 カトリックの国イタリアでは、金曜日に肉を食べない習慣がある。そういう宗教的な背景があるからだろうか、近所では金曜と土曜にしか売られていないものがある。ラグーザ名物、砂糖入りリコッタチーズのラヴィオリravioli zuccheratiである。

f0133814_6302654.jpg 町一番の坂道であり、大通りであるコルソ・イタリアCorso Italiaを登った所に、ラヴィオリの家Casa del ravioloという店がある。
 ここでは毎週金曜と土曜のみ、砂糖入りリコッタと、砂糖なしリコッタを使った2種類のラヴィオリが作られる。前者が断然人気で、家族が集まる週末に1キロ、2キロと大量に買っていく人々が絶えない。
 良く食べる我々は半キロ(mezzo kilo)買う。リコッタがたっぷり入った大きなラヴィオリが一人14~15個ずつの量、それでたった2.3ユーロ。この良心的な値段とその美味しさにやられ、ほぼ毎週食べていることもある。

f0133814_631988.jpgf0133814_631464.jpg
 店内にはトルテッリーニを作るこんな機械があり、入るとカシャン、カシャンと軽快な音を立てている。上の方にある黄色い帯のようなものがパスタ生地。それが機械の中を通り、小さな折り紙サイズにカットされて挽肉を包み、最後にクロワッサン型に綴じられる。小さなカニのようなトルテッリーニが滑り台を落ちて籠にたまっているのはかわいい。

f0133814_6321349.jpgf0133814_6323676.jpg
 冷蔵庫にはクロワッサン型トルテッリーニ以外に、四角型と餃子型も並ぶ。後者2つは白いプレーンと緑のほうれん草味もある。他に生のタリアテッレ(白、緑のほうれん草味)やカヴァーティ(ショートパスタ)なども作っている。右の冷蔵庫にあるのがラヴィオリ。
 老夫婦とその息子の3人が切り盛りし、パスタ数種だけを売っている家庭的な店だ。

f0133814_633365.jpg ラヴィオリを頼むとヴァッソイオvassoioと呼ばれる紙盆を取り出す。そこに、まずは油紙を乗せ、セモリナ粉を一振り。そしてラヴィオリを丁寧に重ならないよう一つ一つ並べ、最後に再びセモリナ粉をさっと一振りする。
 心のこもった包装は、丹精込めて作っているからこそ。そんな様子を見ながら、こちらも丁寧に料理したいと思うものだ。

 さて、このラヴィオリを地元では豚バラ肉を人参、セロリ、玉葱、ネーロ・ダーヴォラとともに煮込むトマトソーススーゴ・ディ・マイアーレsugo di maialeで食べる。だが、これは時間がかかるため、我が家ではシンプルなトマトソースを使うことがほとんど。
 
f0133814_637860.jpgf0133814_6373042.jpg オリーヴ・オイルと唐辛子を熱し、香りが出てきたらトマト・ソースを入れて中火で炒める。煮るのではない。
 焦げ付かないようヘラで返し、ぐつぐつしてきたら赤ワインのネーロ・ダーヴォラnero d'avolaを少々、バジリコの葉を6~8枚入れ、さらに弱火でじっくり調理する。
 ソースが7割ほど出来てきたら、ラヴィオリを茹で始める。最初は鍋底に沈むが、次第に浮き上がってきて膨らみ出すのでヘラでそっと沈め、淵をきちんと煮る。茹で泡が出てきたらスプーンですくってソースに混ぜ、とろみを出させる。熱いオリーヴ・オイルは水と合わさると乳化作用を引き起こし、それが良い濃くを生み出すのだそうだ(日本の某番組で知った)。

f0133814_6375045.jpgf0133814_6381546.jpg ソースは塩加減を見て調節。ラヴィオリは一つ食べてみて淵が固くて生っぽくなければOK。茹でたてのラヴィオリはほんのりと甘く、ちょっと懐かしいような味がする。
 ラヴィオリをソースに入れる時はまだ弱火のまま。壊れないよう丁寧にソースとからめ、水分を飛ばす。

f0133814_6385877.jpgf0133814_6392385.jpg そして銘々の皿に公平に14個ずつ。私はルカと同じ量を食べる。
 この日のトッピングのチーズは買って来たばかりのパルミジャーノ。私はさらに黒胡椒をまぶす。
 普段はリコッタ・サラータricotta salataを削るのだが、パルミジャーノでも黒胡椒入りの羊チーズでも良い。冷蔵庫にあるどんなチーズでもマッチする懐の深さがこのラヴィオリにはあるのだな。

 ネーロ・ダーヴォラとラヴィオリ半キロの金曜日。肉は食べていないけれど、貪食の罪peccato di gola(キリストの7つの大罪のうち、暴飲暴食の罪)を問われても仕方がないかな。

人気blogランキングに参加中 ラヴィオリ半キロ・・・!。
[PR]
by hyblaheraia | 2007-11-07 09:04 | 料理


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

掲示板

最近は・・・
なんと1年3か月ぶりの更新!気付いていただけるでしょうか…ひっそり。
16 Feb. 2016


迷惑コメント対策で承認制にしております。
::::: ::::: :::::

自己紹介に代えて


ご連絡等はコメント欄にお願いいたします

::::: ::::: :::::


2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


Locations of visitors to this page
2010年2月16日リセット
世界の赤い花びら!


Click for Comiso Air Station, イタリア Forecast

今日の月はどんな月?



ラグーザ ホテル

カテゴリ

全体
自然
生活
歴史
祭り
伝統・技術
料理
菓子
変わった野菜と果物
野鳥・昆虫・動物
大学・研究
政治・社会
音の絵:写真と音楽のコラボ
シチリア他の町
イタリア他の町
ナポリの実家
一時帰国
ブログ・・・周年とゲーム
未分類

タグ

(60)
(50)
(46)
(42)
(41)
(38)
(36)
(35)
(35)
(34)
(31)
(27)
(22)
(21)
(20)
(15)
(14)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(9)
(8)
(8)
(8)
(8)
(7)
(6)
(6)
(5)
(4)
(3)
(2)
(2)

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

以前の記事

2018年 02月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 05月
2016年 04月
more...

画像一覧

ブログジャンル

海外生活
音楽

検索

記事ランキング

ライフログ











お気に入りブログ

生きる詩
gyuのバルセロナ便り ...
ルーマニアへ行こう! L...
写真でイスラーム  
エミリアからの便り
アフガニスタン/パキスタ...
イスラムアート紀行
夫婦でバードウォッチング
La Vita Tosc...
パリ近郊のカントリーライフ
トルコ~スパイシーライフ♪
now and then
Vivere in To...
シチリア時間Blog
フィレンツェ田舎生活便り2
ふりつもる線
ちょっとスペインの別荘 ...
ぐらっぱ亭の遊々素適
ヴェネツィア ときどき ...
石のコトバ
ボローニャに暮らす
フランスと日本の衣食住
cippalippaの冒...
スペインのかけら
Berlin Bohem...
VINO! VINO! ...
::: au fil d...
sizannet
イタリア料理スローフード生活
ペルー と ワタシ と ...
しの的エッセンinドイツ
PoroとHirviのとおり道
料理サロン La cuc...
カッラーラ日記 大理石の...
イタリアの台所から
オルガニスト愛のイタリア...
Animal Skin ...
しのび足
道草ギャラリー
白と黒で
ちまもの読書日和
andante-desse
il paese - p...
やせっぽちソプラノのキッチン
坂を降りれば
A Year of Me...
お義母さんはシチリア人
Espresso!えすぷ...
シチリア時間BLOG 2
London Scene
hatanomutsum...
小鳥と船
mi piacciono...
カマクラ ときどき イタリア
やせっぽちソプラノのキッチン2

外部リンク

その他のジャンル