国道を離れてヴィッツィーニへ

 ラグーザへ我らを連れて行ってくれるのは、ジョヴァンニ氏の青い8人乗りワゴン。所用で先に帰宅したルカを除き、総勢6名が乗車。「珍道中号」はシチリアの大自然へと走り出した。
 オレンジ畑の不思議なプロペラ、エトナ山の煙、牛、山羊、馬、廃墟となった納屋、風力発電、自然火災の跡・・・、目にするものを次々に質問し、聞いて聞いてと催促する家族。縦に長い車内で私は身を乗り出しジョヴァンニ氏に質問し、通訳係として始終声を張り上げていた。
 走り出してこんな騒がしさが30分も続いた頃、ジョヴァンニ氏が、皆さんそこまでシチリアに興味をお持ちなら、通常の行路を変えて素晴らしい景色の見える田舎道を行きませんか?通訳係が伝えるや否や、いいねーいいねー!
 即決なのデアリマシタ。

 ということで、カターニア~ラグーザへ向かう国道194号から514号に入らず、途中で左にそれてヴィッツィーニVizziniへ。
 車2台がようやく通れる程のカーブだらけの田舎道が、強力粉grano duroの麦畑をくぐりながら、徐々に徐々に町へと登っていく。そしてこの大パノラマが我々を迎えた。
f0133814_705811.jpgヤングチーム:おぉー!
母:あら、凄いじゃない。
父:ガチガチ(眼鏡をファインダーにぶつける音)。
 感動の仕方は人それぞれである。

f0133814_713073.jpg 町の中心広場に車を停めて、写真撮影。ジョヴァンニ氏は煙草休憩に。

 市役所横の階段にはこんな美しいタイルが埋められていた。
 シチリア陶器で有名な町、カルタジローネの階段もこんな感じなのだろう。青い空と清々しい空気に映える階段を、何度も昇り降りして遊びたいものだ。

f0133814_73550.jpg これはヴィッツィーニ市役所。
 石灰石の黄色さは最近修復された証拠だろう。ノートの大聖堂もそうだし、我が家の教区のエッチェ・オーモ教会もそうだ。
 時間が経つと次第に薄ベージュ色に彩度が落ちていってしまうのだが、個人的には柔らかい色の方が好みかな。

f0133814_723261.jpg
f0133814_746541.jpg
 この広場にはシチリアの作家、ジョヴァンニ・ヴェルガGiovanni Verga(1840-1922)の生家がある。車内でカヴァッレリーア・ルスティカーナCavalleria rusticanaの話が出た時に、原作者ヴェルガの説明をしたのだが・・・。彼の作品には、シチリアの厳しい風土と貧しさ、社会的不条理が根底を成している。今読んでいる『マラヴォリア家の人々I Malavoglia』にも。私が感慨深げに見つめ写真を撮っていると、
 父:これなに?へぇー、作家の家。(全然話を聞いていない)
 弟:あのさー、さっき言ってた作家の家ってどれ?あぁ、これ。(聞いてはいたが感動なし)
 弟の彼女:ふむふむと見上げていた。(共感してくれてありがとう!)
 母、姉:見に来なかった。(・・・。)
 理解の仕方は人それぞれである。

f0133814_7472545.jpg ヴィッツィーニを跡にしつつ、周囲の丘陵地帯を見下ろす。

弟:なんか、飛んでいるみたいだね
 ああ、ようやくまともなコメント。

f0133814_7475597.jpg姉:すごいねー。(脱力キャラなので言葉少なし)
父:いや~、すっごい所に人が住んでいるんだなぁ。(シチリアに来ると必ず言う)
母:いいじゃない、シチリアっぽくて。(映画『山猫』のファン)

f0133814_7482027.jpg 少し下がった所から見たヴィッツィーニ全景。

 ここで家族全員の写真をジョヴァンニ氏に撮ってもらった。
 あ、このカメラでもお願いします、と相次いで3台。これは典型的な日本人です。

f0133814_755298.jpgf0133814_756999.jpg
 左写真:薄緑色のモワモワ生えている植物をジョヴァンニ氏が千切って匂いを嗅いだ。思った通りという感じで肯き、これは野生のローズマリーだよ。鼻を近づけるといつもの香りがふわっと立ち込めた。知らせねば!ねぇーみんな~、これ野生のローズマリーですってー!
 振り向くとみな散り散りばらばら。父はオリーヴ畑にズンズン突き進み、ヤングカップルは町の写真を撮り、姉はオリーヴの実を摘み採ろうとし、母は空を見上げている。
 そして次の瞬間、いや~こりゃーしっぶいな~!畑からヨロヨロ登って来た父が、見ればなんと、オリーヴの小枝をもぎり取り、一粒食べている。ジョヴァンニ氏は目を丸くし、ええ、もちろんシブいですよ・・・
 もう少し統制が取れないものでしょうか、この一家。


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by hyblaheraia | 2007-09-26 10:50 | シチリア他の町


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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