ヴェンディーカリ自然保護指定地区

 ポルトパーロからラグーザへ帰宅する朝、せっかくだから他の町にも寄ろうということになっていた。宿の部屋には白い鳥の一群が水辺に集まる印象的なポスターがあり、何となく皆それが気になっていた。
 ここに行ってみる?我々が返事する間もなく野鳥を見ながら泳ぎましょうよ!、と目を輝かせるテレーサ。頭は碧い海で一杯だ。

f0133814_20103446.jpg ヴェンディーカリ自然保護指定地区Riserva Naturale Orientata, Vendicariと呼ばれるそこは、ポルトパーロから車で30分ほど北上した海岸に位置する(地図に赤いラインで表示)。

 ここには美しいビーチと野鳥の降り立つ湿地帯、昔の塩田マグロ工場ホーエンシュタウフェン家の塔、があるとのこと。
 テレーサは早速水着に着替え、シャワーもチェックしご満悦。心は既に海へと飛んでいる。日焼けが嫌いな我々は、のんびり散歩することにした。

 
 名前の分からない様々な植物が生い茂る砂利道を300メートルほど歩く。足元には可憐な花が咲き、目の高さには赤い実がたわわに。背丈の2倍はある葦が風に揺れ、緑濃い葉の中にはセミ、納屋の壁にはトカゲが。
f0133814_2323426.jpgf0133814_233437.jpg

f0133814_2342389.jpgf0133814_2344656.jpg

f0133814_2352724.jpgf0133814_2355314.jpg

f0133814_2361680.jpgf0133814_2364497.jpg


f0133814_21354351.jpg 茂みから抜け、目の前が開けるとそこは昔の塩田跡。砂利道の両脇に延々と広がっていた。遠くに見えるのは昔の納屋。

 この574ヘクタールの敷地には、四季を通じて多数の渡り鳥が訪れるそうだ。
 代表的な鳥は、オジロシギ。おそらく宿のポスターで見たあの鳥たちだろう。秋にはアオサギコサギ(小型のシラサギ)、コウノトリ、まれにフラミンゴもやって来るらしい。それは見てみたかった!そう言えば、上野公園のフラミンゴは遠くから見ると薄ピンクで優雅だったが、近付くと臭かったものだ。
 湿地の水位が上がる11~3月にはガンカモの王国となり、キツネなども現れる。夏だから渡り鳥もキツネもいないが、その姿を想像しながらゆっくり散歩。

f0133814_2223435.jpg 真っ赤に染まるこの沼は、プランクトンのせいだろうか。小さな白い鳥が、すぃーっと飛んできては水面に一瞬触って飛び立ち、沼の上を迂回して何度も同じことを繰り返していた。
 やっぱりプランクトンか虫を食べているのだろう。
 小さな鳥のミニマム・ハンティング、とても可愛らしかった。

f0133814_223384.jpg ヴェンディーカリの海!ああ、今日も地中海は碧い
 じゃ、私は泳いでくるから、後で携帯で連絡するわね!
 テレーサは行ってしまった。

f0133814_227950.jpgf0133814_2251640.jpg

 我々はゆっくりとマグロ工場跡地へ。力強くそびえる赤レンガの煙突。青空と海の色にくっきりと映えている。漁から戻る船に、安心感を与えただろうな。

f0133814_2210638.jpg 釜戸の跡と思しきものが並ぶ。レンガを良く見ると、焦げた炭のようなものがあった。海から上がったマグロを解体して、ここで煮たり、焼いたりして製品化したのだろうか。
 残念なことに、マグロ工場の説明はどこにもなかったので、想像するしかない。

f0133814_22103697.jpg まるでポンペーイ遺跡のような雰囲気が漂う。壁があったり、柱があったり、隠れんぼに興じる子供たちの声が響く。


f0133814_228401.jpgf0133814_229546.jpg
 潮騒を聴きながら、海辺の風にあたる気持ちよさ。石にもたれて座っていると、全く暑さを感じなかった。

f0133814_22443790.jpg ホーエンシュタウフェンの塔は修復中でこの通り。
 シュタウフェン朝のドイツ国王ハインリヒ6世(1165-97)は、シチリア王女コスタンツェとの結婚により、1194年パレルモにて戴冠。わずか3年の天下のうちに、この塔が建てられたのだろう。この幅から言うと、塔とういうよりは要塞か。


 海と自然を満喫し、帰途へ。大聖堂の修復が終わったばかりの世界遺産の町ノートNotoに行く案もあったが、疲れたので次回ということに。
 その代わり、途中、車の中からイスピカ洞窟Cava d'Ispicaを見ることができた。
f0133814_2337138.jpg これは石灰石の絶壁の中に穴を開けた住居跡。新石器時代からギリシア、ビザンチン、キリスト教初期、中世までの生活跡があり、考古学的に極めて重要な場所だ。今度、ゆっくり訪れてみたい。

 モディカからラグーザ向かうとき、荒涼とした丘の連なりに何とも言えない安堵を感じた。きれいねーと言う私に、やっぱりあなたたちはアマンテ・デル・マーレamante del mare(海に恋する人)ではないわね、とテレーサ。
 日焼けは苦手、その通りでございます。

人気blogランキングに参加中 アナタハ海を愛シマスカ?。
[PR]
by hyblaheraia | 2007-08-23 23:59 | シチリア他の町


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

掲示板

最近は・・・
なんと1年3か月ぶりの更新!気付いていただけるでしょうか…ひっそり。
16 Feb. 2016


迷惑コメント対策で承認制にしております。
::::: ::::: :::::

自己紹介に代えて


ご連絡等はコメント欄にお願いいたします

::::: ::::: :::::


2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


Locations of visitors to this page
2010年2月16日リセット
世界の赤い花びら!


Click for Comiso Air Station, イタリア Forecast

今日の月はどんな月?



ラグーザ ホテル

カテゴリ

全体
自然
生活
歴史
祭り
伝統・技術
料理
菓子
変わった野菜と果物
野鳥・昆虫・動物
大学・研究
政治・社会
音の絵:写真と音楽のコラボ
シチリア他の町
イタリア他の町
ナポリの実家
一時帰国
ブログ・・・周年とゲーム
未分類

タグ

(60)
(50)
(46)
(42)
(41)
(38)
(36)
(35)
(35)
(34)
(31)
(27)
(22)
(21)
(20)
(15)
(14)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(9)
(8)
(8)
(8)
(8)
(7)
(6)
(6)
(5)
(4)
(3)
(2)
(2)

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

以前の記事

2018年 02月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 05月
2016年 04月
more...

画像一覧

ブログジャンル

海外生活
音楽

検索

記事ランキング

ライフログ











お気に入りブログ

生きる詩
gyuのバルセロナ便り ...
ルーマニアへ行こう! L...
写真でイスラーム  
エミリアからの便り
アフガニスタン/パキスタ...
イスラムアート紀行
夫婦でバードウォッチング
La Vita Tosc...
パリ近郊のカントリーライフ
トルコ~スパイシーライフ♪
now and then
Vivere in To...
シチリア時間Blog
フィレンツェ田舎生活便り2
ふりつもる線
ちょっとスペインの別荘 ...
ぐらっぱ亭の遊々素適
ヴェネツィア ときどき ...
石のコトバ
ボローニャに暮らす
フランスと日本の衣食住
cippalippaの冒...
スペインのかけら
Berlin Bohem...
VINO! VINO! ...
::: au fil d...
sizannet
イタリア料理スローフード生活
ペルー と ワタシ と ...
しの的エッセンinドイツ
PoroとHirviのとおり道
料理サロン La cuc...
カッラーラ日記 大理石の...
イタリアの台所から
オルガニスト愛のイタリア...
Animal Skin ...
しのび足
道草ギャラリー
白と黒で
ちまもの読書日和
andante-desse
il paese - p...
やせっぽちソプラノのキッチン
坂を降りれば
A Year of Me...
お義母さんはシチリア人
Espresso!えすぷ...
シチリア時間BLOG 2
London Scene
hatanomutsum...
小鳥と船
mi piacciono...
カマクラ ときどき イタリア
やせっぽちソプラノのキッチン2

外部リンク

その他のジャンル