イブラへ下りる階段 -イブラ入り口~ドゥオーモ広場まで-

 新市街からイブラへ降りる階段の終わり頃に、ユネスコ世界遺産に登録されたサンタ・マリーア・デッリートリア教会Chiesa di Santa Maria dell'Itriaがある。その名はギリシア語の「Odygidria、水路」に由来し、「水の聖母マリア」を意味する。

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 かつては崖上のサンタ・マリーア・デッレ・スカーレ教会から落ちる滝の滝壺とその水路があり、この辺りは町外れの深い山の中だったため、パレオクリスチャン(陰修士)が住んでいたと言われる。
f0133814_237080.jpg その後、ビザンチン時代に教会が建てられ、その跡地に1626年に再建されたのが、このサンタ・マリーア・デッリートリア(水の聖母マリア)教会である。そのファサードや教会内部にはマルタ騎士団の十字架が刻まれているのは、アレッツィ騎士Blindano Arezziが教会再建の資金を出したことによる。
 これは祭壇左に置かれている「嘆きの聖母 Madonna dolorosa」。
 スフィラート・シチリアーノSfilato sicilianoと呼ばれる精緻な抜きかがりレースを手にし、悲痛な表情を湛えている。この聖母の前に立つと、その嘆きのリアルさに一瞬心臓が止まるような驚きと、静粛な空気を覚える。
 でも、こういう顔をしたシニョーラはラグーザによくいる気も・・・。

 1693年の大地震によって損傷を受けたこの教会は、隣接する貴族コセンティーニ家によって1739年に再建され、今の美しい姿に至る。
f0133814_262924.jpg これはその一家の邸宅、パラッツォ・コセンティーニPalazzo Cosentini
 ユネスコ世界遺産のこの建物を取り巻く4つのバルコニーは、それぞれ「子孫繁栄」、「音楽」、「豊穣」、「宿場」をテーマにした多数の彫刻が施されている(テーマの解釈は様々)。

f0133814_1565041.jpgf0133814_1533129.jpg ギリシア神話を題材にしたモティーフや意味深の彫刻、リズミカルに表現される五感のアレゴリーなど・・・。
 見る度に発見があり、新たな謎が生まれるこの建物について、語りたいことは余りに多い。でも機会を改めることにして・・・。

 イブラの入り口に当たるレプッブリカ広場Piazza della Repubblicaから、世界遺産のプルガトーリオ教会Chiesa delle Anime del Purgatorio、ならびにソルティーノ・トローノ邸Palazzo Sortino Tronoを右に見ながら進むと、道が二手に分かれる。右はイブラの山を登りドゥオーモに至る健脚コース、左は崖沿いの平坦な道を行く散歩コース。
 この日はのんびり散歩コースを選択。夕日に輝く丘の方へと進み、崖に生えるレモン、木苺、イチジク、オリーヴ、その他の野生の木々花々を愛でつつドゥオーモを目指す。
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 ようやくドゥオーモ広場Piazza Duomoに到着。さすがに喉が渇いたので、カフェで一息した。ウェイターが日本語の学生だったのでお互い嬉しいような、恥ずかしいような・・・。
f0133814_127877.jpgf0133814_1273052.jpg 私はピスタッキオのグラニータ(granita di pistacchioピスタチオのカキ氷)、ルカの従姉テレーサはアーモンド(mandorla)のそれを、ルカはシチリアの白葡萄インゾーリア(inzolia)のワインを注文。
 グラニータとは日本のカキ氷に近いが、どちらかというかスムージーやアイス・シェイクのようなもので、夏のシチリアでは欠かせないお菓子。通常、アーモンド、レモン、桑の実(カシスのような色と味)、カフェ、ヘーゼルナッツなどの種類があるがピスタッキオは初めてだった。
 その味は予想以上の素晴らしさ!一口運ぶとピスタッキオをそのまま食べているような濃い味が広がり、冷たさの中にピスタッキオのミルクの柔らかな甘みがあった。抹茶好きの私には、味は違うが郷愁をそそるこの緑色。ジェラートもトルタもピスタッキオがお約束なのである。

 喉の渇きを癒したところで、イブラをしばし散歩。お腹が空いたらディナーとしよう。

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by hyblaheraia | 2007-08-15 01:52 | 歴史


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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