新オーナーは葬儀屋社長
1949年以来の伝統を誇るラグーザのサッカーチーム、U.S.Ragusa(Unione Sportiva Ragusa、ラグーザ・スポーツ同盟)が存続の危機に陥った。
7月12日正午、来年のセリエD参戦のための必要書類一式と登録料がローマのサッカー協会本部に届いていないことが判明。チームは事実上解散と見なされた。
発足以来58年間、プロのCリーグで一度の中断もなく参戦してきたクラブ。その歴史に穴を開ける不名誉な事態を国営放送が報じた。地元の老齢ファンも動揺が隠せない様子だ。
(写真:7月13日、国営放送シチリア地方ニュースより)
事実関係を調べると、クラブには70万ユーロ(1億1,200万円)に上る長年の借金があり、セリエD(2007年秋より降格)への登録に必要な経費が捻出できなかったという。イタリア・リーグに正式登録されなければ、クラブは存在していないも同然、もしくはアマチュア・チームでしかなくなる。ラグーザ県知事にも応援要請があったが、この財政状態ではもはや打つ手も無く、クラブを手放すことを承認した。
ところが、この憂える事態を救ったのがラグーザの葬儀社ラ・プレーチェ社長、ジュゼッペ・リンマウド氏であった。7月13日正午過ぎ、同氏はラグーザ市長を迎えての記者会見で、クラブの膨大な借金を肩代わりし、新オーナーとなることを表明した。
地元で名ある企業家だが、単なるクラブの買収ではなく、ラグーザのサッカー・クラブの復活と、イブレオ高原(シチリア南東部の丘陵地帯)の県庁所在地クラブがイタリア・サッカー界から消滅するのを防ぐことが願いだと言う。クラブ存続危機からわずか24時間後、オーナーを名乗り出た彼はまさに救世主であろう。
イタリア人はユーモア好き。巷では早くもこんなジョークが口にされる。新チームのユニフォームは黒いシャツに黒い靴下なのでは、と。いやいや、そんなことはない。クラブの伝統的なユニフォームは、ラグーザの空色、コバルトブルーだ。イタリア代表チームと同じく、地元ではアッズーリGli azzurriとも称される。新オーナーの仕事柄、これは天国色とも解せるが、そこに葬儀社の十字架が描かれないことを祈りたい。
ラ・プレーチェ社は訳すと「祈り社」。ラグーザ市民の祈りが天国ではなく、この世で実りますように。
人気blogランキングに参加中 クラブの復興を祈りましょう・・・。
7月12日正午、来年のセリエD参戦のための必要書類一式と登録料がローマのサッカー協会本部に届いていないことが判明。チームは事実上解散と見なされた。
発足以来58年間、プロのCリーグで一度の中断もなく参戦してきたクラブ。その歴史に穴を開ける不名誉な事態を国営放送が報じた。地元の老齢ファンも動揺が隠せない様子だ。
(写真:7月13日、国営放送シチリア地方ニュースより)
事実関係を調べると、クラブには70万ユーロ(1億1,200万円)に上る長年の借金があり、セリエD(2007年秋より降格)への登録に必要な経費が捻出できなかったという。イタリア・リーグに正式登録されなければ、クラブは存在していないも同然、もしくはアマチュア・チームでしかなくなる。ラグーザ県知事にも応援要請があったが、この財政状態ではもはや打つ手も無く、クラブを手放すことを承認した。
ところが、この憂える事態を救ったのがラグーザの葬儀社ラ・プレーチェ社長、ジュゼッペ・リンマウド氏であった。7月13日正午過ぎ、同氏はラグーザ市長を迎えての記者会見で、クラブの膨大な借金を肩代わりし、新オーナーとなることを表明した。
地元で名ある企業家だが、単なるクラブの買収ではなく、ラグーザのサッカー・クラブの復活と、イブレオ高原(シチリア南東部の丘陵地帯)の県庁所在地クラブがイタリア・サッカー界から消滅するのを防ぐことが願いだと言う。クラブ存続危機からわずか24時間後、オーナーを名乗り出た彼はまさに救世主であろう。
イタリア人はユーモア好き。巷では早くもこんなジョークが口にされる。新チームのユニフォームは黒いシャツに黒い靴下なのでは、と。いやいや、そんなことはない。クラブの伝統的なユニフォームは、ラグーザの空色、コバルトブルーだ。イタリア代表チームと同じく、地元ではアッズーリGli azzurriとも称される。新オーナーの仕事柄、これは天国色とも解せるが、そこに葬儀社の十字架が描かれないことを祈りたい。
ラ・プレーチェ社は訳すと「祈り社」。ラグーザ市民の祈りが天国ではなく、この世で実りますように。
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by hyblaheraia
| 2007-07-18 18:53
| 政治・社会
シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。
by hyblaheraia
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