こんな日に宗教行列?!

 先週の木曜日、大学の授業から帰ってくると、我が家の教区でちょっとしたざわめきが聞こえた。大勢の人が一斉にしゃべるような、はっきりしない鈍い音である。次第にその音が近付いて来る。

f0133814_6531590.jpg 「たとえ我々が罪深くとも・・・!」 一人のシニョーラの味のあるラグーザ訛りが拡声器を通して教区に響き渡っている。「・・・罪深くとも・・・!」その他大勢の人々も同じ言葉を繰り返す。
 角から現れたのは宗教行列(processione)。長白衣を来た3人に先導され、感謝の言葉を繰り返しながら、長い列が教会への急な坂道をゆっくりと上がっていった。
 参加しているのは老人が大半だが、親に手を引かれる子供や、若者もまずまずいる。全身黒に身を包み、黒いロー・ヒールを履いている年配女性は未亡人である。
 ここラグーザでは、まるで映画の世界のように、黒い服しか着ない未亡人が事実存在する。だが全身黒でもあまり悲壮感が漂って来ないから不思議だ。イタリアのシニョーラらしい、なにか独特の赴きがある気がする。

 それにしてもラグーザは本当に宗教行列が多い。こんな普通の日に突然出会うと、いったい何の祝いなのか皆目検討も付かない。バルコニーからこの行列を眺めていたお向かいさん夫婦に聞いてみると、復活祭から55日目の「聖体節 コルプス・ドミニCorpus Domini」の宗教行列だと教えてくれた。ほー、そういう記念日があったのかと、ルカともども感心する。

 キリスト教における〈肉と血の秘跡〉(信者がキリストの肉と血を象徴するパンとブドウ酒を受けること)は、最後の晩餐の際、イエスがパンとブドウ酒を持ってこう言ったことに由来する。「取って食べなさい。これは私の体である・・・皆、この杯を飲みなさい。これは…私の血…である(マタイ26、26-30)。」
 結婚式や葬式のミサで何度か見たことがあるが、司祭はミサの途中で、キリストの肉であるパンと血であるブドウ酒を拝し、ミサの最後には信者にも聖体としてのパンを与える(聖体拝領)。そのパンに感謝を捧げ、祝福するのがこのコルプス・ドミニなのだそうだ。


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 宗教行列の途中には、天蓋で丁重に囲まれた司祭がいた。聖体の入った銀壷のようなものを手にしているのだろうか。ヨーロッパでは1200年代から、聖体を持ち歩く聖体行列が行われる伝統があるらしい。

 キリスト教暦は移動祝日やら聖人の祝日やらと、日本人には分かりにくいものだが、小さい時からそれらが日々の生活に溶け込んでいる人々にとっては、1年のリズムを形作る大切な瞬間瞬間となるのだろう。
 私も、あのシニョーラの「たとえ我々が罪深くとも・・・!」を聞いたら、復活祭から約2ヶ月経ったと思うことにしよう。食べ続けの復活祭から、どれほど体重が戻ったかを知るために。

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by hyblaheraia | 2007-06-12 08:46 | 祭り


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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