ラグーザからナポリへの船旅 -後編-
月明かりが黒い海に反射する鏡のような夜とともに眠りに就き、翌朝、ゆっくりシャワーなど身支度をして甲板に出てみると、
カプリ島が完璧な美しさで迫ってきた。風も、海も、空も、全て青い。
遠くにはイスキア島が臨め、ヨットと波の白さが際立つ群青色の海が果てしなく続く。
反対側の甲板に出てみると、朝靄に包まれたソレント半島が、まだ眠そうに海に身を横たえていた。そしてその先には、
我らを迎えるヴェズーヴィオ山が!ああ、ナポリだ、ナポリに来た、ナポリがすぐそこに。
海から見るこの山は、いつも旅人をこうして優しく迎えてきたのだろう。
ヴェズーヴィオを真正面から見たくて船首に向かうものの、強風にあおられ一人では進めず。ルカにつかまりながら、なんとか辿り着くと、風でスカートはめくれ上がり、髪は乱れ放題、コンタクトは乾いて飛びそうなので、そそくさと退散。
船内に戻ると、鏡に映った自分がボロボロのメドゥーサに見えました。大人しくソファーに座って下船の時を待ちませう。(この日は、女性の乗組員が二人も。夏で観光客が多いから?)
でもやぱり窓からこんな景色が見えると、甲板に飛び出してしまう。船の後ろには、有名な卵城(たまごじょう)。
このノルウェーの船はマンションみたい。そして船の向こうには、
丘の上に輝くサン・マルティーノ修道院と、ナポリ港!船が大きいせいか、建物がおもちゃのように見える。
この遠さなのに、指一本で建物や教会を見極めるナポリ人ルカ。
中央に見える緑の屋根はサンタ・キアーラ教会。手描きの美しいタイルで装飾された中庭で、学生時代ルカは一人で勉強していたそう(現在は有料)。
丘の上にぎゅっと並ぶ小さな建物は、ヴォーメロ地区の一部。おしゃれなショッピング街があって、ナポリの親戚も暮らしている。
近代の建物の間から顔を覗かすクーポラが面白い。実は少々危ない地区なのだそう。
と町を眺めていると、船が旋回し始めた。この滑走路のような所に後ろ向きで就けるため、ぐるりと回転するのだ。
ゆっくり回る間に、反対側の景色も見えてくる。これは丹下健三氏が設計した役所地区。ヴェズーヴィオを背景に、夕陽を浴びてギラギラ赤く光る高層ビルは、何度見ても違和感があるのだけれど。ナポリらしくないというか。(ビルの地下駐車場は暗くて汚くて、治安が悪いです。)
最後にヴェズーヴィオを真横に見て、そのまま後ろ向きに入港。
アナウンスを待って、自家用車やトラックで来ていない、我々、徒歩客が先に下船。
前日午後5時にラグーザを出て、翌日午前11時にナポリ港着、合計18時間の旅とは、ナポリはやっぱり遠いな。
追伸:ナポリまでの行き方
0.まずはラグーザから長距離バスでカターニアへ行く。それから・・・
1.飛行機でカターニア空港からナポリのカポディキーノ空港へ
2.電車でカターニア駅からナポリ中央駅、その他の駅へ
3.船でカターニア港からナポリ港へ
飛行機は速いけれど高い、電車は9時間かかり(途中で船に乗り換えたり面倒)値段は船とさほど変わらず。なので結局、船旅が最近の主流です。シチリア住民は常に20パーセント割引ですしね。
海から見るこの山は、いつも旅人をこうして優しく迎えてきたのだろう。
ヴェズーヴィオを真正面から見たくて船首に向かうものの、強風にあおられ一人では進めず。ルカにつかまりながら、なんとか辿り着くと、風でスカートはめくれ上がり、髪は乱れ放題、コンタクトは乾いて飛びそうなので、そそくさと退散。
船内に戻ると、鏡に映った自分がボロボロのメドゥーサに見えました。大人しくソファーに座って下船の時を待ちませう。(この日は、女性の乗組員が二人も。夏で観光客が多いから?)
アナウンスを待って、自家用車やトラックで来ていない、我々、徒歩客が先に下船。
前日午後5時にラグーザを出て、翌日午前11時にナポリ港着、合計18時間の旅とは、ナポリはやっぱり遠いな。
追伸:ナポリまでの行き方
0.まずはラグーザから長距離バスでカターニアへ行く。それから・・・
1.飛行機でカターニア空港からナポリのカポディキーノ空港へ
2.電車でカターニア駅からナポリ中央駅、その他の駅へ
3.船でカターニア港からナポリ港へ
飛行機は速いけれど高い、電車は9時間かかり(途中で船に乗り換えたり面倒)値段は船とさほど変わらず。なので結局、船旅が最近の主流です。シチリア住民は常に20パーセント割引ですしね。
by hyblaheraia
| 2009-08-08 18:49
| ナポリの実家
シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。
by hyblaheraia
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