タグ:自家製食材 ( 11 ) タグの人気記事

シチリアの野生オレガノの手もみ 2015

f0133814_01302431.jpg
 この香り、何年振りだろう。強烈な太陽が当たる草の茂みの匂い、少し土臭く、植物が本能的にもつ「緑」を想わせる匂い。それが乾燥されることで凝縮され、鼻の奥を突いてくる。
 ああ、この清々しさと強さ!そしてエメラルドグリーンの美しさ!シチリアの野生オレガノの魅力はまさにそこにある。

f0133814_01411990.jpg
 今年のオレガノは、花が既に枯れて茶色になっているのが難点。咲き始めたばかりの白い花の状態で摘めば、そのまま白く乾燥させられ、美しいオレガノに仕上がるのに。

f0133814_01303966.jpg
 そんなことを考えながら手もみ作業。両手からサリサリ、サリサリとこぼれてくるオレガノの感触と立ち込めてくる香りが懐かしい。
 以前なら、葉は入れず、茶色に枯れた花は爪楊枝で取り除き…、と細かくこだわりの手もみをしていたものだけれど。キッチンでいたずらをするリディアを監視しながら、手もみはおよそ10分で終了。

f0133814_01332007.jpg
 あまり満足していないオレガノとはいえ、2年前に友人からもらって使い続けていたものと比べると、色も香りも断然違う。

f0133814_01344428.jpg
 オレガノの手もみ作業は、これから来る夏への期待と覚悟のようなものを抱かせる。この香りとともに、もりもり食べて、夏を元気に楽しもう!

みなさん、良い終末を!


追伸:写真を大きくしてみたのですが、見え方はどうでしょうか?巨大で読みにくい?それともこれくらいの方が見やすいでしょうか?小さなタブレット型PCで書いているので、サイズの感覚がつかめず。ご意見を頂けると助かります!

[PR]
by hyblaheraia | 2015-07-18 17:21 | 料理 | Comments(6)

オリーヴの塩漬け+オイル漬け 2009

f0133814_014292.jpg
 最近キッチンの片隅には、味見用のフォークと種捨て皿が常備されておりまして…。2キロ分のオリーヴのオイル漬けが完成したのだから、仕方がないでせう。


 一粒一粒オリーヴを割り、塩水に漬けてアク抜きをすること17日間。どんなにこの日を待ったことか。いよいよオリーヴ坊主たちに魂を吹き込む作業開始。

f0133814_0202894.jpgf0133814_2339282.jpgf0133814_23384195.jpg
f0133814_2341658.jpgf0133814_2345767.jpgf0133814_23444716.jpg
f0133814_23521253.jpgf0133814_2352368.jpg
f0133814_0273710.jpgf0133814_0264282.jpgf0133814_23453042.jpg

 唐辛子、にんにく一片、フィノッキオ(ういきょう)を葉も一緒に入れるのが私の趣味。オリーヴオイルが大量に必要なので、サンサsansaと呼ばれる廉価の二番絞り?を使用。酸っぱいもの好きの私独占用として、瓶二つ分はお酢も入れて、赤リボンで目印。
 行商のラッファエーレが持ってきた見事なフィノッキオと、トラーパニ産の赤にんにくが光る、私だけのオリーヴ。ニマニマしてしまう。

 ああ、こんな些細なことがなんて楽しいのだろう!手をかけて、ゆっくりと作ったオリーヴには、手作りピタパンまで用意してしまう(ルカ作ですが)。素朴だけれど、愛情を込めた食卓に大満足な日々。
 (ただし、オリーヴの食べ過ぎでニキビがボコッと…。)
[PR]
by hyblaheraia | 2009-11-02 01:32 | 変わった野菜と果物 | Comments(18)

オリーヴの塩漬け 2009

f0133814_6112656.jpg
 そろそろオリーヴが出る頃だとアンテナを張っていたら、こんなツルツル坊主たちと遭遇。1キロ=2ユーロという安さ!しかも虫食いはほとんどなし。
 おじさんが両手ですくいながら、ゴロゴロ音を立てて紙袋に大人しく収まる坊主たちを2キロ連れて帰り、

f0133814_615158.jpgf0133814_61524100.jpgf0133814_615547.jpg
f0133814_6171834.jpgf0133814_6174693.jpgf0133814_618657.jpg

 楽しい、楽しい、作業の始まり始まり。
 まずはしっかり水洗いして、虫食いの粒はナイフで切って食べられる所は使いませう。そして最も楽しい、オリーヴに割れ目を入れる作業は、タオルとビニールを巻いた特性金槌を使って、一粒一粒に愛情を打ちこむように。オリーヴェ~、ヤイヤ~、ほ~いほい、と仕事歌を歌いながら。
 疲れたら手を休め、割れ目から染み出るオリーヴのミルクを愛で、溢れる青い香りを吸い、汗を一杯かいて頑張ったツルツル坊主たちに話しかけ、また元気に続けませう。

 全てに割れ目を入れたら、塩水に入れ、ふたをして日陰に置きませう。これから1週間ほど、朝、夜2回、ざるに上げ、ツルツル坊主たちをお風呂に入れるようにきれいに洗い流し、新しい塩水と交換してあげませう。
 日中も度々ふたを開け、顔を見ながら話しかけて。愛情を注ぐほど応えてくれるでせう。
 

追伸:「オリーヴ 塩漬け」という検索ワードでこのブログがヒットするようなので、また途中報告などしてみたいと思います。
[PR]
by hyblaheraia | 2009-10-14 07:13 | 変わった野菜と果物 | Comments(18)

シチリアの野生オレガノ 手揉み2009

f0133814_1630996.jpg
 初物のオレガノを買いそびれ、6月末にようやく手に入れた二束は、アフリカからの熱風を浴びてしっかり乾燥され、色は濃く、深くなり、ぎゅっと詰まった感じに。今こそ手揉みの時!


f0133814_16303318.jpgf0133814_16305721.jpg
 まずは枝の下の部分と、花の部分とを分ける。
 束を解すとシャリシャリシャリッと葉が落ち、枝はパキパキッと軽やかな音を立て折れ、野性的な緑の香りが鼻から脳へと突き抜けていく。ああ、このシチリアの夏の香り!

f0133814_16323441.jpgf0133814_16341419.jpg
 手揉み道具も毎年同じ。菓子店の紙トレー、ろうと、蜂蜜の空きビン、新聞紙、めくられたカレンダー。色が白くて大きいから、小さな花とゴミを見分けるのに便利なのだ。

 そして今年の新しい手揉み道具は、ipod!!アレッサンドロ・スカルラッティ(有名なドメニコの父)の、野性的で原始的、かつ衝撃と躍動が交錯するトッカータを聴きながら、乾きと希求の関係を考え、ひたすらサリサリ、サリサリ・・・手揉みする。

f0133814_1635438.jpg
 夏のシチリアの大地の乾き、そしてこのエメラルドグリーンが放つ鋭い香り。たまりませんな。


f0133814_16364617.jpg

 日が陰ってきて良く見えなくなってきたので、二束目は翌日に持ち越し。

 明日は、シチリアの破裂的な眩しさの向こうにたゆたう、シジスモンド・ディンディアの悲歌を聴きながら手揉みしよう。

[PR]
by hyblaheraia | 2009-07-30 17:09 | 変わった野菜と果物 | Comments(12)

カルチョーフィのオイル漬け

 5月のことでした・・・。
f0133814_18361146.jpgf0133814_18363520.jpg
 
カルチョーフィ、チョーフィ、フィ~フィ~!!



f0133814_18385638.jpgf0133814_18391933.jpg 行商の八百屋のラッフェーレがカルチョーフィ(英アーティチョーク)の大束を持ってきた。
 25本で4ユーロ!
 値段を聞いて即、それください!!(普段は1個50セント)

 長さは1メートルくらい、重さは3キロ以上?。
 重くて指が痛くなるから、とフルーツを入れる厚手の紙袋で取っ手をつけてくれた。こういう心遣いは、ラッファエーレならでは。

 
 歩くたびに、モサモサ揺れるカルチョーフィの大束に、近所のシニョーラからの熱い視線が注がれる。オイル漬けを作るんです、と挨拶すると、偉いわね~brava, barava!と褒め称えられ(大げさ?)、やる気満々。
 そしてできたのが、
 
f0133814_19512857.jpg
 こちら。オリーヴオイル、唐辛子、ニンニク1片、塩、そして今年はミントで風味付け。
 これが大当たり。


f0133814_19451865.jpg
 柔らかく甘いカルチョーフィに酢とミントの爽やかさが浸みている中に、ニンニクと唐辛子がそれらの味をぐっと引き立たせ オリーブオイルが全てトロリと包み込んでいる感じ。
 この日は、張り切ってピタパンも作り、タコのサラダと一緒に付け合わせとして。トマトのサラダにも、カルチョーフィのオイルをかけて食べると、これがまた何とも言えない味の宇宙を創り出すのだ。

 素朴な素材でこんなに美味しく、身体にも優しく、手仕事の達成感で心も豊かになる。
 毎年5月の恒例行事なのでした。

カルチョーフィのオイル漬けの作り方・・・
[PR]
by hyblaheraia | 2009-06-17 20:42 | 変わった野菜と果物 | Comments(14)

野性オレガノの手揉み 2008

f0133814_21423938.jpg
 Origano selvatico di sicilia シチリアの野性オレガノ
 エメラルドグリーンの美しさに誘われて近付くと、野性味溢れる緑の香りが一瞬鼻を突き抜け、ぴりっと覚醒する。その直後、夏の乾いた大地と、ほのかな甘みが頭の奥の方、奥の方へと広がっていく。
 ああ、シチリアの夏の刺激的香り。

f0133814_21444291.jpg
 今年も行商の八百屋ラッファエーレからオレガノを購入。
 初物のオリーガノIl primo origanoが欲しいんです!まだフレッシュなやつを6束お願いします!友達にも頼まれているので、6束ですよ!
 携帯にまで電話をした私にラッファエーレはちょっと驚きつつも、オーケイ・オーケイと笑っていた。
 日陰で乾かすこと約3週間、その後、嵐のような天気が続いて再度乾燥。そして昨日、

f0133814_21434420.jpg
 隣町モディカに住む友人、modicanaさんと共に、初物オレガノの手揉み作業に着手。
 まずは長い枝を切り落として、
f0133814_2217188.jpg
 手揉みする部分だけを分ける。それを白い紙の上でサリサリッとほぐしていく。
 その間、野生オレガノの芳香が充満し、なんだかあれがやりたくなってきた。

f0133814_21453251.jpg
 ファッチャ・ディ・ヴェッチャfaccia di veccia = 老女の顔
 パンに良質オリーヴ・オイル、塩少々、オレガノをかけて食べるシンプルで贅沢な味。ああ、この自然の恵みの味にとろけそうになる・・・。そして、ついでにあれも欲しくなってきた。

 
f0133814_21464734.jpg
 ネーロ・ダーヴォラNero d'avola
 桃ワイン(サングリアのようなもの)をするために冷蔵庫で冷やしてあったので、もう最高。手揉み作業も忘れて楽しくおしゃべりし、飲んで、我々の笑い声は外にまで聞こえていたそうで・・・。
 地元のワインと、パンと、オリーヴ・オイルと、オリーガノ、そしてワインがあればこんなにも幸せ。


f0133814_2148527.jpg その後、ジェラート2種(ピスタチオ、トッローネ)を食べ、さらに今度はmodicanaさんのお土産の和菓子を頂き、忘れかけていた日本の季節感と繊細な味にうっとり。
 
 自然の恵みと季節の香りを目と鼻と口で大いに楽しんだ一日。
 子供のように早々と寝床について9時間も深く眠った。
 
 ああ、良い一日だったな。


(もしかして、オレガノには精神鎮静効果があるのでしょうか?)


シンプルな味に乾杯!
 
[PR]
by hyblaheraia | 2008-07-02 22:50 | 変わった野菜と果物 | Comments(28)

パスタマシーン不要の手打ちタリアテッレ

f0133814_3414458.jpg

 どうしても作りたかった手打ちタリアテッレ。
 ナポリの義母の地元で取れた胡桃が2kgもあり、ラグーザ伝統の台所道具、ウ・スカンナトゥーレとウ・ラザーニァトゥーレも買ったばかり。絶対上手くいく予感がしていた。何しろ口の中が数日前からふんわり手打ちパスタの味で広がっているのだから。


f0133814_2043397.jpgf0133814_2045943.jpgf0133814_2053086.jpg
セモリナ粉200g、卵2つ、塩少々、オリーヴ・オイル少々でこね始まる。
f0133814_2055654.jpgf0133814_206228.jpgf0133814_2064719.jpg
最初はボソボソ、バラバラだが10分もこねるとまとまる。生地を20分ほど休ませてから伸ばす。
f0133814_2073421.jpgf0133814_2081646.jpgf0133814_20122234.jpg
伸ばしてたたみ、また伸ばし。数回繰り返したら麺棒に巻きつける。
f0133814_2084422.jpgf0133814_2092850.jpgf0133814_2010847.jpg
麺棒を転がしつつ、手の平を中心から外側へ滑らせて薄い生地を作る。そして切る。

f0133814_2016162.jpg で、こんなにできてしまった。
 普通、乾燥パスタは1人100gほどを食べるので、2人だから200g・・・と単純に計算したのだが、出来上がりは400g以上に。当たり前なことに今さら気づく。

 パスタマシーンがないので手打ちはずっと避けてきたが、麺棒に巻きつける方法なら簡単で軽い力でススーッと伸びていく。パスタマシーンを掃除して箱に入れて・・・という面倒な片付けが必要ないのがいい。
 思えば、この巻きつけ方式は、近所のリタの家でラグーザ名物フォカッチャを作ったときに覚えたものだった。ここのフォカッチャfocacciaはパスタ生地を破れそうなくらい薄く伸ばして作るのだが、その技術の応用で様々なパスタが作られている気がする。リタの家では、カウザネッドゥcausanedduもラヴィオリravioliもパスタマシーンなしで作っていたから。

 また地元料理の魅力にはまってしまった。
 さて、この大量手打ちタリアテッレ、どんなソースで食べるのでせうか。
 ・・・つづく。

巻いて伸ばして・・・!。
[PR]
by hyblaheraia | 2008-02-23 20:49 | 料理 | Comments(12)

自家製天然酵母の胡桃パン

f0133814_8295547.jpg
 自家製天然酵母を使ったクルミパン。
 焼きたては甘い香りがして、周りはコリコリ、中はふわふわで湯気がたっぷり立っていた。これに少量のオリーヴ・オイルと塩をかけ、ワイン飲めば、それだけで本当に美味しい夕食になる。
 義母の故郷(ナポリ郊外)では、どの家庭でもこの酵母を持っているそうだ。ヨーグルト菌のように、使うたびに少し残し、小麦粉とぬるま湯を足してまた使う。
 イタリアではビール酵母lievitoリエーヴィトを使うのが一般的だが、これは小麦粉の天然酵母で、義母の故郷ではクリッシトcriscitoと呼ばれている。crescereという動詞が「育つ」とか「大きくなる」という意味なので、直訳すれば「膨らみッシト」といったところか。

f0133814_8303566.jpgf0133814_831611.jpg 朝10時半、既に作業は始まっていた。夕べ一次発酵させておいた天然酵母に小麦粉とぬるま湯を混ぜ、こねて、整形して・・・。

f0133814_8313266.jpgf0133814_8321698.jpg
 義母の故郷の胡桃を生地にふんだんに入れる。私なら胡桃を刻んでおくが、義母は生地の上に大粒の胡桃をパラパラ乗せ、パンチ!パンチ!さすがベテラン主婦、とても真似できませぬ。

f0133814_833159.jpgf0133814_8334566.jpg 整形した生地は麻(通気性大)の布にくるみ、さらに保温性の高い毛布等をかけ、休ませる。
f0133814_8342110.jpgf0133814_8344978.jpg 寒かったので発酵に時間がかかり、8時間経過してようやく2倍程に膨らんだ。
 生地の中心に切れ目を入れ、200~220度のオーヴンで焼く。

f0133814_83804.jpg
 最近、パンを作ってみたいとずっと思っていた。パンの値段が著しく上がったこともその理由だが、やはり混じりけのない材料だけを使って、素朴で安心なパンが食べたかったからだ。朝食もチャンベッラciambellaと呼ばれるパウンドケーキのようなものを焼いて食べている。忙しい時はその限りでないが、ココア、シナモン、チョコレート、リンゴ、バナナ、ヨーグルト、抹茶など、その日家にある材料や気分で味を決め、気楽に楽しく作っている。オーヴンをつけるとキッチンが暖かくなるのという効果もあったり。

 チャンベッラがあるのとないのとでは、朝起きる時の楽しみが違う。自家製天然酵母のパンがあれば、毎日の生活がもっと楽しくなるんじゃないかな。つまり、食べる楽しみが・・・。

人気blogランキングに参加中 膨らみッシト・・・!。
[PR]
by hyblaheraia | 2008-02-18 09:48 | ナポリの実家 | Comments(14)

オリーヴの塩漬け完成 -伝統の味への意地-

 毎朝、紅茶を入れた後、毎晩、食事の片付けをした後、子供を風呂に入れるような気持ちでオリーヴの面倒を見てきた。青い香りを嗅ぎ、皮の柔らかさに触れ、彼らと対話しつつ、塩の加減を日々微妙に調整するのが実に楽しかった。
 11月23日夕方に塩漬けを開始し6日目、何気なく一つ食べてみると、あ、これは!ルカにも一口食べさせると、おお!と驚く。まさにその時が来たのだ。もはや食べるしかない。急遽、第一回目の試食と相成った。

f0133814_8352933.jpg しかしながら、いろいろつまんでみると、まだ下の部分が青くて硬いものもある。そこでまずは選別作業を行う。
 左上下:まだグリーン色が見えているものがあり、硬い。もう少し塩漬けが必要。
 右上下:触っても柔らかく、色もいい具合に渋い緑色になっている。

 ちなみに上段は塩漬け開始時に、傷のなかったきれいな実、下段は虫食い部分を切り取ったやや難有りの実。
 硬い実は再び塩水に漬けて、柔らかい実に味付け開始。

f0133814_8361253.jpg用意するもの
オリーヴ・オイル
にんにく一片
唐辛子

酢(お好みで)
オレガノ/あるいはフィノッキェット(フェンネルシード)
イタリアン・パセリ/あるいはミント
パセリの小口切り(お好みで)


 オリーヴ・オイルを全体に2、3回ぐるりとかけ、にんにくを刻まず入れ、唐辛子(好み量)、塩一つまみ、酢をいれるのならここで数滴、オレガノ一つまみを散らしてスプーンで良くなじませる。そこに刻んだイタリアン・パセリを加え、再びスプーンで良くかき混ぜる。これを10分ほど置いて味を馴染ませ、パセリがしんなりした頃が最高の味に!

f0133814_8375853.jpg 味付けは人によって好みが分かれるところだが、実験の結果、私の好きな味は:
オリーヴ・オイル、唐辛子、にんにく、塩、オレガノ、イタリアン・パセリ、のシンプルな組み合わせだった。
 フィノッキェットが入ると甘みが加わり味がばらついてしまう感じがし、セロリの小口切りはみずみずしさを足すけれど塩気を薄めてしまう気がした。は入れると上品な味に仕上がり、日持ちも良くなる。
 が、やはりワインのつまみとしてはこう、キュキュッと引き締まった塩気辛味を求めてしまうのだな。

 ああ、でもまさにこれを待っていたのだ。ネーロ・ダーヴォラを揺らしながら、それに負けない味を堪能し、手作業の一つ一つを回想する一時。噛んだ瞬間に弾け出す青い甘みは、初日にオリーヴを潰した時に見たあの乳白色のミルクであろうか。そして何度も塩水を取り替えた者のみが知る、この果肉の柔らかさ。

 こうした手作業の喜びを味わい、地元の味を自力でまた一つ学んだ充実感に浸りながら、ある意地を再確認していた。
 生涯をラグーザで過ごすのなら、地元の人の素養を私も会得したい。それがラグーザ人としての常識であり教養であるのなら、将来、我が家族にもしっかりと伝えねばならない。母が東洋人だから、と子供たちが言い訳したり、人々に後ろ指を刺されることがないように。

 オリーヴの塩漬けで、どれくらいラグーザ人に近づけただろうか。今わの際まで日本人だが、この地を愛する気持ちは彼ら以上であり続けたい。 
 ラグーザへの愛は、こうして地元料理からコツコツと育まれるのである。
  
人気blogランキングに参加中 オリーヴをつまんで郷土愛を語る・・・!。
[PR]
by hyblaheraia | 2007-12-03 11:20 | 料理 | Comments(21)

オリーヴの塩漬け

 初めは出来た商品を買っていたが、自分で作るようになったものがいくつかある。自宅で乾燥させ手揉みする野生オレガノ、筒とフレッシュ・リコッタを買って自分で詰めるカンノーリ、生地から作って揚げるラグーザ伝統のフリッテッレ(揚げ菓子)、テラスで育てたバジリコを刻んだバジルソース、ラグーザ製サヴォイアルディを使ったルカ風テラミス、冬に隔日で焼く朝食用パウンド・ケーキ。
 全てに共通しているのは、安く美味しく、たくさん食べたいという気持ちだった。そして今日もまた、自分で作る○○シリーズに新顔が増えた。

f0133814_3565332.jpg それはオリーヴの塩漬け。シチリア南東部の丘陵地帯、イブレオ高原産monti iblei産のオリーヴは、小ぶりで実が引き締まり、青々とした風味が特徴である。これを使ったキアラモンテ・グルフィChiaramonte Gulfiのオリーヴ・オイルは名だたるコンテストで金賞を受賞する名品揃い。
 そのオリーヴを塩もみし、にんにく、唐辛子、セロリ、フィノッキェット(フェンネルシード)、イタリアン・パセリなどと共にオイル漬けにした特産品がある。無類のオリーヴ好きの私としては、小腹が空いた時にチビチビつまみ、至高の幸せを味わう一品だ。
 あのオリーヴが常に家にあったら・・・。
 八百屋の店先で売られる収穫直後の生オリーヴ1.5kgに、遂に手が出てしまった。
 店のシニョーラは、塩水に漬けて朝夕水を取り替えたら3~4日で出来上がると言った。そこにオリーヴオイル、にんにく、唐辛子をかけて食べたらmm~!ミントも入れると最高よ!聞いた瞬間、制御不能に。

f0133814_358196.jpgf0133814_40183.jpg
 オリーヴの葉や砂などが混入しているので、まずは洗ってごみを取り除く。その後重曹bicarbonatoを入れた水に10分ほど漬け置く。こうするとガスが発生し、表面の細かな埃もきれいに取れる。ここの野菜は泥だらけなので、我々はいつもこうして洗う。
 きれいに洗えたら、表面のきれいなものと汚いものに選別する。手前はきれいなもの。

f0133814_41499.jpg しかし見れば見るほど、汚さにも種類がある。初めての作業で良く分からないので、汚いオリーヴ標本を作ってみた。左から1、2、3・・・と番号を付けると:
 2、5、7は表面が黒く傷んでいたが、ナイフで削ると中は白くきれいだった。これは使える。
 一方、1、3、4、6は虫食いの小さな黒い穴が開いており、どんなに削っても中まで虫の通った黒い道があった。こういうものは種の中に虫がいたりするので、きれいな部分だけ削ぎとってあとは捨てる。ルカは前に、種に入った虫を見つけてこのオリーヴを買いたがらなくなった。食品の混入物にはちょっと神経質なA型。対する私は、胃液で溶けるから大丈夫!と適当なB型。

f0133814_412846.jpgf0133814_421130.jpg
 時折、標本を見ながら汚さ基準を確認しつつ、傷んだ黒い部分は削り取る。虫食いもできるだけ取り除こうとしたが、一度もぐりこむと中まで進出するようで捨てるしかない。虫だってこんな美味しいオリーブ、一口でなんて止められないのだろう。
 それでも虫食いで捨てたのは20粒のみ(写真右)。本当にきれいなオリーヴだった。手前は優良オリーヴ、奥はやや難あり。
f0133814_43445.jpgf0133814_4124056.jpg
 さて、きれいになったオリーヴを今度は押し潰さねばならない。八百屋のおじさんは、野菜の入った木の柵で叩き潰して見せてくれた。確かに指や手で潰せるような代物ではない。瓶の底で潰すつもりだったが、とてもとても。金槌を取り出し、そのままでは硬すぎるので、布とビニールで巻いてみた。てるてる坊主に似た、オリーぶるぶる坊主。
 テーブルでガンガンやるわけにはいかないので、床に薄いクッションとビニールを敷き、そこで試す。が、ツルン!コロン!ピョーン!だめだめ、作業にならない。
 使い捨ての皿を置き、その端のくぼみに固定させてコン、コン!と潰す。おお、これだ!この方法だ。こうして作業のコツを得ていくのも楽しい。

f0133814_494886.jpg 割ると中身はこんなに白い。青りんごのうっすらとした若い苦さを思わせるフルーティーな香りが漂う。皿の上にはオリーヴのミルクが点々と。絞りたての果汁がこんな乳白色だったとは驚きだ。そして美しいエメラルド・グリーンの果実。
 ああ、こうして一粒一粒きれいにし、丹精込めて潰す作業に心が満ち足りていく。商品を買って完成された味を楽しむのもいいが、やって見なければ一生知ることはなかった作る喜びに、しばし酔いしれた。

f0133814_4103231.jpg 最後は、潰したオリーヴを塩水に浸す。塩の量は人によってまちまちだが、とりあえず舐めて塩っぽいと思うくらいの量にしてみた。様子を見て加減しよう。
 ちなみに容器はガラスと陶器。ステンレスだと変色しそうだし、プラスティックでは匂いが移りそうな気がしたので。手前ガラスが優良オリーヴ、奥の陶器は難アリ君たち。
 どんな味に変化して行くのだろう。これから毎朝、毎晩、水を取替えるのが楽しみだ。

 いつも行く小さな食材店で業務用の巨大なオリーヴの瓶を見つめ、これをまるごと買ったらおいくらですか?とシニョーラに聞き、そんなに好きなの?と笑われた。
 あのオリーヴが常に家にあれば・・・。その夢は膨らみ、少しずつ現実になりつつある。

人気blogランキングに参加中 数日後をお楽しみに・・・!。
[PR]
by hyblaheraia | 2007-11-24 09:42 | 料理 | Comments(11)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

掲示板

最近は・・・
早寝早起きして新しいことに挑戦中!
16/11/2016


迷惑コメント対策で承認制にしております。
::::: ::::: :::::

自己紹介に代えて


ご連絡等はコメント欄にお願いいたします

::::: ::::: :::::


2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


Locations of visitors to this page
2010年2月16日リセット
世界の赤い花びら!


Click for Comiso Air Station, イタリア Forecast

今日の月はどんな月?



ラグーザ ホテル

カテゴリ

全体
自然
生活
歴史
祭り
伝統・技術
料理
菓子
変わった野菜と果物
野鳥・昆虫・動物
大学・研究
政治・社会
音の絵:写真と音楽のコラボ
シチリア他の町
イタリア他の町
ナポリの実家
一時帰国
ブログ・・・周年とゲーム
未分類

タグ

(60)
(50)
(46)
(42)
(40)
(38)
(36)
(35)
(35)
(34)
(31)
(27)
(22)
(21)
(20)
(15)
(14)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(9)
(8)
(8)
(8)
(8)
(7)
(6)
(6)
(5)
(4)
(3)
(2)
(2)

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

以前の記事

2016年 11月
2016年 10月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 02月
more...

最新のコメント

明けましておめでとうござ..
by アイシェ at 07:35
> Mchappykun..
by hyblaheraia at 06:11
牛乳と油で生クリームがで..
by Mchappykun2 at 01:30
> アイシェさん それ..
by hyblaheraia at 17:09
今人間ドックが終わったば..
by アイシェ at 11:48
> Mchappykun..
by hyblaheraia at 06:20
> 鍵コメさん は..
by hyblaheraia at 13:37
東京にいらしていたのです..
by Mchappykun2 at 01:31
> 鍵コメさま ご心配..
by hyblaheraia at 19:29
> ゆうゆうさん 素早..
by hyblaheraia at 07:18

画像一覧

ブログジャンル

海外生活
音楽

検索

記事ランキング

ライフログ











お気に入りブログ

生きる詩
gyuのバルセロナ便り ...
ルーマニアへ行こう! L...
写真でイスラーム  
エミリアからの便り
アフガニスタン/パキスタ...
イスラムアート紀行
夫婦でバードウォッチング
La Vita Tosc...
パリ近郊のカントリーライフ
トルコ~スパイシーライフ♪
now and then
Vivere in To...
シチリア時間Blog
フィレンツェ田舎生活便り2
ふりつもる線
ちょっとスペインの別荘 ...
ぐらっぱ亭の遊々素適
ヴェネツィア ときどき ...
石のコトバ
ボローニャに暮らす
フランスと日本の衣食住
イタリア・絵に描ける珠玉...
cippalippaの冒...
スペインのかけら
Berlin Bohem...
VINO! VINO! ...
::: au fil d...
sizannet
イタリア料理スローフード生活
ペルー と ワタシ と ...
しの的エッセンinドイツ
PoroとHirviのとおり道
料理サロン La cuc...
カッラーラ日記 大理石の...
イタリアの台所から
オルガニスト愛のイタリア...
Animal Skin ...
しのび足
道草ギャラリー
白と黒で
ちまもの読書日和
andante-desse
il paese - p...
やせっぽちソプラノのキッチン
坂を降りれば
A Year of Me...
お義母さんはシチリア人
Espresso!えすぷ...
シチリア時間BLOG 2
London Scene
hatanomutsum...
小鳥と船
mi piacciono...
カマクラ ときどき イタリア
やせっぽちソプラノのキッチン2

外部リンク