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風に巻かれて -ヴィヴァルディのオペラの翻訳-

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 何の迷いもなく、ただその目的に向かって吹きすさぶ風。何度も何度も地面を叩き、木々を煽りながら、無心にそこへ向かう。読者は強風にぐいぐい押され、運ばれていくうちに、自ら足を早め、傍若無人な風を乗り越えて先に目的地の光景を見たい衝動に駆られる。

 そんな体当たりで息せき切るような感覚が良い作品・台本にはある、カットや改編が成されていても・・・、と感じながら、東京の信じられないような蒸し暑さの中で、一人風に巻かれていた2014年の夏。アポストロ・ゼーノ台本の構成力にうなり、ヴィヴァルディとジャコメッリの煌びやかで躍動感に満ちた音楽に、完全に心をもぎ取られた。スコアはそこにあるだけで、五線を自由に駆け抜ける音符が音楽を響かせているようだった。

 ヴィヴァルディのオペラ、《メッセニアの神託 L'Oracolo in Messenia》の日本公演に向けて、台本の日本語訳を担当。ファビオ・ビオンディ率いるエウローパ・ガランテと素晴らしいソリストたちが横浜で上演されます。演出は彌勒氏。
 この舞台を聴きに行くことができず本当に残念だけれど、ラグーザでスコアを見ながらオペラの世界に思いを馳せています。関係者の皆さん、舞台のご成功をお祈りしております!!


神奈川県立音楽堂 開館60周年記念特別企画
サイトはこちら
音楽堂バロック・オペラ ヴィヴァルディ 「メッセニアの神託」全3幕
ファビオ・ビオンディによるウィーン版(1742年)の再構成版 【日本初演】
公演日時: 2015年02月28日(土)~2015年03月01日(日)  15:00開演 (14:00開場)

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by hyblaheraia | 2015-02-22 19:08 | 大学・研究 | Comments(4)

ステッファーニのカンタータ -音楽がもたらす出会い-

 もう3年半程前に一時帰国した際、学部・大学院と長年お世話になった指導教官にご挨拶のメールを出すと、「たまたま飲み会が用意されているのでぜひ来てください」との相変わらずの楽しいお返事が届いた。早速出かけて行くと、6年程姿をくらましていた私をまるで幽霊を見るかのように、ゼミの先輩たちが悲鳴を上げて驚いたことを今でも忘れない。終電になるまで場所を変えて飲み明かし、すっかり偉くなった先輩たちにご馳走になり、良い刺激をもらって帰途に着いた。シチリアにいても頑張らねば!と思いながら。

 この小さな飲み会での再会は、後に私に大きな喜びを与えてくれることになった。ほぼ10年ぶりに再会した学友の人脈を通じてイタリア・バロック音楽を専門とする若手声楽家たちを知り、彼らの演奏活動のお手伝いをする機会を得ている。普段は史料や本や楽譜を相手に考えをまとめることが主な私の研究にとって、実際の音楽に触れながら仕事ができるというのは望外の幸せ。

 今回リリースされる《アゴスティーノ・ステッファーニの2声のための室内カンタータ集》には、解説と対訳という形で関わった。9月半ばに連絡を受け11月末の締切まで、リディアを寝かしつけてから深夜2時に夜泣きで起きるまでの数時間、少しずつ少しずつ資料を読み進め、日々寝不足と戦いながら何とか締切に間に合わせることができた。これは自分でも全く信じられなかった!

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 それも全ては素晴らしい音楽と演奏に依るもの。ステッファーニという作曲家は外交官でもあり、聖職者でもあり、作曲家としては少し固い人だと思っていたけれど、音源を聴いた瞬間にその考えが突風に飛ばされるようだった。この優美で飾り気のない、自然な声の重なりは何だろう。そして彼の音楽に全身全霊で心を寄せようとしているこの演奏のみずみずしさ!

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 資料のないラグーザに居ながら、実家の母、友人夫妻、そして関係者からスキャン・データや音源を次々に送ってもらう。彼の音楽に聴き入り、心を震わせながら資料を読んだ。彼の苦悩、そして音楽に慰めを求める姿に深く同情しながら。
 
 ああ、音楽というのは人の心をこうも満たし、清め、繋げるものなのだろうか!3年半前の再会から現在の新たな人脈、そして過去の音楽家の声を聴き、遠いラグーザでそう思う。
 さあ、その音楽のために、私ができることを探し続けよう。音楽がもたらす新たな出会いを求めて!幽霊にならないように。

::: ::: :::

A. ステッファーニ:2声のための室内カンタータ集
阿部早希子(ソプラノ)&古楽アンサンブル ファンタジアス
ALM RECORDS
2,980円
2014年2月7日 発売


声の透明感、作品の解釈、ふわりと浮くような柔らかな響き・・・。とにかく素晴らしい演奏です。ぜひお聴きください!アマゾン等で発売中。
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by hyblaheraia | 2014-02-07 00:10 | 大学・研究 | Comments(8)

ハチャメチャな思い出とともに

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 思い出すのは昨年、2012年の夏のこと。床にも机にも椅子にも、本やら楽譜やら、コピー資料、CD、CD解説などをまき散らし、妊娠6ヶ月で大きくなったお腹を労わりながら、とにかく一日中パソコンの前と床で原稿を練り、書いていた。真夏の暑さは体温の高い妊婦には堪えるもので、毎日なにかしらのアイスクリームを食べ、夜はコンビニにお散歩と称してまたアイスクリームを買い、そうして8月末の締め切りに何とか間に合わせた。
 そして2週間後、資料がちらかる家から都内へ引越し。普段の3分の1くらいしか体力がなく、実に歯がゆく、ハードな夏だった。

 さらに思い出すのは出産後のこと。原稿の手直しのため、生後1カ月を過ぎたばかりのリディアを抱っこひもに入れてパソコンに向かった。5月はチェスティ・コンサートの準備と並行して改稿作業を進め、夜眠らないリディアに翻弄されながら、朝方までパソコンの前でコクリ、コクリしながら書いていた。そして締め切りがなんと、シチリア引越しの前日!もはや頭も身体もいくつあっても足りないくらい、ハチャメチャな感じだった。

 無事、シチリアに到着し2012年から続いた猛烈な日々を思い出しながら、穏やかに過ごしていたある日。4MBもある重いメールが届き、開いてみると初校の訂正要請。時間を少しずつ見つけて、何とか仕上げたのはつい最近のこと。

 そんな壮絶な思い出のこもったオペラ事典。バロック時代の用語、人名、作品を中心とした項目を担当。
 500ページを超える日本で最初の書き下ろしのオペラ事典となります。オペラ好きの皆様、ぜひどうぞ!

『オペラ事典』
戸口幸策・森田学[監修]
東京堂出版 2013年9月12日刊行
4600円+税

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by hyblaheraia | 2013-09-13 09:11 | 大学・研究 | Comments(10)

チェスティ・コンサート報告

 「チェスティ生誕390年記念演奏会 ~甘美なる嘆き、優美なる情熱~」
 このタイトルを決めるのにも半年くらいかかっただろうか。最初にコンサート企画のお話を頂いたのが2年前。当初はカンタータのみコンサートにする案だったけれど、いろいろな方のご意見を聞き、少しずつ修正し、最終的には私が想像していた以上の内容豊かなコンサートになった。

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(ゲネプロより)
 途中、私の妊娠が分かり、関係者を驚かせたとともに、コンサートの準備全体に大変な迷惑をかけたことと思う。降板も考えたけれど、全チェスティ・プログラムの機会など二度とないだろうし、なによりもチェスティの音楽が自分の目の前で立ち上がり、人々の耳と心に届く瞬間に私は立ち会いたかった。

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(ゲネプロより)
 膨大かつ長大な作品からの選曲、楽譜の準備、毎月の例会での指導、資料の作成、大量の対訳作成。妊娠中から出産、産後と、体力の限界と戦いながら、気持ちだけは決して弛まなかった。

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(舞台上へご挨拶に)
 17世紀の手稿譜を現代譜に起こす作業では、かつて何度もぶち当たった問題とまた向き合った。これは記譜ミスなのか、はてはチェスティの斬新さの表れか?チェンバロの先生のご辛抱強く温かいご指導の下、演奏に耐え得る楽譜を整え、ようやくオケ合わせへ。
 弦楽器の柔らかで澄み切った音が、即興的な装飾を伴いながら、すじ雲のようにさらり、さらりと重なり合う時の悦び。楽譜上で静止した音符が息を吹き込まれ、流転し、チェスティの声を聴くようだった。

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 バロック・ダンスとのコラボレーションによって、宮廷で演奏される音楽というものに対して、どれほどのイマジネーションを得たことか。ダンスをする身体のほんの少しの動き、止め、視点、目線がいかに多くを語るのか。非常に学ぶところが多かった。
 当初の案ではグレーだったであろうこのコンサートが色を帯び、華かさを表現し得たのは、バロック・ダンスの世界とダンスの先生のステージングの賜物。このような貴重な出会いができたことを心から嬉しく思っている。

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 今回のコンサートのため、私たち家族は家族となったその日から5ヶ月間、日本とイタリアで離れて生活をした。ルカには随分寂しい思いをさせてしまったけれど、常に惜しみない理解と協力を示してくれた。実家の両親の協力もまた然り。
 さらにコンサートの係の皆さんの、チーム・チェスティと名付けた強力な連携も素晴らしかった。そして全チェスティ・プログラムという、ややもすれば失敗に終わりかねない企画を任せてくださった監修の先生に、改めて感謝の気持ちを伝えたい。

 学生時代、チェスティはその音楽を通して、苦しみや葛藤、その向き合い方を教えてくれると感じていた。あれから10数年経ち、今はチェスティの音楽が多くの人との出会いを可能にし、新たな知見を与えてくれると感じている。以前には見えなかったものへと、私を向かわせてくれている。

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 コンサートはチケットほぼ完売、盛会に終わりました。駆け付けてくれた方々、教え子の皆さん、ありがとうございました。お会いできて本当に嬉しかったです!
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by hyblaheraia | 2013-06-04 09:56 | 大学・研究 | Comments(12)

チェスティ生誕390年コンサート

しばらくの間、この記事をトップに置きます。最新の記事はこの下から始まります。


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 17世紀イタリアの作曲家、そして聖職者、アントニオ・チェスティ(Antonio Cesit, 1623-1669)。
 彼の人生と作品に魅せられ、無我夢中で追い続けた大学院時代の8年間を思い出す。チェスティの作品が知りたくても楽譜など売っていないから、17世紀の手稿譜を求めてイタリアの図書館に手紙を書き、FAXを送り・・・。けれども返事はなく、突然マクロフィルムが送られて来て、喜ぶのも束の間、マイクロリーダーで一コマずつ見ていくと、請求した楽譜は全部入っていない。イライラしながら数年が過ぎ、いよいよ待ち切れずイタリアの図書館に出向くことに。

 そうして各地の図書館を一人で訪ね歩き、どこへ行っても、あの子供は何だろう?と不思議な顔をされながら、大学教授たちが顔パスで書庫に出入りしたり、時間外なのに史料請求できたりするのを横目に、毎日、しぶとく、見たい史料が手元に来るまで、閉館までとにかくねばった。

 そんな思い出が詰まったチェスティの作品が、コンサートとして実現することに。今までは頭の中でしか鳴っていなかったものが、目の前で音楽として響き、立ち上がって来るのはなんと感慨深いことか。

 チェスティ生誕390年。ヴェルディとヴァーグナーの生誕200年で盛り上がる中、あまり目立たないけれど、この節目を祝って東京でコンサートの企画・構成を担当しました。普段演奏されることのないカンタータとオペラ・アリアを取り上げ、バロック・ダンスも入ります。ぜひいらして下さい!


A. チェスティ生誕390年記念コンサート「甘美なる嘆き、優美なる情熱」
監修:嶺 貞子  企画・構成:佐々木なおみ
2013年5月10日(金)
18:30開演/18:00開場
イタリア文化会館アニェッリホール<九段下>
全自由席 4000円

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by hyblaheraia | 2013-04-09 05:00 | 大学・研究 | Comments(14)

NHKラジオ まいにちイタリア語

 20年程前、学食でご飯を食べていた友人の一人に、私の所属する楽理科ではなく、歌科(うた科・・・音大では声楽科をこう呼ぶ)の男の子がいた。他のうた科の男の子がいつも女の子に囲まれて、やたらと通る声を張り上げ目立っていたのとは対照的に、一人図書館で黙々と勉強していたり、楽理科で英語が堪能な子を捕まえて英語の質問をしたり、学食でお茶しても我々楽理科のダジャレ話や芸大ゴシップではなく、イタリア語の発音や詩の構造について、深く深く考えていることを話してくれたり。
 うた科なのに、うた科っぽくない人。でもその声はお腹の底から響く、低く渋いバス。背も高く、歌うと日本人離れした、不思議な雰囲気を持っていた。

 その友人と今はルカも交えて、三人で日伊の音楽文化について話し合う仲となっている。2009年にはイタリア音楽の神髄を伝えよう!と共著を出版、今年度はオペラ辞典の執筆メンバーとして声をかけてもらい、そしてこの秋から友人とルカはラジオに出演。

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 こんな立派なテキストとCDが書店に出るようになるとは。学食で大盛りの定食を食べながら、イタリア音楽とどう向き合っていくか不安を打ち明けあっていた頃には想像もしなかったな。

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 本屋でテキストを立ち読みするたびに、感慨深い気分になる。
 のだけれど・・・、ルカのこのロン毛写真に既に知人から反響が!今は髪がもっと短くて、それにもうちょっと痩せていて、もっとカワイイですよ。


NHKのサイトでも放送が聴けます。 こちらをクリック

  NHKラジオ まいにちイタリア語 応用編
  NHKラジオ第二放送
  毎週木・金 朝7:45~8:00(再放送 16:45~17:00)

宜しかったら聴いてみてください。
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by hyblaheraia | 2012-10-31 21:33 | 大学・研究 | Comments(10)

刷新!ブログもHPも

 ラグーザ新市街、枢機卿館 Palazzo vescovile の中庭で静かに瞑想するゴルゴーネ。葉の緑が揺れる音を聴きながら、私もこの数か月、ブログとHPについて改善策を考えていた。というのも、

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 ブログに載せた写真がGoogleの画像検索結果にずらりとヒットしたり、商用サイトに知らないうちにリンクがあったり、発信する情報の行方に責任を持たなければならないと感じていたことが一つ。
 ブログが3年目になり、右メニューが重くなってきて、やりたいことは多々あるのに、逆にコンセプトが不明瞭になっていることも一つ。
 ラグーザに6年も暮らしているのに、日本からのメディア取材に協力できる有効な手段を持っていないために、少々残念な気持ちになったことも一つ。
 その一方で、個人旅行の方からはたくさんのご質問があり、ブログの小さなコメント欄でしか情報を提供できないという煩わしさも一つ。
 またブログとは直接は関係ないけれど、我々の研究を日本で発表したり、一緒に活動して欲しいというお話があることも一つ。
 ならばもう少し大きな声で、我々のやりたいことを言ってみようと思ったことも一つ。

 そんないろいろなことをゴルゴーネのように夏のラグーザで、髪を振り乱しながら考えた結果は次の通り。


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1)画像をブログから取れないように設定
2)右メニューすっきり!(の予定)
3)それに伴い、ずっと放置していたHPをリニューアル
4)加えて、時々リクエストされることを我々の新たな活動の一端としてHPに記載
5)お問い合わせ用にメールアドレスを作成


 左は新しいホームページ:
 Hybla Heraia ヒブラ・ヘライア
 http://hybla.jakou.com/

 アドレスは以前のまま変わらず。

 ゴルゴーネの姿を見た人間は、彼女に石に変えられてしまったけれど、私はこんなに間近で見ても大丈夫だったみたい。
 でも、もしかすると頭だけやられたかな・・・(石頭)。

::: ::: ::: ::: :::

 長い間、放置してしまっていたHPの改善に、ようやく重い腰を上げました。新しい活動の一端として、イタリア語、ピアノ、ソルフェージュのレッスン、コンサートのプログラム解説、通訳、翻訳、コーディネートなどが記載されています。
 イタリア語の個人レッスンは既に始めています。虫の名前をイタリア語で!というご要望もOKです。ピアノはお弾きになりたい作品+連弾、を考えています。年末に発表会をして、イタリアワインを飲むというのも楽しそうですね。
 詳しくは、HPの「Progetti(プロジェッティ)」をご覧ください。
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by hyblaheraia | 2010-09-10 00:02 | 大学・研究 | Comments(14)

楽譜の製本SOS!

 ラグーザにクラシック音楽専門の楽譜店はないので、弾きたい作品はネットで探してプリントアウトしている。あれも、これも、と張り切って印刷するのはいいのだけれど、いつの間にかA4のぺらぺらコピー譜が大量に。

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 まぁそのうち製本しましょうと思いつつ、ぺらぺらめくりながら練習していたものの、次第に弾けるようになってくると気持ち良く没頭している時に次のページが見つからなかったり、ぺらぺら紙に譜めくりのタイミングを奪われたりして、ちょっとしたフラストレーションに。

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 音楽が途切れるのはとても良くないこと。やっぱり製本しよう!と思い立ち、3ページの小品からせっせとのり付け。でも4ページ以上の作品はどうする?特に長大な《ゴルトベルク変奏曲》はどうする?(写真右下の絵柄入り扉の楽譜 -チェルニー版-)
 なぜなら、製本テープがない!


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 こういう風にページをめくるために、楽譜に穴を開けずに製本するには?譜面台に置いた時に、きちんとページが開けるような製本にするには?

 日本だとどこにでもある製本テープ。下の紙の色も透けて見えて、上から字を書くこともできる優れもの。さっきグーグルで探してみたけれど、イタリアにはないみたい。そしてイタリアではコピー楽譜はスパイラル・リングで閉じるのが普通のよう。
 譜面台と鉄がこすれる音が嫌なので、絶対に紙か布にこだわりたい。今度の日本帰国まで待つしかないか…。
 ちなみに、製本が最も必要な《ゴルトベルク変奏曲》はまだ第5変奏で足踏み中なので、製本しなくても大丈夫とも言えるけれど…(第30変奏まであるので)。
 いや、いっそのこと、日本で楽譜を買えば良いだけのことか。
 それはなんだか簡単すぎて嫌だな。

 シチリアにいると苦労することに生きがいを感じるようになる、みたい。


ということで楽譜の製本SOS!
 製本テープに代わるもので50ページほどの楽譜をきれいにまとめるにはどうしたら良いでしょうか。スクラップブッグ方式は好きじゃないので、別の方法がありましたら…。目から鱗のアイディアをお願いします!一緒に悩んでくださるコメントも嬉しいです。解決にならずとも共に悩むことが大事なのであります。


追伸2:説明不足でした!製本には2種類のテープが必要です。1)コピー楽譜をくっつける不織布テープ、2)束ねたコピー楽譜の背の部分を綴じ合わせる布テープ。とりあえず1)を探しているのですが、8月のラグーザはゴーストタウン化し、店はみな休み。スーパーしか開いていないのでどうにもならず。もしかして、医療用テープでいいのかな?ならば薬局で買えるかも!
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by hyblaheraia | 2010-08-03 06:50 | 大学・研究 | Comments(20)

シチリアに図書館を!

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 ナポリ国立図書館5階、音楽部門、その一部にあるルッケージ・パッリ文庫。
 木彫の美しい入口には紋章と「カンポフランコの領主、エドゥアルド・ルッケージ・パッリ伯爵 1896」の文字。奥にも素晴らしい読書台が見える。

 ここで請求したのは、別に古いマニュスクリプト(手書き史料)ではなく、1980年代の論集。日本だったら母校の図書館にあって私以外に借りる人もいなく、貸出、延長、コピー、貸出…と我が物のように使っていた本なのに、今はわざわざ海を渡ってナポリまで来ないと見られない。しかもナポリが最短の図書館。ひどいな、この状況。
 学生時代は図書館にあるから安心して、コピーはちょっとしかせず。あの時、根気良く必要なページを全部コピーしていたら。あの本も、あの楽譜も、あの論文も…。

 大学の授業がない夏休み。周囲はヴァカンス、ヴァカンスと騒いでいるけれど、我々にはやっと訪れた貴重な勉強時間。そして、毎年ながら陥る史料不足によるイライラ症候群。勉強すればするほど、したければしたいほど、シチリアという場所が疎ましくなる。本土の出版社も夏休みに入って本が買えないし。買えても、8月のシチリアの郵便は半ばストップに等しいし。そもそも必要な本を全て買っていたら破産してしまう。図書館はそのためにあるのに。

 ああ、今日も叫んでしまう。シチリアの~~!


追伸の愚痴:近所のジョヴァンニ・ヴェルガ市立図書館は、8月は木曜に3時間のみ開館(信じられない)。1980年代の一般書と高校生までの本が中心なので、もちろん使えず。他都市の図書館とのインター・ローン・サービスなんて、有るわけなし。シチリアの文化教育は何とかしないと大変なことになるぞ!
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by hyblaheraia | 2010-08-01 07:25 | 大学・研究 | Comments(13)

溢れる喜び

 本当の喜びは、抑えられないものなのだろう。溢れ出し、溢れ出し、乾くことはない。

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 白が飛ぶほどの強烈な日差しにも、空の濃さにもも負けない夏の色。次第に膨らみが増し、手すりからこぼれおちそうな勢いで、ただ咲く喜びに溢れている。


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 目の奥に突き刺さるような強さと痛みが伴うほどに。
 テラスから室内に戻ると、一瞬目がくらみ、視界がしばらく黒い靄で覆われてしまう。それほど全てが強烈だということだろう。

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 強烈なもの。
 実態のなさを考える毎日の中で、昨日、あるものに出会った。それは実態のない世界で、音楽の実態に深く切り込むような演奏だった。

 実態がないからこそ、実態が何であるかを問い続け、全身全霊で突き詰めよう。実態的なものに頼らず、自身の身体と感覚を使って対象を際の際まで追い込んでゆこう。それこそが身体に刻まれた考察となり、自身らしい追及となるだろう。そう考えていたことを、その音楽は見事に表明していた。
 
 そしてその音楽には、歌う喜びが溢れていた。抑えられないほどに。

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by hyblaheraia | 2009-07-06 08:43 | 生活 | Comments(4)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

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2013年11月、共著出版



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1999年3月、共著出版


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