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最近の朝

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 朝5時40分の東の空。闇の端が朝日に場所を譲る瞬間。鳥たちが一斉に歌い出すのはもうすぐ。

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 まだ星も見えている。今日の、この時間の、東の空の、この高さなら、御車座のカペラかおうし座のアルデバランみたい。星座早見盤で確認。
 と、その時、ゴブゴブ・・・。来た来た!!


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 でももうちょっと遊んでいよう。クワガタ?のジョギングを応援し、ジャスミンの香りを楽しみ、空の色の変化を眺め・・・。ゴブゴブの音が強まって来た頃、そろそろ行くか!

 どこへ?


f0133814_20515393.jpg 水汲みにキッチンへ。

 熱さが続いているので水がちゃんと届くか心配で心配で、最近はこんなに早起きしてしまう。

 水が勢い良く届いている間に、可能な限り水を貯め、テラスの植物に水をやり(朝夕12リットル必要!)、洗濯物も手洗いでじゃじゃじゃっと。


 偶然発見した23:23の法則はきちんと機能していて、この夏はまだ一度も水なし生活にならず、なんだかかえって嫌な予感がしてしまう。
 無意識のうちに水の心配は日に日にエスカレートし、起きる時間も次第に早くなり、貯め込んでいる水もあちらこちらに。

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 ああ、でもこれを見るほっとするな。

 水を貯め込んでもいるけれど、使うのもかなり惜しんいる。二階のトイレのタンクが壊れたので、食器をすすいだ水や野菜を洗った水も貯めて、トイレ用に使ったり、テラスの掃除に使ったり、いろいろ。
 こういう水の二次使用システムが一般家庭に普及したら、世界中の水は相当節約できるのにな。

 
水問題をご存じない方へ:
 ここでは水は毎日一定量、タンクに溜められるシステムです。我が家では市の水道管から水を吸い上げるモーター(違法)を付けていないため、水が届かない事態が頻繁に起こります。シチリアの水問題については、タグの「水問題」をクリックしてお読みください。

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by hyblaheraia | 2009-08-04 21:39 | 生活 | Comments(6)

23:23の法則

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 毎晩、その時が近づくにつれ、あと3分!あと2分!と緊張が走る。そして23時23分。息をひそめ机の左上を見上げ・・・、
 ゴゴゴゴー、ゴゴー、チョロチョロ、チョロリ・・・。
 よし!明日も大丈夫。二人顔を見合せ、ほっと一安心。ギリシア古典劇の仮面モティーフも大喜び。

 これが最近の我が家の儀式となっている。屋根裏の貯水槽に水が少量届く時のゴゴゴー、これが聴こえるか否かで、明日の水の配給を判断しているのだ。名付けて23:23の法則
 ある日、ゴゴゴーっと音がした時に偶然、パソコンを見たら時刻表示が23:23だった。昔からゾロメが好きなので、はっきりと覚えていた。その数日後、また同じ音を聞いた時、ふと時計を見たらなんと23:23!
 もしや!!
 この音を聴いた翌日、水はあった。その後も1週間ほど、水はきちんと届いている。つまり夜に少量水が届けば、翌朝にたっぷり水が届くのではないかと。ゴゴゴーあらば憂いなし?

 理論的に分析すると、おそらく市の水道管の大元ポンプか何かにスイッチが入り、その勢いで一瞬だけ水圧が上がり、各家庭に少量の水が届く・・・・・・、と読んでいるのだけれど。
 全然違うかもしれないし、笑われるかもしれない。でも何も知らず突然水がなくなって落ち込むよりは、多少でも心積もりができている方が断然いい。明日は水が来ないだろうから、洗濯はしない、ランチはパンとハム、お米とパスタは作らない、常備している水を使い、それを受けるバケツを用意する(この水はトイレ用になる)など、水無し生活に必要なノウハウを落ち着いて準備できる。

 現在、23:23の法則を実験して2週間ほど経過。この音を聴かない翌日、水が来なかったら、ヒブラヘライア理論の勝利!!
 

追伸:ここでは水は毎日一定量、タンクに溜められるシステムです。我が家では市の水道管から水を吸い上げるモーター(違法)を付けていないため、水が届かない事態が頻繁に起こります。シチリアの水問題については、タグの「水問題」をクリックしてお読みください。
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by hyblaheraia | 2009-04-20 08:22 | 生活 | Comments(18)

雨と水無し生活

 雨が続いていたので嫌な予感はしていた。既に停電が起きたので、それで悪いことは起きたと安心してしまっていたのかもしれない。水がこの数日、全く届いていなかった。土曜日の夜、蛇口から水が一滴も出なくなるまで気付かなかったとは、何とも情けない。普段からあれだけ気をつけていたのに。

f0133814_1921760.jpg 雨が降れば停電と水無し、そして全てが滞る魔の土日。25リットルのタンク4つ分は水を常備しているものの、飲めるものではない。手や顔をすすぎ、歯を磨き、フォーク類を洗い、トイレの洗浄でほぼなくなってしまう。もちろん、すすぎに使った水は桶で受けて、それをバケツにためてトイレの洗浄に利用するし、食器は使い捨てのカップと皿しか使わない。
 それなのに、この大切な水も、あっという間になくなってしまう。先進国の人間はなんて贅沢に生きているのだろう。

 とりあえず、飲料水が必要だ。近所の店は全て休みなので、歩いて15分ほどの大型スーパーまで買いに行く。水がなければ料理もできないので、すぐに食べられるチーズやハム類も買う。

 買い物用のカートに2リットルの水が12本。この重さと道路の段差で、帰りはかれこれ30分近くかかる。ルカがいなかったらどうなっていただろう。いや、私はまだ若いから何とかなる。老人の一人暮らしだったら、どうなるのだろう。


 水がない生活はこんなにもめげるものか、と毎度のことながら思う。停電や寒さにはもう慣れたが、水無しだけは本当に落ち込む。けれども、水を吸い上げる違法モーターを付けるようなことはしたくない。と言いつつ、周り近所で洗濯物が揺れるのを見ると、正直者は馬鹿を見るのだろうか、と自分に嫌気がさしてくる。
 いや、そうであってはいけない。周りに迎合せず、信念を貫き、そこから何かを学び取ることが大事なのだ。世の中には恐怖に怯えて生死の瀬戸際にいる人たちもいる。彼らから見れば、数日待てば水が溜まる生活など、何てことないではないか。どんな状況でも、不条理と戦う気持ちを失ってはいけない。
 二人で励まし合いながら、過去の水無し珍事に大笑いし、アヤヤヤヤヤー!と雨乞いダンスをし、水の大切さと、我々の信念を、身体に深く刻んだ一日だった。


追伸:ここでは水は毎日一定量、タンクに溜められるシステムです。モーター(違法)を付けていない我が家では、水が届かない事態が頻繁に起こります。シチリアの水問題については、タグの「水問題」をクリックしてお読みください。

アヤヤヤー!    


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by hyblaheraia | 2009-03-09 20:13 | 生活 | Comments(12)

水なし生活2日目

 昨日から水が無い。またこの問題で生活のリズムがすっかり崩れた。
 シチリアには現代生活に当然必要な水道網がない。各家庭の屋上や屋根裏、あるいは地下には貯水槽servatoio, cisternaがあり、市の水道管から毎日、一定時間放出される水がそこに貯められる。蛇口をひねれば好きなだけ水が使える日本やイタリア本土では考えられない生活スタイルだ。(写真:屋根の上の貯水槽)

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 水の供給時間は公的には朝7時~12時頃までという。しかし我が家には毎朝1時間ほどしか水が届かない。しかも一旦、貯水槽が満水になると、それ以上は水が4階屋根裏の貯水槽に上がって来ることはない。
 それは、モトーレmotoreと呼ばれる違法モーターを使って、近所の人々が市の水道管から水を強引に吸い上げるからである。皆が我先にと水を引き上げれば水道管の水圧が一気に下がり、モーターのない我が家には水が上がって来ないのである。
 これがシチリアの水問題の基本的な状況。
::::::::::::

 さて、昨日シャワーを浴びているとき、水量が急に少なくなった。考えられる理由は2つ。停電か、水が終わったか。停電ならば、貯水タンクから水を押し出すプレスコントロールが止まったことになる。水なら・・・、言わずもがな。
 石鹸の泡が付いたまま水が終わるのと、風邪なのにドライヤーが使えず髪が濡れたままでいるのと、どちらかがましか思わず冷静に考える。慣れとはこういうものか。
 シャワーを終えて電気のスイッチに触れると、煌々ととライトが付いた。ああ、問題は水か。

f0133814_1420156.jpg とりあえず水がどれくらい残っているか確認するために屋根裏の貯水槽を見に行くことにした。
 この梯子を登った所にそれはある。

 水問題が度々起きるため、梯子は常にこうして置いてある。

f0133814_14175074.jpg こんな細く急な梯子をソロリソロリと。
 普段ならルカと共同作業でどちらかが梯子を支えるのだが、この時は一人だったのでとにかく冷静に。落ちないように。

 ちらっと写っているヘンテコなズボンは・・・。

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 屋根裏ファッション。
 シャワーキャップ、懐中電灯、テラス用サンダル(本当はスニーカーがベスト、階段の途中で脱げると危険なので)の他、エプロン、ジャブジャブ洗えるフリースとズボン。ズボンはつまずかないよう裾を3重に折リ上げて。足は怪我しないよう厚手の靴下。これは唐辛子繊維入りの冬用ポカポカソックス。
 準備完了で登るとそこは・・・。
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 こんな感じ。汚すぎて全部はお見せデキマセン!砂埃、丸太、余ったタイル、ハトの糞、鳥の卵があったりする(何の鳥か不明)。
 左のライトを探すために懐中電灯が必要。右が貯水槽。その前にあるのが水を押し出すプレスコントロール。これがないと屋根裏から水が惰性で落ちるだけ。シャワーはチョロチョロ。
 そして貯水槽の蓋を開けてみると・・・。
 水は底1センチも残っていなかった
 
 緊急事態なので、大学にいるルカにメッセージを。すると数分後、今日はこれで授業が終わりなのですぐに帰ると連絡があった。屋根裏ファッションを脱ぎ棄て、二人で近所に飲料水のペットボトルを大量に買いに行き、店で聞いてみた。水はありますか?
 昨日は来なかったけれど、今朝ちょっと来たわよ、と平静に答える客のシニョーラ。こういう状況が普通だと思っている。
 店の主人も君たちはモーターを付ければいいんだよと言う。それが違法であることを誰も知らない、いや、知っていても水がなければ生きていかれない!と権利を主張して皆が設置している。

f0133814_14191972.jpg そんな自分さえ良ければいい、目先のことしか考えない、大きな問題に立ち向かわず手っ取り早い方法で自分の周りだけ解決しようとするシチリアのやり方に幻滅する。こんなに素晴らしい文化と自然に囲まれ、素朴に暮らす人々が、なぜ水問題に対してはこうも利己的になるのだろう。

 嘆いていても仕方がない。近所の事務所で働く友人に、いつもの通り、水汲みに車を出してもらった。私は風邪で自宅待機。情けないな。
 25リットルのタンク4つで100リットル。これでとりあえず、今日の生活をしのぐ。こんな時、一人暮らしの老人や病人のいる家庭ではどうしているのだろう。

 さっき、わずかながら水が届く音がした。それと同時に、隣の家のモーターが普段にはない鈍い音で大量に水を吸い上げているのが壁伝えに聞こえた。虚しい響きだ。
 そして道端からも聞こえてきた。
 今日は水が届かないわね~!そうそう、だから新しい家に行くところなのよ!あ、そうなの。チャオー!チャオー!

 ラグーザ人は町に1件、海にも1件家をもっている。水がなくても逃げる場所があるから、水問題を深刻に受け止めないのかもしれない。
 この町ばかりでなく、この島全体の意識が変わるにはまだ1世紀くらいかかるだろうか。

水よ届け・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-04-19 18:04 | 生活 | Comments(4)

権利と義務

 雨が降るからといって水がなくならない訳ではないだろう。激しく降る雨を見ながら、ふとそう思った。そしてその通りになった。

f0133814_18531647.jpg 一昨日、我が家には水が届かなかった。この「届かない」という表現は断水ではなく、水はあるのに我が家にだけ来なかったという意味である。
 隣近所のベランダでは、洗濯された大きなシーツが風に揺れ、水があることを伝えている。ああ、またか。また家だけか。気が滅入って来る。
 いやいや、落ち込んでいてもだめだ。今日の水を確保せねばならない。ルカは友人に電話し、SOSを送る。農業用品店で買った25リットルのタンクを4つ用意し、友人の車で少し離れたカップッチーニ教会広場の水飲み場へと向かうのだ。「漏斗(ろうと)も持って行って!」夏にもやったことがあるので、水を入れるのに漏斗が必要なことを思い出した。こんなこと、慣れたくはない。

 シチリアの家庭には、貯水槽が2、3個、屋上や屋根裏などに設置され、ここに毎朝一定の時間に市の水道管から水が配給される。蛇口をひねれば、好きなだけ水が使える日本とは違い、こうして一日一定量の水を大事に使わねばならないのだ。

f0133814_18533878.jpg 我々は決して水を無駄にするような生活はしていない。洗濯は必要な時だけ節水コースで、入浴はせずシャワーしか使わない。食器洗いも汚れの少ないものから始め、すすいだ水を有効に使っている。そんな涙ぐましい努力も、たった一つのことで無意味になる。
 それはモーターmotoreである。縦に長い3、4階建てが一般的なラグーザの家では、市の水道管から送られてくる水の圧力では最上階にまで少量しか届かないため、水を引き上げるためのモーターを付けているのである。しかし、後で知ったのだが、これは違法なのだ。
 それを知っていてかどうかは知らないが、人々はモーターを設置する。水がなくては生活できない!と主張し、水を得る「権利」という言葉で違法行為を違法でなくしてしまうのだ。確かに、権利ではあるが、水を皆同じ条件下で得るという「義務」は何処へ行ったのか。自分さえ良ければ、という考えが自己を守るために使われるのは悲しいことだ。

 こうして周囲が当然のことのようにモーターで水を強引に引き上げると、我々の水も奪われてしまうのだ。もし我が家もモーターを付ければ、どこかの一人暮らしの老人宅で、水がなくなるかもしれない。
 なぜ市民一丸となって行政と戦わず、モーターという手っ取り早い方法で解決するのだろう。外から来た者として腑に落ちないことの一つである。シチリアの水道と鉄道業界は、背後にマフィアの手が潜んでいるというが、どうせ勝てない、嘆くしかない、ならば自分の周囲だけは堅固に守ろう、という悪循環はどこかで断ち切らねば終焉がない。
 水無し生活は今年で4回目。近所の人も、モーターを付けなさいと言う。が、違法を知っていて付けることなど絶対したくない。そういうメンタリティーが嫌いだ。多少の我慢をしてでも、自分たちが大切に思うことを大事にしていきたい。

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追伸:強がっていられるのも今だけ。年を取ったら、こんな水汲み絶対に無理!毎日、全く水が来ない状況になったら、モーターを付けるしかないのでしょう・・・。その時はご報告します。
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by hyblaheraia | 2007-11-21 20:08 | 生活 | Comments(12)

5日連続の不運 -後編-

 前日のブログ (5日連続の不運 -前編-) の続き・・・

不運3日目(6月26日) シチリア南東部は48度を記録。我が家も家の中で36度!暑さにうだっているとテレビが突如消え、パソコンの電源が電池に切り替わった。停電である。
 この日は、ラグーザの国際音楽コンクールに参加する日本の友人2人が到着することになっていた。彼らを迎えるのに家中暗く、この暑さの中、扇風機も使えない。ポンプが動かないため水は小指ほどしか出ず、シャワーもままならない、冷蔵庫も機能しない。飲み物や野菜はまだ良いが、f0133814_883415.jpg冷凍庫にはシチリア・マグロの最高級オオトロ1キロ分眠っている。このままでは腐ってしまうが成す術はない。電話機の表示が17:16で止まったまま5時間が過ぎた。
 その間、我が家に向かっていた友人にも問題発生。ローマ空港に2人の荷物が届かった上に、乗継ぎカウンターに長蛇の列ができて次のフライトに乗れなくなった。数時間後の便でカターニアに到着したが、ラグーザ行きのバスは既に終了。最終手段であるタクシーに乗ってこちらに向かうが、途中の山道では自然火災が随所で発生していた。めらめらと燃える山道を越えつつ、夜11時頃、2人はようやくラグーザに到着した。だが荷物は届かなかった。

不運4日目(6月27日) 昼頃、友人がシャワーを浴びていた時、ゴゴゴゴゴーと妙な音がした。キッチンの蛇口を開いても水が出ない。愕然とした。停電の次は水無し生活だ。
 友人に「断水」ではなく「水が無い」という状況を説明した。テラスから近所の家々の屋根にある貯水槽を見せ、シチリアの水問題を熱弁した。明日の朝まで水はないと伝えると、大抵のことは大丈夫な逞しい2人もさすがに驚きを隠せないようだった。
 この夜、近くでB&Bを経営するネッロ氏からいつも通り水の援助を受け、皆、汗臭いまま眠りに着いた。

不運5日目(6月28日) 水が届くか心配のあまり、朝4時半に目が覚めた。キッチンに上がり、蛇口をひねっても水は一滴も出ない。連日の暑さで4階は特に蒸れていたので、テラスの窓を開放し、もう一眠りすることにした。
 8時頃、ルカは二度寝している私を起こし、強張った表情でこの驚くべき事実を伝えた。
f0133814_82523.jpg 朝のカフェを作っていたルカは、鳩の鳴声がやけに近くに聞こえる気がしていた。寝ぼけていたし、テラスにいると思っていたが、ふと横を見ると鳩がキッチンを歩いている!ルカと目が合った鳩は慌てて逃げようとしたが、ローリング式の雨戸にバタバタぶつかり大混乱に。何とか外に追い出すと、居間とキッチンのあちらこちらにが撒き散らされていた!しかも昨日おろしたばかりの客用のランチョンマットとまな板にも糞があるのだと言う。
 慌ててキッチンに行くと、ルカの言った通りの事態に。信じられない。こんなことがあっていいのだろうか。床のタイルには、排泄間もないと覚しき水分を含んだ糞が散乱し、テーブルの上にはブドウ粒ほどの巨大な丸い糞が生々しく2つも転がっていた!!
 窓を開けた私ががいけなかった。責任をとるべく掃除をしようとした時、気付いた。昨日から水が無いのだ!普段ならモップを使って掃除をするが、水が無ければモップは使えない。いや雑巾でも何でもいいが、問題は水だ。水無しでどうやってこれを掃除するのか。
 途方に暮れていると友人がキッチンに上がってきた。一部始終を説明し、糞を踏まないよう散乱場所を確認し合っていたが、テーブルの糞団子を見るなり大笑い。こちらの緊張も解け、共に大笑いした。結局、消毒アルコールをキッチン・ペーパーに含ませ、気が狂ったように拭きまくった。(写真上:テラスを荒らしに来た鳩)


 数時間後、我々は水汲みを決行。現代の先進国で朝から水汲み、である。f0133814_21413013.jpg農業用品店で25リットルの水タンクを4つ買い込み、地元の友人の車で少し離れた公園の水道から水を汲んだ。
 タンク1つは25キロ、これを4つ後部座席に積み込み、タプタプ揺れるタンクを支えながら帰ってきた。100キロの人間が一人乗ったのと同じ重さ。これを階段で4階のキッチンまで運ぶのは想像以上にきつかった。
 手で持ち上げようとしても私の力では2、3段が限界。そこで体を斜めにし、両手でタンクを持ち、太もも辺りで支えながら1段、1段ゆっくり登った。人間の骨というのは案外頑丈にできているのだな、と感心しながら登る、そして登る。次の日、右の太ももにはあざが点々と。

 こうして毎日をつつがなく生きていくことで精一杯の今日この頃。カンタータの研究生活とは程遠いのである。

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by hyblaheraia | 2007-07-14 08:17 | 生活 | Comments(6)

水が無ければ・・・

 いつもの美容院に予約に行くと、店の前で美容院のシニョーラたちが立ち話をしていた。今日はもう閉店ですかと聞くと、予約しに来たんですか・・・?と暗い声。はい、と答えると、その瞬間2人の目の色が変わり、アヤヤアヤヤア、ドュブドュバッドュ!!!!!とラグーザ弁で機関銃のようにまくし立て始めた(私にはそう聞こえる)。

f0133814_7494853.jpg 実はこの数日間、水が出なくて仕事ができないのだそうだ。市役所に電話したが、町中の水道パイプが壊れているので復旧には時間がかかる、と言うだけで、何の措置もないとのこと。ここより少し上の我が家の地区で、2週間前に同じことがあったばかりなのに、またか!
 今月初頭に水無し生活を送ったので、その辛さは身に沁みて良く分かる。飲み水や料理用の水がないだけでなく、手が少し汚れても洗えない、食器も洗えない、トイレもシャワーも使えない、植物は枯れる・・・。あの時は水復旧に丸2日半かかった。一般家庭でも大変な事態だが、ここは職場だ。水を使う職場に水が無ければ、働くにも働けないではないか。シニョーラたちが激しく怒るのは当然だ。店には2000リットルの貯水槽があるのに全て空、成す術が無いとぼやいていた。
 過去5年間に2回、これで3回目だそうだ。我が家の場合も、過去6年間に4回同じことがあったと前の住人から聞いた。こんなに頻繁に起きるとは、シチリアの水問題は深刻だ。ナポリからシチリアに向かう鉄道の中で、隣に座った人々がこの話をしていたのを思い出す。本土とシチリアを結ぶ巨大な橋の建設などどうでもいい。ここに必要最低限の水供給システムと鉄道を作って欲しい。

f0133814_9294798.jpg こんな事態で行きつけの美容院が閉店ならば、自分で染めるしかない。もちろん他にも美容院はあるが、外国人である私はなぜここに住み、何をして・・・と身の上話を一から始めなければならず、それが面倒なのである。それにこの間、学生とのおしゃべりをしていて白髪を凝視されたことを思い出し、いよいよ決心が付いた。買ったまま怖くて使えなかったヘアカラーセットを今日こそ使う!
 前はきれいに染まるかが怖かった。が、今日は違う。シャワーで洗い流している間に、水が止まることが怖かったのである。カラー剤が付いたまま水が出なくなったら、いったいどこに駆け込めばいいのか。作業中、ずっと考えていた。そして思いついた、ああ、あそこだ!

f0133814_913586.jpg それはここ。ここしかない!ユネスコ世界遺産のサン・ジョヴァンニ大聖堂(Cattedrale di S. Giovanni カッテドラーレ)の庭の噴水。ここなら噴水が止まっていても水は常にこれだけある。
 この水を使えば、グリーンのメッシュも入ってきっとおしゃれに!

 そういえば、この間の水無し生活の時もルカと話していた。せめてトイレに流す水を確保するのに、どこかに噴水はないのかと。あればそこから汲んでこようと。
 ここに噴水はあるけど、先客が既に・・・。

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by hyblaheraia | 2007-06-19 09:59 | 生活 | Comments(3)

水復旧!

 今朝、7時から9時半まで水が勢い良く、そして絶え間なく届いた。屋根裏の貯水槽は7割満たされ、我々もほっとした。
 そして朝10時に市の水道技術者もやってきた。とは言え、我が家の高さや、外壁を伝う水パイプを眺めながら、水道メーターが道路近くにないことを指摘しただけで、特になにもせず帰ってしまった。この技術者曰く、市は水道メーターの設置場所までは責任もって管理するが、あとは個人で解決すべき問題なのだそうだ。
 そうなのだ。だから近所の人たちも自衛策を講じている。何もしなければ十分に水が届かないので、各家庭ではモーターを取り付け、圧力の弱い水道パイプから2階、3階、4階・・・へと強引に水を引き上げるのである。しかし、みながみなそれをするから、モーターの付いていない我が家の分の水まで他の家々に奪われ、今回のような事態が起きてしまうのである。

f0133814_21124511.jpg ルカが大家さん宅でこの問題を伝えたところ、我が家の1、2階に昔使っていたモーターがあるので、それを使ってみたらどうかと言われた。私は風邪で寝込んでいたのでこのことは知らなかったが、下階でガラガラ大きな音がして、後で行ってみると階段にこんなものが置いてあった。
 「モーター」である。
 ・・・・・・。

 随分年季が入っているが、これでいいのだろうか??昨日来た水道配管工のおじさんは、地上から水を10メートル吸い上げ、それをさらに5メートルほど押し出すだけの馬力のあるモーターが必要だと言っていた。これがそれなのか?!
 元水道配管工、現消防士の友人に今度見てもらおう。こんなアンティークのモーター、笑われちゃうかもしれないな。
 
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by hyblaheraia | 2007-06-05 21:42 | 生活 | Comments(6)

水なし生活2日目

 昨日の夕方6時から、我が家では水が一滴も出ない事態に陥っている。断水ではないし、隣近所にも水が届いている。では我が家の水道が壊れたのかと言うと、そうでもない。

f0133814_1271292.jpg ラグーザの一般家庭には必ず貯水槽(serbatoio)がある(写真の左に2つ、右奥にも1つ)。
 ベビーベッドくらいの大きさの貯水槽が2、3個、屋根の上やガレージの地下、あるいは屋根裏などに設置され、ここに毎朝6時か7時頃に、市の生活水パイプ(道路下などにある)から一定時間、水が供給されるシステムになっている。各家庭ではこの貯水槽の水を日々の生活に使うのだが、普通の生活をしている分には問題ない貯水槽から、なぜ我が家だけ水が出ないのか。

 以前にもブログに書いたとおり、我が家は急な坂道の頂上に立つ建物の、さらに3、4階にある。貯水槽は4階キッチン上の屋根裏にあるので、道路下に走る市の生活用水パイプからそこに水が上がっていくためには、ある程度の圧力が必要になる。
 しかしこの数日、どういう理由によるのかは分からないが、ラグーザ市が水の供給量を減らしたため、普段の給水の圧力が下がり、道路から10メートル以上の高さにある我が家には水が全く届いていなかったのである。
 屋根裏にある大きな貯水槽は、3つともスッカラカンに空。朝一番にルカが市役所に電話したが、まずは道路から貯水槽に水を運ぶ管が詰まっていないか、水道の配管工に調べてもらうようにとのこと。言われた通り呼んで調べてもらったが、何も詰まっていなかった。一応近所の人たちにも聞いてみると、水の圧力は弱いが水は来ていると言う。つまり彼らの家では、貯水槽が我が家よりずっと低い所に置かれているので、水は届いているのである。再び市役所に事情を説明すると、明日の朝に技術者を送るということになったが、こんな緊急事態になぜ「明日」なのか。スローライフはいいが、スローワークには腹が立ちっぱなしだ。
 
 今朝は9時から1時間ほど水が届いたが、それでも貯水槽の底わずか10センチ程しか溜まっていない。このままだと、我が家の貯水槽が満タンになるには、あと1週間はかかりそうだ。その間の生活はどうすればいいのか、本当に気がめいってくる。近所でB&Bを経営しているネッロとリタが、夕べ10時過ぎにありったけの容器を集めて水を20リットル用意してくれた。その水で我々がどんなに助かったことか。
 最近イタリアでは、水道民営化の話が出ている。反対意見が根強いのが救いだが、もし民営化されたら、普通の方法では水が届きにくい家々にコストをかけて十分な水供給システムを導入してくれるだろうか。水、電気、ガスは最低限の生活に必要なものであり、誰にでも等しく与えられる権利があるはずだが。
 明日の朝、市役所の技術者は何と言うだろうか。乞うご期待・・・。

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by hyblaheraia | 2007-06-05 02:10 | 生活 | Comments(0)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

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2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


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