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11年ぶりの復活祭

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 イタリアには”Natale con i tuoi, Pasqua con chi vuoi” 「クリスマスは家族と、復活祭は一緒にいたい人と」という言い方がある。ナポリの義母もよくそう言っているので、ついついその言葉に甘えて復活祭のナポリ行きはずっと見送ってきていた。この時期の帰省は、日本のゴールデンウィーク並の混雑でチケットも高騰するし、シチリアからの子連れの移動は本当に大変だから。
 けれども今年は、単調なラグーザ生活に飽きている(ように見える)リディアを従姉たちに会わせ、我々も少し違う空気を吸うために、ナポリで復活祭を家族と一緒に過ごすことに。気付けば、11年ぶりの復活祭!

 ナポリ市内、郊外、ボローニャ、シチリアから家族総勢20名が集まり、復活祭と翌日のパスクエッタをご馳走の数々とともに祝う。義母のお手製ラビオリはこういう機会に必ず出す一品で、他にも子羊のロースト、ペペローニと牛肉の煮物、カルチョーフィのフリット、付け合わせ野菜、ナポリの復活祭特有のカサティエッロという卵入りのパイ、パステッラと呼ばれる麦の粒入りの菓子パイなど、とにかくご馳走続き。

 とても楽しみにしていた11年ぶりの復活祭。けれども復活祭当日に発熱し気管支炎を患ってしまったのと、大人数のテーブルに着席したがらないリディアが大泣きしたこともあり、あまりゆっくり食事を楽しめなかったのが心残り。とは言え、リディアは5人の従姉たちに可愛がってもらい、大興奮して遊んでいたから良かった。巨大な卵型のチョコレートを5つももらい、ついにその魅惑的な味を知ってしまったのは、母として複雑な心境なのだけれど・・・。
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by hyblaheraia | 2015-04-13 08:35 | ナポリの実家 | Comments(6)

2歳の誕生日とケーキ週間

:::もう2か月も前のことですが、途中まで書いていたので、ラグーザ生活の思い出の一ページとしてアップします:::


 リディアの2歳の誕生会はラグーザで家族3人だけ。少し寂しいので、両親と弟夫婦にハッピーバースデーを歌ってもらおうと、日本時間の夜⒑時のスカイプを事前予約。ケーキは思い描いていたものがあったのだけれど、我が家にはオーブンがないので、炊飯器とフライパンで普通のケーキをひたすら練習すること2週間。誕生日前夜には見た目はまあまあなスポンジができ、ひとまず冷蔵庫に保存。あとは当日のデコレーションのみ、というところで・・・ハプニング発生!

 スポンジが固い!ベーグルみたい。
 
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 あれだけ練習して大丈夫だったのに、信じられない!スポンジから作り直すことになり、スカイプの時間に間に合わせるため、とにかく焦りに焦る。途中、両親と弟から「どう?」と電話が入り、ケーキがまだできていないと事情を説明し、ハハハやっぱりねぇ~と笑われ、焦りのテンションはさらに上がり・・・。
 結果としてデコレーションする時間もなく、お菓子作りを愛する私としてはあり得ないケーキの姿に。この通り巨大、そして大きさの割には中途半端なデコレーション。クリームもたらっと垂れているし・・・。 
 
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 でもリディアは特別な日だと分かっていて嬉しそうだったし、スカイプで家族にハッピーバースデーを歌ってもらい、アンコーラ!アンコーラ!と何度もキャンドルを吹き消して、楽しそうだったから良かった。ケーキ自体には興味がないらしく、全然食べなかったのが意外だったけれど。

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 この日は朝からナポリの親戚からお祝いの電話が何本も入り、日本のノンノとノンナ(祖父母)から届いたおしゃべりするフクロウ(成田空港で釘づけになったもの)を開け、夜には東京のお友達から元気なハッピーバースデーの動画が届き、とっても楽しい誕生日だったみたい。

 とにかく誕生会が無事終わって良かった。夜はどっと疲れが出て早々と就寝。けれどもまだ気を抜いてはだめ。というのも・・・

 (続きはこちらをクリック)
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by hyblaheraia | 2015-02-20 17:24 | 生活 | Comments(2)

ラグーザに戻り

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 12月半ばからナポリ~東京~ナポリと2か月弱の長旅を終え、ラグーザに戻ってきたのは2月4日。ナポリでの盛大なクリスマスと東京の楽しいイベント続きの日々が懐かしく、今はラグーザでの穏やかすぎる日々を送っているところ。ここは良くも悪くも刺激が少なく、特に行くところもないうえに、毎日激しい雨や霰が降ってきて、気付けばほとんど家に籠りっぱなしの日々。これを見越して日本からもってきたDVDもおもちゃも本も、リディアの興味をあとどれほど引き留めておけるのか・・・。
 ああ、太陽よ、早くシチリアを照らして!春が恋しくてたまらない!


 最後の更新からはや、数か月・・・。リディアの成長も目覚ましく、いろいろ報告したいことも。時々、記事を書いては途中で断念していたのだけれど、ため込まずに、ちょっとずつ書こう!と気持ちを入れ替え、今年もブログを続けていきます!
 気まぐれな更新ではありますが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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by hyblaheraia | 2015-02-18 18:39 | 生活 | Comments(6)

コグマのバースデー・ケーキ

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 ふくふくとした身体付き、キョトンとした目つき、突発的にはしゃぐ動き、ぶっきらぼうな感じなど、何となくクマっぽい雰囲気を持っているリディアを我が家では"Orsacchiottino コグマちゃん" と呼んでいる。

 1歳の誕生日ケーキにはクマの絵を描かなきゃ!とルカと二人で盛り上がっていて、お気に入りのケーキ屋さんでバースデー・ケーキを作ってもらった。下絵はルカ作。でもクマが妙に西洋風で、鼻が高いのは良いけれど、なんだかほうれい線のように見えてしまうので、もっと若いクマじゃないとダメよ!とケーキ屋さんのカウンターで描き直しを命ずる。
 さらに担当の店員さんに、ほうれい線のないクマで周りにお花を明るい色で散らして下さい、と頼むと、どんな花が良いか、いくつ散らせば、色は具体的に・・・?と困っていたので、マーガレットみたいなお花で、そうそう、そうです!と希望を述べていく。
 自信なさげに注文票に記入していた店員さんが最後にスッキリとした笑顔で言った一言、それは・・・
 「子供が描くような、かわいいクマさんですね♥」
 
 受取までの数日、ずっと気になっていたクマの顔。箱を開けて、なるほど確かに・・・。少しのっぺりと薄顔だけれど、かわいく仕上がったので良いでせう。
 友人家族に囲まれ、楽しく祝った1歳の誕生会。ロースト・ビーフをもりもり手づかみで食べて皆を驚かせたOrsacchiottinoよ!これからも元気に笑って、泣いて、すくすくと大きくなりたまえ!


追伸:昼寝をしない上に、夜は3時間置きに起きるリディアを抱え、パソコンに向かう時間はほとんど取れず。これからの更新は記事が少し短くなるかもしれませんが、溜め込まずに、サクサクとアップして行きたいと思っております。ブログってやっぱり楽しい~!もっと書かなきゃ!
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by hyblaheraia | 2014-02-02 10:23 | 生活 | Comments(8)

年末年始から最近

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 絵具を塗り込んだような真っ青な空と、そこをのんびり横切る雲。冬の快晴の日のラグーザらしい風景をゆったりと仰ぎたいものだけれど、リディアとの毎日は2倍速の時計に急かされるような慌ただしさ!

 昔はのんびりと眺めていた雲の流れも、空の濃淡も、夕陽から夜への変化も、天体の巡りも、私の知らないところで無音で高速回転している。1日は朝起きてからベッドに倒れ込むまで無我夢中。気付けば1週間が過ぎ、1ヶ月は風のように吹き飛び、季節は知らないうちに変わっていく。ある晩、ふとテラスに出た時は、冬の星座が眩いほど迫って来て、大きく胸を張ったオリオン座に、もう冬ですぞ!と叱られた気分だった。
 
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 さて、私にとって6年ぶりとなるナポリの実家での年末年始は、昔と何も変わりなく、家族親戚が賑やかに集まり、盛大なプレゼント交換があり、お義母さんの心のこもった料理と自家製ワイン、リキュールの数々を堪能。そしてもちろん、食後はカルタ・ナポレターナ(ナポリのトランプ)で盛り上がる。
 今年は、姪たちによる寸劇「赤ずきんちゃん」と「ハリー・ポッター」があり微笑ましかった。さらに、ルカの妹の誕生日には、姪たちとハッピー・バースデーを演奏し、そこにリディアも赤ちゃんの笛で参加し、大いに笑いを取った。

 こうして連日のフェスタと大都会の空気で消耗し、珍しく風邪などひいてしまった。それがリディアにうつり、母娘ともにドローンとした日々を送っていたところ、今度は私がインフルエンザに。38度後半の高熱にも関わらず、授乳中のため薬がまともに飲めず、頭の中ではアイロンがジュージュー、金槌ガンガンの気分だった。
 そして、つかまり立ちを始めたリディアから目が離せず、完治するのに10日ほどかかり、今日に至るという次第。
 そう言えば、ご飯が待てないリディアをなだめながら、慌ててパルミジャーノ・チーズを削っていたら、自分の親指もザリッと削ってしまい、かなり深い傷を作るというハプニングも。病気と怪我で始まった一年、悪い運を先に使ったということにしておこう。

 そんなことでクリスマス・カードも年賀状も出せなかったけれど、寒中お見舞いというのがあるそうなので、お世話になった方々にこれから書こうかな。
 ブログを観て下さっている皆様、なかなか更新できずにおりますが、やる気だけは満々なので、時々覗いて見てください。今年も皆様と楽しくコメント交換できることを楽しみにしております!
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by hyblaheraia | 2014-01-30 04:30 | 生活 | Comments(4)

洗礼式

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 10月5日、ナポリにてリディアの洗礼式を行う。親戚に囲まれ、祝福された、あの日の、あの喜ばしい雰囲気!私たちの周りは温かい光が溢れていて、皆が笑顔で、強い絆で結ばれているのを感じた一日だった。

 式の朝は嵐のような天気の中、10時半から着飾った親戚が続々と家に集まり、アウグーリ(おめでとう)!の歓声が何度も響く。カフェとナポリ菓子を食べながら朝から既に相当な盛り上がりで、リディアは濃厚なハグとチューを皆から受けながら、何が何だか分からない様子だったけれど、言われるままに黙ってベビーフードを食べ(腹ごしらえが必要かと)、白いドレスを着て準備。

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 洗礼式は我々が結婚したこの教会にて。10年前にここで結婚した時も嵐のような大雨で、ナポリ湾が荒れ狂っていたことを思い出していた。そしてここに今、家族3人で立ち、イタリアの親戚に囲まれ新たな一歩を踏み出すことに感謝しながら、幸せな空気を、何度も深く吸い込む。

 今回は我々の希望で特別に、トリエステにいるルカの従兄で神父のフェデリーコに来てもらい、ここで家族だけの洗礼式を行うことに。当日は典礼の決まり文句ではなく、彼の優しい言葉が所々に入り、家族に語りかけながら、時々ジョークが入って皆がくすっと笑ったり、温かく親密な雰囲気の中、丁寧な式が行われた。リディアも終始良い子にしていて、水をかけられても泣かず、私のスカーフで鼻をすりすりしながらリラックス。
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 洗礼式の後は、近くのアグリツーリズモのレストランで皆でランチ。総勢27人の大パーティーは、ナポリ料理を食べて、食べて、笑って、冗談を言って、心もお腹も一杯になった。まるで結婚式の披露宴のような準備で大変だったけれど、この日はルカの兄の誕生日でもあり、ランチの後は家に移動して、更にスプマンテを開け、リキュール、小菓子、ナッツ、サラミ、チーズ…と夜10時まで大いに盛り上がった。
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 結婚式同様、洗礼式の食事会でもボンボニエーレを配るのが習慣で、銀の置物などが一般的のよう。でも親戚友人から続々ともらって数が増える一方なので、敢えて消費できるものに。シチリアの家族らしく、ラグーザの蜂蜜とモディカのチョコレートのセットにしたら、これが大好評で、レストランの人にも余ったら下さい!と言われたほど。

 長い長い洗礼式の一日。皆、疲れたけれど、久しぶりに一同会することができ、イタリアの家族の強い絆と団結、溢れんばかりの愛情を実感。今後何が起きても、こうして強固な一枚岩のように家族3人で、決然と立ち向かって行こう!




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by hyblaheraia | 2013-11-16 11:59 | 生活 | Comments(16)

見えるもの

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 エッチェ・オーモ教会の鐘楼、その向こうに広がる空、雲、丘。この流れるような空気と空の色彩。
 送られてきた動画を見た瞬間に、懐かしさが湧きあがって来た。これまで見て来た景色も、空も同じ、近所の人々も、買い物の場所も、生活の愉しみもかつてと変わらない。正面から見ていた教会を背中側から見ることになる点を除けば。

 二人だけなら、この家を選んでいたに違いない。このテラスにジャスミンと色鮮やかな花々を置き、ハーブを栽培し、時々遊びに来る野鳥と戯れ、夜は星を見上げる毎日を、以前と変わらず楽しんでいたかもしれない。

 「そういう生活はもうあきらめないといけない」
 ルカの一言で、しがみついていたものからすっと離れて軽くなる。

 「水のある生活」が第一条件、そして「階段が少なく危険のない家」が第二の条件。小さな子共がいるから、今までの水なしドタバタ生活という訳にはいかない。

 そうして選んだ家には大パノラマの景色はない。テラスは低く、見える空も小さい。けれど、娘の視線で見るラグーザには、私たちが知らなかった素敵な発見があるのではないかしら。

 3人のラグーザ生活が新しい色と風と匂いで包まれていくのを、私は今から心待ちにしている。


追伸:シチリアでは水は一日一定量しか家に届きません。届かない日もしばしば!水なし生活の奮闘記は右側タブの「水問題」をお読みください。いやー、大変な生活でしたわ。
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by hyblaheraia | 2013-04-08 02:23 | 生活 | Comments(8)

スズランかニンニクか

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 春の光に照らされ、時折風にふわりと揺れる白い花が道端にも、空き地にも、林の中にも。近寄ってみると白と言うよりは、ほんのりと青みがかっていて、それが一層心をきゅっと掴む。何と言う花だろう?きっと素敵な名前があるに違いない。

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  ナポリ郊外のお義母さんの故郷では、野生のスズラン mughetto selvatico と呼ばれ、特に名前はないのだそう。ああ、この純粋無垢な花の名前を呼びながら、一日中春の光の中で語らっていたい。
 ところが・・・。

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 ネットで調べてみると、スズランではなく、何とニンニクの種類!名前はAllium neapolitanum アリウム・ネアポリタヌム。そのまま訳せば、ナポリのニンニク?!我が宿敵、ニンニクの関係者とは!こんなに愛らしく、可憐な白い花なのに、もうがっかり。

 そう言えば、お義母さんが言っていた。この花、かわいいけれど臭いのよ。
 その理由、嫌なほど分かりました。美しいものには毒、いや臭みがある・・・。

::: ::: :::

 この花の名前を調べて下さったアイシェさん、ありがとうございました。オーニソガラムではなかったけれど、アイシェさんのコメントがきっかけでこの花の名前が分かりました。また「ニラに似た花ですね」とコメントを下さった草花にお詳しいYuccaRさん、まさにその類のものでした。
 なんだかショックな結果でしたが、 真摯に受け止めましょう。ナポリのニンニクちゃん。
 
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by hyblaheraia | 2011-04-10 14:47 | ナポリの実家 | Comments(10)

黄色いスモモの収穫

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 ナポリ湾の後ろにそびえる有名なヴェズーヴィオの風景の、およそ裏側にナポリのお義母さんの実家がある。親戚中が「パラディーゾだった」と声をそろえて言うその家では、


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 季節の草花が咲き乱れ、夏には藤棚の下で食事をし、石焼窯で自家製天然酵母パンやピッツァを焼き、少女時代のお義母さんは庭のマドンニーナの小さな奇跡に心をときめかせ・・・。
 この家の物語を尽きることなく語ってくれるから、荒れ果てた今でも、当時の匂いや音や色が鮮やかに想像できる。



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 さて、お義母さんのお供としてここに来た義兄パオロ、ルカ、私の本日の任務は、庭に生える黄色いスモモの収穫。去年はとろけるような甘さだったそうで、ビニール袋を大量に持ってやって来たのだけれど・・・、



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 味見したらまだ酸味があって固い。木の上の方に色が濃く、よく熟したものがわずかながらあっただけ。

 まだ早いわね。出直しましょう。

 と、次の行動に入るお義母さん。テキパキテキパキ!行く先は、



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 お隣の幼馴染、チチェッタおばさんの家。
 チチェエエ~~~!!(お義母さん)、チチェッター!(我々)。
 広い敷地の家にずんずん入り、母屋から納屋、庭、娘夫婦の家まで、皆で叫び回るも不在。


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 出迎えてくれたのは黒猫ちゃん。去年の秋、自家製ワインの注入作業に来た時は、双子の兄弟だったのに、一匹は天国に逝ってしまったそう。


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 さぁ、チチェッタおばさんが帰ってくるまで、次の任務へ移行。
 それは、ヘーゼルナッツの収穫。

 手入れされていないお義母さんの土地は、もはや荒れ放題!腰よりも高い雑草が濛々と生え、それをかき分け、踏み倒しながら、奥へ奥へと。

 長ズボンで来て正解だったな。


 つづく・・・。

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by hyblaheraia | 2009-08-13 07:07 | ナポリの実家 | Comments(8)

待ち人来たる

 やはり関所で止められたか。あるいは見目麗しい御姿のため、蛮族にさらわれてしまったか。ああ、私が責任を持って御連れすべきだった。
 深い後悔の念とともに、ため息をつきながら待ちに待ち・・・。そしてついに、関所に響いた一声。
 それでは方々、御通りそうらいえ~。

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 翌日、御方々がラグーザの我が家に!
 そろりそろり御連れのほど、お願い申し上げ候~(ヒブラ)
 かしこまりて候~!(ルカ)

中身は何かと言うと






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 義経様、弁慶様、富樫様!100年以上の悠久の時を超えて、ようこそ曾孫の住むラグーザへ!

 歌舞伎《勧進帳》の最大の山場を題材にしたこの絹織は、実は、私の曽祖父の黒羽織の内側の刺繍部分だったもの。94歳の祖母が箪笥の整理をしていて見つけ、それを母が額に入れて送ってくれた。正真正銘、明治時代(1800年代)の遺品。

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 羽織の内側、つまりちょうど背中に当たる部分にこの刺繍が入っていた。誰にも見えない場所に《勧進帳》の刺繍とは。なんと粋で、いなせな心意気なのだろう。
 こんな大切なものを祖母が私にくれたのは、以前に授業で歌舞伎を教え、《勧進帳》の六方を学生と飛び隈取りをしたことを心から喜んでいるから。ラグーザの学生たちにもぜひ見せてあげて欲しいと言われた。その機会が来るだろうか。

 ところで、あの授業以来、私は弁慶との縁が続いている。
 こちらは母が骨董品店で偶然見つけた《勧進帳》の羽子板。
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 表情も構図も迫力に満ち、色遣いには何とも言えない品がある。裏には、太陽と白梅と笹の絵柄がさらりと描かれていて、木の古さもいい味を出している。
 さらに・・・

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 一時帰国中に、思いもよらず、歌舞伎座で《勧進帳》を観劇。
 2月歌舞伎の初日に両親と出かけ、頭上から度々降って来る掛け声の気合の凄さに圧倒されながらも、授業で教えた山場の台詞を口ずさみ、大いに堪能した。生で観る弁慶の人間的な奥深さと、六方飛びのダイナミックさは忘れられない。
 あまりに感激し過ぎて、さらに弁慶との縁を深いものに・・・。

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 よぉお~っ!弁慶の携帯ストラップ。助六もあったのだけれど、やはり弁慶がいい。


f0133814_96927.jpg 明治時代に曽祖父が袖を通した弁慶の羽織。この図柄を背に、何を見て、何を考えたのだろう。

 曽祖父の背中を暖めた《勧進帳》の刺繍は、今、机に向かう私の背中を見守ってくれている。羽子板の弁慶も、携帯の弁慶も、ラグーザの生活を見守ってくれることだろう。


弁慶一行、無事到着して一見落着~!     
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by hyblaheraia | 2009-02-21 09:12 | 生活 | Comments(20)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


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