タグ:事件 ( 50 ) タグの人気記事

不運続きの3か月

f0133814_15283702.jpg

 一ヶ月半の東京滞在を終え、シチリアに戻る日のナポリの夕日は、溢れんばかりのエネルギーを放出し、雲と空に濃いシルエットを描いていた。
 こういう妖しい魅力を放つ空は、要注意である。私と空の関係において、このタイプの空に出くわすと、思いもよらない、喜ばしくないことが起きるという経験があるから(特に2010年の始まりのこの空 こちら→)。
 嫌な予感通り、9月に入って我が家でちょっとした騒ぎが起こっている。いや、起こっていた、と過去形にしたいところなのだけれど。


 1つ目の事件。
 ラグーザに帰宅して1週間が過ぎ、両親の金婚式の日にスカイプをしていた時のこと。横にいたリディアが突然、両腕を勢いよく広げ、その左手が私の右目に激突!その瞬間、鈍い痛みを感じた。でもコンタクトレンズは破損していなかったし、ルカに目が腫れていないか聞いても大丈夫だと言うので、そのまま過ごしていた。15分ほどして、痛みが気になったので鏡を見てみると、白目の部分が真っ赤な血に染まっている!
 慌てて救急病院に飛び込むも、信じられないことに眼科がなく(ないなら明記して欲しい)、旧市街イブラの病院へ移動するよう指示される(以前は救急車で搬送していたが今はなし)。さらに移動先の病院では、唯一の眼科医が手術中で1時間待ち。急患なのに、怪我から2時間経ってようやく診察となる。
 結局、目の毛細血管が切れただけで、10日ほどで自然治癒するので大したことではないと、目薬を処方され、ものの5分で診察終了。ルカが看護婦さんに主張しなければ、再診を待つ30人ほどの患者の一番最後にされていたし、とっても腑に落ちない救急診療だった。
 現在、怪我から14日目。血の海状態だった目は大分良くなったけれど、新調した赤い眼鏡と相まって、ギロギロした目つきで幼稚園の送り迎えをする日々。



f0133814_08523377.jpg
 2つめの事件。
 先週の土曜日、夜寝ていたリディアが突然、何かを痛がって咳込み、むせて、涎をだらだら垂らしながら泣き叫び始めた。聞くと、寝るときに鼻をこすって安心する羊のモコモコ毛布を食べてしまったと!懐中電灯で口の中を除いても何も見えないので、即、救急へ!1週間前に私の目の怪我で行ったあの救急病院へ…(そこしかないので)。
 ファイバースコープで喉の異物を取り除ものと当然思っていたが、残念ながらそれはここにはありません、と大男ドクターたちがニコリともせずリディアの口を開こうとし、本人は身体が震えるほど大泣き。
 困り果てたドクターの一人が、イブラの病院の小児病棟へ行ってください、あちらの方が専門だから、と。またしても先週と同様、旧市街イブラの病院へ移動。

 かわいい絵が描かれたあ病棟、優しい看護婦さん、チャーミングな女医さんに迎えられ、ようやく落ち着いて診察となる。結局こちらにもファイバースコープはなかったけれど、喉に異物はなさそうだし、パンや茹でたジャガイモなどを食べさせれば大丈夫でしょうとのことだった。喉が赤く、少しぷつぷつが見られるのは手足口病の残り、という所見には疑問が残り(重症だった私の喉には何も残っていない)…。
 そして翌日、突然、39.4度の発熱!もう病院に行っても仕方がないし(行きたくないし)、喉の腫れから来る発熱だと経験的に分かったので、解熱剤で様子を見て、翌朝かかりつけの小児科に連れて行くことに。
 結局、faringite 咽頭炎という診断で、幼稚園は数日お休み、お散歩も禁止され、今日で5日欠席中。寝かしつける時に、ピノッキオのお話して、とせがむのだけれど、ひどい鼻詰まりのためピドッキオ(ノミ、シラミ)と聞こえて、身震いする毎日。

 それにしても、ペコレッラ(羊ちゃん)を食べちゃったの~、と言うものだから我々は慌ててしまったけれど、本人は喉が痛くて異物感があったから、羊の毛布を食べてしまったと勘違いしたみたい。幼児の発言から真意を汲むのは難しい…。



f0133814_08522409.jpg
 こうして、母娘ともに車にひかれそうになった7月(こちら→)、家族3人、手足口病に苦しんだ8月、そして私の目の怪我とリディアの誤飲騒ぎ+咽頭炎の9月、と3か月連続いろいろ起きている我が家。さらに付け加えるならば、ルカの携帯がなくなり、25年近く愛用していた私の腕時計も紛失(おそらくリディアの仕業)。
 ナポリの義母は、どれも解決できる問題ばかりで大事には至っていないということが大事、と励ましてくれるので、そう考えるようにしている。

 さあ、連続する不運よ、いい加減に終わりにしておくれ!このブログが事件報告ブログにならないよう。切に願っておりますぞ!


[PR]
by hyblaheraia | 2015-09-25 09:07 | 生活 | Comments(4)

危うく…

f0133814_07344361.jpg

 「全ての角に悪魔が潜んでいる」という言い方がイタリアにはある。10年以上歩き慣れた道で、このようなことが起こったのは悪魔の悪戯だったのか。否、大事に至らなかったのは天使が守ってくれたからなのか。

 昨日の朝11時頃、リディアを連れて散歩に出ようとしたときのこと。家を出てすぐの十字路で工事があり、砂やら石切の粉が風とともに大量に飛んでいたので、リディアに目を閉じさせ、抱っこして十字路を渡るつもりだった。普段通り、歩道の終わりで車を確認しようと、立ち止まったはずのその時、突如、ガサっと歩道から落ち(段差がかなりある)、リディアを抱き抱えたまま道路に倒れ込んでしまった。そしてその瞬間、白い車が猛スピードで私たちの前に走り込んできた。なんでこんな所に車が!、ああ、もうだめだ…!そう、はっきりと頭で感じた。車の後部座席のドアが顔にくっつくほどの近さだった。

 結局、私の軽い捻挫で済んだけれど、もし転んだ衝撃でリディアが腕から離れていたら…、抱っこする角度がほんの少し違ったら…、私があと数センチ前に転んでいたら…、と考ると恐ろしくて体がわなわなと震えた。そして3人で昼ご飯を食べながら、この時間がなかったのかもしれないと考えると、この変わらぬ時間の連続があることを心から有難く思い、私とリディアのいないルカの生活などあってはならないと心が引き締まった。こどもの命を預かる親の責任の重さを痛感しながら。

 工事現場の男性が言っていた。母親が子供を抱いたまま車に巻き込まれた、と見ていた誰もが思ったのだと。そんなことにならなくて本当に良かった。

f0133814_07211135.jpg
 イタリアには「落馬したらすぐその馬に乗るべし」という言い方があるそうで、午後涼しくなってから、家族3人で現場検証と助けてくれた人々へのお礼に出かけた。転んだ場所は、古い石畳にV字の亀裂があり、道路には大きな穴がいくつもあった。おそらく左足が歩道の石畳の亀裂にはまり、つま先から道路に落ち、穴にはまってバランスを崩し、リディアを抱っこしている右側にバランスを崩して倒れたのだろう。左足の欠けた爪とズボンの汚れからみて、そうだろうと推測する。

 考えれば考えるほど、無事であったことが奇跡に思えてくる。もしかすると、去年亡くなった祖母二人が、角に潜んでいた悪魔を追い払い、私たちを守ってくれたのかな…と思っていたところ、今日の電話で母が言っていた。少し早いけれどお盆の用意をして仏様をお迎えしているのよ、と。
 
f0133814_07203881.jpg
 暑いシチリアまで来てくれた100歳の二人の天使。今頃はきっと、お母様、やれやれでしたね~。ほんと、そうでしたね、お母様(そう呼び合っていた大正女性)と言いながら、ラグーザの美しい景色を仲良く眺めていることだろう。夕方の空を仰ぎながら、カリフラワーのような真っ白な頭の天使が飛ぶ姿を想像している。



[PR]
by hyblaheraia | 2015-07-11 11:00 | 生活 | Comments(8)

我が家で再び虫騒動!

f0133814_146395.jpg
 清々しい青空が広がり、既に夏を予感させる強い日差しが差し込めていた4月末のラグーザ。日本から両親も遊びに来ていて、暑過ぎず心地よい、光あふれるシチリアを楽しんでいた・・・のだけれど、夏の訪れを喜んでいたのは我々だけではなく、虫たちも・・・だったみたい。


f0133814_1461485.jpg
 実は我が家で虫騒動が再発!(去年の虫騒動はこちら →)
 最初はキッチンのテーブルに小さな黒っぽい虫がちょこちょこ見つかり、アルコール消毒をするも全く効果なく、ある朝はテーブルの上で86匹も潰すほどに!気付けば私のパソコンにもその虫が!良く見ると小さな白い虫もキーボードの隙間を出たり入ったり。さらに、日本から両親に持ってきてもらった新しいパソコンにも虫が楽しそうに住み着き、ある時は液晶の中を自由自在に歩く一匹を発見!パソコンの充電器にもびっちり張り付き、もう気が狂いそう!!
 他にも、キッチンの壁の細い割れ目からもこの虫たちが出没。洗濯して畳んでおいたシーツやタンスの引き出しにも、見慣れぬ虫の死骸!寝室にあった藤の椅子の、編み目の間にも何やら動くものが!
 いったい我が家はどうなっているの?!ネットで虫検索の日々・・・


 そうこうしているうちに、私の体に強烈なアレルギー反応が出始め、数日後には父も、その後は母も!大家さんに連絡すると、即座に木工職人(ドアなどを担当した人)、壁塗り職人、屋根瓦職人氏らとともに駆けつけてくれたのだけれど、家自体に以上はないとのことで、虫の出処や原因は誰にも分からなかった。
 最終的に、内科医である大家さんが、私が受診した皮膚科医二人に話を聞きに行き、専門業者による虫駆除が決定。ちょうどナポリに1週間ほど行く予定だったので、その間に業者が入り、家の燻蒸が行われた。

 でも虫駆除で一件落着、という訳でもなく・・・。ラグーザに戻ると家は薬の匂いが強いので、友人のB&Bで一泊。薬がかかった寝具類は全てクリーニングへ持ち込み(布団6枚を担いだルカに脱帽!)、さらに普段着から、食器、机、椅子、細かな日用品も全て水洗いと拭き掃除。リディアのおもちゃも遊び部屋も、何から何まで洗って、拭いて・・・。

 あれから1か月経つけれど、まだ終わっていない洗濯物が大型ビニール袋に入ったままゴロゴロと。虫はいなくなったとは言え、その後の始末はまだまだ終わらず、ほとほと疲れております。

f0133814_12473260.jpg
 結局、虫の原因は冬の間の猛烈な湿気ということのよう。地中海式気候は冬は雨。そしてここラグーザは山の町なので寒くて湿度が高い。さらにこの家は細い路地に面していて、寝室の壁には一日中太陽が当たらない。もう一つおまけに、寝室の中にシャワールームがある不思議な造りで、家自体は1700年代のアンティーク建築。 屋根には鳩一家が住み、春にはアマツバメとストゥルヌスが巣を作り、窓を開ければ、鳩の羽や糞だけでなく、卵の殻なども風とともに入ってくる。
 虫とカビが生まれる要因が高く、暖かくなったとともに一気に爆発したという感じらしい。


 ああ、この家はガス暖房も水も完備されていたのにな。造りもしっかりしていて、良い家だったのにな。虫さえいなければ・・・。
 既に家探しを始めている我々。納得できる物件なんてあるのかな、ここラグーザに。

追伸:勇気を出して遊びに来てくれた隣町のKさん、ありがとう!日本から遊びに来る予定の友人たちよ!恐がらずに来てくださ~い!!

[PR]
by hyblaheraia | 2014-06-19 01:58 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(6)

虫の訪問

f0133814_7534360.jpg
 ヤスデ、クワガタ、カゲロウ、イナゴ、ヤモリ、コウモリ、ハト・・・。
 前にラグーザに住んでいた7年の間にも、随分といろいろな生物たちの訪問を受けていたけれど、今度の家でもまた、新たな虫たちと遭遇してしまった。その虫とは、木を食べる虫。キクイムシ?イタリア語ではタルロtarloと言うらしい。
 大家さんに連絡すると即座に対応してくれて、明日から殺菌、駆除の専門のシニョーレが来てくれることに。でも何やら臭いのきつい薬を使うらしく、我々は友人のB&Bに退避。

 最初は、どうせならマリーナ(ラグーザのビーチ)でバカンスしちゃおうか?!とか、こうなったらナポリに行っちゃおう!とか夢を見ていたのだけれど、いろいろ考えると現実的ではないので却下。でも昔住んでいたエッチェ・オーモ通りの家のすぐ近くに2泊もできるのは、なんだか懐かしくて、嬉しくもある。

 皆さん、夏の暑さ対策は水分と果物のビタミンが良いようです。ただ、果物の中でニョキニョキ、涼んでいる虫がいるかもしれないのでお気を付けて。
[PR]
by hyblaheraia | 2013-07-18 08:19 | 生活 | Comments(6)

ラグーザ帰宅

f0133814_16522839.jpg
 昨年の8月末以来、半年ぶりにラグーザに戻る。が、喜ぶのも束の間、我が家に多数の問題発生。

 1.寝室の天井から大量の水漏れあり。いつも水が落ちて来る位置にルカが出発前にバケツを置いていたため、大事には至らず。でも壁からも水が浸みているので、ベッドの向きを変える。
 2.湿気を含んだ蒲団をドライヤーで乾かしていたら、焦げ臭い匂いを発した瞬間、壊れる。要、新しいドライヤー。
 3.室内温度9度。寝ている時の息で蒲団に水滴が付く。したがってドライヤー購入は急を要する。
 4.寒さのせいで、デジタル時計の液晶が壊れる。
 5.家中の網戸に穴が開いている。犯人は鳩!
 6.キッチンのガス点火ボタンが使えず、ライターで点火。火傷しそうで大嫌い!
 7.今朝は電話もネットも使用不可能。既に2度、電話会社に通報済み。先程、電話は復旧。ADSLは落ちたり、繋がったり。とりあえず今のうちに、記事をアップ。
 8.今日の水はまだ届いておらず。

 ラグーザ生活の洗礼を受けております。今日一日、いろいろ戦うぞ。

::: ::: :::

 追伸 新たな問題発覚
 9.玄関のブザーとドアの開閉ボタン(チトーフォノ)が機能せず。誰かがピンポンしても気付かない環境。大声で呼び出されて運良く気付いても、4階から鍵をもって1階へダッシュ。
 10.電話の呼び鈴が鳴らない。よって電話が来ても分からず。

 おそろし~!!

[PR]
by hyblaheraia | 2011-03-02 17:28 | 生活 | Comments(14)

庭に珍客、珍獣?

 誰か近所でヒツジかヤギ飼っている人いるの~?
 昨日、イタリアから戻って来たルカが我が家の庭で真っ先に見つけたものは、お行儀よくまとまった糞でございました。ええ、猫でしょう?という私に、ナポリの実家で猫を何匹も育てあげたルカはこう断言する。猫はこんなウンチの仕方、絶対しないよ!
 近所にノラ犬はいないし、やっぱり猫だろうなと思っていたら、今朝、さらに糞が増量していた。これまた巨大な黒豆のようなものが一直線にコロコロときれいに並べてある。この糞の主の几帳面な性格に感心しつつ、をとうとに報告。すると、あ、分かった、それ、あれだよ!都内で良く騒がれているあの動物、ほら、えっと、あれ・・・。
 タヌキ、キツネ、ネズミ、ミーアキャット?(なぜか尻取りになってますが)
 ネットで検索しながらようやく出たその名前は、ハクビシン。早速、画像や動画をネットで探すとまぁなんとかわいい動物なのでしょう。けれども農作物や民家への被害、SARSの問題などがあることも知り、なんとも複雑な気分に。最近の鳥インフルエンザのこともあるし、この糞、保健所に提出した方がいいのかなと、とりあえず写真に収め、しっかり現場保存。
 糞学会に報告しなくていいの?
 をとうとの一言に笑ってしまった。

 昆虫学会への手紙についてはこちら 1.手紙編  2.返事編

追伸:糞の写真をアップする勇気はありませんでした。リクエストがあれば・・・。
[PR]
by hyblaheraia | 2011-02-02 15:02 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(8)

お帰り、ダニー!

 もう10年以上前からだろうか。東京の実家の玄関先に、茶色の大きな蛙が姿を現すようになったのは。

f0133814_16243796.jpg

 名前はダニー。正しくは、蛙野ダニエル(かえるの・だにえる)

 外出先から帰って来ると、玄関前に鎮座していて、お帰り、とでも言わんばかりに迎えてくれる。
「あ、ダニー、ただいま。」
 そう言って家に入ってから、何となく気になってもう一度ドアを開けてみると、植木の暗闇に向かってゴソゴソと進む丸い背中が見えた。家族の帰宅を見届けた、優しく哀愁ある背中だった。

 最近、ダニーは来ないの?と聞いてから数日後、遂に現われた君。ルカとの対面も果たした君。
 これから毎晩、家族のお帰りと見届けの役目が待っている。

 君は何代目ダニーですか?

[PR]
by hyblaheraia | 2010-10-25 21:19 | 一時帰国 | Comments(6)

昆虫学会からの返事

クワガタのいない日中に書き足しました。やれやれ。

 (昨日の続き・・・)キッチンで二度見つけた奇妙な虫について、悪い想像を果てしなく巡らせ、心配でいられなくなったルカは、イタリア昆虫学会に問い合わせのメールを写真とともに送る。返事は来ないだろうと思っていたら、二日後に丁寧な説明の、素晴らしいメールが届いた!

::: ::: ::: ::: ::: :::


ルカ・C 教授殿

 (お尋ねの)C教授の代わりに、(この件の専門家である)私が貴殿のメールにお答えします。
 まず第一に、貴殿のご心配は全くそれに及ばないものであり[やっぱり!]、人に対して完全無害[ほらね!]、それどころか有益でさえあるものです[おお!]。お尋ねの虫は、まさにNeurottero Crisopideの幼虫で、ほぼ間違いなく今回の場合ではDichochrysaの種で、小さな虫や小型の節足動物を食して成長します。口元の鉗子[かんし]で刺して-吸い、(前足のような細いハサミ)[ルカが指摘したあれか!]で虫を捕食し、内容物を平らげますが、Dichochrysaの幼虫は食事の後[虫のお食事?]、犠牲者[こういう感情移入、好き]の殻を捨てずに、例の鉗子を使ってそれを背中にまといます。そして鉤状の理想的な毛がそれを保持するのです。
 こうして食事を続けるうちに[お食事ね…]、彼の遍歴の際に出会う[面白い、その言い方]あらゆる種類の微粒子や断片を集め、幼虫は雑多な荷物で背中を完全に覆って、何であるか見分けができないほどにカモフラージュ[虫のミステリー!]します。

f0133814_7241532.jpg
 ある程度成長すると、幼虫は適当な壁に張り付き、サナギになる前に半ば球場の絹の繭を作ります[ギョ、サナギには遭遇したくないー!]。その表面は、先の微粒子で覆われており、その繭から成虫が羽化します。
 それは身体全体が緑色で、金色の目を持ち、長い糸状の触角と、真珠色に反射する透明の四枚翅を持った、実にエレガントな虫です(一部の種は茶黄色をしています)。[ああ、なんて美しい描写!うっとり…]
(写真は千葉大学のサイトよりお借りしました)


 ・・・ 中略 ・・・ ~成虫の生態についてしばらく話が続き、専門用語続出~

 よって、貴殿が丁寧にご指摘なさった土地の鳥類とも、人とも関連はありませんし、幼虫が人を刺すこともありません[やったー、私の勝ち!]。今後インターネットで調査なさる上での手掛かりを差し上げられたと思いますが、何かありましたらお役にたてますことを願いつつ、
 敬具

 R.N.A

 すみません、まだ書きたいことがあるのですが、クワガタがカリカリ言って、電気の隙間から落ちて来そうなので、怖いから閉じます~~!!虫の攻撃、勘弁してー!
::: ::: ::: ::: ::: :::


 ということで、例の虫はDichochrysa クサカゲロウの一種ということが分かりました。ネットで写真を見た瞬間に、ああ、あの見るだけで死んじゃう虫だ!と叫んだ我々。この薄緑色のきれいな虫は夏の夜にキッチンによく入って来るのですが、あまりに弱々しいので、「見るだけで死んじゃう虫」と名付けていたのです。その幼虫だったわけですね。
 素人からのこんなメールに丁寧に回答してくださったR.N.A.教授の寛大さに感服です(ネットで調べたらこの分野の権威でした)。教授の文章も素晴らしく、専門用語がたくさん使われているのに、説明は極めて明快で素人にも分かり易く、なにより虫を大事な友達のことを話すかのように、深い洞察と感情をもって記述しているのが印象的でした。そして成虫カゲロウの描写の美しく感動的なこと。そこだけ何度も読み、「見るだけで死んじゃう虫」の透明感を思い出していました。

 夏の虫攻撃、いつまで続くか・・・。
[PR]
by hyblaheraia | 2010-08-28 06:19 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(24)

昆虫学会への手紙

C教授

f0133814_7464095.jpg
(以下、オレンジの文字は私の心内語です)


 私はカターニア大学講師のルカ・C と申します。外国語・外国文学を教えており、昆虫学の専門家ではありません。
 メールを差し上げたのは、実は、最近二度ほど続けて、自宅キッチンの壁に奇妙な虫を見つけたからです[ただのクモだと思うんだけど]。その虫は黒くて小さな玉の塊を身体にまとい、その玉は卵のようにも見えました。二度とも虫の動きは垂直的で、下から上へと天井に向かっているようでした[あ、そうだったっけ]

 あらかじめ申し上げておきますと、望まれない訪問者[お、文学的表現](カブトムシ、蜂、コオロギ、クモ、蛾)が家に入っても私は殺さず、捕まえて外に出すようにしています。ただし、蚊とゴキブリ(幸運にも私の家ではまだ見たことがありません)に対する態度は違います[ホッ…]。他にも時々、テラスのジャスミンにバッタとトンボが停まっていることもあります。おそらく、この季節に無数に飛んでいるアマツバメから身を守るためだったのでしょう。


f0133814_7471474.jpg このようにして、例の奇妙な虫も殺さずに一回目は捕まえて紙の箱[紙でいいの?]に入れました(比較的容易に捕まえられ、まるで生き物ではないかのように[主観強過ぎ!]じっとして、逃げはしませんでした)。そしてテラスから隣の空家の屋根へ投げ捨てました[もう少し遠くに捨てて欲しい…]

 二回目は、これが何の虫なのか知りたい欲求を抑えきれず、紙の箱に入れました[また紙か!]。そこに水を入れると[紙の箱に水?!]、身体の周りから黒い玉が離れ、クモのように見えましたが、形が全く違うようでした[クモでいいことにしようよ~]

 インターネットで探してみましたが、これに似た虫やダニ[クモじゃなくてダニ?!]は見つけることができませんでした。私の心配は、伝染病[キョー!]や人への危険を及ぼすのではないかということです[悪い想像の天才]。そして最も驚かされたのは、写真でお分かりの通り、前足に小さなハサミ[もしやそれがダニの根拠?]のようなものをもっていることです。

f0133814_7475078.jpg こちらの環境について簡単に説明します[突然解説か]
 私はラグーザ中心の古い家に住んでおり、この季節の気候は暑く、乾燥しています。家は建物の最上階で、テラスはキッチンに隣接し、常に風が当たり、当然ながら埃や、時には赤い砂も飛んできます。近所には空家もあり、キッチンの上の屋根裏には水タンクが数個と、大量の埃があります[そこまで暴露しないで…]

 この辺りにはハト、カルデッリーニ、アマツバメがたくさんいて、特にハトはテラスを我が物顔で歩き[?!]、私の見ぬ間に排泄しますが[!!]、それでも鳥たちが我が家に巣をつくったことはありません[排泄と巣作りの関係がいまいち不明]


f0133814_748915.jpg このようなことを誰に尋ねれば良いか分からないのですが、貴殿のアカデミーがこの分野に関する権威であると思いましたのでメールしました[いきなり学会に聞くの?!]

 写真をいくつか添付します[他にも送る気だったの?]
 この生物が卵のようなものを運んでいる様子と、少々ぼやけていますが、黒い玉をまとっていない状態です[きっちり説明のA型人間]
 データが重くて申し訳ありません。短いですが動画もありますので、必要な場合はお送りいたします。[必要じゃないと思うよ]
(青色強調は本人による。)

 貴殿もしくは他の専門家の方からのお返事をお待ちしつつ、心より御礼申し上げます。

 ルカ・C

~~~  ~~~  ~~~

 世界で五本の指に入るほどの心配性のルカが、キッチンにいた奇妙な虫に危険を感じてイタリアの昆虫学会に送ったメール。えー、ただのクモじゃない~?と呑気な私とは対称的に、非常に真剣な問い合わせ内容。写真と動画を何度も私に撮らせ、インターネットで血眼になって探し、最悪のパターンの物語をあれやこれやと想像し、昆虫学会からの返事を待つ間も心配しきりで、それはもう大変。

 お返事来ないんじゃないの?と言うと、そんなことないよ!もし僕が「こんな日本語の本を見つけたのですが、誰の小説ですか?」って聞かれたらきちんと答えるよ。ヒブラだって「こんな古い手書きの楽譜が家の倉庫から出て来たのですが、誰の作品でしょうか?」って問い合わせが来たら、そうするでしょ、と。
 なるほど、自分の専門のことを聞かれたら、つい熱くなって説明してしまうだろうな。それが珍しい作品だったり、未発見生物だったりしたらなおさら!
 
 きっと来る・・・、いや、笑って流されるだけか・・・。
 昆虫学会から返事は来るのか?!

 この虫が何だか分かりますか~~?
[PR]
by hyblaheraia | 2010-08-27 06:47 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(6)

大学の前で

 信じられない事件に、昨夜は嫌悪と疲れでやるせない気持ちを抱えながら眠りに着いた。

 昨日の午後、カターニア大学本校前のダンテ広場で、ピストルの流れ弾が通行中の女子学生に当たり、重傷を負わせるという事件が起きた。市内の防犯カメラや目撃証言で犯人は間もなく逮捕。被害者の学生、銃の標的になった男性も現在、病院で集中治療を受けている。犯人の自白から、事件原因は個人的な恨みであることが分かり、当初報道されたマフィア抗争の可能性は、先ほど訂正された。

 重傷の女子学生と面識はないが、我々の勤務する学部の一人。彼女の出身地ソルティーノから来る学生もいる。学生たちの動揺や不安はいかほどだろうか。

 これがシチリア、今のシチリアなのだと思うと実にやるせない。
[PR]
by hyblaheraia | 2010-07-02 17:46 | 政治・社会 | Comments(4)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

掲示板

最近は・・・
早寝早起きして新しいことに挑戦中!
16/11/2016


迷惑コメント対策で承認制にしております。
::::: ::::: :::::

自己紹介に代えて


ご連絡等はコメント欄にお願いいたします

::::: ::::: :::::


2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


Locations of visitors to this page
2010年2月16日リセット
世界の赤い花びら!


Click for Comiso Air Station, イタリア Forecast

今日の月はどんな月?



ラグーザ ホテル

カテゴリ

全体
自然
生活
歴史
祭り
伝統・技術
料理
菓子
変わった野菜と果物
野鳥・昆虫・動物
大学・研究
政治・社会
音の絵:写真と音楽のコラボ
シチリア他の町
イタリア他の町
ナポリの実家
一時帰国
ブログ・・・周年とゲーム
未分類

タグ

(60)
(50)
(46)
(42)
(40)
(38)
(36)
(35)
(35)
(34)
(31)
(27)
(22)
(21)
(20)
(15)
(14)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(9)
(8)
(8)
(8)
(8)
(7)
(6)
(6)
(5)
(4)
(3)
(2)
(2)

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

以前の記事

2016年 11月
2016年 10月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 02月
more...

最新のコメント

明けましておめでとうござ..
by アイシェ at 07:35
> Mchappykun..
by hyblaheraia at 06:11
牛乳と油で生クリームがで..
by Mchappykun2 at 01:30
> アイシェさん それ..
by hyblaheraia at 17:09
今人間ドックが終わったば..
by アイシェ at 11:48
> Mchappykun..
by hyblaheraia at 06:20
> 鍵コメさん は..
by hyblaheraia at 13:37
東京にいらしていたのです..
by Mchappykun2 at 01:31
> 鍵コメさま ご心配..
by hyblaheraia at 19:29
> ゆうゆうさん 素早..
by hyblaheraia at 07:18

画像一覧

ブログジャンル

海外生活
音楽

検索

記事ランキング

ライフログ











お気に入りブログ

生きる詩
gyuのバルセロナ便り ...
ルーマニアへ行こう! L...
写真でイスラーム  
エミリアからの便り
アフガニスタン/パキスタ...
イスラムアート紀行
夫婦でバードウォッチング
La Vita Tosc...
パリ近郊のカントリーライフ
トルコ~スパイシーライフ♪
now and then
Vivere in To...
シチリア時間Blog
フィレンツェ田舎生活便り2
ふりつもる線
ちょっとスペインの別荘 ...
ぐらっぱ亭の遊々素適
ヴェネツィア ときどき ...
石のコトバ
ボローニャに暮らす
フランスと日本の衣食住
イタリア・絵に描ける珠玉...
cippalippaの冒...
スペインのかけら
Berlin Bohem...
VINO! VINO! ...
::: au fil d...
sizannet
イタリア料理スローフード生活
ペルー と ワタシ と ...
しの的エッセンinドイツ
PoroとHirviのとおり道
料理サロン La cuc...
カッラーラ日記 大理石の...
イタリアの台所から
オルガニスト愛のイタリア...
Animal Skin ...
しのび足
道草ギャラリー
白と黒で
ちまもの読書日和
andante-desse
il paese - p...
やせっぽちソプラノのキッチン
坂を降りれば
A Year of Me...
お義母さんはシチリア人
Espresso!えすぷ...
シチリア時間BLOG 2
London Scene
hatanomutsum...
小鳥と船
mi piacciono...
カマクラ ときどき イタリア
やせっぽちソプラノのキッチン2

外部リンク