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書類を送るだけなのに

 A4の書類を日本に送るだけなのに、昨日、100キロ離れたカターニアへ。ラグーザの中央郵便局は、最速国際郵送サービス(EMSより速く高い)の書類をシチリア内で紛失させたことがあるので、全く信用ならぬのだ。

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 朝6時半に起き、9時の長距離バスに乗り、11時過ぎにカターニアのUPSサービスに到着。11時半には書類郵送の手続きを終え、ニマッ。
 エトネア通りのバール、タッバッコTabbaccoであれを食べませう。

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 ピスタチオのグラニータ、パンナ乗せ、ブリオッシュ付き!このパンナの乗せ方は実に夢がある。

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 ルカは桑の実gelsoのグラニータ、パンナ無し、ブリオッシュ付き。可哀そうなので、パンナを少し分けてあげたけれど、桑の実はそのままの方が美味しかった。

 グラニータを食べ終え、タクシーで長距離バスの始発場所へ。午後1時のバスに乗り、帰宅は3時半。猛暑と焼け付く太陽のため、肉体的精神的疲労大。
 ああ、それにしても書類を日本に送るのに所用時間9時間、移動距離200キロ、出費99ユーロ(約1万2千円)。シチリアの不便さにはほとほと疲れる。シチリアのばか~!(心の叫び)

 出費詳細(長距離バス往復24、郵送代52、バール10、タクシー10、市内バス2。単位=Euro)
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by hyblaheraia | 2010-07-22 07:04 | シチリア他の町 | Comments(20)

Licodia Eubea リコディア・エウベーアに向けて

 国道514号(SS514)をラグーザからカターニアに向かう時、右手に広大な丘陵地帯が開けて来る。遠くに見えるのは、山の瀬に沿って長く伸びた町、リコディーア・エウベーア。

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 空が澄んでいる日は、山の切り込みがより深く感じられ、遠くのリコディーア・エウベーアも白く光って見える。

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 山の向こうからせり上がって来る雲のダイナミックさ、丘の連なり、牧草ロールの軽快なリズムを楽しみながら、憧れの町へ。

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 白く輝く土地と、ぶどう畑の緑、空の青さ、

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 なだらかさと起伏。それらの交替が得も言われぬ景観を作り出す。

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 ああ、この丘の連なりには何度見ても、

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 心の中を一掃する清々しさがある。

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 リコディーア・エウベーアよ、いつかその孤高の地に私は立とう。



 ラグーザ~カターニア間の長距離バスから見える、大好きな景色を動画に収めました。ワールドカップの試合がラジオで流れる車内と、



 前に座ったシニョーラの電話の声などが入っています。


 でも私が聴いていたのは、この声。素晴らしい旋律と歌声です。
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by hyblaheraia | 2010-06-26 06:50 | シチリア他の町 | Comments(8)

溢れる黄色

 日本からシチリアに戻ってくる時の楽しみの一つは、カターニアからラグーザに向かう長距離バスからの眺め。先週はラグーザで雪が降ったと聞いていたので、どんなに寒いのかと思いきや、シチリアにはもう春の息吹が溢れていていた。

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 車窓から飛んで行く眩い黄色!春の訪れを最初に告げるのは、いつもこの花。道路脇も、空き地も、

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 オレンジの木の根元も、黄色で輝やいている。

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 冬と言うには眩しすぎる太陽を浴びながら、オレンジ畑を走り抜ける時も、

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 黄色の花は元気に伴走してくれる。ああ、なんて気持ちの良い日なのだろう!

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 オレンジ畑の向こうでは羊たちが牧草ランチをのんびりと。こちら側では山羊たちが……、あれ?!


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 白ヤギさん、オレンジを立ち食い?!

 なになに??と左から黒ヤギさんたちも。

 二本足で立つ姿はまるで、おしめ姿の赤ちゃんみたい。楽しいな、動物って。

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 ああ、ここも私の愛して止まない景色の一つ。牧草の丘陵地帯と風車、広い空にもくもく雲、そして本当は遠くにエトナ山が見えるのだけれど。
 今日は誰にも会いたくない気分なのだそう。

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 シチリアだからサボテンもそこかしこに。

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 温暖なカターニア県を抜けて、ラグーザ県の山間部に入っても、黄色の花はうっすらと。


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 キアラモンテ・グルフィのオリーヴ畑にも。
 夜の厳しい冷え込みと昼の太陽との間で、自分を見失わず春の声を準備し、一斉に歌い出す黄色の花の一途さに感服してしまう。

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 と、想いに耽っていたら、ラグーザ市に近付くに連れて別の色が。もしかして、それは?!

 … … つづく。

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by hyblaheraia | 2010-01-23 23:58 | 自然 | Comments(4)

名もなき風景

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 週末にとある会合のため長距離バスに乗り込む。
 目的地行きのバスが2台同時にターミナルに入って来て乗客は大混乱。**に行きたいんだけど、どっちに乗ればいいの?!なんで2台もあるの?!地元の人でさえこの状況、分かっているのは運転手だけ。
 とりあえず目的地に早く着く方に乗り込み、窓際に座り、カメラの用意。CDを聴きながらこれから出会う風景に胸が高鳴る。
 ところが!イブラの真横を大きく回るこのバス、左側に座るべきだった・・・。空いている席もないので、身を乗り出して撮っていたら乗客の方々がカーテンを開け、身をかがめて下さった。
 この方が逆に、イブラの大パノラマが伝わるだろうか。

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 ラグーザの山間をぬうように走り、静かな風景に包まれる。こんな所でも人知れず春の命が燃えていた。

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 起伏に富んだ丘陵地帯がどこまでも続く。名もなき地域の普段の美しさ。

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 待ちうけるのはラグーザと隣町モディカModicaを結ぶ高さ100メートルの橋。そこを車で疾走し、谷間を駆ける風となる愉しみ。世界遺産の外の、日常の自然に酔いしれる幸せもある。

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 しばらくすると雨。しっとりとくすんだシチリアの色もまたいい。ヤシの木と石造りの農家、良く耕された土地。ありきたりの風景こそがシチリアを語る。

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 バスは途中の小さな町、ロゾリーノRosolinoに入った。風情ある古い家々が雨に濡れ、人一人歩いていない。
 廃墟を見ると想うのが、そこでのかつての生活だ。壁の特殊な装飾には、シチリア陶器の植木鉢が飾られ、色吹く花々がテラスでの憩いの時間を作っただろう。ここに住んだ家族は、心無い壁の落書きをどう見ているだろうか。
 雨の重い空気と、ダウンランドの《ラクリメ、または7つの涙Lachrimae, or Seaven Teares》(1604)の淡い旋律に誘われて、うとうと眠りにつく。

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 目が覚めると、雨足が通った直後の晴れ間に迎えられた。時計を見ると、あと30分で目的地に着く時間。次第に太陽の輝きが変わってくる。暖かく、強い日差しだ。

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 そこは海。とにかく眩しい。同じシチリアとは思えない空気が漂う。

 名もなき風景を超えて、これからは世界屈指の観光地を巡る。そこに辿り着くまでの、人知れず広がる美しいシチリアの日常の風景を、ずっと大切に愛していきたい。

チェックインを済ませたらお散歩!さぁ我々はどこにいるのでしょう。

名もなき景色・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-04-29 02:55 | シチリア他の町 | Comments(22)

黄と緑の輝き

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 春のシチリアの大地。
 長い冬の終わりを誰よりも早く感知し、人知れぬ間に一気に萌え出づる野の花と緑。凍てつく寒さに打たれても、過酷な陽射しに焼かれても、この季節になれば必ず蘇生する。この偉大なる自然の生命力。シチリアの大地に根付く息吹から、この地の人々は忍耐強さを学んできたのかもしれない。

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 ラグーザからカターニアに向かう長距離バスからの風景。今しかない春の姿を追う。
 アフリカからシロッコ(季節風)が吹いていた数日、シチリアの湿度は高く、視界が鈍り、砂漠の赤い砂がもたらされていた。ヨーロッパにいながら異国情緒を肌で感じる。

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 瑞々しい緑の絨毯に、黄色の輝きが添い寝する丘。ここに横たえ、春の景色に同化してみたい。

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 沿道両脇に広がる春の輝き。この黄色には底知れぬ明るさと生命力を感じる。

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 天然の牧草地に放たれる牛たち。春を喜んでいるのは人間だけではないようだ。

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 モンティ・イブレイMonti Ibleiの一帯では、これから5月にかけて様々な色の花々が咲き乱れる。赤、ピンク、赤紫、オンレジ、黄、薄紫、青、白・・・、その可憐な姿に秘められた尋常ならぬ生命力に出会うのはもうすぐだ。


 ボローニャのサン・ペトローニオ大聖堂の楽長だったマウリーツィオ・カッツァーティ(Maurizio Cazzati, 1616-1618)のチャッコーナCiaccona
 テオルボが静かに提示するバッソ・オスティナート(繰り返されるバス定型、ドドドソ、ラファファソ、ド)に他の楽器の多彩な声が応え、自在な変奏が展開されていく。その様子はまるでシチリアの春の密かな萌芽から、一気に野生の草花が咲き乱れる過程を聴くかのよう。
 この明るさと生命の喜びに満ちた躍動感!ぜひ感じてください!


追伸:このグループ、Arpeggiataアルペッジャータは古楽演奏のみならず、イタリアやスペインの古い民謡(あるいは民謡に基づく音楽)もレパートリーに持っているようです。
 南イタリアのタランテッラTarantellaとプーリア州のピッツィカレッラPizzicarellaも必聴!
 音楽家とはこうあるべき、と思わせる演奏。


春の輝きと躍動感・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-04-18 10:22 | 音の絵:写真と音楽のコラボ | Comments(10)

心を癒す

 1時間に1本しかない旧市街イブラへ降りるバス。いつもより早めに家を出たため、あと20分は待たねばならない。天気も良いし、のんびり歩いてイブラに降りることにした。

f0133814_22434292.jpg 10分ほど坂を下ると、いつものイブラの絶景ポストに辿り着く。
 一気に広がる視界に悦びの溜息、谷の深さに身も心も吸い込まれ、鳥になって飛んでいるような心地になる。
 もうすぐここに来て4年になるが、何度見てもこの感動は変わらない。周りの丘は、最近の雨で少しずつ緑が濃くなってきた。青空に浮かぶこんな丸々と太った雲も夏にはなかった。確実に秋が深まっている。

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 イブラへの道は、急な坂道と階段の連続。天気が良ければ歩いて下る人もちらほら。
 こんな景色を眺めながらの通勤なんて、この上ない幸せだ。地元の人は車に頼り過ぎだといつも思う。生粋のラグーザ人である友人は、イブラに歩いて降りたことは一度もないと言っていた。もったいない。

f0133814_2256233.jpg イブラの入り口、プルガトーリオ教会付近に到着すると、驚いたことに信号が。
 イブラには信号など一つもないし、新市街にも数えるほどしかない。どうしたのだ、ラグーザよ。
f0133814_22563395.jpg そんな悪い胸騒ぎも束の間、何ということはない。工事のため、臨時に設置されたものだった。細い道路に工事の足場が張り出しているため、こうして時間差で一方通行にしているのだ。


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 反対側にもこのように信号が。電気コードとキャスター付きというところがかわいらしい。工事が終わったらコロコロ転がされて、取り外されるのだろう。お疲れ様と言ってあげたくなるな。

 ところで、世界初の交通信号は1868年にイギリスのウェストミンスターに設置された赤と緑の2灯式のものだそうだ。その後、1918年にニューヨークで手動式3色式が用いられ、次第に世界に広まっていく。現在では、交差点を単独に制御する単独制御、複数の交差点を同時に制御する系統式制御、面的に広がる街路網を同時に統括する面式制御、の3つの方式があるとのこと。町の構造の複雑化と交通手段の増加に従って、円滑な交通を図るために信号は不可欠な存在となっていったのだ。

f0133814_2346651.jpg しかし世界初の信号機誕生から約140年も経った現在でさえ、イブラには信号がない。いや、必要がないとも言えるかもしれない。そしてそれは素晴らしいことだ。
 信号に頼らずとも譲り合って運転できる心のゆとりが人々にはある。中世の渦巻型の町並みは、道が狭く坂とカーヴの連続で運転は決して容易ではない。それにも関わらず、交通パニックに陥ることなどほとんどないのだ。さらに中世とバロックの息吹が溶け込んだこの美観が、現代の利器によって無造作に壊されることもないのである。
 高度に発達した大都市にはない、人間の本性に頼る生活。それこそイブラが誇るべき美しき魂の現れの一つだろう。

 などと考えながら、谷底の畑で育つ冬のブロッコリーやたわわに実るオリーヴを眺め、たどってきた谷と丘を振り返りつつ、ああ、こんなに歩いてきた、と得も言われぬ充実感に満ちていた。肌で季節を感じ、心が開放されている自分に気が付いた。


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 利便性を追求して生まれた信号と車。たまには現代生活のリズムから離れて、自分の足と心で町を歩いてみるのもいいものだ。名も知れぬ木の種が、秋空高く舞っていくのを眺めながら、そんな生活が人の心をいかに豊かに癒すのか、身体で実感したある朝の通勤だった。

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by hyblaheraia | 2007-10-26 00:09 | 生活 | Comments(12)

モンテロッソ・アルモ

 ヴィッツィーニVizziniの町を後にし、我らを乗せた青いワゴンは山道をゆっくりと進んでいく。
 周囲は幾重にも折り重なるような石灰質の山。極度の乾燥のため緑は少なく、山肌が剥き出しになっている。
 カーブがきつくなってきた頃、窓の下を覗くと目が眩むほどの絶壁が。一同、左にゆ~ら右にゆ~ら。ジョヴァンニ氏は運転に集中、通訳係は車に酔い気味、車内も何となく静かだ。
 一同を見渡すと、カーブでやたらともたれてくる母は居眠り、姉は単行本を手に読書、後ろのヤングカップルはタッチパネルの小さな電子手帳でゲーム。
 みなさ~ん、凄いパノラマですよー。見てくださ~い!
 ヤング:はーい。(良いお返事)
 姉:見てるよ。(本を?)
 母:ん…?(寝ぼけている)
 父:ガチガチ。(夢中で写真を撮る音)


f0133814_5504516.jpg そうこうしているうちに、目の前に新たな絶壁が立ちはだかっていた。
 そこはモンテロッソ・アルモMonterosso Almo
 人口わずか3000人の小さな町で、私の両親の故郷なんですよ、とジョヴァンニ氏。こんな所、地元のディープなガイドがいなければ決して来られない。興奮気味に通訳係はすかさず伝える。
 ヤング:へぇ~。(感動を示す)
 姉:ふ~ん。(感動が薄め)
 父:こんな所に人が住んでるのかぁ?(話を聞いていない)
 母:・・・。(夢の中)


f0133814_5511717.jpg 町へ上がっていく坂の途中で一時停止し、ここは私の両親が結婚した教会です、とジョヴァンニ氏。

 ご両親は結婚後、仕事のためにトリーノに行き、彼はそこで生まれた。生粋のラグーザ人だと思っていたのに、フランス近い北イタリア・ピエモンテ州のトリーノ生まれとは。
 シチリアの家族にはいろいろな歴史があるのだな。

f0133814_5515747.jpg この辺りは既に標高890メートル。まだまだ登り続ける坂道の途中で、この町で唯一つの信号に止められた。ほとんど誰も通らないのに、朝から晩まで仕事をする信号。そのけな気さにパチリ。すると、

母:あなたの所も信号がないのよね。(寝ていたのに突然会話に登場)
通訳係:いいえ、ラグーザはイタリア最南端の県庁所在地、人口7万人強、信号は3つくらいあるノデス!(誇りを持って反論)
姉:あんまり変わらないじゃない。(バッサリ斬る)

 昨夜は町の守護聖人、サン・ジョヴァンニ・バッティスタ(洗礼者ヨハネ)祭りで、夜中2時まで大変な盛り上がりだったそうだ。そのため今日は町中の店がお休み。人々も祭りに疲れこの時間は昼寝中だという。確かに誰一人歩いていない。家々のカーテンもドアも閉められ、町が静まり返っている。
 そんなシチリアらしい光景を皆に説明。しばらくすると、

 父:ホッホ!誰もいないねぇー。みんな寝ちゃってるんじゃないの?(一度くらい話を聞いて欲しい…)

 
f0133814_5522267.jpg モンテロッソ・アルモのサン・ジョヴァンニ広場に着いた。バールが一軒開いていて老人が数人いるだけの小さな広場。
 そこに青いワゴンが停まり、日本人ゾロゾロと6人も降りてくる。この町始まって以来の光景を老人達は驚いた顔でじっと見ていた。
 日本代表の皆さん、お行儀良く、お行儀良くお願いしますよ!

 白いアーチは祭りのイルミネーション。この光の道を宗教行列が通る。とても感極まる祭りだとジョヴァンニ氏も言っていた。でも御輿を担ぐ若者はいるのかな。ふと心配になった。

 さぁ、写真も撮れたところで、再びワゴンに乗り込みラグーザへ!と、盛り上がっているのは通訳係のみ。時差ぼけのせいか、皆疲れがどっと出始めている。母は首を90度に曲げて熟睡、ヤングたちも瞼が重そう。
 姉はあくびを何度もしながら読書。でも牛が見える度に「あ、ムッケ、ムッケ」と機械のように繰り返す(伊語で牛の複数形)。そして父は遂にデジカメをしまい、両掌を観音様のように組んで親指をぐるぐる
 特にすることはないけれど、なんだか嬉しいときにやるしぐさ。
 家族全員でのシチリア旅行、結構嬉しがっているみたい。


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by hyblaheraia | 2007-09-30 07:39 | シチリア他の町 | Comments(6)

国道を離れてヴィッツィーニへ

 ラグーザへ我らを連れて行ってくれるのは、ジョヴァンニ氏の青い8人乗りワゴン。所用で先に帰宅したルカを除き、総勢6名が乗車。「珍道中号」はシチリアの大自然へと走り出した。
 オレンジ畑の不思議なプロペラ、エトナ山の煙、牛、山羊、馬、廃墟となった納屋、風力発電、自然火災の跡・・・、目にするものを次々に質問し、聞いて聞いてと催促する家族。縦に長い車内で私は身を乗り出しジョヴァンニ氏に質問し、通訳係として始終声を張り上げていた。
 走り出してこんな騒がしさが30分も続いた頃、ジョヴァンニ氏が、皆さんそこまでシチリアに興味をお持ちなら、通常の行路を変えて素晴らしい景色の見える田舎道を行きませんか?通訳係が伝えるや否や、いいねーいいねー!
 即決なのデアリマシタ。

 ということで、カターニア~ラグーザへ向かう国道194号から514号に入らず、途中で左にそれてヴィッツィーニVizziniへ。
 車2台がようやく通れる程のカーブだらけの田舎道が、強力粉grano duroの麦畑をくぐりながら、徐々に徐々に町へと登っていく。そしてこの大パノラマが我々を迎えた。
f0133814_705811.jpgヤングチーム:おぉー!
母:あら、凄いじゃない。
父:ガチガチ(眼鏡をファインダーにぶつける音)。
 感動の仕方は人それぞれである。

f0133814_713073.jpg 町の中心広場に車を停めて、写真撮影。ジョヴァンニ氏は煙草休憩に。

 市役所横の階段にはこんな美しいタイルが埋められていた。
 シチリア陶器で有名な町、カルタジローネの階段もこんな感じなのだろう。青い空と清々しい空気に映える階段を、何度も昇り降りして遊びたいものだ。

f0133814_73550.jpg これはヴィッツィーニ市役所。
 石灰石の黄色さは最近修復された証拠だろう。ノートの大聖堂もそうだし、我が家の教区のエッチェ・オーモ教会もそうだ。
 時間が経つと次第に薄ベージュ色に彩度が落ちていってしまうのだが、個人的には柔らかい色の方が好みかな。

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 この広場にはシチリアの作家、ジョヴァンニ・ヴェルガGiovanni Verga(1840-1922)の生家がある。車内でカヴァッレリーア・ルスティカーナCavalleria rusticanaの話が出た時に、原作者ヴェルガの説明をしたのだが・・・。彼の作品には、シチリアの厳しい風土と貧しさ、社会的不条理が根底を成している。今読んでいる『マラヴォリア家の人々I Malavoglia』にも。私が感慨深げに見つめ写真を撮っていると、
 父:これなに?へぇー、作家の家。(全然話を聞いていない)
 弟:あのさー、さっき言ってた作家の家ってどれ?あぁ、これ。(聞いてはいたが感動なし)
 弟の彼女:ふむふむと見上げていた。(共感してくれてありがとう!)
 母、姉:見に来なかった。(・・・。)
 理解の仕方は人それぞれである。

f0133814_7472545.jpg ヴィッツィーニを跡にしつつ、周囲の丘陵地帯を見下ろす。

弟:なんか、飛んでいるみたいだね
 ああ、ようやくまともなコメント。

f0133814_7475597.jpg姉:すごいねー。(脱力キャラなので言葉少なし)
父:いや~、すっごい所に人が住んでいるんだなぁ。(シチリアに来ると必ず言う)
母:いいじゃない、シチリアっぽくて。(映画『山猫』のファン)

f0133814_7482027.jpg 少し下がった所から見たヴィッツィーニ全景。

 ここで家族全員の写真をジョヴァンニ氏に撮ってもらった。
 あ、このカメラでもお願いします、と相次いで3台。これは典型的な日本人です。

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 左写真:薄緑色のモワモワ生えている植物をジョヴァンニ氏が千切って匂いを嗅いだ。思った通りという感じで肯き、これは野生のローズマリーだよ。鼻を近づけるといつもの香りがふわっと立ち込めた。知らせねば!ねぇーみんな~、これ野生のローズマリーですってー!
 振り向くとみな散り散りばらばら。父はオリーヴ畑にズンズン突き進み、ヤングカップルは町の写真を撮り、姉はオリーヴの実を摘み採ろうとし、母は空を見上げている。
 そして次の瞬間、いや~こりゃーしっぶいな~!畑からヨロヨロ登って来た父が、見ればなんと、オリーヴの小枝をもぎり取り、一粒食べている。ジョヴァンニ氏は目を丸くし、ええ、もちろんシブいですよ・・・
 もう少し統制が取れないものでしょうか、この一家。


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by hyblaheraia | 2007-09-26 10:50 | シチリア他の町 | Comments(5)

朝のカターニア散策

 旅人は早起き、しかも老齢ならなおさら。夕べ遅くまでビールとアランチーニで盛り上がっていたのに、父は朝6時半にシャワーを浴び、髪もばっちり櫛でとかし、靴も履いて完璧な出動体勢で朝食へ繰り出す時を今か今かと待っていた。それにつられて母も、姉も、次々に準備完了となる。
 もしもし?起きてるの!?朝食に行くわよ!電話を取ると、朝から卵のように起きる母の甲高い声が響いた。慌てて準備し、ヤングチームを呼び一同朝食へ。起き抜けのボロボロ状態は私だけだった。
 
f0133814_7272779.jpg 卵、チーズ、ハム、シリアル、フルーツ、コルネット・・・とシニアチームの食欲は旺盛。卵が嫌いな私は見ているだけでも辛くなる。うぅ。紅茶と甘いコルネットで脳に栄養、栄養。

 朝食を終え、9時半にはカターニア散策開始。まずは町の中心、象の広場Piazza elefanteでのんびり写真撮影。
 広場を特徴付ける黒い石はエトナ山の溶岩でできている。白い石灰石と黒い溶岩のコントラストはこの広場の生命そのもの。単色使いなのにエレガントな雰囲気が漂う。


f0133814_7231348.jpg カターニアのドゥオーモ教会Duomo。サンタ・アガタを守護聖人とし、毎年2月頃の祭りはシチリア屈指のものとなっている。

 さて、ラバー・フロウlava flow(溶岩流)に熱中し易い体質の父は、エトナ山の溶岩を使用した広場と聞くと、カメラを持って姿を眩ましてしまった。
 周囲が老人ばかりなだけに、環境への溶け込みも早くなかなか見付からない。仕方が無いので我々は動かずじっと待つ。
 すると数分後、私の古いデジカメ(2台前のもの)を嬉しそうに携え戻ってきた。一応デジカメは使えるけれど、液晶画面を見ずにサングラスをファインダーにがちがちぶつけて撮るところが昔風なのデアリマス。

f0133814_724547.jpg さぁ、全員揃いましたかー?ドゥオーモに入りますよー。

 一同がゆっくりと教会内を見学中、私はベッリーニの墓参り。
 カターニア出身のオペラ作曲家、ヴィンチェンツォ・ベッリーニVincenzo Bellini(1801-35)の墓を前に、来年こそベッリーニ劇場でオペラ《ノルマNorma》を鑑賞したい、と思いを新たにしたのだった。
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 ベッリーニの墓碑には何かのメロディーが刻まれている・・・・が、暗いのと目が悪いのとで良く見えなかった。でもおそらく《ノルマ》の一節であろう。
 この立派なパイプ・オルガンは数年前に修復が完成し、祝福の儀式の様子がシチリア・ニュースで放映された。こういう時に駆けつけられないのがラグーザという山奥にいるデメリット。

 ところでオルガンは想像以上に演奏が難しい。我々の結婚の時、ナポリの教会で曲目選びのためオルガンを弾いていると、頭の中で常に先を読んでいるメロディーと、鍵盤上で指の動きが作るメロディーと、打鍵の数秒後にパイプから響いてくるメロディーとがあり、この3つの音の次元で自分の位置が見えなくなり、まともに弾けなかったのを覚えている。あれに足鍵盤のメロディーが加わるのだから、オルガニストの頭と耳は凄いことになっているに違いない。
 
 ドゥオーモを出たら、エトネア通りVia Etneaをぶらぶらしながら街の雰囲気を味わう。その後、カフェでお茶をしながらのんびりと12時予約のタクシーを待つことに。
 タクシーはラグーザのジョヴァンニ・リヴィエラ氏。時間に正確で、運転も丁寧、町の歴史や自然にも造詣が深く、今まで何度もお世話になっている。ラグーザからカターニアのホテル前に来てもらい、自宅まで7人を乗せて130ユーロ(カターニアの普通タクシーなら一台が130ユーロ以上)。何とも良心的な価格。
 彼のワゴンで一同ラグーザへ!

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by hyblaheraia | 2007-09-25 09:37 | シチリア他の町 | Comments(6)

ラグーザ名物「老人バス」

 ラグーザには1番から9番までの市内バスASTが平日はほぼ毎日、1時間置きほどの間隔で走っている。これらのバスの主たる乗客は、ビジネスマンでも学生でもなく、老人たちである。市場の買い物袋を両手に提げたおばさんもいるものの、およそ90%は老人男性で占められていると言っていいだろう。

 詳しいことは良く知らないが(まだ若いので)、老人パスのようなものがあり、市バスは全線無料で乗り放題のようである。お爺さんたちは自宅近くからお気に入りのバスに乗り、午前中は次々に乗り込んでくる友人(お爺さん)たちとバスの中で話に花を咲かせ、お昼頃になると自宅にご飯を食べに一端帰る。そして多分、午後もこうやってバスで過ごし、街角のどこかで降りて立ち話をしたり、バールでカフェを飲んだりして、気が向いたらまたバスに乗り、晩ご飯の頃に奥さんの待つ家に帰るのだろう(まる一日観察したことがないので分からないが)。
 こういう日がな一日バスで遊ぶことを、老人たちは「ジレットgiretto、ちょっと一回り」と言っていた。「じゃ、ちょっと回ってくるよ」なんて言いながら出掛けるのだろう。この「老人パス」は、もはやラグーザ名物の感さえある。

f0133814_958735.jpg 今日は町外れのオフィスに用があり、新市街の国鉄ラグーザ駅前広場から7番のバスに乗った。始発から乗ったはずなのに、バスはなぜか老人たちで満員。一向に降りようともしない。そう、彼らはこの7番でぐるぐるジレットの真っ最中なのである。
 いつも不思議に思うのが、老人はみなワイシャツにジャケット、ループタイ、革靴でシャキッとよそ行きの服装をしていることだ。寒くなる頃には、これにシチリア弁でタスコtasco、ハンチング帽・別名コッポラ帽)と呼ばれるを帽子が加わる。ちなみにこのタスコは、市内の農業用具店で売られている。

 それにしてもお爺さんたちは元気だ。友達が乗ってくると、「チャオー、おう、どうだい。変わりないかい?Ciao, ou, come'? Tutto a'puost?(ラグーザ弁:チャオー、オウ、コメ?、トゥット・アプゥ~オシュトゥと発音。正しくはTutto a posto?トゥット・ア・ポスト)」と大きな声で挨拶。ハグや握手などした後は、最近誰が亡くなったとか、入れ歯の話とか、政治やサッカーなど、まぁいろいろな世間話に盛り上がる。「このバス、○○に行きますか?」と運転手に聞こうものなら、一斉にお節介を焼き始める。そしてどういう訳か席が一つ空くと、そこへ移動し、またどこかが空くと移動し・・・と、とにかく忙しない。
 それに今日は降車用ブザーが1つしか機能せず、偶然そのブザーの前にいたルカ(夫)は、あっちの老人やらこっちのおばさんやらに、「鳴らして!」と注文を付けられ、フラフラ席を変える老人が倒れないかと気を遣いつつ、目的地に着く頃にはすっかり疲れていた。

 我々も将来、「ルカ爺さんや~、ジレットしましょうかねぇ」、「ヒブラヘライア婆さんや~、じゃあ8番にしましょうかな」などと言いながら、ジレットをしているだろう。
 そんな老後が今からちょっと楽しみである。

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世界遺産の建造物巡りに疲れたら、お爺さんたちとジレットも良いかも。ラグーザ市民の日常が良く分かる7番、お洒落なヴィッラ風邸宅街を通る8番、郊外に広がるムーロ・ア・セッコとカッルーボ並木を堪能できる6番、などがお勧め。チケットは85セント、市内のタバッキで買える。
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by hyblaheraia | 2007-06-01 10:19 | 生活 | Comments(0)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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2013年11月、共著出版



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