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チンチャレッラの季節

 日本の地震と原発事故のことで一日中ネットで日本のテレビをかけっ放しにし、新聞各紙ネット版でも最新情報を確認し、地震情報や記者会見が入る度に緊張する毎日。一週間家に籠りっきりで遠い祖国の惨状を憂う私の心をほぐしてくれるのがチンチャレッラ。

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 チーチーチー・ヂュヂュヂュ、チーチーヂュルヂュルヂュル、と朝から元気な四羽家族がハスキーヴォイスで呼び合っている。テラスのジャスミンの枝は、彼らの行動範囲内の一時羽休み場所となっているのだけれど、

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 今年はなぜかいつも枝の端に留まっている。

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 なんでだろう。いつも枝の端。
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 しかもいつも同じ枝。ぴゅんと飛んできて、さくっと枝に留まり、数回ゆらゆらして、ピラピラっと飛んでいく。壁も垂直に歩けるし、アクロバットが好きなのね、チンチャレッラは。

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 うわっ!そんなこともしちゃうの?!
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 完全に宙に浮いている?!
 何もする気が起きず、何かがぴたりと止まってしまっている心に、チンチャレッラの姿は温かいものを届けてくれる。皆さんの心にも届きますように。
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by hyblaheraia | 2011-03-17 08:08 | 自然 | Comments(10)

ぴらぴら週間

 最近、チンチャレッラ親子は上手にたくさん飛ぶための練習をしているみたい。親鳥に見守られて、雛は羽を大きく広げ、まるで蝶々のようにぴらぴらと小刻みに震わせ、よし!と飛んで行く。
 名付けて、チンチャレッラのぴらぴら週間

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 ぴらぴらってこうするの?

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 はい、そうそう。


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 ぴらぴら、これでいい?

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 はい、そうそう。

 彼らと同じ水色のフリースを着て、テラスからかわいいぴらぴらの様子を親鳥以上に目尻を垂らして見つめる私。親鳥とは、そんな気持ちが深く通じ合っている確信、あり。
 だって2月からずっとテラスで世間話をしてきた仲ですから。今度はお子様連れでお茶しに来てくださいな。

追伸:トリたちは赤を着ると驚いて逃げてしまうし、黒だと恐がって近付いてくれないみたい。思い込みかな?
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by hyblaheraia | 2009-05-04 20:15 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(4)

舞い降りる黄色と水色

 黄色と水色の目の覚めるようなコントラスト、長いアイライナー、愛くるしい表情と仕草、少しハスキーな声。どうしてこんなに夢中にさせるのだろう。

f0133814_837373.jpgf0133814_846667.jpg テラスに遊びに来た時
f0133814_8305857.jpgf0133814_8312969.jpg お隣のアンテナで遊ぶ時
f0133814_8315463.jpgf0133814_837795.jpg じっと見つめられる時
f0133814_8395140.jpgf0133814_8432355.jpg 雛を切ない声で呼ぶ時



 テラスに遊びに来たチンチャレッラ親子。

動画解説:ぴらぴら飛び回る雛を親鳥が心配そうに見つめていると、右から雛が飛来してきて、煙突の穴から顔を覗かせかくれんぼう。(さえずりが小さくてほとんど聞こえず残念、チチチヂュ)

 短い春の間だけ舞い降りてくる黄色と水色の野鳥。
 その姿を見ていると、沈んだ思いが軽やかに晴れ、身体の奥が温かいもので覆われて来るのを感じる。今はもう、春なのだ!

~~~ ~~~ ~~~

 先日のゲームで共鳴した、黄色チームのEriさんへのささやかな贈り物。黄色と水色が高得点だったのは、チンチャレッラの念力のお陰?!次回はYuccaRさんへの贈り物です。

チンチャレッラにメロメロなのです!     
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by hyblaheraia | 2009-03-16 09:41 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(8)

トリの珍事

 最近、ラグーザのトリたちに珍事続出。
 こちらはメルロ討論会の中継。日没の1時間くらい前は最終会であるため、大熱戦が繰り広げられる。

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左:司会者とパネリスト3人、中:左翼と右翼(トリだけに翼)、右:分裂した左翼と右翼

 大勢集まる時は、思想を同じくする者同士、同じ方向を向きつつ発言するのが、メルロ討論会のしきたりなのである。この日も、遠くで行われている討論会が見えた。
 
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 あ、これは!メルロ観察歴4年の私にはすぐ分かった。忌々しき事態であるぞ!なぜなら、

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 玉突き衝突を起こしている!
 左翼の意思は相当固い。右翼の一人が歩み寄りを見せているが、がんとして聞かず。ショーペロ(ストライキ)突入か?!


 シチリアではバルコニー越しにご近所と世間話をするのが極普通の光景である。
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 先日、久し振りに会ったチンチャレッラとおしゃべりに花を咲かせた時のこと。この頃、チンチャレッラ族の間では新種のトレッキングが流行していると自慢気に話し始め、突如、

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 あ~らチチチヂュ!っと壁を直角に歩き始めた。
 コーチは近所に住むヤモリ氏なのだそうだ。なるほどねぇ。



 ある晴れた日。遠くの家のフェンスの上をシニョール・コロンボ(鳩氏)がテケテケ散歩していた。おや、何か落ち着かない様子だ。

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 歩けど歩けど付いてくるこいつは誰なのじゃ。

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 おい、待て、何奴!
 いつになったら気付くのでしょう。


 メルロがなんだかいつもより騒いでいる。何事かとテラスに出て見ると、そこには
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 未知との遭遇。UFO着陸の瞬間!


 何年経っても飽きない、トリ観察。いや、年々白熱していると言った方が正しいか。

トリ観察、止められません~~!     
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by hyblaheraia | 2008-11-17 10:16 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(12)

クイズの答え

 チンチャレッラ・クイズにお答えくださった方々、また画面に見入ってくださった方々、皆さまありがとうございました。
 答えの発表です!第1、第2問目はあまりに簡単だったので省略しましょう。
 難易度のAAAの第3問では
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 この中にいるのですが、思いっきりアップにしてみると・・・

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 こんな所から顔を覗かせていたんですね~。何かが気になっている様子。何でしょう??このちょこんとした感じがたまらない!!

 さて、難易度AAAAAAAAAAAAの第4問目ですが、
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 本当にこの中にチンチャレッラが?と思われたことでしょう。私もこれには目を疑いました。

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 実は、こんなところにいるんです!しかも飛んでいったのではなく、壁をよじ登って!!!!!信じられない!!もうただただ、うっそ~~!!と感嘆の声を上げるだけ。

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 カッテドラーレの中庭の、この木の上から緑のドアの上あたりにぴらぴらっと飛んで行って、そこからチョコチョコ、チョコチョコっと、壁の上を自在に歩いて、時々は真横になってアクロバット芸を披露しつつ、あんな高いところまで。
 まるでヤモリのような動き。マレーシアではヤモリのことをチッチャと呼ぶのですが、これはまさにチッチャレッラ!新たな生態発見か。
 
 これが偶然ではない証拠に、数日前にもテラスから同じような行動を目撃。その決定的瞬間の写真はこれ!!ご覧下され、この通り、真横になって壁にくっついても全く落ちず!スパイダーマンも真っ青の壁技。あるいは忍者のようなニンジャレッラ
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 詳細に解説いたしますと、水色の部分が頭、黄色がお腹、顔は見えていないけれど壁向き。そして右足が異様に伸びている!
 こ、こ、これは!!!!
 チンチャレッラの足は、伸縮自在だったのか!?

 どなたか、チンチャレッラの生態についてお詳しい方、さらなる分析をお願いいたします。

トリかヤモリか・・・?!。

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by hyblaheraia | 2008-04-12 08:56 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(6)

チンチャレッラ・クイズ

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f0133814_21324170.jpg 私の愛して止まないチンチャレッラcinciarella(アオガラ)

 水色の頭にい背中、黄色い胴体の鮮やかな野鳥。い顔には、小さなオレンジ色の嘴が乗り、黒いアイライナーがすっと引かれている。胴体にも黒い縦線が一本。
 蝶々のようにぴらぴら舞い、赤やピンクの色の明るい花があるベランダを飛びまわり、チチヂュ、チチヂュと透き通るような声で歌う愛らしい野鳥。

 この声が響くとすぐにあの可憐な姿を探しにテラスに出る。小さな体なのですぐには見つからない。聴こえる方向に耳を澄まし、アンテナを次から次へと見つめその姿を探す。そして見つけると、チンチャレッリーナ(チンチャレッラちゃん)、こっちにいらっしゃい。何してるの?歌ってるの?・・・・・・と目尻を垂らし、メロメロな声で呼びかけてしまう。
 近所の人々に不気味がられないように、挨拶する際はチンチャレッラがかわいくて見ると話しかけちゃうんです~と言い訳をする毎日。


 さてさて、チンチャレッラがどのような野鳥であるか、お分かりいただいたところで・・・・・・
チンチャレッラ・クイズ ワタチハ ドコデショウ チチヂュ


クイズ第1問
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 これは意外と簡単。難易度A。

クイズ第2問
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 これもそんなに難しくないでしょう。難易度A+。

クイズ第3問
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 ふふふ。これはちょっと難しいですよ。難易度AAA。意地悪して、部分拡大せず画像をそのままに。

クイズ第4問
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 ひひひ。これは絶対分かりますまい。難易度AAAAAAAAAAAA(?!)。
 チンチャレッラの新たな生態を発見した瞬間の一枚。これには私も驚き!チンチャレッラよ、こんなこともできるとは!さては軍隊経験ありデスナ。

 ということで、クイズの答えをお待ちしております。最後の問題を解ける人はいるのかな~。

チチヂュ・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-04-10 22:59 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(19)

春の色彩

 11月からずっとこの日を待っていた。近所のバルコニーがシクラメンで飾られるのを横目に、殺風景なテラスでじっと我慢した。一時帰国直前だったので、花は買わないと心に決めていたのだ。
 ラグーザに戻るなり予定外のテラス工事が入り、さらに待つこと1ヵ月。ああ、ようやくこの日が来たのだ。待ち焦がれていた花よ、花、花、花~~!

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 運良く今日は木曜日、メルカート(市場)が開かれる日だ。エッチェ・オーモ教会前の花屋には、こんなに鮮やかな色が溢れていた。待った甲斐があったというもの。

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 もう目移りして仕方がない。普段なら買うであろうプレッツェーモロ(イタリアン・パセリ)は目に入らない(野菜だから)。弾けるような色の丸い花に目が行く。

f0133814_334283.jpg パンジーは雨に打たれると傷みそう。ベゴニアやアネモネの球根は5つで2ユーロ。植えて育てる楽しみもあるなぁ・・・と見ていると、おじさんが出てきた。
 植えると何色もの花が出てくるよ。
 今植えたらいつ頃花が咲くんですか?
 まぁ、パスクア(復活祭)の頃には咲くよ。
 だめだめ、遅すぎマス。私は今すぐ花が欲しいんです!

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 ということで買ったのがこれ。
 この目の覚めるようなジャイプールピンクのベゴニア3ユーロなり。この色を見ると心の奥底を突かれるような気分になる。幼少時代マレーシアで咲き乱れるブーゲンビリアに囲まれて育ったからかな。
 そしてこの丸い花たち。名前を調べないと。一鉢1ユーロなので全色買った。いつの間にか私の横にいた小さなお孫ちゃんが一緒に持ってくれた。いつもエッチェ・オーモ教会のファサード前で自転車に乗っているアレッシアちゃん。

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 それから、ついにこれも買ってしまった。秋からずっと目をつけていたもの。名前はアスパラゴasparago。新芽が野生アスパラに似ているからそう呼ばれている。
 こういう枝垂れる植物がたまらなく好きな私。そしてカルデッリーノcardellinoチンチャレッラcincarella(野鳥デス)も、この葉の間で羽をこすって遊ぶのが好き。彼らのために、本日最も高価な8ユーロの一鉢を購入。
 愛らしい姿を想像しながら、買ってきた花の手入れをしていたら、チチチヂュッ
 振り向くと、チンチャレッラが。うわっ、もう来ちゃった。
 チャ~~オオォォォォ~~~~!
 メロメロでゴザイマス。

f0133814_3385861.jpg チンチャレッラ親子は最近、テラスに植物がないのを見て、つまらなそうに飛んで行ってしまっていた。
 明日からは家にも来てねー!アスパラゴもご用意しましたよー!
 この一途な想いは通じているのだろうか。
  
 チンチャレッラママさん、ちょっとお太りになりましたかな。

 青い空とテラスを彩る春の色彩。そこにひょっこり現れるチンチャレッラ親子。冷たいマエストレッラ(北西の風)は吹き込んでいるけれど、春は確実に近づいている。

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by hyblaheraia | 2008-02-01 07:31 | 自然 | Comments(6)

一枚の写真

 それは一枚の写真から始まった。谷間に広がる町の写真に魅せられ、ラグーザがどこなのかも分からないまま夫婦でここにやって来た。それから2年、なぜかは分からないけれど、説明はできないけれど、どうしてもここに来なければならない気がした、と言う二人。
 漆塗家、藤岡圭子氏とそのご主人は、こうして再びこの地を訪れた。
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 旅人だけでなく、地元の人々をも魅了して止まないこの風景。ここには人と人とを結ぶ、不思議な力がある。彼らとの出会いもまたそうだった。
 ラグーザへの旅行前に、圭子氏がネットで情報検索をしている際、この写真がトップページのサイト、ヒブラ・ヘライアHybla Heraiaがヒットする。そこでこのブログの存在も知り、開いてみると、2年前に謎が解けなかった日時計の記事があった。
 即座に「日時計!」と会社のご主人に携帯メッセージを送る圭子氏。受け取ったご主人は几帳面な性格のため、まずはブログ全ページをざっと流し見する。すると、良く知っているあの「角度」が見えた気がした。スクロールをゆっくり戻すと、ダンディーなポーズで石垣に座る男性が。あっ「ジョヴァンニ!」 今度はご主人が奥さんにメッセージを送る。2年前にラグーザで出会い、散歩をしながらこの町の美しい文化と歴史を語ってくれたジョヴァンニおじいさんの姿だった。
 この人に連絡を取ってみようか。そしてこのブログにコメントをくれた。

f0133814_17371794.jpg 最初のコメントは圭子氏がメーラーで書いていたそうで、コピー・ペーストをしたら最後の署名が入ってしまっていた。本人の知らないうちに、私は彼女の塗装のサイトを見ていた。
 その丁寧で美しい作品の数々に心を打たれた。普段何気なく使っていた箸が、これほど時間と手間をかけて、細心の注意と高度な職人技によって出来ているとは。
 割れた食器を金で継ぎ直し、新たな命を吹き返す様子、食器の破損部分がなくても修理できるという技術、物を大切に使い続けるメッセージ。一目で彼女の仕事ぶりに惚れ込んでしまった。
 こんなに美しいものを創る人に悪い人はいない。ネットを通じての出会いには危険が潜んでいるものだが、彼女に関しては何の疑いもなかった。
 旧市街イブラで待ち合わせをし、散歩をしつつ、荒涼とした谷と丘を見ながら、互いに大切に思っていることを語り合っていた。


f0133814_17374444.jpg こんな素晴らしい圭子氏作の箸を二膳いただいた。
 右はルカ用、左は私用。厚手の白い和紙を三つ折にして包まれる箸に、侘び寂びの精神を思い出す。
 華やかでグロテスクなバロックの町にいると、日本の美を目にして、ずっと忘れていた心の記憶がかすかに蘇る時がある。


f0133814_1738499.jpg 箸の模様はさらに素晴らしい。
 右ルカ用は、伝統的な紋様の「竜田川」。奈良県を流れる竜田川は紅葉の名所で、古くから歌に詠まれてきた。
 竜田川?和歌に出て来ますよ! ルカはすぐに反応した。

ちはやぶる神世も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは(古今和歌集 在原業平)

 歌を詠むルカと夫妻。この一瞬に彼らの距離がぐっと近付いていた。
 左の私の箸は、圭子氏の新たな挑戦のデザインと技法による。満遍なく一様に塗り込む従来の漆の技術ではなく、筆の軽いタッチで擦れた風合いを表現している。
 右側には私が愛して止まないチンチャレッラCinciarella、青と黄色の鮮やかな野鳥で、春には親子で我が家に遊びに来る。左側には旧市街イブラ入り口にあるイートリア教会Chiesa di Santa Maria dell'Itriaの鐘楼。マヨルカ焼の青と黄色のタイルは、この町の象徴ともなっている。
 日本の伝統技術に我が町ラグーザの図案。こんなに嬉しい贈り物はない。しかも箸の裏、左には「るか」と平仮名で名入り、右には紅葉が一片。私の箸の裏にも名前と、さらにラグーザ伝統菓子のムカートリmucatoliが一つ。ああ、なんという粋な遊び心。


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 箸の図案となったイートリア教会とチンチャレッラ。ビザンチン時代の教会跡地に1701年に再建されたこの教会、300年後に日本の箸に描かれることになるとは、いったい誰が想像しただろうか。そして欧州とアフリカにしか生息しないこれほど色鮮やかなチンチャレッラ、その無邪気な姿が箸という日本の文化に舞い降りてきたのだ。
 全くの異文化がラグーザを愛する一人の手によって見事に出会う驚き。それだけではない。私の愛するこの町を、同じように愛してくれている。信じられないような出来事に、今もまだ胸が震える。

 2年後には圭子氏の個展と私の研究のコラボレーションをここラグーザで開こう、と固い約束を交わした。
 言葉では言い表せない出会いの悦び。たった一枚の写真がもたらしてくれた。

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by hyblaheraia | 2007-10-10 20:09 | 生活 | Comments(16)

野鳥の子育て -チンチャレッラ-

 青と黄色の鮮やかな羽、透き通った声、アイラインを引いたような独特な目をもつ可憐な鳥、チンチャレッラ(cinciarella、アオガラ)。去年の夏までは一度も見たことのない鳥だった。坂の上の4階建て、テラス付きのこの家に越してきた時から、その愛くるしい姿にすっかり心を奪われ、今はカルデッリーノ(cardellino、ゴシキヒワ)と同様、近付こうとすればさっと交わされる片思いの相手になった。

f0133814_5425072.jpg 先週、3階のバルコニーを掃除していた時、わずか1メートルほど先の鉄柵に、チンチャレッラの雛を見つけた。
 左に見えるテッラコッタの屋根と鉄柵との間を、私の目の前でぴらぴらと行ったり来たり。ここに住んでいるからヨロシク、とでも言うかのように、何度も挨拶をしてくれた。ああ、憧れのチンチャレッラの巣が我が家に!この日から私のチンチャレッラ観察が白熱している、という訳である。


f0133814_8172170.jpg 日々の観察からいろいろなことが見えてきた。メルロ(merlo、クロウタドリ)たちとは違って、チンチャレッラは親鳥が一羽の雛だけを育てているようだ。
 雛の産毛が完全に生え変わらないうちから、あちらのベランダやこちらのテラスへと、まるで蝶々のように一緒に飛び回る子育て。青空に小さな黄色い身体が軽やかに舞う姿は、何とも清々しい。
 あまりに小柄すぎて、遠く肉眼からでは親子の違いは良く分からない。でも声は明らかに違う。親鳥が透き通った声で「チチチヂュ、チチチヂュ」と呼びかけると、雛は少しハスキーな声で「シシシシ、シシシシ」と懸命に応える。まだ「チチチチ」と上手に発音できていないのかもしれない。


f0133814_8402959.jpg こんな高いアンテナの上で給餌をすることもある。口ばし伝えに餌を与える姿は、チンチャレッラもメルロも、何か暖かいものを感じさせる。
 LIPU イタリア鳥類保護協会によると、野鳥は春はミミズや虫を、秋には草の種などを食べるそうだ。確かに去年の10月に、季節を終えて枯れ果てたバジリコの苗に3羽のカルデッリーノ(ゴシキヒワ)の親子が種をついばみに来ていた。マンジャトイア(mangiatoia、餌箱)を軒先などに設置すると野鳥を間近に見られるらしいが、我が家ではもっと自然な方法で、今年も枯れたバジリコをそっと残しておくことにしよう。


 チンチャレッラの親鳥は、雛と行動を共にしながら安全な区域を教えているのだろうか。光栄にも、安全地区に選ばれたと思われる我が家のテラスには、ほぼ毎日、何度も、仲睦まじく親子でやって来る。
f0133814_8534479.jpgf0133814_853458.jpg 身体の黄色と青がはっきりし、白い顔とアイライナー口ばしのオレンジ色が目立つのが、おそらく親鳥だろう(左)。
 一方、色の違いが少し曖昧で、口ばしも全体的にグレー色なのが雛(右)。夏には親鳥のように、目の覚めるような色を帯びているだろうか。
 我が家のスノコと干したキッチンマットに、ちんまりと座っている姿がたまらない。


 もちろん、雛一羽だけで遊んでいることもしばしばある。アンテナの真下に我々がいてもこの通り。羽を繕うのに夢中の様子。f0133814_9164935.jpgf0133814_9122726.jpgf0133814_912442.jpg雛が恐がらないようにと、この時夫がずっと「チチチチ、チチチチ」と親鳥の鳴き真似をしていたが、果たしてその声は届いていたのだろうか。
 それにしてもチンチャレッラは好奇心があり、以外と人を恐がらない。警戒心の強いカルデッリーノやメルロとは大分違う。


 チンチャレッラの声を意識の遠くに聴きながら目覚める今日この頃。この声が聴こえると、ああ、まだいてくれた、とほっとする。
 雛の巣立ちは早い。旅立つことが分かっている雛との、春の束の間の同居を楽しんでいる。


人気blogランキングに参加中 チンチャレッラはかわいい!


f0133814_1094918.jpg◇ちょっとおまけ◇
チンチャレッラを探せ
「ワタチはどこでチョウ、チチチ」


5月4日のブログ チンチャレッラ情報
5月22日のブログ メルロ情報あり


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by hyblaheraia | 2007-05-23 10:51 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(3)

野鳥と心が通じる日

 東京に住んでいた頃は、知っている鳥と言えばスズメ、ハト、カラス、ニワトリ(それも食用、チキン)くらいで、改まって鳥のことを考える機会などなかった。それがラグーザに住み始めてからというもの、ゴシキヒワ、クロウタドリ、アオガラ、オオツバメ、カササギ、シマフクロウ、コウモリ、の存在を知り、飛び方や聞こえてくるさえずりで、「誰」なのか分かるまでになった。鳥だけでなく、雲の動き、光の強弱、風のそよぎ、土の色の変化、季節と星の関係など、私を取り巻くあらゆるものにも敏感になった。そして現在の家に引っ越してからは、バルコニーからの野鳥観察が毎日の楽しみになった。デジカメでの撮影だけでなく、さえずりの録音もする。

f0133814_16401594.jpg クロウタドリ Turdus Merla(写真左)は、その名の通り歌い方のバリエーションでは他の野鳥を凌駕する存在である。のどの辺りの羽を鋭く立て「クリクリクリー、クリクリクリー」とぜんまいを巻くような声を出すかと思えば、体を伸ばし、羽を下向きに軽く広げて「ディ・ディキディキ・ディ・ディキディキ・ディー」と泣いたりもする。その姿はペンギンにどこか似ている。高い声で「フィーーゥ」、甘い声で「ピュ~~」と泣く時はその愛らしさにメロメロになる。雛たちが遊ぶときは、少しつぶれた声で「エエエ、エエエ」、とじゃれあい、やんちゃぶりを見せる。
 観察していると、どうも彼らの間ではその年ごとに流行のメロディーがあることが分かってきた。去年はロックのようなリズムで「ウウアー/ウウアー/ウア・ウア・ウア・ウア/ウ・アウアウー」(2拍子)、と歌うのが流行っていたが、あれはきっと近所から聴こえてくるバンドの練習を真似ていたに違いない。
 こうしてバード・ウォッチングだけでなくバード・ヒアリングの楽しみも知った。

 引っ越してから知った鳥もいる。
 イタリア語ではチンチャレッラ Cinciarellaと呼ばれるその鳥は、体長10センチ程と小さく、背と頭が鮮やかな青、胴体は黄色、腹に黒い線、顔は白く、目にはアイライナーのような黒い線がすっと引かれている。あまりの鮮やかさに、最初はどこかで飼われているカナリアが逃げてきたのかと思ったほどである。f0133814_1603322.jpg
 日本名はアオガラ。スズメ目シジュウカラ科の鳥で、ヨーロッパとアフリカ北部に生息し、番い(つがい)で暮らす。高所を好む彼らは、高台に建つ家々の、さらにそこより高いアンテナの上に留まっていることが多い。だから急な坂道のほぼ頂上に位置する4階の我が家では、チンチャレッラたちの姿を毎日目にすることができる。


 先日こんなことがあった。さえずりが普段より近くに聴こえたので、デジカメを手にバルコニーに出てみると、f0133814_1614949.jpg我が家のアンテナで歌っていた一羽のチンチャレッラが、私に驚いて向かい宅に飛んで行ってしまった。 「ピッコリーノ(ちびちゃん)、どうして行っちゃうの?こっちにおいでおいで」、と話しかけると、呼びかけに応えるようにこちらに戻ってきて、恐がることもなくアンテナの上でかわいらしい歌を聞かせてくれた。
 ほんの数十秒の出来事であったが、野鳥とこれほど間近にいて、言葉を交わし、心が通じ(たつもりで)、言いようのない悦びに満たされた。この2枚はその時の写真。
 右は我々がまさに見詰め合っている瞬間。


 ところで鳥類と人間の間には、色彩の感じ方に違いがあるそうだ。人間の目の網膜には赤、緑、青(RGB)を感知する視細胞があるが、鳥類にはさらに紫外線の一種を感知するそれが加わる。例えば、人間には黒一色に見えるカラスも、彼らの間では違って見えるらしい。そして我々にはオスメス同じに見えるチンチャレッラも、彼らの間では、冠羽(かんう、かんむりばね、頭の部分)の近紫外線反射率で、その違いが感知されている。
 とすると、あの日、心が通じ合ったチンチャレッラは、私の頭の近紫外線反射から何を感知したのだろうか?おそらくイタリア人とは異なる反射をするのだろう、私は。

 チンチャレッラが歌っている間、私は感嘆の声を上げながら目尻を垂らして見つめていた。バルコニーから家に入ると、夫に「誰と話してたの?」と聞かれ、「チンチャレッラと」と答える自分がおかしかった。
 アッシジの聖フランチェスコのように、鳥と会話ができるようになる日はそう遠くはないかもしれない。

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by hyblaheraia | 2007-05-04 01:59 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(2)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

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2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


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