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ストゥルヌスの子育て 2010年

 雛の声が今年は随分近くに聴こえると思ったら、裏のお宅の瓦の下、居間の窓から3メートルの至近距離に巣ができていた。その場所は、
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 「サボテンのミッキーマウス横町 西上ル 2軒目」
 ストゥルヌス市役所の戸籍課に登録済み。


 雛の食事内容がじっくり観察できる距離だから、

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 ミミズや羽つきの虫ばかりでなく、
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 草花を持ちこんだり、運び出したりしている様子まで観察できる。
 雛に餌を与えるだけなら、巣から出る時は手ぶら(くちばしぶら?)のはずなのに、なぜいつも植物を加えて出て来るのだろう。巣を清潔に保つために、糞で汚れた草を取り除くのかもしれない。こんなに近くで見ていたら、知りたいことが増えるばかり!興味が尽きない!


 実は、それはこのひとたちも同じみたい。
 
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 飛び立つときも、ジロッ。

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 巣の上でも、ウゥー。

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 巣の周りでも、ウゥー、ウゥー、ウゥー。
(ストゥルヌス:あの~、ちょっと道をあけてください。)

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 あー、気になる、気になる。

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by hyblaheraia | 2010-06-02 08:58 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(8)

今思えば・・・ -親鳥の平等な愛-

 ストゥルヌス・一郎、二郎、三郎、四郎。2009年の雛たちはの四兄弟だった。それを知った後の、今の目で見ると、この写真は物凄いことを物語っている。

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 親鳥が巣に飛んでくると、一郎、二郎、三郎は一斉に口を開けてご飯を欲しがる。名付けて、ド・ミ・ソの三羽音。
 雛たち:ドー、ミー、ソー♪♪♪
 親鳥:はいはい、はいはい。

 ここまでは前回、お伝えした通り。けれど、次の瞬間・・・

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 親鳥:四郎はどこかしら?
 一郎:四郎は寝てるから後でいいよー。ごはんー!

 外に出てこない四郎を案じて、巣の中を覗き込む親鳥。同じ時に生まれても、きっと卵の孵化や成長の早さに違いがあるのだろう。四郎はまだ小さいから、巣の中でじっとしているみたい。

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 親鳥:はいはい、順番にね。一郎からよ。
 一郎・二郎:ちょうだい、ちょうだい!!
 三郎:なんで、いつも一郎からなんだろう。
 
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 一郎:もぐもぐ。噛みかみ。
 二郎:よし、次はボクだな。
 三郎:まだしばらくかかりそうだな。

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 一郎:もっとちょうだいー!!
 親鳥:もう食べたでしょ。次は二郎よ。
 二郎:そうそう、次はボクだよ。
 三郎:その次はボクなんだけど。

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 親鳥:はい、二郎。
 二郎:アーン!

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 親鳥:じゃあ次は三郎よ。
 三郎:ああ、やっと番が来た。

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 親鳥:あ、ちょっと待って。背中がかゆいわ。
 三郎:ズコッ。
 
 ずっこけた三郎は、巣に後ずさり。

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 親鳥:お待たせ、三郎。
 三郎:いいですか・・・。おずおず。

 生後間もないのに、早くも性格の違いがあるみたい。強気の一郎、一郎と一緒だとやんちゃぶりを発揮する二郎、兄二人に負けて何となく大人しい三郎。一応、みんなご飯をもらえてほっとしていると・・・


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 親鳥:四郎~~!出ていらっしゃーい。ご飯ですよー!

 外に出てこない四郎に、こうして腰を一杯に屈めて呼び掛けている。今だからこそ分かる、この母性(父性かも)に満ちた給餌行動。ストゥルヌスの家族愛はなんと率直で温かいのだろう。


そしてここから一郎のワンマンショーが・・・
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by hyblaheraia | 2009-07-03 19:37 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(14)

一郎、二郎、三郎、四郎物語 -ストゥルヌス四兄弟-

 5月末、それは辺りが白んでくる頃から始まった。けたたましい騒ぎではっと目覚め、ああまだ飛んでいないな、と安心しながら夢の続きを見に行くものの、脈略なく割りこんで来る鳴き声で夢は引きちぎられ、再び、はっ!次第に心地よい夢は切羽詰り始め、鳥たちも気になり、夢も気になり・・・。
 
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 優柔不断の性格と戦いながらも、最後にはけたたましさと好奇心に負け、早朝からストゥルヌス観察を始める。

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 ドー、ミー、ソー(ご・は・ん!)♪♪ 
 三羽音(三和音)をきっちり奏でる一郎、二郎、三郎。去年は二羽だったけれど、今年は三羽だから、


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 親鳥が餌を運んで来る時の騒ぎは大変なもの。ビジュ~~ジュー!!

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 親鳥もウィウィウィッ!!。雛はさらにジュジューー!ビジュビジュ~!
巣の真横に住むジャンノーナおばさんは、朝から騒々しくて頭が痛いのよ、と困り顔。多分、今日か明日に巣立ちますから、もうちょっとの辛抱ですよ。と話していると・・・、
 あれ、もしかして四羽音(四和音)?!

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 ド、ミ、ソ、シ♭・・・ビジュ~~?

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 狭いからか、巣から出て不安だからか、互いに固まり、こんがらがって良く見えない。けれど直感的に感じた。きっと四羽いる!
 興奮と、好奇心と、確信とで、胸が激しく打ち、呼吸は浅く、指先はおぼつかない。恐る恐る双眼鏡で覗いて見ると・・・、

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 確かに黄色の嘴が4つ見えた!四郎、君もいたのか。
 口をしっかりつぐんで、まだ灰色を残した産毛に包まれて、ふくふく、ごにょごにょ、ぐちゅぐちゅ、ただ懸命にそこにいる!(双眼鏡のレンズにデジカメをくっ付けて撮影)

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 ああ、今年は四兄弟だったのだ。例年以上にけたたましい鳴き声は、四羽音だったからなのだ。
 こうして空を仰ぎながら、時々、猛スピードで飛んで行くアマツバメを眼で追い、親鳥が餌を運んでくるのをひたすら待つ姿の、純粋無垢な、無防備な表情に心が溶ける。



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 餌を欲し、親鳥を求め、空を希求する狂おしいほどの鳴き声が今でも蘇って来る。

 ストゥルヌス・一郎、二郎、三郎、そして四郎。

 ラグーザの大空を羽ばたき、たくましく生きよ!


追伸:ストゥルヌス護衛隊編と、一郎ワンマンショーもあるんですけれど、続けましょうか?
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by hyblaheraia | 2009-06-24 23:48 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(10)

Sturnus unicolor 2009

 ティッティキティキ!、クトゥクトゥクトゥ・・・、フィ~ウ~~、プゥーー。
 春の終わり頃からとあらゆる声色を使い分けて歌を競い合い、黒い羽根を蝶々のように広げてグルグル、互いの魅力をたっぷり自慢しながら、実に多くのカップルが誕生した。そして今年もいつもの場所(向いの空き家の壁の隙間)に、巣を作り、雛が孵った。

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 何も変わらないいつものラグーザの春。ただ一つ違うのは、彼らはメルロではなく、ストゥルヌスという名前だったということ!

 Sturnus unicolor ストゥルヌス・ウニコーロル(英Spotless Starling, ムジホシムクドリ )

 ラグーザ人は彼らをメルロと呼ぶけれど、ナポリの実家にやってくるメルロとはあまりに違う。ルカがネット丹念に調べた結果、イタリアではシチリアとサルデーニャにしか生息しないことが分かり、やっぱりそうか!と二人で心底納得。
 ということで、ストゥルヌスと呼ぶことにいたしました。


さて、3羽の雛は・・・、
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by hyblaheraia | 2009-06-14 19:32 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(8)

トリの珍事

 最近、ラグーザのトリたちに珍事続出。
 こちらはメルロ討論会の中継。日没の1時間くらい前は最終会であるため、大熱戦が繰り広げられる。

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左:司会者とパネリスト3人、中:左翼と右翼(トリだけに翼)、右:分裂した左翼と右翼

 大勢集まる時は、思想を同じくする者同士、同じ方向を向きつつ発言するのが、メルロ討論会のしきたりなのである。この日も、遠くで行われている討論会が見えた。
 
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 あ、これは!メルロ観察歴4年の私にはすぐ分かった。忌々しき事態であるぞ!なぜなら、

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 玉突き衝突を起こしている!
 左翼の意思は相当固い。右翼の一人が歩み寄りを見せているが、がんとして聞かず。ショーペロ(ストライキ)突入か?!


 シチリアではバルコニー越しにご近所と世間話をするのが極普通の光景である。
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 先日、久し振りに会ったチンチャレッラとおしゃべりに花を咲かせた時のこと。この頃、チンチャレッラ族の間では新種のトレッキングが流行していると自慢気に話し始め、突如、

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 あ~らチチチヂュ!っと壁を直角に歩き始めた。
 コーチは近所に住むヤモリ氏なのだそうだ。なるほどねぇ。



 ある晴れた日。遠くの家のフェンスの上をシニョール・コロンボ(鳩氏)がテケテケ散歩していた。おや、何か落ち着かない様子だ。

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 歩けど歩けど付いてくるこいつは誰なのじゃ。

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 おい、待て、何奴!
 いつになったら気付くのでしょう。


 メルロがなんだかいつもより騒いでいる。何事かとテラスに出て見ると、そこには
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 未知との遭遇。UFO着陸の瞬間!


 何年経っても飽きない、トリ観察。いや、年々白熱していると言った方が正しいか。

トリ観察、止められません~~!     
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by hyblaheraia | 2008-11-17 10:16 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(12)

メルロの愛のかたち

 メルロの雛が巣立ってから5日後、親鳥が巣に戻ってきた。声のしなくなった空の巣にメルロの姿を再び見るのはなんと嬉しいことか!

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 でも今日はソワソワ、落ち着きがない。
 誰かを探しているようにも、
 待ち合わせをしているようにも見える。

 しばらくして、

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 どこからとものなく飛んできた一羽のメルロがスルリと巣に入り、待ち合わせ中だった一羽も慌てて巣に飛び込んだ。そして、ディギディギディギディギ!!!! 巣の中で大騒ぎする声が聞こえた。もしや、子作り?!6秒後、

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 何事もなかったかのように、待ち合わせのポーズに戻る。もう一羽はと言うと、
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 悠々とこの空を仰ぎたかったのだろうか。アンテナへと飛んだ。

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 そこへ待ち合わせポーズの一羽も遅れてやって来て、傍らに静かに寄り添った。空を見つめながら仲良くただ肩を並べ、意外とロマンティックなのかしらと思っていたら、今度は

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 アンテナから降りて巣の近くへ。一羽は羽根をつくろい、もう一羽は枯草をむしり、日常のありふれた一場面を演じる。
 どことなく、よそよそしい雰囲気が写真にもにじみ出ているような。意外とシャイみたい、メルロは。


こんなことが繰り返された6日目の午後8時頃・・・

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  テラスで草花の手入れをしていると、仲の良い夫婦がアンテナに。あんなによく歌うメルロが、ただ黙ってそこにいるなんて。ムム、これは嵐の前の静けさか。

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 向こうのアンテナにぴらぴらと一羽ずつ飛んで行き、

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 またこちらのアンテナに一羽が飛んできて・・・(左)、
 その5秒後、もう一羽が飛んできてディギディギディギディギ!!!!!!(中央 まさにその瞬間!下がメス)
 そして、オスは行ってしまった。(右)
 
 わずか3秒のディギディギの後・・・、

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 メスはアンテナに留まり、オスは向いの屋根に。お互いモジモジしながら少し離れた所で相手を気にしつつ、

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 また移動した!
 ディギ後は照れくさいのかもしれない。空へと羽ばたき、どこへ行ったかと言うと・・・

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 ここ。
 エッチェ・オーモ教会、右手前の家の貯水タンク付近。
 何とも殺風景な場所に、ちらちらと姿が見える。もっとロマンティックなところに行けばいいのに。庶民派だな、メルロは。


 さて、このようにして行われたメルロの子作り観察の結果をまとめると、以下の通りとなる。

 1)ディギ前、一羽がどこかで待機する。大抵、メス。
 2)そこへオスがやってきて、ディギる。ディギ時間、およそ3~5秒。
 3)ディギ後、メスはそこに留まるが、オスは一旦、場を離れる。が、あくまでもメスが見える範囲に。
 4)その間、モジモジしながら相手を気にする。
 5)オスは少々ロマンティックな場所へ移動する。そこへメスもやって来る。
 6)が、居心地が悪いので、より庶民的な場所へ移動し、日常のワンシーンを演じる。


 大騒ぎの子育てとは想像もつかないほど、メルロの子作りは繊細な愛のかたちを見せていた。
 シャイで、庶民的で、夫婦愛の深いこの野鳥がますます愛おしく感じる今日この頃。ディギの正体が分かってしまって、聞こえるたびに何とも・・・。


こちらにも愛のかたちを・・・! 
 
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by hyblaheraia | 2008-06-28 09:02 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(6)

メルロの巣立ち

 雛が巣から出たのを目撃したのは前日の夕方。既に日が暮れ始め、今日は飛ばないだろうと感じていた。きっと明日は飛ぶはずだ。そして翌6月3日、朝9時。
 ビヂュ~ビヂュ~、ウィッウィッと外が騒がしい。巣の入口に親鳥がいたので、まだ雛は中だと安心していたら、10分後・・・、

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 テラスの向いの屋根でイイイッ、イイイッと一羽が素早い声で鳴き始めた。普段こんな所にメルロは来ない。何かが起こる気配だ。
 メルロは飛んで行ったり、戻ってきたり、とても神経質な感じ。

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 8分後。護衛隊が続々と集まり始めた。最初二羽、その後三羽。イッ、イッ、イッ、イッ、、、、と鳴き続けている。よーうし、護衛クンたち、しっかり頼みましたぞー!

 ふと巣をみると、雛たちがいない!このわずか数分の間に飛んだのだろうか?!
 周囲から、クゥィッ(親鳥)、ヴィヂュ~~(雛)、クゥィッ、ヴィヂュ~~、というリズミカルな声の交代が聞こえてきた。雛の姿は見えないが、声は強く、確実に下の方にいる。まさかうちのベランダに落ちたのでは!!
 慌てて駆け付けたが、ベランダにはいない。耳を研ぎ澄ませ、親鳥と護衛隊の視線を辿ってみると・・・、

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 いたー!!道をヨチヨチ歩いてる!二人一緒だ。
 道路を渡ろうとする一羽に、向いのアンテナにいる護衛たちが叫んでいる。ダメダメ!危ないから一人で渡ってはいかんぞー!二人で一緒に歩きたまへー!
 
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 言うことを聞いて二人でヨチヨチ、ヨチヨチ。急な坂を、小さな歩みで一生懸命登っていく。
 ところ右の雛が白い車の下に入り、左の雛もつられて一緒に。数秒後、

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 エッチェ・オーモ通りを堂々と横断!!
 その間、護衛隊たちは、車が来るから早く渡りなさーい!ほらほら、は・や・くー!他所見はし・な・いー!と大声を上げる。あまりの騒々しさに、雛は歩みを止めて見上げてしまったり。
 邪魔しているのは君たちではないのかい(ヒブラ)?

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 道路を無事渡り終えた雛たち。ああ、こんなにも小さい。仲良く、一緒に渡り終えた・・・。
 人間にとっては4、5歩の距離も、巣から出たばかりの小さな命には、大冒険の道のりだ。

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 護衛隊は左右に分かれ、屋根の上からしっかりガード。そして道のど真ん中では、なぜかシニョール・コロンボ(鳩屋氏)も参加。
 おーよしよし、そぉだ、ちゃんと歩道を歩かんとな~~。ウウゥー、ウゥー。
 その間、雛たちはと言うと・・・、

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 ヨチヨチ、ヨチヨチ・・・。一羽は仕立て屋が気になり降りてきた。もう一羽はさっさと坂道を上がって行く。既に性格の違いが出ているような。

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 その頃、一人のお爺さんが坂道をゆっくりと上がりつつあった。緊迫する護衛たち。人が近づいておるぞよー!ウィーッ、ウィーッ!イイイイッ、イイイイッ!けたたましくアラームを発する。異変に気づいたお爺さんは屋根の上の護衛たちと、足元でちょこまか動く雛を見て、ほぉーう。
 何かを悟ったように、うんうん、と肯き、手を後ろで組みながら、再びゆっくりと坂を上がっていった。


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 雛たちがエッチェ・オーモ通りを登り終え、角を曲がって姿が見えなくなるまで、祈るような気持ちで見守った。
 時折、風が運ぶビヂュ~とイイイッの会話に耳を傾けながら、感動的な気持ちで一杯になっていた。

 それから25分ほど経ち、向いのアンテナに親鳥と思しき二羽が帰ってきた。

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 まぁまぁ、お疲れ様でしたわね(母鳥)。やれやれ、無事に巣立って良かった(父鳥)。
 優しく労い合う、仲睦まじい夫婦の姿。

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 すると、三羽に。
 いやー、一時はどうなるかと思ったよ、イイッイイッ。親戚の叔父さんかな?

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 そして四羽に!
 今年のチビッ子たちは腕白でしたねー、イッイッ。親戚の叔母さんかな?

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 さらに五羽に!!
 エッチェ・オーモの護衛体制、完了しましたー、イイイッディキディキ!昨日叱られた護衛隊長かな?

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 ついに六羽に!!!
 よーっこらせっとー。あー疲れた疲れたー。もう終わりっすよね、ウィッ!昨日のやる気のない護衛クンかな?

 総勢6羽のメルロたちが反省会を開いているかのようだった。
 それぞれが言いたいことをしゃべっていて、ウィウィ、ディキディキ。イタリアの討論会みたいだ!


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 その日の夜、8時過ぎ。
 いつものアンテナに一羽のメルロが静かに佇む。雛のいなくなった空っぽの巣を見つめるような、遠い目が印象的だった。
 私も同じ気持ちで巣を見つめる。
 今だけは感傷的な気持ちに浸っていたい。
 
 
 ああ、でも明日は声高らかに言おう。
 雛たちよ、ラグーザの大空を力強く羽ばたけ!
 そしてまた来年帰って来ておくれ!

 メルロの子育て2008 めでたしめでたし。


雛よ羽ばたけ・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-06-11 00:25 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(10)

飛びたい!

 大きなエネルギーを必要とする時は、何事もまずは少しずつ動き始めるもの。車だっていきなり高速では走れない・・・。ラフマニノフの和声(ハーモニー)の移り変わりをピアノの師匠がこう説明したことを、今でも思い出す。
 メルロの雛の、巣立ちの予兆は、まさにその通りだった。

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 2008年6月2日、朝からいつもより騒々しくビヂュービヂューを繰り返す雛たち。
 見れば体をこんなに乗り出し、相手の頭に乗っかったり。そしてほんの数秒だったけれど、一羽が巣の外に出て羽をパサパサッと動かした!
 あ、出ちゃった!落ちないで~!と、テラスからハラハラして見ていると、
 
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 そんな危なっかしい様子を親鳥も、しかと監視している。
 この距離から、イイッ、イイッと鳴きながら、だめですよー、中に入っていなさい!ご飯を持って来てあげるまで、じっといい子にしていなさ~い!とでも言うかのように。

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 同じパラツッォに住むシニョール・コロンボ(鳩屋氏)も、心配そうに見守っている。君たち、お母さんの言うことをききたまへよ、ウゥー、ウゥー。


 そして、この日の午後6時過ぎ。来るべくして来たその瞬間。ついに、雛たちが・・・

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 巣から完全に出てしまった!
 ええー!だめだめーー!まだ飛べないんだから、入っていなさい!
 ヒブラ叔母さんも遠くから叱るものの、聞く耳持たず。

f0133814_21543229.jpg なんだか嬉しそうに、体をチョコチョコ動かしている!

雛右:どう?もう飛べるかな、僕たち。
雛左:う~ん・・・。

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雛右:ちょっと様子をみて、っと。

うわぁ。結構高いなぁ~ここ。どうしよう・・・。

よーし、飛ぶぞ!

 その時、イイイイッ、イイイイイッ、イイイイイイッ!!!!!!
 親鳥だけではなく、周囲のメルロたちが一斉に鳴き出した。まるでアラームのように。すると・・・

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 ひぇ~~、ゴメンナサイ~~~!と、雛たちは尻尾をまいて巣に戻っていった。
 その後のビヂュ~は、飛びたいよー!と叫んでいるように聞こえた。

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 午後8時。普段なら、鳴き疲れた雛たちが巣の奥深くへ戻り、親鳥も羽を休める頃。なのにこの日は・・・、

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 給餌というより、嘴で無理やり巣に入れようとしているような感じが。ビヂュヂュヂュヂュ~~、イイッイイッ!けたたましい声が聞こえる。どれが誰の嘴だか全然ワカリマセン!
 雛を強制的に?巣に戻しても、親鳥は巣から離れない。そして上を向いて、ずっとイイイイッ!と鳴いている。それを訳すと・・・、
 ちょっとー、あなたたち、もっとしっかり見張っていてくださいよー!

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 屋根の上にいる雛の護衛メルロたちに文句を言っている。
 あ、いや、一応見てはいたんですが・・・。 はい、すみません・・・。
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 まったく、私がいない間に、この子たちは巣から出ちゃっていたじゃないですか!
 あ、今も出てますけど・・・(ヒブラ)。

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 二羽の護衛に詰め寄るように、より近いバルコニーに上がってこう言う。
いいですか、明日は朝一に集合ですよ!うちの子たちは、きっと朝から出て来たがると思いますから。しっかりお願いしますよ!と・く・に・コルヴォ(カラス)が来たら即アラームですよ!分かりましたか!!
 はっ、はい!
 は~~~~い・・・。

f0133814_2242796.jpg 雛の護衛隊に叱り飛ばした後も、親鳥はずっといつものアンテナの上で巣を見守っていた。
 
 子育てって大変だなぁ・・・。

 自らの意思で巣から出て、羽を動かした雛たち。その瞬間を目にし、巣立ちの瞬間は、そう遠くはないことを確信した。
 大きなエネルギーの前の予兆。
 それはこんな世界にも存在していたのだな。

 ということで、次回こそ、感動の巣立ちへ!


飛べ、雛たち・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-06-07 23:27 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(20)

メルロの子育て2008

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 黒光りする体に黄色い嘴、千の声を持つ野鳥、メルロ(merloクロウタドリ)。
 その感動的な巣立ちを見届け、今思うことは、なんと感情豊かで社会性のある野鳥なのだろう、ということだ。
 求め合う親鳥と雛。その絆の深さは彼らの言語と行動で分かる。


f0133814_7574721.jpg 今年もいつもの所にメルロが巣を作った。

 軒先に巣作りを始めたのが4月。5月になると朝から晩まで、お腹を空かせた雛たちがビヂュ~、ビヂュ~と鳴き騒ぎ、親鳥たちはほぼ10分置きに虫を加えてイイッ、イイッと巣に近づき給餌した。

 この賑やかな光景を、私も朝から晩まで飽きもせず楽しく観察していた。

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 親鳥を仲良く待つ雛たち。
 去年は三羽いたのに、今年は卵が一つ孵らなかったのかもしれない。でも二羽とも元気そうだ。
 灰色の産毛の小さな体に、黄色の嘴がやたらと大きく見える。ドナルドダックみたい。まだかな~、まだだね~と言うかのように一羽ずつ鳴いているけれど、向いの建物のアンテナに親鳥が来た瞬間・・・
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 ビヂュビヂュビヂュ~~~~!!突然、大騒ぎになる。アマツバメの声がこだます中で、自分の親の声をしっかり聞き分けているのが素晴らしい。
 こののけぞる体と大きな口!夢中で餌を欲しがっている。

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 親鳥はこうして嘴伝えに餌を与える。何度見ても優しい光景でにっこりしてしまう。
 右の雛の表情が何とも。ええー僕にはくれないの~!!

f0133814_8362592.jpg
 もっと~、ビヂュ~!
 僕にも~!

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 もうないのよ、ちょっと待っててね。
 ええー!もっとー!
 えっ・・・(もうないのか)。

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 もっとー・・・。
 しゅん・・・。

 ということが朝7時頃から夜8時過ぎまで、休みなく、ひっきりなしに、4月半ばくらいからずっと行われてきた。
f0133814_8491466.jpg
 日が暮れる頃、雛が巣の中に完全に戻るのを見届けて、アンテナの上で羽を休める親鳥たち。
 今日も一日お疲れ様。かわいい雛たちのために、明日も頑張って!


 感動の巣立ちの日へとつづく・・・!

頑張れ親メルロ・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-06-05 10:39 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(10)

野鳥の子育て -メルロ-

 ラグーザでは今、野鳥たちが子育てに忙しい。我が家のテラスの軒下に、ロンドーネ(Rondone、オオツバメ)が巣を作ったのは3月のこと。長い留守中、いつの間にか雛たちは巣立って行ってしまったようだ。
 テラスから観察していると、ロンドーネたちは向かい宅のテッラコッタ屋根に2箇所、斜め向かい宅にも、そのまた隣にも巣を持っていて、時折「バサバサバサッ」という鈍い音とともに、ブーメラン型の大きな翼を痛める勢いで餌を運びに来るのが分かる。しばらくすると、また同じ音を立てて再び餌を探しに去っていくが、その寡黙な餌やりは、まさに「飛ぶ鳥跡を濁さず」といった感じだ。

f0133814_23481112.jpg それと対照的なのが、メルロ(Merlo、クロウタドリ)の子育てである。
 最近、やけにピヂューピヂューと騒がしいと思っていたら、2軒先の斜め向かいの廃屋の僅かなスペースに雛が3羽肩を寄せ合って暮らしていた。こんなふうに。
 餌を与える方も、もらう方も大騒ぎのメルロたちの賑やか子育てぶりは、とにかく見ていて飽きない。

f0133814_01070.jpg 朝の6時頃から親鳥は餌を探しに飛び回り、ミミズやら羽のついた虫やらを加えて戻ってくる。しかし、いきなり巣に直行はしない。まずは高いアンテナから巣付近に危険がないかを確認し、雛たちに向かって「待っていなさい、今行きますよー」と言うかのように、「イイイ、イイイ、イーイーイー」と喉を鳴らすのだ。

(ミミズを加えた親鳥)


f0133814_05778.jpg それでも待ちきれない雛たちは、まだ灰色の産毛に覆われた身体を乗り出し、「ビョービョー、ピュイーピュイー」と騒ぎ立てる。
 安全を確認した親鳥はようやく巣に飛んで来て、こうして口ばし伝えに新鮮な餌を与える。3羽ともオレンジ色の大きな口を開けて、我先にと夢中で餌を欲しがる。そして、この微笑ましい光景が一日中繰り広げられているというわけである。

 メルロはとても警戒心が強く、危険を直ちに察知し、人気も嫌う。そんな彼らが、雛を守るために集団的自衛を行うのを目撃した。
 一羽のコルヴォ(Corvo、カラス)が遠くからゆったりと飛んできて、メルロの巣に最も近いアンテナに止まった時である。親鳥が「エ゛ーエ゛ーエ゛ー」と聴き慣れない声で騒ぎ出し、周りにいたメルロたちも一斉に同じ声で鳴き始めた。5、6軒先の家々のアンテナの上でも応援が始まる。
 この緊迫した状況の中、騒ぎに居た堪れなくなった(?!)コルヴォは静かに去っていった。天敵に対するメルロの集団的自衛本能は素晴らしかった。

f0133814_0453444.jpg 朝6時から夜8時頃まで、一日中餌を探して飛び回った親鳥夫婦は、疲れた羽を休めながらも雛のことを気にかけていた。
 日が暮れても一羽だけ残り、ただただ巣を見守っていたのは母鳥だったのだろうか。
 「クリクリクリー、クリクリクリー」
という声が高らかに響いていた。



f0133814_0384431.jpg ◇ちょっと一コマ◇
「もうたくさん食べたでしょ。今日はもう寝なさい。」
「やだ、やだ、もっと食べたーい!」
「もっとー!」


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by hyblaheraia | 2007-05-22 00:58 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(2)


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