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春の雲

 3月のシチリアとはいえ、山間部のラグーザでは夜間の冷え込みはまだまだ厳しく、日中には雨が霰になることもしばしば。それでも太陽は確実に春に向かっていて、空も、雲もそれに呼応している。

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 空の青さに負けじと、丘の向こうからせり上がってくるこの雲の躍動感。

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 どこまで高く、天の彼方へ昇り、

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 どこまでも遠く、地平線を目指して進んでいく。じっと垂れ込めていた冬の空が動かずにはいられなくなる、春の根源的な力!そしてじわじわと自分にも浸透していくその力。

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 冷たく湿っていた谷間も柔らかな緑に覆われ、ほころび始めたアーモンドの花を大事そうに抱えている。イブラを春色に染め、天地が光と風に揺れる季節はもうすぐ。
 ああ、春の雲よ、そこかしこに沈殿するものを取り去り、新しい力で満たしておくれ!

:::   :::   :::

3月⒑日の今日、気づけばブログ開設8年目。これまでたくさんの励ましや楽しいコメントを下さりありがとうございました。これからもラグーザの美しさを追いつつ、楽しくブログを続けていきたいと思います!
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by hyblaheraia | 2015-03-11 05:47 | 自然 | Comments(6)

空の一回性 sanpo

 午後4時半頃、所用とお散歩を兼ねて旧市街イブラへ。エネルギーが発散できずにいるリディアを連れて、あの絶景ポイントを経由し、階段でイブラへ降りることに。
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 午前中に吹き荒れた真冬並みの北風のお陰で、空は澄みきり渡り、復活祭のために走って来た羊雲の群れが広がっている。

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 この透明感、そして春にしか出会えないこの色調。全てが光り輝いている。

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 そして、この日の、この空!

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 ああ、空というものが持つ一回性の、なんと素晴らしいことか。二度と同じ空を見ることがない、と思うからこそ、この瞬間を身体一杯に記憶したくなる。

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空よ、今日はもはや、イブラではなく、あなたが主役だ。

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by hyblaheraia | 2014-04-21 00:19 | 自然 | Comments(8)

崖に聴く春の小さな声

 日曜日の朝、パンを買いに近所の食料品店へ行くと、店の外に良い香りが漂っていた。あと20分程で焼き上がるとのことで、時間つぶしに散歩へ。崖の景色を見に行こう!ルカの一声で決まり。

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 住宅街の端に突如現れる崖の大パノラマ。

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 何度来ても、この間近の崖に圧倒される。視覚的にだけでなく、体感的にも。崖に沿って吹く北風にあおられそうになるから。
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 でも子供は風の子。向こうの丘とほぼ同じ高さの空中のサッカー場で、風とサッカーボールに体当たり。

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 この崖の前に立つと、

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そのダイナミックな動線が目と心を否応なしに引き込んでいく。
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あの場所へ。つまり、
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旧市街イブラの先端へ。かつてはそこで学ぶ学生たちを想い、そこだけを見ていたけれど、今日はなぜか遠くの小さい声が聴こえてくるようだった。

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 この崖の頂上では
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朽ちたムラッギュが新たに芽吹いた草花に囲まれ、声なき声を発している。
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 崖の底では、黄色の花が一人春を歌い、
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 イブラの崖の下では、
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 アーモンドの花が小さなハーモニーを響かせながら、大合唱の時を待っているかのよう。

 気付けばもう2月半ば。焼きたてのパンの香りとともに、春の小さな声を聴いた喜ばしい気持ちが空に、軽やかに、吸われていくようだった。
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by hyblaheraia | 2014-02-14 01:09 | 自然 | Comments(4)

視線の先

 出産から6ヶ月、ラグーザ到着から3週間。リディアに会いたいというルカの同僚たちの声に応えるべく、ようやく旧市街イブラの大学まで下りることに。

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 懐かしい顔ぶれに温かく迎えられ、私が教えた生徒たちにも会え、新しい先生方にも祝福され、この大学の家族のような雰囲気に久しぶりに触れた。

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 その後、家族3人でジャルディーノ(イブレオ庭園)へ。お散歩好きなリディアとここを歩くのを、東京に居ながらどれだけ楽しみにしていたことか。

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 カルデッリーノ(ゴシキヒワ)の家族が戯れる声と小さな姿を追いながら、ほら!ほら!鳥ちゃん!と指をさすも、リディアはおもちゃをカミカミ、カジカジするのに夢中。そんなギャップがまた楽しくもある。

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 いつ見てもほっとする水飲み場。緑の生い茂り方も、ベンチの瑞々しい誘いも変わらない。そして、

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ジャルディーノの最南端からの大好きな景色。この「何もなさ」にどれほど心が解き放たれることか。見て見て!東京にはこんなのなかったでしょう?リディアは今度は遠くをじっと見ている。すごい所に来ちゃったなぁ~と思っているのではないかな。

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 ジョヴァンニおじいさんの叔父さんの彫刻がこんなにたくさんの花に囲まれているのを見るのは初めて。ジョヴァンニおじいさんに会えるのももうすぐ。
 清々しい初夏の風、色、光に囁かれながら3人で散歩するこの喜び、楽しさ!

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 ベンチで休んでいると、腕の中のリディアの目が何かを捉えているのに気付いた。それは風に揺れる椰子の葉。大きな葉そのものではなく、葉の先の最も繊細な部分が隣り合う葉の先とともに、頭上高い所で、さわさわと擦れ合い、揺れるのを見ているらしかった。
 
 同じものを見ているようで、その視線の先には私が見ているものとは違う何かがある。そんな素敵な発見があり、懐かしいイブラを歩いた今日は、帰って来て良かったと思わせる一日だった。
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by hyblaheraia | 2013-06-12 09:30 | 生活 | Comments(6)

日常の風景

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 何の話をしているのだろう。皆同じ方向をじっと見つめて、時折深くうなずいたり、隣の人の顔を覗き込んだり。4人でワサワサと話してまた同じ方向を見つめて、少し場所を移動したり。こんなに肩を寄せ合っているのだから、仲が良いに違いない。
 絶壁の縁の縁に沿って作られたロトンダ(円形テラス)からシニョーレたちが見ているのは、ラグーザ人が誇る谷間の絶景。
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 ここに立つとまず、えぐれた石灰岩の山の連なりに視界を占領され、

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白と緑の大胆な地層模様の動きを追っていくと、

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山の傾斜とともに見ているスピードが加速して、

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谷に投げ込まれてしまう。眩暈が起きそうな眼下の深さと、谷の切り込み。そこから小さな隆起を一つ一つ確かめるように超えていくと、

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 谷間に佇む旧市街イブラが目に溶け込んで来る。ああ、この景色、病み付きになる!

 こんなダイナミックな景色を見ながら4人はきっと世間話で盛り上がっているに違いない。最近はめっきり春らしくなってきたとか、近所でアーモンドの花が咲いたとか、アーモンドの殻を割るにはもう力がないなとか、雨の多かった今年の冬は足腰が辛かったとか、電気毛布と湯たんぽのどちらを使っているかとか、子供の頃イブラでどんないたずらをしたとか、奥さんとの昨夜の喧嘩とか、年金の話とか、近所の葬儀の話とか、果ては入れ歯の話とか。
 何をする訳でもなく交差点や公園に午前と午後、定時に現れ、立ったまま仲間と真剣に世間話を繰り広げるラグーザの老シニョーレたち。ダイナミックな風景の中に人々の日常があり、楽しいおしゃべりがあり、ラグーザの日常の風景が形作られているのだな。
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by hyblaheraia | 2011-01-25 00:11 | 生活 | Comments(4)

チョージューギガギガ

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 イブラの山を忙しそうに駆け下りるチョウージューギガギガのウサギ二羽(鳥獣戯画)。
 チョー(超)、ジュー(giu' 落ち込む)の時も、二人でギガギガッとパワーを出して!健康に気を付けて、苦しい時も明るさを忘れず走り抜こう!

 今年もよろしくお願い申し上げます。

*まだ日本に居ります。
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by hyblaheraia | 2011-01-03 16:28 | 生活 | Comments(12)

透明な景色

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 8月半ばのイブラの風景が透明に感じられるのは、時間的にも、地理的にも、精神的にも丁度良い距離ができたからかもしれない。

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 剥き出しの山と土の色から思い出すものは、町全体が熱い針に刺され膨張しているような異様さ、空気の壁を破りながら歩くような息が上がる感覚。日差しが突き刺さる肩、渇きで絡まりそうな喉、乾いた土埃を溜め込む髪。歩けば歩くほど吹き出た汗も、影に入れば跡形もなかった。

 そんな記憶が透明な輝きとともに蘇って来るのは、懐かしさのためか、諦めによるのか。
 もう少し距離を置けば、透明な景色の意味が見えて来るような気がしている。

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by hyblaheraia | 2010-11-10 01:03 | 生活 | Comments(16)

あなたは昇り、私は沈む -カンタータの歌詞的に-

 家々のバルコニーに鮮やかな花が咲き乱れる季節。

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 何気ない花の並べ方とその美的インパクトに関心しながら、さり気なさsprezzaturaという言葉の意味を考えさせられる。

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 旧市街イブラの向こうの丘は、さっきまで緑色の壁のようにせり上がって見えていたのに、いつの間にか、目線の高さにいる。そして私が階段を下がると、


なぜか相手は…。 (つづきはこちらをクリック)
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by hyblaheraia | 2010-06-16 06:09 | 生活 | Comments(14)

降りて来た夏 -旧市街イブラのジャルディーノ-

 その日は天気が良く、二人とも昼休みに仕事がなかったので、ランチを持ってジャルディーノへ。

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 瑞々しい緑のアーチに吸い込まれ、葉の影が織り成すレース模様の上を静かに歩きながら、

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 ネジネジの植木に、いつもながらふっと笑わされ、

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 ナツメヤシの木の豪快な茂りに感嘆し、

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 バラの宝石に心がほぐされ、ジョヴァンニお爺さん(の叔父さん)の彫刻に視線を繋ぐ。
 緑の輝き、光と影のコントラストが夏を強く表現している。ここがこれほどならば、あそこはどれほどだろう。早く見たい、早く。


 早足で緑を抜けると、

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 もう、これほどまでに夏が、

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 降りてきている。谷間に気持ち良さそうに寝そべり、しばらくは動きそうにない。


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 知らなかった季節の急激な変化に、我が身を追いつかせよう。ベンチに座り、ピスタチオのアランチーニを頬張りながら。

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 ああ、光は鋭く、音は色彩の玉手箱、視界は一瞬のこと。
 カルデッリーノ、チンチャッレーグラ、パッセロット、ガッザ、三角の人(頭に白い線のある茶色の小鳥)、ハト、コルボ、名の知らない鳥たち。あらゆる角度で彼らの声を聴くも、姿を捉えるのは難しい。黄色が青空にぱっと光り、茶色が欄干の隙間を横切り、灰色がかった青が木から木へと移動する。歌いながら空中でじゃれていたかと思ったら、次の瞬間は我々の背後を歩いている。

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 そして青空には重なる二つの白。モンシロ蝶は飛びながら愛を歌っている。ベンチには忙しそうな蟻。アランチーニの食べかすを見つけて仲間を呼んでいる。昆虫たちからも声が聴こえてくるようだ。

 夏はここにも降りてきているから。

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by hyblaheraia | 2010-06-04 05:28 | 自然 | Comments(10)

光と影、白と黒、憧れと報復

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 観光客のいなくなった旧市街イブラのドゥオーモ広場。買い物後のシニョーラたちは視線を落とし、身体を揺らしながら長い斜面を登って行く。
 正午の広場では、強く、太い日差しが広場の石の白さとぶつかり、ものの色形が際の際まで異様なほど浮き上がって目の奥を刺してくる。

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 坂の上にそびえるサン・ジョルジョ教会を目指して、目を細めながら一歩一歩近付く時、美しさと痛みが脳を混乱させる。足早に路地を曲がり日影に入った瞬間、今度は白さの衝撃が黒い視界となってじわじわ襲ってくる。

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 こんな日はサン・フランチェスコ教会の頭のない女神像が、いつもよりも遠くを仰いでいる。光をはじく白い存在に憧れを重ねていると、背を向けた途端に黒い幕で残像を覆われてしまった。
 光と影は白と黒を作り、憧れを報復に変えてしまうのだろうか。


追伸:最後の写真は私の大好きなアングルで見たサン・フランチェスコ・アリンマコラータ教会Chiesa di S. Francesco all'Immacolataの鐘楼です。実は大学の教員トイレからの眺めです。
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by hyblaheraia | 2009-11-17 06:56 | 生活 | Comments(16)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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2013年11月、共著出版



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