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新生活スタート -待ちに待った幼稚園-

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 家族、親戚、同じ年頃の友達がいないラグーザで、図書館も児童館もなく、単調な生活を母娘二人で何とかしのいできたこの2年9ヶ月(その頃の悩みはこちら →)。スクオーラ(学校)に行きたい!、と学校ごっこをしていたリディアも晴れて幼稚園生に。
 まだ少し大きめのリュックサックを背負って登園する背中の頼もしいこと!


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 幼稚園の親子説明会は、9月初頭で学校が始まっていなかったので、兄姉も一緒、もちろん小さな赤ちゃんも一緒でカオス状態。そしてこのときから既に大泣きする子続出。


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 最初の1週間は、慣らし保育のようなもので1時間のみ。教室に入ってもくもくと遊ぶリディアを見た先生が、大丈夫だから行ってください、と即座に我々を追い出す。1時間後に迎えに来るからね、トイレに行きたくなったら先生に言いなさいね、とリディアに別れを告げ、泣き叫ぶ我が子でお母さんたちがうろたえる教室を、後ろ髪を引かれる思いで出て来た。
・・・のだけれど、心配すぎて、教室の窓の真下で待機する私とルカ。


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 子供たちの声が別の教室から聴こえてくると、今度はそちらの窓の下に移動してソワソワと。今の泣き声、リディアかな?!といちいち反応する我々。トリナークリアさん(3つ足のシチリアの紋章)も飽きれ顔。
 そんな我々の前を、目を真っ赤にした子供たちがお母さんと手をつないで帰宅していく。そのお母さんたちの情報が何よりの安心材料だった。お宅のお嬢さんは全く心配ありませんよ。バンビーナ(女の子)は落ち着いて遊んでいましたよ、と教えてくれて。


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 幼稚園のクラスでは、キッチンのおもちゃコーナーでおままごとをしたり、バンビーニ~!お昼を食べに来て~!と皆に呼びかけたり、男の子とミニカーを取り合って泣かせたり(本人は結構反省していた)、お人形を独り占めしたり、と時に問題行動もあるようだけれど概ね楽しくやっているよう。先生たちもリディアの全く動じない様子に驚いているようで、保育園に行っていたんですか?と何度か聞かれた。
 それだけ幼稚園に恋い焦がれ、行きたくて行きたくて仕方がなかった、ということかな。


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 幼稚園第2週目は咽頭炎にかかり、丸1週間お休み。ブランクがあるので、おやつ持参の3時間保育に耐えられるか心配したけれど、全く問題なし。
 お休み中に既にクラスメイトは選んだ一人ひとりの「お印」をリディアも自分で選んだそう。迎えに行ったら、ロッカーとコート掛けにこのマークが付いていた。本を積み上げ、ふむふむと読んでいる黄色ちゃん。これを選んだことが、なんだか母としてはとても嬉しかった。


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 このところ迎えに行くたびに、ミニカー大好き男児4,5人を侍らせて(?! 私が来たことをリディアに伝える伝令係君一名あり)家に帰りたくな~い!と叫ぶほど、幼稚園が楽しくて仕方がないみたい。親としてこんなに嬉しいことはなし。
 これから3年間、多国籍のクラスでたくさんの友達といろいろなことを学び、大らかに育っていって欲しい。新たな環境に果敢に向かっていく小さな背中を見ながら、私も臆せず新たなことに挑戦せねばと思う毎日。子から学ぶこと多し。



# by hyblaheraia | 2015-09-29 22:09 | 生活

不運続きの3か月

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 一ヶ月半の東京滞在を終え、シチリアに戻る日のナポリの夕日は、溢れんばかりのエネルギーを放出し、雲と空に濃いシルエットを描いていた。
 こういう妖しい魅力を放つ空は、要注意である。私と空の関係において、このタイプの空に出くわすと、思いもよらない、喜ばしくないことが起きるという経験があるから(特に2010年の始まりのこの空 こちら→)。
 嫌な予感通り、9月に入って我が家でちょっとした騒ぎが起こっている。いや、起こっていた、と過去形にしたいところなのだけれど。


 1つ目の事件。
 ラグーザに帰宅して1週間が過ぎ、両親の金婚式の日にスカイプをしていた時のこと。横にいたリディアが突然、両腕を勢いよく広げ、その左手が私の右目に激突!その瞬間、鈍い痛みを感じた。でもコンタクトレンズは破損していなかったし、ルカに目が腫れていないか聞いても大丈夫だと言うので、そのまま過ごしていた。15分ほどして、痛みが気になったので鏡を見てみると、白目の部分が真っ赤な血に染まっている!
 慌てて救急病院に飛び込むも、信じられないことに眼科がなく(ないなら明記して欲しい)、旧市街イブラの病院へ移動するよう指示される(以前は救急車で搬送していたが今はなし)。さらに移動先の病院では、唯一の眼科医が手術中で1時間待ち。急患なのに、怪我から2時間経ってようやく診察となる。
 結局、目の毛細血管が切れただけで、10日ほどで自然治癒するので大したことではないと、目薬を処方され、ものの5分で診察終了。ルカが看護婦さんに主張しなければ、再診を待つ30人ほどの患者の一番最後にされていたし、とっても腑に落ちない救急診療だった。
 現在、怪我から14日目。血の海状態だった目は大分良くなったけれど、新調した赤い眼鏡と相まって、ギロギロした目つきで幼稚園の送り迎えをする日々。



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 2つめの事件。
 先週の土曜日、夜寝ていたリディアが突然、何かを痛がって咳込み、むせて、涎をだらだら垂らしながら泣き叫び始めた。聞くと、寝るときに鼻をこすって安心する羊のモコモコ毛布を食べてしまったと!懐中電灯で口の中を除いても何も見えないので、即、救急へ!1週間前に私の目の怪我で行ったあの救急病院へ…(そこしかないので)。
 ファイバースコープで喉の異物を取り除ものと当然思っていたが、残念ながらそれはここにはありません、と大男ドクターたちがニコリともせずリディアの口を開こうとし、本人は身体が震えるほど大泣き。
 困り果てたドクターの一人が、イブラの病院の小児病棟へ行ってください、あちらの方が専門だから、と。またしても先週と同様、旧市街イブラの病院へ移動。

 かわいい絵が描かれたあ病棟、優しい看護婦さん、チャーミングな女医さんに迎えられ、ようやく落ち着いて診察となる。結局こちらにもファイバースコープはなかったけれど、喉に異物はなさそうだし、パンや茹でたジャガイモなどを食べさせれば大丈夫でしょうとのことだった。喉が赤く、少しぷつぷつが見られるのは手足口病の残り、という所見には疑問が残り(重症だった私の喉には何も残っていない)…。
 そして翌日、突然、39.4度の発熱!もう病院に行っても仕方がないし(行きたくないし)、喉の腫れから来る発熱だと経験的に分かったので、解熱剤で様子を見て、翌朝かかりつけの小児科に連れて行くことに。
 結局、faringite 咽頭炎という診断で、幼稚園は数日お休み、お散歩も禁止され、今日で5日欠席中。寝かしつける時に、ピノッキオのお話して、とせがむのだけれど、ひどい鼻詰まりのためピドッキオ(ノミ、シラミ)と聞こえて、身震いする毎日。

 それにしても、ペコレッラ(羊ちゃん)を食べちゃったの~、と言うものだから我々は慌ててしまったけれど、本人は喉が痛くて異物感があったから、羊の毛布を食べてしまったと勘違いしたみたい。幼児の発言から真意を汲むのは難しい…。



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 こうして、母娘ともに車にひかれそうになった7月(こちら→)、家族3人、手足口病に苦しんだ8月、そして私の目の怪我とリディアの誤飲騒ぎ+咽頭炎の9月、と3か月連続いろいろ起きている我が家。さらに付け加えるならば、ルカの携帯がなくなり、25年近く愛用していた私の腕時計も紛失(おそらくリディアの仕業)。
 ナポリの義母は、どれも解決できる問題ばかりで大事には至っていないということが大事、と励ましてくれるので、そう考えるようにしている。

 さあ、連続する不運よ、いい加減に終わりにしておくれ!このブログが事件報告ブログにならないよう。切に願っておりますぞ!


# by hyblaheraia | 2015-09-25 09:07 | 生活

空と雲の行方に想う

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 やや秋めいてきたラグーザの空には、弾力性をもった濃い青が居座り、後期バロック様式の街並みとそこかしこで対峙している。

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 見上げているだけで、頭上から降り注ぐ青の力に心身がぐいぐいと牽引されていく。何かに急き立てられ、気付かされるように。

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 角を曲がって移動しても、逃げも隠れもできない。青は強かに着いてきて、


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夕刻には、燃えるような朱色となって迫って来る。

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 そして翌朝は、四方へ柔軟に広がる雲を伴って、次々と問いかけてくる。


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 太陽光を跳ね返すほどの青さと、逆にその光を吸い込む白さ、そして両者の煌めき。それらを身体に浴びながら、求めるべきものを求めたいという欲求が生まれて来るのは、自然なことなのだろう。

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 風の声を聴きながら、青と、白と、光、全てが一つに溶けていくのを見届ける。
 高揚した思考が沈静化される時間。そこを横切る一羽の鳩が、何か一言、言い残したようだった。


# by hyblaheraia | 2015-09-14 01:23 | 自然

寝てばかりいた2015年夏

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 7月半ばにラグーザを出発、ナポリに10日ほど滞在してルカの家族親戚と会い、その後東京へ。今年は行きも帰りも3人一緒の旅で、しかも1か月半東京滞在という非常に心高鳴る夏休みの予定だったのだけれど、東京に到着して間もなくリディアが手足口病に感染!日本全国で大流行とのことを出発前から友人に聞いてはいたものの、いきなりもらってしまうとは。シチリアの山奥から来て、大都会東京の空気に当たったか…。などと言っていたら、その数日後にルカも感染、そしてさらに私も感染。軽い症状で済んだリディアとは反対に、我々は歩けないほど重症化。

 こうして8月は病に伏し、友達にも会えず、姉弟親戚とも会えず、予定は全てキャンセル。さらに丁度その頃近づいていた2つの大型台風のために、両親の金婚式および父の80歳の誕生日という大事な節目を祝う沖縄家族旅行もキャンセル。コバルトブルーの海への夢ははたと消え、プレゼントに用意していた両親の結婚年のワイン(1965年製のバローロ)が一人だけ沖縄に行ってしまったという笑えるハプニングも。台風を越えて無事にワインが戻って来るのを待ち、我々の出発前に家族全員で味わった。バルサミコになっていたらどうする?!と購入を検討していた時から姉弟で騒いでいたのだけれど、まあまあ飲めるお味で良かった。

 実家で寝てばかりいた2015年の夏休み。私がのんびり、ふにゃふにゃしている間にリディアはいろいろなことを吸収したよう。出発前より精神的に逞しく(自我が強く?!)なり、日本語が劇的に上達、オムツもほぼ取れ、ドラえもんとみつばちハッチからたくさんのことを学んだみたい。

 さあ、来週からリディアは念願の幼稚園に!我々にとっても新しいラグーザ生活になりそう。3人とも、何となくソワソワしております。


# by hyblaheraia | 2015-09-11 01:05 | 一時帰国

シチリアの野生オレガノの手もみ 2015

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 この香り、何年振りだろう。強烈な太陽が当たる草の茂みの匂い、少し土臭く、植物が本能的にもつ「緑」を想わせる匂い。それが乾燥されることで凝縮され、鼻の奥を突いてくる。
 ああ、この清々しさと強さ!そしてエメラルドグリーンの美しさ!シチリアの野生オレガノの魅力はまさにそこにある。

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 今年のオレガノは、花が既に枯れて茶色になっているのが難点。咲き始めたばかりの白い花の状態で摘めば、そのまま白く乾燥させられ、美しいオレガノに仕上がるのに。

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 そんなことを考えながら手もみ作業。両手からサリサリ、サリサリとこぼれてくるオレガノの感触と立ち込めてくる香りが懐かしい。
 以前なら、葉は入れず、茶色に枯れた花は爪楊枝で取り除き…、と細かくこだわりの手もみをしていたものだけれど。キッチンでいたずらをするリディアを監視しながら、手もみはおよそ10分で終了。

シチリアの野生オレガノの手もみ 2015_f0133814_01332007.jpg
 あまり満足していないオレガノとはいえ、2年前に友人からもらって使い続けていたものと比べると、色も香りも断然違う。

シチリアの野生オレガノの手もみ 2015_f0133814_01344428.jpg
 オレガノの手もみ作業は、これから来る夏への期待と覚悟のようなものを抱かせる。この香りとともに、もりもり食べて、夏を元気に楽しもう!

みなさん、良い終末を!


追伸:写真を大きくしてみたのですが、見え方はどうでしょうか?巨大で読みにくい?それともこれくらいの方が見やすいでしょうか?小さなタブレット型PCで書いているので、サイズの感覚がつかめず。ご意見を頂けると助かります!

# by hyblaheraia | 2015-07-18 17:21 | 料理


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

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2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


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