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崖の上に!

 先週と同様、今週の日曜もまたもやパンを切らしていることに気付き、いつもの店へ。日曜日に唯一開いているこの店は、買い忘れがあった時に本当に助かる。今日は先週知ったパンの焼き上がり時間に合わせてゆっくり出掛け、帰りに再び、崖の景色を見に行くことに。
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 雲一つない空と、既に初夏を感じさせるような目を刺す太陽のせいか、崖の岩とうねる襞の一つ一つが際立って見える。
 わずか一週間でこれほど緑が濃くなるとは。太陽の暖かみをじわりじわりと蓄積して、突然エネルギーを放出し始めるシチリアの春がいま、ここに!

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 眼前に広がる景色の力強さに見とれていた時、崖の頂上にいつもと違う何かがいるような気配が。ほとんど動かないけれど、色も形も、点在具合も、明らかに崖のものとは違う何かが!
 もしかして、牛?

 ルカに聞いても、まずはこの広大な崖のいったいどこを私が指さしているのかが分からず、検証不可能。ならば、とカメラのズームを最大にして撮ると、

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やっぱり、いたいた!あの朽ちたムラッギュ(ムラッギュとは→過去の記事)の周りに、先週より一層濃く茂り始めた草を食べ、寝そべる牛たちが。

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 こんな崖の頂上にいったいどこから?無心に草を食べるうちに、崖から落ちないか心配!

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いや、焼きたてのパンの匂いを嗅ぎつけて、こちらまでモー進(猛進)してきたらどうしよう!

 二度あることは三度ある、らしいので、来週の日曜日もまた買い忘れたパンを求めに、あの店に行くかもしれないな。その帰りに、今度は何を見付けるだろう?牛ではなくて、羊?それともUFOの着陸跡か?!

:::   :::   :::

追伸:シチリアにはUFO騒ぎがあるのです。過去の記事は こちら→「シチリアに宇宙人?!」
昔の記事で文体が固いんですけれど、興味のある方はどうぞ。
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by hyblaheraia | 2014-02-19 02:05 | 自然 | Comments(1)

崖に聴く春の小さな声

 日曜日の朝、パンを買いに近所の食料品店へ行くと、店の外に良い香りが漂っていた。あと20分程で焼き上がるとのことで、時間つぶしに散歩へ。崖の景色を見に行こう!ルカの一声で決まり。

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 住宅街の端に突如現れる崖の大パノラマ。

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 何度来ても、この間近の崖に圧倒される。視覚的にだけでなく、体感的にも。崖に沿って吹く北風にあおられそうになるから。
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 でも子供は風の子。向こうの丘とほぼ同じ高さの空中のサッカー場で、風とサッカーボールに体当たり。

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 この崖の前に立つと、

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そのダイナミックな動線が目と心を否応なしに引き込んでいく。
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あの場所へ。つまり、
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旧市街イブラの先端へ。かつてはそこで学ぶ学生たちを想い、そこだけを見ていたけれど、今日はなぜか遠くの小さい声が聴こえてくるようだった。

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 この崖の頂上では
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朽ちたムラッギュが新たに芽吹いた草花に囲まれ、声なき声を発している。
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 崖の底では、黄色の花が一人春を歌い、
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 イブラの崖の下では、
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 アーモンドの花が小さなハーモニーを響かせながら、大合唱の時を待っているかのよう。

 気付けばもう2月半ば。焼きたてのパンの香りとともに、春の小さな声を聴いた喜ばしい気持ちが空に、軽やかに、吸われていくようだった。
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by hyblaheraia | 2014-02-14 01:09 | 自然 | Comments(4)

 何気なく集めてみたリディアの靴。誕生から今日までの間、まだ一人歩きをしていないのに、既にこれだけのコレクションが!
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 左から:新生児用の靴下のような靴は友人リタからの出産祝いの一つ。生まれてすぐ履かせてみたら、ぶかぶかだったのを覚えている。手縫いの青い花柄の愛らしい布靴は友人から譲ってもらったもので、弟夫妻の結婚式の時に白いドレスと一緒に履かせた思い出が。

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 フリース素材のピンクのうさぎの靴は、リディアにとってはぬいぐるみに分類されるらしい。ひげの叔父さん顔が面白いストレッチ素材のゴム底靴は友人からのプレゼントで、歩くと顔が動いて見えて楽しい!
 その隣の白い靴は紙製。鳥取の和紙作家さんデザインの紙の靴で、洗礼式のために弟夫妻が作ってくれた贈り物。素朴でかわいいだけでなく、大雨に濡れても破れもしない丈夫さでナポリの親戚がみな興味深々だった。紺色の布靴は、靴を履いていないと裸足、裸足!って言われるでしょう?と隣町のK子さんがくれたもの。
 そして、赤いエナメルの紐靴は、歩き始めそうなリディアにようやく私が買ったもの。

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 まだヨロヨロとつかまり立ちを始めた11月から既に3ヶ月。今では家具につかまってむんず!と立ち上がり、横に数歩動き、数秒間手放ししてはニンマリ。何かを企んでいそうな顔をするリディア。

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 歩行器代わりになるおもちゃにつかまり、ゆっくり歩くことはもうしているし、そろそろ歩き出すのかな。

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 Orsacchiotto子グマよ!そのたくましい足で、力強くラグーザの大地を踏みしめ、自分らしく歩んでいきたまへ!
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by hyblaheraia | 2014-02-12 10:51 | 生活 | Comments(4)

時の経過

 2010年の夏、隣町コミソに住む日本人女性から、画家であるご主人の展覧会へのお誘いコメントがこのブログに届いた。旧市街イブラの会場へと出掛けていくと、すらりとしたカップルが入口に佇み、まだ遠くを歩いている私を静かな笑顔で見つめながら、遠慮がちに迎え入れてくれた。若いのに落ち着いたカップル。K子さんとご主人Mさんとはその時以来のお付き合い。
 2011年にY君が生まれた時は、我々は日本へ引き揚げの大引越しの最中だった。Mさんが何度も車で駆けつけ、我が家の家具や日用品を大量に引き取ってくれた。「ああ、ラグーザの匂い・・・」と使い込んだタオルを顔に押し付け、振り切るように捨てようとしたら、大事なものは家で預かっておく、後で東京に送ってあげることもできる、と言ってくれた。その優しさに甘えて残した箱は、今私の手元にある。

 あれから2年半。時々家族3人でコミソからラグーザまで遊びに来てくれて、楽しい一時を過ごしている。生まれて数日後に病院で見た、くしゅくしゅに小さかったY君もすっかりお兄さんになり、リディアのとっても良いお友達に。

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 いつもこうして、ほっぺをピチュッと付けて、大好き大好き、と言わんばかりに可愛がってくれる。後ろから見ている我々には、ややロマンティックな光景に感じられることも。

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 右にも左にも、ピチュッ。ぶっきらぼうなリディアはハグやキスはしないのだけれど、目はとても嬉しそう!
 微笑ましい光景を見守りながら、高校生になる頃はお付き合いしているかも!、そのまま結婚したりして・・・?!、するとK子さんとMさんとは親戚になる?!、と考えなくもない。

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 既に陽が傾き、雲や岩肌に夕陽色が滲み始める頃、皆で旧市街イブラへ降りる。大人はジェラートを堪能し、味見程度のジェラートではお腹が満足できない子供二人にビスケットを食べさせているうちに、気付くと辺りが青色に変化していった。街全体が水の中に沈んでいくような時間の流れと雰囲気。

 青い世界を歩きながら、何十年後にリディアの将来の家族とここを歩いている自分を想像した。きっと人生を決定する大事な出会いも、出来事も、空の色の変化のように静かに、けれども着実に私たちに近付いていて、「その時」を与えるのだろう。それが辛い時であれば、重くのしかかり今後の人生を考える力さえ奪うけれど、大雨を降らせた黒雲が任務を終えて消えていくように、時が過ぎれば、それも記憶の一つに変わる。そしてむしろ、水をたっぷりと含んだ大地のように、大きな糧を得て新たな緑を生み出せるのではないか。

 人生何があるか分からない。ラグーザを一度は後にした我々は、家族3人でここに戻って来て、静かな時間を過ごしている。
 大切な友達とゆったりと過ごした一日、冬の青い街並みは、時の経過の不思議を感じさせた。あばあさんになった頃、ここを歩きながら思い出しているかもしれない。親戚になったK子さんと一緒に。
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by hyblaheraia | 2014-02-10 00:09 | 生活 | Comments(4)

ステッファーニのカンタータ -音楽がもたらす出会い-

 もう3年半程前に一時帰国した際、学部・大学院と長年お世話になった指導教官にご挨拶のメールを出すと、「たまたま飲み会が用意されているのでぜひ来てください」との相変わらずの楽しいお返事が届いた。早速出かけて行くと、6年程姿をくらましていた私をまるで幽霊を見るかのように、ゼミの先輩たちが悲鳴を上げて驚いたことを今でも忘れない。終電になるまで場所を変えて飲み明かし、すっかり偉くなった先輩たちにご馳走になり、良い刺激をもらって帰途に着いた。シチリアにいても頑張らねば!と思いながら。

 この小さな飲み会での再会は、後に私に大きな喜びを与えてくれることになった。ほぼ10年ぶりに再会した学友の人脈を通じてイタリア・バロック音楽を専門とする若手声楽家たちを知り、彼らの演奏活動のお手伝いをする機会を得ている。普段は史料や本や楽譜を相手に考えをまとめることが主な私の研究にとって、実際の音楽に触れながら仕事ができるというのは望外の幸せ。

 今回リリースされる《アゴスティーノ・ステッファーニの2声のための室内カンタータ集》には、解説と対訳という形で関わった。9月半ばに連絡を受け11月末の締切まで、リディアを寝かしつけてから深夜2時に夜泣きで起きるまでの数時間、少しずつ少しずつ資料を読み進め、日々寝不足と戦いながら何とか締切に間に合わせることができた。これは自分でも全く信じられなかった!

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 それも全ては素晴らしい音楽と演奏に依るもの。ステッファーニという作曲家は外交官でもあり、聖職者でもあり、作曲家としては少し固い人だと思っていたけれど、音源を聴いた瞬間にその考えが突風に飛ばされるようだった。この優美で飾り気のない、自然な声の重なりは何だろう。そして彼の音楽に全身全霊で心を寄せようとしているこの演奏のみずみずしさ!

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 資料のないラグーザに居ながら、実家の母、友人夫妻、そして関係者からスキャン・データや音源を次々に送ってもらう。彼の音楽に聴き入り、心を震わせながら資料を読んだ。彼の苦悩、そして音楽に慰めを求める姿に深く同情しながら。
 
 ああ、音楽というのは人の心をこうも満たし、清め、繋げるものなのだろうか!3年半前の再会から現在の新たな人脈、そして過去の音楽家の声を聴き、遠いラグーザでそう思う。
 さあ、その音楽のために、私ができることを探し続けよう。音楽がもたらす新たな出会いを求めて!幽霊にならないように。

::: ::: :::

A. ステッファーニ:2声のための室内カンタータ集
阿部早希子(ソプラノ)&古楽アンサンブル ファンタジアス
ALM RECORDS
2,980円
2014年2月7日 発売


声の透明感、作品の解釈、ふわりと浮くような柔らかな響き・・・。とにかく素晴らしい演奏です。ぜひお聴きください!アマゾン等で発売中。
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by hyblaheraia | 2014-02-07 00:10 | 大学・研究 | Comments(8)

コグマのバースデー・ケーキ

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 ふくふくとした身体付き、キョトンとした目つき、突発的にはしゃぐ動き、ぶっきらぼうな感じなど、何となくクマっぽい雰囲気を持っているリディアを我が家では"Orsacchiottino コグマちゃん" と呼んでいる。

 1歳の誕生日ケーキにはクマの絵を描かなきゃ!とルカと二人で盛り上がっていて、お気に入りのケーキ屋さんでバースデー・ケーキを作ってもらった。下絵はルカ作。でもクマが妙に西洋風で、鼻が高いのは良いけれど、なんだかほうれい線のように見えてしまうので、もっと若いクマじゃないとダメよ!とケーキ屋さんのカウンターで描き直しを命ずる。
 さらに担当の店員さんに、ほうれい線のないクマで周りにお花を明るい色で散らして下さい、と頼むと、どんな花が良いか、いくつ散らせば、色は具体的に・・・?と困っていたので、マーガレットみたいなお花で、そうそう、そうです!と希望を述べていく。
 自信なさげに注文票に記入していた店員さんが最後にスッキリとした笑顔で言った一言、それは・・・
 「子供が描くような、かわいいクマさんですね♥」
 
 受取までの数日、ずっと気になっていたクマの顔。箱を開けて、なるほど確かに・・・。少しのっぺりと薄顔だけれど、かわいく仕上がったので良いでせう。
 友人家族に囲まれ、楽しく祝った1歳の誕生会。ロースト・ビーフをもりもり手づかみで食べて皆を驚かせたOrsacchiottinoよ!これからも元気に笑って、泣いて、すくすくと大きくなりたまえ!


追伸:昼寝をしない上に、夜は3時間置きに起きるリディアを抱え、パソコンに向かう時間はほとんど取れず。これからの更新は記事が少し短くなるかもしれませんが、溜め込まずに、サクサクとアップして行きたいと思っております。ブログってやっぱり楽しい~!もっと書かなきゃ!
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by hyblaheraia | 2014-02-02 10:23 | 生活 | Comments(8)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


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