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嬉しい包み -カンノーリいろいろ-

 「買ってきちゃったよ!」
 お菓子の包みを片手にニコニコと帰宅するルカの姿を何度見て来たことか。新たにラグーザ生活を始めた先月からも、この嬉しい包みの習慣が復活。

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 シチリアに帰ってきたら、やっぱりカンノーリを食べなきゃね、とこの日は、バス停近くのバールからのお土産。チャルダ(筒)の中にチョコレートを塗って、リコッタチーズの水分が浸透しないようにしてあり、ピスタチオの飾りも色鮮やか。
 久しぶりの味で美味しく食べたのだけれど、チョコレートを塗ったチャルダはちょっとなぁ・・・というのが二人の正直な意見。やっぱりリコッタで勝負しないとね、と話していたら、

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 10日後にまた新たにカンノーリの包みを持って帰宅。今度は4本(1本既に消えていますが・・・)!
 家のすぐ近くのお菓子屋さんの自身作で、注文してからリコッタを詰めてくれる。筒は薄め、さりさりとした触感が特徴で、アーモンドを飾った素朴なカンノーリ。筒に振りかけられたシナモン・パウダーがほんわりとした甘さを引き出し、あっという間に食べてしまう。
 でもなんだか軽すぎるような・・・。薄い筒がここのこだわりだからね、と二人で納得しながらも、本当に気に入ったカンノーリは前みたいに自分たちで作らないと(こちら→をクリック)、と結論付けた。
 ・・・はずだったのだけれど、

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 アランチーニを買いに行った店で素敵なお菓子が並んでいるのを見て、カンノーリ買っちゃう?とルカ。確か、カプラ(ヤギ)のリコッタで作ったカンノーリがあるはずだけど、と私が言うなり、それにしよう!カプラのカンノーリありますか?
 ペコラ(羊)ですね。と、笑いながらお店のシニョーラ。
 ヤギとヒツジを間違え、やや恥ずかしい我々。
 ということで、2本買ったのだけれど、また1本消えております。
 
 羊のリコッタはクリーミーでとっても上品な余韻が残る味。でももし、ヤギのリコッタだったらどうなんだろう?
 次の嬉しい包みはもしかして・・・?!
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by hyblaheraia | 2013-06-18 16:12 | 菓子 | Comments(8)

視線の先

 出産から6ヶ月、ラグーザ到着から3週間。リディアに会いたいというルカの同僚たちの声に応えるべく、ようやく旧市街イブラの大学まで下りることに。

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 懐かしい顔ぶれに温かく迎えられ、私が教えた生徒たちにも会え、新しい先生方にも祝福され、この大学の家族のような雰囲気に久しぶりに触れた。

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 その後、家族3人でジャルディーノ(イブレオ庭園)へ。お散歩好きなリディアとここを歩くのを、東京に居ながらどれだけ楽しみにしていたことか。

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 カルデッリーノ(ゴシキヒワ)の家族が戯れる声と小さな姿を追いながら、ほら!ほら!鳥ちゃん!と指をさすも、リディアはおもちゃをカミカミ、カジカジするのに夢中。そんなギャップがまた楽しくもある。

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 いつ見てもほっとする水飲み場。緑の生い茂り方も、ベンチの瑞々しい誘いも変わらない。そして、

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ジャルディーノの最南端からの大好きな景色。この「何もなさ」にどれほど心が解き放たれることか。見て見て!東京にはこんなのなかったでしょう?リディアは今度は遠くをじっと見ている。すごい所に来ちゃったなぁ~と思っているのではないかな。

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 ジョヴァンニおじいさんの叔父さんの彫刻がこんなにたくさんの花に囲まれているのを見るのは初めて。ジョヴァンニおじいさんに会えるのももうすぐ。
 清々しい初夏の風、色、光に囁かれながら3人で散歩するこの喜び、楽しさ!

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 ベンチで休んでいると、腕の中のリディアの目が何かを捉えているのに気付いた。それは風に揺れる椰子の葉。大きな葉そのものではなく、葉の先の最も繊細な部分が隣り合う葉の先とともに、頭上高い所で、さわさわと擦れ合い、揺れるのを見ているらしかった。
 
 同じものを見ているようで、その視線の先には私が見ているものとは違う何かがある。そんな素敵な発見があり、懐かしいイブラを歩いた今日は、帰って来て良かったと思わせる一日だった。
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by hyblaheraia | 2013-06-12 09:30 | 生活 | Comments(6)

チェスティ・コンサート報告

 「チェスティ生誕390年記念演奏会 ~甘美なる嘆き、優美なる情熱~」
 このタイトルを決めるのにも半年くらいかかっただろうか。最初にコンサート企画のお話を頂いたのが2年前。当初はカンタータのみコンサートにする案だったけれど、いろいろな方のご意見を聞き、少しずつ修正し、最終的には私が想像していた以上の内容豊かなコンサートになった。

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(ゲネプロより)
 途中、私の妊娠が分かり、関係者を驚かせたとともに、コンサートの準備全体に大変な迷惑をかけたことと思う。降板も考えたけれど、全チェスティ・プログラムの機会など二度とないだろうし、なによりもチェスティの音楽が自分の目の前で立ち上がり、人々の耳と心に届く瞬間に私は立ち会いたかった。

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(ゲネプロより)
 膨大かつ長大な作品からの選曲、楽譜の準備、毎月の例会での指導、資料の作成、大量の対訳作成。妊娠中から出産、産後と、体力の限界と戦いながら、気持ちだけは決して弛まなかった。

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(舞台上へご挨拶に)
 17世紀の手稿譜を現代譜に起こす作業では、かつて何度もぶち当たった問題とまた向き合った。これは記譜ミスなのか、はてはチェスティの斬新さの表れか?チェンバロの先生のご辛抱強く温かいご指導の下、演奏に耐え得る楽譜を整え、ようやくオケ合わせへ。
 弦楽器の柔らかで澄み切った音が、即興的な装飾を伴いながら、すじ雲のようにさらり、さらりと重なり合う時の悦び。楽譜上で静止した音符が息を吹き込まれ、流転し、チェスティの声を聴くようだった。

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 バロック・ダンスとのコラボレーションによって、宮廷で演奏される音楽というものに対して、どれほどのイマジネーションを得たことか。ダンスをする身体のほんの少しの動き、止め、視点、目線がいかに多くを語るのか。非常に学ぶところが多かった。
 当初の案ではグレーだったであろうこのコンサートが色を帯び、華かさを表現し得たのは、バロック・ダンスの世界とダンスの先生のステージングの賜物。このような貴重な出会いができたことを心から嬉しく思っている。

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 今回のコンサートのため、私たち家族は家族となったその日から5ヶ月間、日本とイタリアで離れて生活をした。ルカには随分寂しい思いをさせてしまったけれど、常に惜しみない理解と協力を示してくれた。実家の両親の協力もまた然り。
 さらにコンサートの係の皆さんの、チーム・チェスティと名付けた強力な連携も素晴らしかった。そして全チェスティ・プログラムという、ややもすれば失敗に終わりかねない企画を任せてくださった監修の先生に、改めて感謝の気持ちを伝えたい。

 学生時代、チェスティはその音楽を通して、苦しみや葛藤、その向き合い方を教えてくれると感じていた。あれから10数年経ち、今はチェスティの音楽が多くの人との出会いを可能にし、新たな知見を与えてくれると感じている。以前には見えなかったものへと、私を向かわせてくれている。

::: ::: :::

 コンサートはチケットほぼ完売、盛会に終わりました。駆け付けてくれた方々、教え子の皆さん、ありがとうございました。お会いできて本当に嬉しかったです!
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by hyblaheraia | 2013-06-04 09:56 | 大学・研究 | Comments(12)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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2013年11月、共著出版



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