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色への愛しみ -日本の伝統色-

 バイオリズムが狂って変に早起きになる時がある。朝5時半に目覚め、まだ寒いのでベッドの中で考え事をしていたら、頭が冴えてきて寝ていられなくなった。

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 外は気温10度。4月末なのに息が白い朝、東の空の暖かい色を鳥たちとともに見つめる。

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 灰桜、水柿(みずがき)、一斤染(いっこんぞめ)、穴色(ししいろ)、鴇色(ときいろ)、撫子色、桑の実色。淡い色の帯がたなびく空を背に朝日を待つ。
 日本の伝統色の名前はなんと表現豊なのだろう。

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 朝陽が現れる方角は真朱(まそお)色。

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 光が次第に近付いて来ると、紅緋(べにひ)色となる。この静かに燃える色の熱さが好きだ。

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 輝きを増し始めると、橙色、黄赤(きあか)、赤橙、金赤(きんあか)、照柿(てりがき)となり、

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 強烈な光は中黄(ちゅうき)、向日葵色。その周囲は赤朽葉色(あかくちばいろ)、肉桂色(にっけいいろ)、丹色(にいろ)、 鉛丹色(えんたんいろ)。

 グラデーションという便利な言葉でごまかしてしまいそうな色の襞の一つ一つを、繊細に感じ、愛おしむように美しい名前を与えた日本伝統文化の美意識。覚えられらないほどの色の数に、昔の人々の心に渦蒔く鋭い感性を感じずにはいられない。
 刻々と変化する空の色の襞を、愛おしく名前で呼べるようになりたいものだ。

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by hyblaheraia | 2009-04-29 08:44 | 自然 | Comments(15)

蜂SOS!

蜂のその後、文末に加筆しました

 夜11時過ぎのこと。キッチンでハーブティーを入れようとしていたら、鈍い音がブーーン、ブーーン・・・。振り向くとギョッ、蜂だ!!しかも結構大きい。 
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 慌ててキッチンのドアを閉め、テラス側のドアを開けて外に出そうとするものの、良い匂いが気に入ったらしく、砂糖ポットやらオリーヴオイルやら、半乾きのルカの靴下(なぜ?)の周りをブンブン飛び回っていた。刺されるのは嫌だし、殺す気はないので、布で風を起こしてみたり、電気を消してみたり、蚊取り線香を焚いてみたり、二人でピリピリしながらガラスドアから様子を見ること1時間。
 キッチンのどこかにまだいると思うのだけれど、姿は見えず、音もしなくなった。そっと棚や冷蔵庫の裏など隈なく探してみたけれど、見つからない。けれども外に出たところを見ていないので、安心もできない。
 明日の朝、お紅茶を飲もうとして椅子に座った途端にブチッ!と刺されたら・・・。あるいは早起きのルカが蜂に刺されて倒れ、寝坊した私が数時間後にようやく発見したら・・・。
 
 そんな最悪のシナリオを考えて、もしもに備えて、寝る前に急きょ、蜂のアップ写真を世界配信(大げさ?)。
 
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 蜂SOS!
 この蜂の種類、学名、刺された時の治療方法、あるいは仲良くする方法等、ご存知の方はコメントをお願いします!

 それにしても、蜂は夜にも行動するものだったかな。先日の蜂群崩壊症候群のこともあり、ちょっと不気味な感じがしないでもない。

 久しぶりのSOSシリーズ。これは本当にSOS!


::: ::: そして翌朝 ::: :::

 やはり蜂はキッチンで一夜を過ごしていたのです!
 先に起きたルカによる談話:カッフェを作っているとブズブズブズ~~~という蜂の声が聞こえ、しばらくしキッチンで飛び回ってから、窓につけてあるスノコにガシガシぶつかり、ようやく外に飛び立って行ったとのこと。二人とも刺されず、良かった。皆様、お騒がせいたしました。SOSへの応答コメントもありがとうございました!!

 虫に好かれる我が家。夏が来るのがちょっと恐くもあり、対決が楽しみでもあり・・・。
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by hyblaheraia | 2009-04-26 08:53 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(20)

春らしく

 イタリアの苺は形がとことん不揃い、種のつぶつぶが超密集、毛深くグロテスク。だから普段は潰してヅィビッボZibibboとレモンをかけて食べることが多かったのだけれど、今回は・・・。
 パンナ(生クリーム)と一緒にケーキに挟んで食べたら美味しそうだね!
 そんな嬉しそうなルカの顔を見てしまったものだから、

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 苺のショートケーキ・デビュー。子供のころから数え切れないほど食べたのに、作ったのは初めて。不思議、不思議。


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 今朝は鳥たちよりも早く、朝5時半に目覚めてしまったので、スポンジ・ケーキを焼いてルカを驚かせることに。カシャカシャご近所に迷惑なので、作業は7時とともに開始。

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 冷蔵庫でよく冷やし、夕方のおやつタイム!グロテスクな苺たちは、ベリーベリーした味と香りを放ち、バラの香りのお紅茶と一緒に、春一杯な気分にさせてくれる。


 ついでに最近のおやつたちを。
 今年は寒いので、おやつも心なしか寒い顔をしている。

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 春らしく、色柔らかな、明るいおやつって何だろう?
 ショートケーキは既に半分、明日にはなくなってしまうから、次のおやつを考えなければ。
 夕方に甘いものがないと勉強なんてムリムリ。安く、美味しく、たくさん食べられるにはどうしたらいいのだろう。良いアイディア募集中でございます。
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by hyblaheraia | 2009-04-25 06:50 | 菓子 | Comments(21)

100歳の女性科学者

 5年前、その女性を初めてテレビで観た時、普通の人ではない物凄いオーラを感じた。古色蒼然としたドレス姿には、重い歴史が覆い被さっているような異様な空気があり、白髪と皺深い皮膚、細い腕と手、その話し方には、身体の隅々まで刻み込まれた強烈な知性を感じた。
 この人どなた?失礼ながら思わずルカに聞いた。

f0133814_563361.jpg リタ・レヴィ=モンタルチーニ Rita Levi-Montalcini。1986年、神経成長因子および上皮細胞成長因子の発見の功績により、ノーベル生理学・医学賞を受賞した科学者。

 1909年4月22日、双子の姉妹としてトリノのユダヤ人家庭に生まれ、今日100歳の誕生日を迎える。双子のパオラ・レヴィ=モンタルチーニは画家として活躍した。


f0133814_581595.jpgf0133814_57874.jpg ムッソリーニ政権下では、人種迫害政策により研究活動の場を失うが、自宅に粗末な研究質を作り活動を続けた。戦後はアメリカに招聘され重要な研究成果を生み出し、ノーベル賞受賞に至る。

 2003年にはイタリアの終身上院議員Senatore a vitaに任命され、現在も国会審議に参加している。
 
 分野は違っても、理科系研究の紆余曲折から様々なヒントを得ることがある。彼女の場合は、人生そのものからも学ぶことが多い。
(写真はWikipediaより)


f0133814_572972.jpgf0133814_574836.jpg 活動の幅は研究と政治だけではなく、1992年にはリタ・レヴィ=モンタルチーニ財団Fondazione Rita Levi-Montalciniを設立し、主にアフリカの貧困問題と女性のための教育に力を入れている。

 先日、マルタとイタリアの政治的問題により、海上で4日も救助を待ち続けたアフリカ難民船の問題が起きた直後だけに、アフリカの貧困問題に取り組むその姿勢に、とても100歳とは思えない精神力を感じている。
(写真は同財団より)



 ところで、2008年のイタリア総選挙の時、彼女に関するあるニュースが走った(写真はその日のレプッブリカ紙)。

f0133814_5141430.jpg 99歳で歩行困難の彼女を投票会場に連れて行った付添い人は、長蛇の列を見て先に通してもらえないかと人々に尋ねた。ところが、
 「他の人と一緒に列に並びなさい」、「だめです、私だって急いでいるんですから」、「順を譲る理由がない」、と口々に拒否の答えが返ってきたという。

 騒ぎを聞いた投票所の責任者が、「よろしければ私たちが先にお通ししましょうか」と尋ねたものの、「他の人と同じように列に並ぶ方が良いです。」と答え、差し出された椅子も断り、「本当に結構ですから。立っている方がいいのです。」と、毅然とした態度で30分並んだという。

 身体の不自由な人、怪我人、病人、子供、妊婦、老人に思いやりを持てない社会に対して、多くの人が何とも言えないやるせなさを感じただろう。
 しかしつい数か月前、その時のことをテレビで質問された彼女は、当たり前のこと、何も気にしていないとさっぱり言い切った。その清々しい態度に、インタビュアーがタジタジだったのが面白かった。


 リタ・レヴィ=モンタルチーニのことを知れば知るほど、もっと知りたくなる。
 彼女の研究スケッチをこちらのサイトで見つけ、ふむふむと。

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 左(彼女):NGF(神経成長因子)の効果説明のために描いた図。
 右(私):17世紀イタリア・カンタータにおけるレチタティーヴォとアリアの変化と均質性の概念図(論文『音楽学』より)。
 
 お絵描しながら考えているモヤモヤしたことを表現するのは同じかな。
 将来のノーベル音楽学賞の受賞目指して、頑張ろう!
 (現在、この分野にはありませんけれど・・・) 
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by hyblaheraia | 2009-04-22 07:03 | 政治・社会 | Comments(11)

23:23の法則

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 毎晩、その時が近づくにつれ、あと3分!あと2分!と緊張が走る。そして23時23分。息をひそめ机の左上を見上げ・・・、
 ゴゴゴゴー、ゴゴー、チョロチョロ、チョロリ・・・。
 よし!明日も大丈夫。二人顔を見合せ、ほっと一安心。ギリシア古典劇の仮面モティーフも大喜び。

 これが最近の我が家の儀式となっている。屋根裏の貯水槽に水が少量届く時のゴゴゴー、これが聴こえるか否かで、明日の水の配給を判断しているのだ。名付けて23:23の法則
 ある日、ゴゴゴーっと音がした時に偶然、パソコンを見たら時刻表示が23:23だった。昔からゾロメが好きなので、はっきりと覚えていた。その数日後、また同じ音を聞いた時、ふと時計を見たらなんと23:23!
 もしや!!
 この音を聴いた翌日、水はあった。その後も1週間ほど、水はきちんと届いている。つまり夜に少量水が届けば、翌朝にたっぷり水が届くのではないかと。ゴゴゴーあらば憂いなし?

 理論的に分析すると、おそらく市の水道管の大元ポンプか何かにスイッチが入り、その勢いで一瞬だけ水圧が上がり、各家庭に少量の水が届く・・・・・・、と読んでいるのだけれど。
 全然違うかもしれないし、笑われるかもしれない。でも何も知らず突然水がなくなって落ち込むよりは、多少でも心積もりができている方が断然いい。明日は水が来ないだろうから、洗濯はしない、ランチはパンとハム、お米とパスタは作らない、常備している水を使い、それを受けるバケツを用意する(この水はトイレ用になる)など、水無し生活に必要なノウハウを落ち着いて準備できる。

 現在、23:23の法則を実験して2週間ほど経過。この音を聴かない翌日、水が来なかったら、ヒブラヘライア理論の勝利!!
 

追伸:ここでは水は毎日一定量、タンクに溜められるシステムです。我が家では市の水道管から水を吸い上げるモーター(違法)を付けていないため、水が届かない事態が頻繁に起こります。シチリアの水問題については、タグの「水問題」をクリックしてお読みください。
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by hyblaheraia | 2009-04-20 08:22 | 生活 | Comments(18)

食卓の流行

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 最近、我が家で流行しているもの。
 それはピタパン。どうしても中がパカッと空洞にならないのだけれど、生地はふわふわで、混じりけのない味がして、布にくるんでおけば翌日もまだ大丈夫。フライパンで軽く暖めて、チーズなんか挟んだらニコニコ。今回はローズマリーと塩を散らしたり、形もいろいろ挑戦。市販の個性のないパンよりもずっと美味しい!

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 ランチで食べ過ぎた日の夜は、ピタパンとサラダとチーズだけ。地元のチーズと野菜、ワインで何も手を加えずひたすらシンプルに。
 美味しいワインとパンがあれば立派な食事になる、ということを実感する一時。

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 ナスが美味しい季節になってきたので、カウサネッドゥも流行中。一つ一つ親指で転がし、丁寧に作ったパスタはなぜか胃にも優しい。リコッタ・サラータもいつも通り、雪のように降りかけて。

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 時間の無い時は乾燥パスタもあり。ただし、2種類のパスタをパキパキ割って使うのが最近の流行り。この日は周りがビロビロのパスタとリングイネを使用。トマトソースにカレー粉と豚バラ肉が入っているのがポイント。仕上げは黒胡椒をカリカリと。

 暖かくなってくると手作り料理が楽しくなって来て、市販の材料も一工夫したくなる。次はどんなことをしようかな。挑戦はまだまだ続く!


追伸:久しぶりの食べ物記事ですね。カウサネッドゥの作り方はブロッコリー編、と、ナスとトマトソース編があります。
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by hyblaheraia | 2009-04-17 08:00 | 料理 | Comments(20)

踊れ、ミツバチ!

 ミツバチが来た!!ようやく来てくれた!今年は遅いね、寒かったからかな、もし来なかったら・・・という我々の心配を余所に、数種一緒に、どこからともなく飛んできた。

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 やって来たのは、栄養状態良好のプンプン太り茶蜂、触覚ヴイヴイのVサイン白蜂、独り言がうるさいスレンダー黒蜂(写真左より順に)。

 みなブズブズ独り言を言いながら、落ち着きなく花を選び、やっと蜜を吸い始めたかと思えば、突然飛び立ち、空中で急旋回。嬉しくて、美味しくて、もうどうにもならないみたい。ブズブズ、グルグル、飛んで踊る。
 よく見ているとそれぞれ花の好みが違うらしく、蜜の取り合いはしていない。でも嬉し過ぎて空中に一旦踊りに行く時に、危うくぶつかりそうになって八の字を描きながら、いやいや、失礼、いえいえい、こちらこそ、と謝り合っている。ミツバチ社会は、礼儀正しく!

 ああ、何と幸せな光景なのだろう。私が手塩にかけて蘇らせた植木に、花が咲き、ミツバチがやって来て、夢中で蜜を吸っているのだ。地球の生態系に、微力ながらも貢献しているこの喜び。そしてミツバチの舞いと独り言に再び出会えた喜び。
 さあ、踊れ、喜べ、幸いなる魂よ!


W.A.モーツァルト作曲、モテット《踊れ、喜べ、幸いなる魂よExsultate, jubilate》K. 165より



Exsultate, jubilate  踊れ、歓呼せよ、
o vos' animae beatae,  おお、汝ら祝福された魂よ、
dulcia cantica canendo,  甘き歌をば歌いつつ。
cantui vestro respondendo,  汝らが歌に応えつつ、
psallant aethera cum me.  天は、我とともに歌う。


::: ::: :::

 ミツバチの到来に我々がこれほど喜ぶ理由は、蜂群崩壊症候群(ほうぐんほうかいしょうこうぐん、Colony Collapse Disorder、CCD)のニュースを知ったため。日本でも問題になっているように、ある日突然、ミツバチが大量に失踪する原因不明の現象が世界各国で起きている。
 蜂蜜ができなくなるという程度のことではなく、蜂による自然受粉がなくなると世界の食料生産量が激減するという深刻な事態につながるのだ。かのアインシュタインは、

 「もし蜂が地球上からいなくなると、人間は4年以上生きられないだろう。蜂がいなければ受粉ができなくなり、植物は育たず、そして人間は滅びる。」 If the bee disappears from the surface of the earth, man would have no more than four years to live. No more bees, no more pollination, no more plants, no more man.

 と警告を発していたという。
 ミツバチ失踪の原因として、殺虫剤、遺伝子組換え植物、大気汚染、地球温暖化、電磁波などによる蜂たちの環境ストレスと体力減少となどが考えられているそう。
 
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 蜂が夢中に蜜を吸い、青空に舞う姿がこんなにも尊いものだったとは。

 2009年4月14日、イタリアの家族に新しい命が誕生した。Serena セレーナ(女の子)。その名の通り、晴れやかで、澄み切った、穏やかな人生が送れるよう、ミツバチのいる世界が永遠であることを願って。

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by hyblaheraia | 2009-04-15 09:20 | 野鳥・昆虫・動物 | Comments(18)

遅れてくる美しさ

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 黄色と黄緑が溢れ、春風に揺れる空間。まだ固いつぼみや、枝の脇から顔を出したばかりの若芽も、咲き終わりつつある花も、まさに咲き乱れている花も、今の姿を裸にし、黄色と黄緑の中で生きている。
 なぜだろう、この草花が風にふと揺れる時、後から遅れて、かすかな優美さに心を打たれるのは。
 和声の揺らぎに感じる美しさもこれに似ている。転調が起きるその瞬間ではなく、少し後から、ゆっくり浸みこんでくるような美しさがある。
 音楽も、転調を通して風に揺れているのかもしれない。

::: ::: :::

追伸:シューベルトのピアノ曲で嬰へ長調の美しい小品が思い出せず。この草花と一緒にお届したかったのに、残念。宿題とさせてください。シューマンだったかなぁ・・・、いや違う違う・・・。試験で弾いた曲なのに忘れてしまいました。

追伸2:その曲はR. シューマンの《3つのロマンスDrei Romanzen》Op.28、No.2でした。やっぱりそうだったか・・・。
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by hyblaheraia | 2009-04-13 10:36 | 自然 | Comments(4)

存在しない被災者

情報源のリンクを加えました


 アブルッツォ州の地震について、もう何も書かないつもりでいたのだが、どうしても一つだけ疑問を呈しておきたいことがある。

 地震発生の日、現地に親類がいない私としては、まず心配したのは外国人のことだった。言葉が通じない人々は、救助を求め、水と食料を得て、テントに入ることはできているのだろうか。
 毎日、朝から晩まで現地の映像が流れているのに、なぜか外国人の被災者についての情報は何も伝わってこない(避難したイスラエルの留学生を除いて)。これだけ移民・難民が多いイタリアで、一人も地震の被害に遭っていないということはないだろう。
 
 これについて、いくつかのサイトで得た情報は恐ろしいものだった。ラクイラ市内中心部では建物の地下と半地下のおよそ90%がアフリカ人に賃貸されていたが、その建物は崩れ、百人近くの消息が不明となっているという。市の戸籍に登録されていない彼らは、書類上は存在していなかったため、犠牲者数にも入っていない。また、地下を貸していた大家もまた、正式な賃貸契約を交わしていなかったため、彼らの存在を届け出ることはしていない。
 
 彼らはなぜラクイラに不法に滞在し、何の仕事をしていたのだろうか。
 誰も知らない、誰も探さない外国人の被害者のことを、私はここに留めておきたかった。


 この情報は、地元の市民保護機関(Protezione Civile)の男性にフリージャーナリストがインタヴューした内容に基づいています。その動画は、同ジャーナリストのサイトByoBluで観られます。


*この記事について、コメント欄は開けておきますが、お答えできるか分かりません。
 地震のニュースで疲れ気味です。でもみなさんのご意見はお聞きしたいです。我がままでスミマセン。
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by hyblaheraia | 2009-04-12 08:22 | 政治・社会 | Comments(8)

空の翼

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 西の空から東の空を覆う、見たこともないほど長い翼が伸びている。その雄大な羽ばたきの周りをアマツバメたちが伴走し、ただ高く高く、月へと舞うような日暮れだった。
 空の翼が、傷ついた魂を天へ誘っているのだろう。


::: ::: :::

 アブルッツォ州の大地震で傷ついた魂へ。
 ヨハネス・オケゲム(Johannes Ockeghem, ca.1410-1497)のレクイエムを、空の翼とともに捧げます。



Requiem æternam dona eis, Domine,  主よ、永遠の安息を彼らにお与えください
et lux perpetua luceat eis.  そして絶えざる光を彼らに照らしてください
Te decet hymnus, Deus, in Sion, 神よ、シオンでは賛歌が捧げられ
et tibi reddetur votum in Jerusalem.  エルサレムでは誓いが果たされるでしょう
Exaudi orationem meam,  主よ、我らの祈りをお聞きください
ad te omnis caro veniet.  死すべき者はみな主にかえるでしょう(詩編65:2-3)
Requiem æternam dona eis, Domine,  主よ、永遠の安息を彼らにお与えください
et lux perpetua luceat eis.  そして絶えざる光を彼らに照らしてください



 この地震について最後に一言:
 ・学校、大学の学生寮、病院などの公的機関が壊滅的な被害を受けたことについて。
 自治体からの十分な予算があったにも関わらず、手抜き工事が行われていたと論じられている。公的予算が公正かつ透明に使われることを望む。

 ・地震を予知した研究者が事情聴取され、サイトを閉鎖されたことについて。
 政治によって学問・研究が弾圧されるようなことがあってはならない。地震が予知できるか否かではなく、学問のあり方に目を向けて欲しい。ガリレオの時代と同じ過ちを繰り返さぬよう。
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by hyblaheraia | 2009-04-10 16:44 | 政治・社会 | Comments(19)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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