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余韻

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 美しい景色を見て言葉をなくすように、今は何も語れない自分がいる。
 一緒に見上げた空と、そこを横切るアマツバメ、草花の鮮やかさ、そして暮れゆく時間を楽しんだテラスを前に、この数日の余韻が切なく迫って来る。
 旧市街イブラを覆った昨日の燃えるような空は、今の心境を預言していたのかもしれない。心は熱く、そして虚しい。


 鳥の声しか聞こえないこの家で、昨夜、お義母さんからもらった小さな手紙を読み返す。

親愛なるヒブラ、  Cara Hybla,
今日一日の素晴らしい思い出とともに  In ricordo di questa bella giornata
心ばかりのものを  ti voglio lasciare un pensiero
もうすぐ来るあなたの誕生日のために残します  per il tuo prossimo compleanno.

おめでとう  Auguri
フィアンドラ  Fiandra



 普段は遠く離れていて何もしてあげられないから、これで何か好きなものを買いなさい。そう言って手渡してくれた包みには、孫がビーズで作った小さなブレスレットでこの手紙が留めつけられていた。
 今はただ、胸が一杯。


追伸:私の誕生日は今月末なので、まだちょっと先です。

ああ、この夕焼け・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-05-31 20:35 | 生活 | Comments(8)

ナポリからお義母さん到着

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 なんてきれいな町なんでしょう・・・。
 人気テレビドラマ《モンタルバーノ警部》のロケ場所となっているラグーザを観ながら、溜息をついていたお義母さん。ラグーザに一度行ってみたいけれど、飛行機も船も恐いから電車で。
 今年の夏こそ・・・、来年こそ・・・、そう言いつつ4年が過ぎた。
 その間、フットワークの軽い私の家族は海を越えて空を飛んで3回もラグーザに来たのだけれど・・・。

 5月末に来るという話がなかなか決定されず、この話も流れてしまうのかな、と思っていたら、なんと5日前に電車のチケットを買った!という連絡が。その後、慌てて引っ越し並みの大掃除をしたのは言うまでもない。
 そして遂に、ナポリからお義母さんがルカの妹ジョヴァンナとともに到着。電車で8時間、トコトコ、トコトコ揺られながら、途中、メッシーナ海峡は電車ごと船に乗って、生涯初のシチリア島上陸
 カターニア駅で出迎えた時の我々は、バールの椅子に座っているのにも関わらず、なんだかウキウキ、ソワソワ。わけもなく腕をさすったり、肩を組んだり、手を握り合ったり。

 さてお義母さんは予想通り、ナポリの味をたくさん持って来てくれた。
 水牛のモッツァレッラと私の大好きなオリーヴ、お義母さんの故郷のサラミと自家製天然酵母パン。大きな荷物を見て母というものは世界中同じだな、としみじみ感じた。
 ただ一つ違ったのは、長旅の友にクロスワードパズルカルタ・ナポレターナ(ナポリのトランプ)、そして古いゲーム機をハンドバッグに入れてきたところ。
 このゲーム誰のだろう?
 
 土曜日まで家族水入らずの日々。
 マンマが来てくれて嬉しさを隠せないルカ。なんか、いいな、こういうの。


家族っていいな・・・!。

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by hyblaheraia | 2008-05-28 09:36 | ナポリの実家 | Comments(12)

今度こそ!

 ブログ1周年記念で行ったぐるぐるカラーくじくじ引きの様子 と 当選結果)。
 応募して下さった方々に心ばかりのプレゼントをお送りしたものの、郵便事情の世界格差で到着日がまちまち。しかもトルコのyokocan21さんには届かず・・・。今だに届かず・・・。
 全員にプレゼント、であるのら、全員に届くまで送らねば!
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 ということで、先日トルコ宛てに再度郵送。今回はしっかり、国際書留で。5月20日にラグーザを出て、21日にミラノからトルコに向けて飛び立っているものの、その後の行方はデータになく・・・。
 中身は、モディカのチョコレートの唐辛子味。トルコの郵便局の方々、郵便物検査と称して試食しないでくださいませ!


f0133814_1981597.jpg さて、このぐるぐるカラーくじにご当選のお二人が、ブログに書いてくださったので遅まきながらご紹介。

 本当は全員に封筒が到着してからこの記事を書くつもりだったのだけれど、トルコになかなか到着しないので、しびれを切らせて今ここに。


 パリのminimauさんはモディカのチョコレートにご当選でバニラ味をご希望。このチョコレートでぜひお菓子を!とお願いしたところ、こんなにも美しいドルチェを2度も作ってくださいました。
まずは封筒が届いたとき
お菓子第1弾 
お菓子第2弾
 プロ並みのお菓子と心のこもったお料理の数々、そして素敵なパリ生活が美しい写真とともに紹介されています。8年前にラグーザにいらしたことがあると伺った時は、本当にびっくり!これからも素敵なブログ、楽しみにしています! 

 また、ラグーザの地図にご当選のitatravelさんは旅の達人で大変な美食家。我々がここに来る以前に既にラグーザにもいらしています。新しいブログでもラグーザの地図についての記事をアップしてくださいました。
 地中海の古代遺跡を巡り、各地の美味しいものを豊富な写真とともにご紹介するブログは、いつ訪れても新たな刺激で一杯!これからもいろいろ教えてください!

 さてさて、暑さで溶ける前にチョコレートは無事、トルコに届くのでしょうか。

チョコよ届け・・・!。


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by hyblaheraia | 2008-05-24 19:29 | ブログ・・・周年とゲーム | Comments(18)

テラスの花と空

 目の覚めるような鮮やかな色の、溢れるほどの花でテラスを彩りたい。数年の試行錯誤の結果、今年の初夏のテラスはこういう感じに決定。

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 1鉢1ユーロのペチュニアを8つ、ダダっと並べて。
 このところずっと寒かったので、色が褪せ気味。あなたは~もっと~鮮やかに~なるぅ~と暗示にかけながら、毎週水曜日はドーピングしている。

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 西のエッチェ・オーモ教会を見ても、東のイブラの谷を見ても、鮮やかな花が視界に入る幸せ!このラグーザ色の空とのコントラストがたまらなく好き。

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 左のバルコニエーラ(プランターを吊るす枠)の高さが違ったりするのが、まだまだ初心者。
 真ん中のピンクの花は一度枯れてしまったけれど、根気よく手入れしていたらすっかり元気になった。世話をすると、きちんと応えてくれるのが植物のかわいいところ。テラスでいつもゴニョゴニョしゃべってしまう。
 右のゼラニウムは今年の1月末に買ったもの。まさに今、咲き乱れているところ。終わった花を切り落とす時に許しを乞うのだけれど、ゴミ箱に捨てられなくてコップに差したり。優柔不断な性格。
 
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 幼い頃の記憶をくすぐる鮮やかなピンク色に溢れるテラスが嬉しくて、用がなくても何となく出てしまう。花を愛で、空を見上げるだけでこんなにも気持ちいい。
 この日はレンズ雲が3つも浮かんでいた。あん、ぽん、たん、あるいは大姉、小姉、をとうと、と自ら命名した我ら3人姉弟が空を駆けているよう。年を取ったら、日本に会いに行かれなくなるだろうな・・・。
 大姉よ、をとうとよ、これからも仲良く生きて行こう。

 テラスの花と空は私の心の栄養になっている。
 もっとドーピングしなきゃ!

心に栄養・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-05-23 10:26 | 自然 | Comments(10)

月の声

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 長い一日の終わり。重い頭と目を抱えるように机から離れ、明かりを消したその時、別の光が差し込んで来た。もしかすると今夜は・・・。
 斑な雲の向こうで光を送っているのは、いかなる月だろうか。

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 明かりを消したまま、その姿を待つ。
 生暖かい風とともにオレンジ色の雲が流れ、薄い切れ目の間に見えたものは、満月の強い輝きが雲を溶かす瞬間だった。
 ああ、月の声が降りてくる。限りない優しさと神秘を含んだ溜息のような声。

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 その声に寄り添うような、均質的な紫の響きと、

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 新たな命を与えるような、暖かい響きが加わり、

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 時には一方が他方を取り込みながら、

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 互いに織り合い、完全に溶け合っている。

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 その豊かなハーモニーに身を沈めていくように、月の声は次第に遠ざかって行った。
 深夜2時半、人知れず奏される天の響きに、沈静と瞑想の悦びを知った。



音の絵:写真と音楽のコラボ
 薄明かりの中、アッレーグリGregorio Allegri(1582-1652)の《ミゼレーレMiserere》を月の声にじっと重ね聴きました。
 ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂で、教皇庁聖歌隊によって歌われた門外不出の秘曲。伝統的なポリフォニー技法によるこの作品をローマを訪れた少年モーツァルトが一度聴いただけで楽譜に書き起こしたという有名な神童エピソードがあるのですが・・・、音楽をやっている人にはそんなに難しいことではないんです・・・よね(私は和声聴音が大の苦手です)。
 天から降ってくるような3点C(高いドの声)の美しさを味わってください!


お勧めCD:
f0133814_20211416.jpgf0133814_20213245.jpg どちらもイギリスのグループ、タリス・スコラーズによる《ミゼレーレ》。

 左はYoutubeでお聴きいただいたものと同じで、16年前、人間の声の魅力に取り付かれていた頃に買ったもの。多分、まだ売られていると思います。

 右は同グループが2007年に再録音したもの。中音と低音の響きが太く、各声部がしっかり噛み合う感じです。ハーモニーの揺れに鳥肌が立ちます。このCDの最後に、当時の演奏習慣に基づいて3点C(高いドの声)に装飾を付けて歌っています。視聴はこちらでできます。

 
月と雲のハーモニー・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-05-22 09:37 | 音の絵:写真と音楽のコラボ | Comments(12)

チュニジアのスパイシー・ソーセージ

 ラグーザに外国人は意外と多い。大通りの精肉店はチュニジア人男性を家族に迎えた。いつ頃からか、店のガラスにはアラビア語の張り紙がされ、外国人のお客さんも増えてきた。
 普段は地元客用に牛、豚、鳥、ラム、地元ソーセージ、サラミ、ジェラティーナ(豚のゼリー寄せ)、馬肉を扱っているが、時にはネブロディ豚、猪、水牛などもある。これだけでも種類豊富なこの店に、最近、さらに新しい商品が登場した。
 チュニジアのスパイス入り、牛肉ソーセージである。
 見た目は赤黒く、細い。ただひたすらエキゾティックな香りに、にんにくの青さがふっとする。これを我々はどう料理するか、というと・・・

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ラグーザ創作料理
チュニジアのスパイシー・ソーセージとシチリア野菜のコラボ、クスクス添え -レモンをたっぷり絞って-

 ソーセージの塩気と辛さは野菜の甘味とよく調和し、そのガツンと来る味は、野菜の汁が沁み込んだクスクスをいくらでも口に運ばせる。お好みで搾るレモンは、この一品の明度を上げるような役割。辛いけれど甘い、甘いけれど辛い、の連続で格闘して食べるような感じがたまらなかった。

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f0133814_818363.jpg 近所の友人から、この精肉店の主人とチュニジア人の義理息子はあまり関係がうまくいっていない、と聞いたことがあった。

 けれども今日、この店に買い物に来たチュニジア人のカップルに、あの料理は美味しいね、これはこうやって料理するんだよね、と笑顔で彼らの祖国の味を語る店主の姿があったそう。
 ルカからその様子を聞きながら、こうして異文化を理解し合い、人々が平和に暮らせる世の中がもっと広がれば、と思った。

 チュニジアはシチリアの目と鼻の先。私も未知の国の文化について知りたくなった。また新たな商品に挑戦しよう!

 我々のラグーザ創作料理を見て、ギョッとされちゃうかな?


きゅぅー、スパイシ~~・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-05-20 09:05 | 料理 | Comments(14)

甘い生活

 イタリアの生活は朝から甘い。新婚でも老夫婦でも、甘さに変わりはない。
 今日の我が家の朝食は日曜スペシャル版。体調不良の私の薬としてルカがテキパキ買って来てくれたお菓子たち。

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巨大シュークリーム苺乗せ、

スフォリアテッラ2種(リコッタ入り、カスタードクリーム入り)、

カッサティーナ(シチリア名物カッサータの小さいもの)、

そして・・・
 桃のドーナツ、とでも言おうか。まるまるとした桃の形のドーナツ生地に、クレーマ・ビアンコ(白いクリーム)がたっぷり入ったもの。
 どれも可憐に見えるけれど、実は手の平をはみ出る大きさ。一口がぶっと行ったら顎が外れそう!


 これは先週のお菓子。
 多忙な毎日で疲れ気味のルカに夜のおやつ。その名は、テスタ・ディ・トゥルコTesta di Turco、トルコ人の頭。 
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 ターバンを巻いたトルコ人のイメージでその名が付いたのだろう。もっと高く盛り上がってまさにターバン!という感じのものもある。

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 キャベツやレタスくらいの大きさのシュークリームの中には、チョコチップ入りカスタードクリームが溢れるほど入っている。一口頬張ると、生地の横からクリームがむにゅっとすり逃げる瞬間が幸せ。

 
 さて、こちらは・・・、
 怖い顔をして猛勉強していた私にルカからの差し入れ。近所のバールのビスコッティたち。
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 一つ一つ丁寧に愛情たぷり作られたお菓子は本当にいい顔をしている。甘いもの好きの私にはそれがピピッと分かる。f0133814_3232582.jpgf0133814_3242498.jpgf0133814_3251046.jpgf0133814_3252726.jpg
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 トッピング同士がくっつかないように、向きが揃えられている所にオーナーの心を感じる(最後の写真)。見た目に表れているように素朴で優しく、丁寧な味がするビスコッティ。


 夕方になるとおやつが欲しくなる我々。お散歩がてらおやつ探しに出かけ、この日は同じバールでお米の揚げ菓子、クリスペッレに出会えた。
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 お米とオレンジの皮が入った生地を揚げ、蜂蜜ソースをかけた素朴なドルチェ。初めて見るので質問をいろいろした。お菓子のことを聞くと、オーナーはいつも目尻に細かい皺を作って嬉しそうに説明してくれる。


 甘いものを朝から食べ、友人と会えばハグとキスをし、お菓子を作る人も、食べる人も、甘いものへの愛を感じている。そしてルカも私もお互いのことを気遣って(という言い訳で?!)、ドルチェを差し入れする。
 アモーレの国イタリアにおいて、まさに甘い生活の真っただ中。お爺さんお婆さんになっても、ルカ爺さんや、おやつですよ。ヒブラ婆さん、これもお食べ・・・なんてやっているだろうな。

朝から甘い・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-05-19 07:12 | 菓子 | Comments(18)

フォルテピアノ?!

 実はね、修理途中のフォルテピアノFortepianoがあるんだよ。
 おじさんの言葉に半信半疑で2階に上がってみると、遠くになにやら四角くて大きなものが見えてきた。これは・・・
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 もしかしてスクエア・ピアノ?いやスクエア・フォルテピアノ?!こんなの見たことがない。
 1780年頃(1800年には至らない)のもので、全76鍵、鍵盤の深さは7ミリだそう。
 蓋は半開きだったのでで中は埃だらけ、ペダルも外れたまま、各種パーツが弦の上や隣のピアノの上に無造作に散らばっていて、なんだか全体像が良く分からない。

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 とりあえず弦の上のものを取り除き、音を出せる状態に。
 鍵盤は象牙、ハンマーアクションの部分はオリジナルのまま。良かった、まだ切り刻まれていないし、青ペンの跡もない。鍵盤下の枠の彫り込みがきれい。木目も艶もいい感じ。そして肝心の音はと言うと・・・、
 ビュルル~ン、ジョビョヨヨ~~ン。うわ、だめだこりゃ。弦が緩められていたので試奏はまったく無理。

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 メーカーはReinhard Müller。ネットで調べてみたら、ブダペストにミュラー・ピアノという歴史ある会社があった。Marburgマールブルクで営業していたかはどうかは突き止められず。同じ会社かな。

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 ピアノの脚はこんなにふくよかで曲線がきれい。ペダルはリラの形。ただ、3本の鉄芯が伸びているのに、ペダル足が1つしかないのが気になる。あと2つはどこ?
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 ところで、フォルテピアノとはピアノの初期のもので、フィレンツェのメディチ家に仕えていた楽器製作者クリストーフォリBartolomeo Cristofori(1655-1731)が1709年に発明したと言われている。鳥の爪で弦をはじくチェンバロから、弦をハンマーで叩くフォルテピアノが生まれ、強弱や微妙なニュアンスが表現できるようになった。銀の糸がこすれ合う輝かしい音から、水滴が光を受けながら石に落ちる音へ変化したような感じ、とでも言えるだろうか。

 現在のピアノは1音につき弦が3本ずつ張られているのに対し、フォルテピアノは2本。ハンマーの頭はフェルトに対し、木に薄いを巻いたもの。覗きこむと確かに、2本の弦だ。ハンマーの素材は興奮して確認するのを忘れてしまった。
 興味深く見入る私におじさんは言った。
 これなら2500ユーロでいいよ
 まけてくれたつもりなのか・・・な?

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 周りにはアンティーク家具がゴロゴロしていた。この引き出し付きの机は300ユーロ。広くて趣のある机が欲しかったので、なんだかこっちも気になった。

 フランス製1800年代のピアノも、ドイツ製のスクエア・フォルテピアノも、出会えただけでとても嬉しかった。100年以上も前の繊細な楽器を所有する人には、歴史的遺産を受け伝える責任もある。楽器を通じていろいろなことを感じた一日だった。
 そしてますます欲しくなった!チェンバロ(現在の普及型)を買うぞ!
 いつか・・・。


フォルテピアノとチェンバロの違いを知るとっておきの作品
J.S.バッハ《3つの鍵盤楽器のためのコンチェルト》BWV1063の3楽章。右の2台の楽器がフォルテピアノ、左2台はチェンバロ。有名なラベック姉妹の演奏です。

モーツァルトのピアノ・ソナタでは今のピアノとの響きの違いが良く分かります。

さらにお勧めはこちら。J.S.バッハのシンフォニアBWV797を自筆譜を見ながらどうぞ。フォルテピアノの表現の深さにうっとり。心に染み入る素晴らしい演奏。

楽器は大切に・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-05-17 11:26 | 生活 | Comments(8)

1800年代のピアノ?!

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 日曜日の夕方、二人でおやつを買いに出かけた帰り、Antichita'アンティークという看板が目に留まった。中を覗いて見ると、そこにはピアノが!
 アンティーク家具の中に仲良く溶け込んで、美しいピアノがにっこりと私に微笑み返す。もしかして1800年代のピアノ?!これは運命かもしれない!

 と興奮したものの、優柔不断のため試奏に行く決心がつかず数日が過ぎ、今日の昼、エノテカに行くついでに外から見るだけ、見るだけ・・・とガラス越しに見つめていたら、急に足がババッと勝手に動いて店内に。
 すみませ~ん、あのアンティークのピアノを見たいんですが!

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 若いお姉さんに案内され、展示部屋に入る。
 ああ、なんてきれい!この色、そして艶、手の込んだ彫り込み、蝋燭置き、そして想像した通り、象牙の鍵盤・・・。
 あれ、でも高音が3音足りない・・・。まぁ、古いピアノならそういうこともあるか。

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 MUSSARD FRE'RES というパリのメーカー。知らないなぁ。恐る恐る触ってみると、音はちゃんと出る。中身がひどい状態だったので、全て修復したとのこと。へぇ~、ラグーザなのにやるなぁ・・・、と感心しながら弾く。音質は決して悪くない。ぺったんこな音しか出ないひどいアップライトも知っているけれど、これは丸みがあってまぁまぁ。調整すれば何とかなりそう。
 ただ一つ、ペダルがかなり甘いのが気になった。鍵盤とうまく連動していないような感じがして、お姉さんに言ってみたら、ああ、それは直せますから、とにっこり。

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 ピアノの箱としては本当にきれい。蝋燭台、持ち手、ペダル周りにも装飾。私の好きなネジネジ脚、鍵盤も損傷なし。中身は随分、大々的に修理されているみたいだけれど・・・。
 試奏を終えて、ピアノを修理したオーナーが来てくれることに。

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 約10分後、オーナーのおじさんがやって来た。
 これは1800年代後半のフランスのピアノで、中身は全部私が直したんだよ。ほらね!と蓋を外した瞬間に、えっ!
 鍵盤の内部構造の根元部分がザリザリ・・・。

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 よく見るとさらに驚き。
 ハンマーの根元部分に青いボールペンで番号が!修理の時に順番を間違えないためだろうけれど、せめて鉛筆で小さく見えない所に書いてほしい。さらに、数字が書かれた部分の長さがマチマチ。63番だけ長い、というか青い切り落とし線が見えている。
 なぜ?
 
 話を聞くと、このピアノの中身は使い物にならないくらいひどかったので取り外し、スペインのMELFORDというピアノの中身とそっくり入れ替え、その際、奥行きの小さなこのピアノに合わせて部品を削った、とのこと。大仕事だったよ!工房にはまだそういうピアノがあるんだ!と自慢気に話すおじさんは、続けて・・・・、
 この家具部分に私は興味がない。私の手仕事分だけを考えて3500ユーロというところかね

 エッ!
 目玉が落ちそうになった。

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 きれいな楽器なのに、どうして中身を捨ててしまったのだろう。修理ができるのなら、オリジナルのパーツを修理すればいいのに。これではピアノの価値がガタ落ちだ。おじさんには気の毒だけれど400~500ユーロ(約64000~80000円)しか出せないな。


 このピアノのために、他のピアノの命を奪ったと思うと悲しくなる。ピアノは生まれた時の心臓を持って生き続けるべきものだと思う。人間の心臓移植のようにはいかないはずだ。
 ペダルの違和感はそういうことだったのか・・・。
 
 おじさんは私が音楽学をやっていることを知ると、さらにエスカレート!アンティークの楽器がもう一つあるんだよ。
 見てみますか、一応・・・。

 ということで、続いちゃいます・・・。

すごい修理・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-05-16 09:25 | 生活 | Comments(12)

とげとげトゲトゲ棘棘togetoge

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 紫のひだに白い多足生物が這い、噴き出す火山は鋭く天を突く。欲を出しすぎると激しく折られ、二度と上を向くことはない。

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 なんという地獄の風景!ここはどこだ!

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 あ、もしかすると・・・。

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 ナスです。
 ヴィオレッタと呼ばれる薄紫のナス。皮が極めて薄く、柔らかく、ジューシーで甘い。これは比較的大きめだが、もう少し小ぶりできれいな薄紫色もある。
 中は真白、種も少なく、フルーツのように見える。

 と、褒めるのはここまでにして、一言言わせてもらおう。
 シチリアの野菜たちよ、その棘棘しい性格をなんとかしておくれ!

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 これだってそう。一見、ツルツルで感じの良い顔をしているけれど、

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 トゲトゲ、モサモサ、刺さるとチクチク、ピリピリ、なのだ。
 どうも野菜を洗う時にやられるらしく、いつも指先に違和感がある。白くて細い棘だけに、虫眼鏡でも見えない。そのうち取れるだろう、とあきらめてもチクチク。次第にイライラしてくる!キーッ!

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 棘に困るのは蜘蛛も同じ。呑気に歩いていたら長い棘に足がからんで落ちかけ、糸を吐いてセルフ・レスキューしていた。
 人にも虫にも優しくないシチリア野菜。

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 昨日、夏に出回る普通のナスを買った。これはどうかと見てみたら、

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 やっぱり・・・。

 こんな野菜ばかり食べてたら、togetogeしい性格になっちゃうぞ。


チクッ・・・!。
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by hyblaheraia | 2008-05-14 18:14 | 変わった野菜と果物 | Comments(6)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

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2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



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