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聖人の挨拶は後ずさりで

 普段はカッテドラーレCattedraleにいる新市街の守護聖人サン・ジョヴァンニS. Giovanniは、一晩エッチェ・オーモ教会Chiesa di Ecce Homoに泊まり、翌日の午後、ここを出てカッテドラーレに戻ることに。
 夕方6時半頃、信者の集まる教会前にその姿を現し、人々は拍手で聖人を迎える。聖人の御輿は階段を慎重に下りながら、ゆっくりと右にターンをした。
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f0133814_713678.jpg 聖人が真横を向き、動きを止めたそのとき、耳を劈(つんざ)かんばかりの爆竹が炸裂した。
 耳をふさぎ、体中が硬直した数秒後、今度は大歓声とともに色鮮やかな紙ふぶきが舞った。
 Viva San Giovanni! サン・ジョヴァンニ万歳!

 ああ、この歓喜の爆発。誰もが心の底から欲していたような歓喜。悦びの渦に巻かれ、日々の些細な問題が木端微塵に吹き飛ばされる感覚に酔った。

f0133814_6561459.jpg 初めて間近に見るサン・ジョヴァンニの彫像。
 イエスの先駆者で、ヨルダン川で多くの人を洗礼したジョヴァンニ(ヨハネ)は、ヘロデ・アンティパス王の違法な結婚を非難したため投獄され、斬首された。王の妻ヘロデアが、前の夫との間の娘サロメを王の前で踊らせ、その褒美にジョヴァンニの首をもらうようそそのかせた、という物語と結び付いている。
 聖人御輿を飾る赤い花も、御輿を担ぐ青年たちの赤いポロシャツも、おそらくサン・ジョヴァンニの命日を記念して、斬首の時の血を象徴しているのだろう。


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 さて聖人はもう一度右に90度回り、教会に正面を向いた。一晩泊めてもらった教会に挨拶し、失礼のないようお尻を向けずに出て行くという設定なのだそうだ。ほほー、卒業証書を授与されるときのあの感じだな。両手で賞状を持ちつつ、三歩そのまま下がる。
 日本とイタリアの共通美意識がこんなところにも。写真を撮りまくるのも一緒かな。

f0133814_8471677.jpg ブラスバンドの元気一杯のマーチに後押しされて、サン・ジョヴァンニは町中に消えていった。

 もうお尻を向けてもいいのですかね。
 「ハイ、イインデスヨ~。」
 右手でシャキッと敬礼するサン・ジョヴァンニの声が聴こえた気がした。


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by hyblaheraia | 2007-08-30 08:48 | 祭り | Comments(0)

サン・ジョヴァンニが我が教区に

 サン・ジョヴァンニ祭りLa festa di S. Giovanni Battistaの期間中、毎年巡回で、聖人が市内の主要教会を祝福に来る。今年は我が家の教区、エッチェ・オーモ教会Chiesa di Ecce Homoの番だ。バルコニーから宗教行列を見ることができる幸運。それは見なくては!

f0133814_44428100.jpg ドンドンドーン!!6時頃、大花火が轟いた。ハトたちは驚いて一斉に空を逃げ惑う。するとブラスバンドの音楽が響き、始まった。
 宗教行列はカッテドラーレを出て新市街中心部を練り歩きながら、8時頃ようやくエッチェ・オーモ通りに現れた。

 灯火を手にした信者が角を曲がって続々とやって来る。
 信者の先頭は、司祭を助ける長白衣の少年たち。

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 写真左:信者の列の後に現れた赤い集団。ああ、サン・ジョヴァンニ!
 サン・ジョヴァンニの祭りは一般に生誕の6月24日に祝われる。しかしこの時期、ラグーザの農民は刈り入れと脱穀の忙しいため、聖人の命日である8月29日を祭りの日とした。
 写真右:信者の列は教会に向かって坂を登りながら、道の両脇に並ぶ。

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 ウォーーッ!ウォッウォッウォッ!
 勇ましい掛け声とともに、聖人の御輿が坂を一気に駆け上った。体中が振るえるような神々しさ。宗教は違っても、日本の神輿と何か通じるものがある。


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 聖人の赤いマント、御輿を埋め尽くす赤い花、男衆の赤いTシャツ。全てが燃えるような赤に染まる。
 我が家のバルコニーの真下で一時停止。ここから教会の階段下まで一気に坂道を上る。その体制を整えているところ。

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 聖人の後ろには制服のブラスバンド。シチリアの祭りには欠かせない存在。彼らの奏するマーチに合わせて、宗教行列が町を練り歩くのだ。

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 後方の若者たちが御輿を押し上げる体制に入る。前方はまだ準備が整わない。一人一人のポジションを指示しながら、慎重に。
 それもそのはず。この聖人は石灰石でできた1500年代初期のものなのだ。5000人もの死者を出した1693年の大地震にも耐えた聖なる奇跡そのもの。
(追加情報:ラグーザ市公式サイトでは聖人像についてこう記されているが、本物は教会内に保存されておりこれは木製という説もある。審議やいかに。)

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 教会前では信者たちが道を開けて聖人を待ち受ける。聖人がいかに大事な存在であるかが見えてくる。
 が、聖人が階段にたどり着くや否や、ルール崩壊。もはやいても立ってもいられないのだろう。聖人を取り巻きもみくちゃに。

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 この時、花火が上がる。聖人が教会前に到着するとともに、花火で盛大に迎えるとは。絶妙なタイミングとチームワーク。この熱烈歓迎ぶりにサン・ジョヴァンニもさぞかし満足のことだろう。
f0133814_665136.jpg 空が煙で濁るほどの花火が終わると、聖人を教会へ運び込む。

 しかしこの階段は坂道よりもきつい。御輿の土台下には車輪が付いているので、坂道は力で転がせば良いが、階段では担がねばならない。しかも1500年代の貴重な聖人像をである。
 集中力と連帯力が問われる一瞬。皆が息を呑んで見守る。
(ラグーザ市の公式サイトには聖人像についてこう記されているが、ジョヴァンニおじいさんの説では、1500年代の聖人像は教会内に保管されており、これは木製とのこと。2つの説があるるようだ。)

f0133814_671641.jpg あー、持ち上げている持ち上げている!頭がぶつからないか心配・・・。

 聖人は空気中を浮遊するように静かに教会へ入っていった。
 信者たちはその様子をじっと見つめ、聖人の後に中へ。そして祝福のミサに参加した。

f0133814_7104149.jpg で、ブラスバンドは、と言えば・・・。ゾロゾロとそのまま帰宅。あ、そんなんでいいの?とルカと顔を見合す。
 金管楽器を吹きながら2時間町を練り歩く日々。お疲れ様です。明日も頑張れ!

 サン・ジョヴァンニは今晩、この教会で眠る。聖人に足を向けて寝てしまう我々をどうかお許しください。

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by hyblaheraia | 2007-08-29 07:01 | 祭り | Comments(6)

華麗なる馬車の競演

 (昨日のカヴァッロ・イブレーオcavallo ibleoの続き・・・)
 さて、馬車とカウボーイたちを追いかけず、ゴール地点で待ち伏せして良い写真を撮るため、ローマ通りとコルソ・イタリアの交差点へ向かった。いつ戻ってくるか検討もつかない馬たちを、気長に待つこと1時間。
f0133814_681987.jpg ほら、来たよ!
 一人の老人の声で沿道の人々がそれに気付く。
 ラグーザ一の坂道、コルソ・イタリアの中ほどから羽飾りを小刻み揺らしながら上がってくる馬車の列。ああ、なんと美しく艶やかな光景だろうか。
 坂の下から近付いてくる馬を、抑えきれない心の高鳴りを感じつつ待った。

 なぜか先頭は自転車の少年。坂道をえっさ、ほいさっ。頑張れ!


f0133814_691349.jpg 近くにいた地元のおじさんに突然言われた。
 はい、この写真を撮って。ロバだよロバ。もはやロバの馬車はないからね。
 そう、確かにロバは絶滅に瀕している動物なのだ。特に、野生ロバの中でもアジアノロバ種の二種(クーランとキャン)が絶滅に近いそうだ。これは何種なんだろう。
 それにしても馬の中にロバもいたとは気付かなかった。この長い耳と大きな目、そして優しい表情は懐かしい。初めてロバに遭遇した時に、その穏やかな性格を知った。
 しかしロバは頑固な動物としても有名。立ち止まると、てこでも動かないと言われる。暑さのためかこのロバは突如歩みを止めてしまった。するとシチリア農民風衣装の飼い主が鞭でピシッ、ピシッ!沿道の人々はピシッの度に「ノー!」、ピシッノ~~!」と次第に声が大きくなる。人々の同情が通じ、ロバもようやく動き出した。やれやれ。



f0133814_6101122.jpg こちらはポニー。馬車に乗っているのも子供。何とも嬉しそうないい顔をしている。
 子供の時のこういう思い出は大事だ。ポニーとともにこの子も成長していくのだろう。

f0133814_6104686.jpg なんとスレンダーなボディ。カモシカのよう!
 しかも無駄のない飾りがボディの線の細さをより美しく引き立てている。見よ、この足の長さ。
 手綱を引く青年と同じくらいの年頃だろうか。

f0133814_6111781.jpg 馬車が過ぎ去ると、おお、いるいる、カウボーイの集団だ。
 最初はもたもたしていたが、ある騎手の一声で先頭集団が一斉にカパコン、カパコンと坂道を走っていった。
 軽いギャロップのような走り方だろうか。10頭もの馬が目の前を横切るその迫力は、まさに石が風で飛んでいるような凄さだった。
 オワカリイタダケマスカ?

f0133814_611485.jpg うわぁうわぁ・・!私はどこに立てば良いのデスカ!

 カウボーイ第二集団は統制が取れておらんのう。

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 あ、顔が似ている。親子か、兄弟か?と思っていたら、こうして顔を擦り合い、スキンシップをしていた。暑いねぇ~、でももう少しだから頑張ろう。写真も撮られているし、少しじっとするか・・・。なんて言っているみたい。

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 この黒い馬の筋肉は陸上の短距離選手のようだった。走り込んだ駿馬の証なのだろうか。黒光りする肉体と縮れた尾、蹄の周りの縮れ毛が力強さを物語っている。
 ゴールした馬は夾竹桃の木陰で子供たちと触れ合っていた。

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 ゴールにはこんな人出が。しかも馬たちがここを出発した朝8時半から2時間も、老人たちはずっとここにいたのだ。馬たちのスタートとゴールを見るからここにいれば良い、という考えだろう。合理的なのか非合理的なのか。
 ローマ通りは馬と人だらけ。そして道路は馬の糞だらけ。もちろん糞清掃車は朝からスタンバイ。数年前は、馬の列の最後尾にいて馬たちの尻拭い!?をしていた。

f0133814_626089.jpg カッレット・シチリアーノの一例。
 これは色のトーンを落としたアンティーク風の色遣い。真っ赤な馬車とは趣がかなり違う。

f0133814_626276.jpg 同じ馬車の車輪部分。農民をモティーフにした人形が軸を飾っている。


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 参加した馬とその飼い主には、記念品のトロフィーが配られる。
 3年前は銀カップではなく、茶色い鬣(たてがみ)を持つ白馬の頭の形をしたトロフィーだった。毎年デザインが変わるようだ。
 羽飾りはこんな感じになっている。茶色の長い羽はキジだろうか?いやタカ、ワシ?かなり高価なものと拝察。
f0133814_6273688.jpg トロフィーはあるが表彰式はなし。飼い主の顔を見たら、おーい○○!はい、これ、と手渡すだけ。
 なので早速、混乱が起きている。
△△さんには渡しただろう!(父)、
え~そうだっけ?(息子)、
あーはいはい、この方ね(母)、
 のようなことを言っていた。

 明日は我が家の教区にサン・ジョヴァンニが泊りに来る・・・。盛り上がること必至!

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by hyblaheraia | 2007-08-28 08:04 | 祭り | Comments(4)

カッレット・シチリアーノ -シチリア伝統馬車-

 パッカ、パッカ、パッカ・・・。馬の蹄の音が目が覚めた。そうだ、今日はカヴァッロ・イブレーオ(Raduno del cavallo ibelo)の日。新市街の守護聖人、サン・ジョヴァンニ祭りに先立って、美しく化粧された地元の馬が、我が家の近所を練り歩く行事だ。
 飛び起きてバルコニーに出てみると、あの駒娘(先日、勝手に命名)が!他にも何頭もの馬が続々と角を曲がっていく。急がねば!
 カメラを持ってローマ通りVia Romaの馬集合場所に駆けつけたが、既にもぬけの殻。係りのシニョーラに聞くと1時間半ほどしたらここに戻るとのこと。いやいや、待ってはいられない。コースを尋ね、大体の方向へ行ってみることに。
 すると聞こえてきた、パッカパッカが。
f0133814_1051352.jpg ああ、駒娘~!携帯のお祖父さんもいる。あの日と同じサングラスだ。この日のためにコースを走る練習していたのだなきっと。
 横にいる若者は孫だろうか。数十年後は彼が手綱を握っていることだろう。
 祭りの伝統は、こうして次の世代に継承されていくのだ。
f0133814_1053768.jpg 体の小さいポニーもは、体力を考えてか全体的に飾りが少ない。
 背中にはシチリア伝統の操り人形Pupi sicilianiが見える。

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 しばらくするとカウボーイの集団が現れた。すごい数だ。2ブロック先まで道を埋め尽くしている。3年前に初めて見た時は、10頭ほどしかいなかったのに、いつの間にかこんなに規模の大きい祭りになったのだろう。
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 小さな女の子も参加。馬術のコスチュームに身を包み、凛とした表情。ちょっと緊張しているのかな。
 今時なサングラスのシニョリーナ、現代っ子が馬。いいですな。
 そしてこれだ、これ!シチリア伝統馬車、カレット・シチリアーノcarretto siciliano

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 この華やかな色彩、遠くから迫り来る迫力、優美な走り、そして小刻みに揺れる羽飾りと乾いた空気に響き渡る鈴の音。その全てが人々に歓喜を呼び起こす。

f0133814_10335385.jpg 今年は凄い!4~5台はいる。これほど完璧な装飾でこれほど多く、しかも一度に見られるのはこのカヴァッロ・イブレーオだけではないだろうか。
 ああ、ラグーザにいる幸せがまたここに。

f0133814_10454157.jpg リボンと鈴の飾りが揺れる。
 白馬に良く合う、しなやかな美しさがある。

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 荷台部分は細かく絵付けされている。目を凝らして良く見ると、必ずどこかに絵付師の名前が入っている。この細密画を見るそんな楽しみもあったりする。

 このカヴァッロ・イブレーオの祭りは今年で15年目を迎える。節目に当たる年だからだろうか、馬たちのグループには順序があった。飾りが少ない馬車→カウボーイ→彩色の馬車→カウボーイ→彩色の馬車(音楽付き)。次第にパワーアップしていくわけだ。

 馬たちは次のブロックへ進んで行った。想像以上の馬の数で予定変更。追跡せず、ゴールの馬集合場所で待ち伏せをすることに。
 カヴァッロ・イブレーオはまだまだ続く。

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by hyblaheraia | 2007-08-27 11:27 | 祭り | Comments(5)

カッルーバのドルチェと伝統料理

 ラグーザの町を少し外れると、シチリアの中でもこの一帯にしかない独特の風景が広がる。

f0133814_19495079.jpg 濃い緑の葉が生い茂る、ブロッコリーのように丸いカッルーボcarruboの木々。
 それがムーロ・ア・セッコmuro a seccoと呼ばれる伝統的な石積みの壁によって区切られた牧草地帯に点々と立ち並ぶ。
 カッルーボ並木とムーロ・ア・セッコ。これぞラグーザの原風景である。


f0133814_19512318.jpg ドンナフガータ城の庭にはこんな巨大なカッルーボの木があった。丸い葉に覆われ、木の皮は薄茶色をしている。日本名はイナゴマメ。樹齢100年くらいだろうか。ここまで大きいものは見たことがない。
 イタリア語では木とその果実の名詞が変わるので、木はカッルーボcarrubo、果実はカッルーバcarrubaと呼ばれる。


f0133814_19522011.jpg これがカッルーバの実。20センチほどの長さをした茶色いマメが覆い重なるように実る。
 実はこのカッルーバ、チョコレート風味でビーフジャーキーの用にそのままかじって食べることができるのだ。中の種は硬く、消化できないので必ず捨て、皮部分だけをかぶりつく。

 とは言っても、頭を叩くとコンコンと音がする程硬いため、長い伝統の中でより実用的な食し方が生まれた。代表的なものがカッルーバの粉末を使った菓子類で、クッキー、チョコレート、ペースト(クリーム)、ゼリー(gelo)、キャンディー、他にリキュールなどがある。ペーストはチョコレートよりカロリーが格段に低いので、ドイツではダイエット・チョコとして人気があるとか。


f0133814_2027342.jpg これはカッルーバを使ったムスタッチョーリMustaccioli
 南イタリアでよく見かける菓子だが、ラグーザ版はカッルーバ入りとなる。
 蜂蜜カッルーバのシロップを弱火にかけ、ローストしたアーモンドオレンジの皮小麦粉を混ぜて均一にさせ、整形したものをオーブンで焼く。そこにチョコレートをコーティングしたもの。

f0133814_20275021.jpg ムスタッチョリという名前の通り、一口かじるとムッチョリとした食感がいつまでも続く。
 ムチョムチョと味わううちに、濃厚なチョコレートの味の中に、アーモンドの香ばしさとオレンジの爽やかさを感じ、とろける様な甘さにただうなずく。
 口の中から全てが消えても、まったりとした余韻が残り、ああ、モウチョットーリ!とついつい手が伸びてしまうのだな。


 カッルーボはこの地に広く生育する木だからこそ、その実は古くから料理にも使われてきた。調べてみると、パスタ生地にカッルーバ粉を混ぜ込んだラヴィオリ、タリアテッレ、ニョッキなどがあった。ふーむ、なるほどと思うのも束の間、カッルーバ味のタリアテッレには、マグロのカラスミ、ニンニク、オレンジの皮、イタリアンパセリ、辛口白ワインを使ったソースをかけていただくそうだ。これは凄い!なんという発想豊かな一品だろう。どこかで見たら必ず食べてみたい。
 さらにはポルチーニ、クルミ、カッルーバ粉、生クリーム、バターを使ったリゾットもあるという。これはきっと想像を裏切らない美味しさだろう。どれもまだ未体験だが、いずれ試してみたい味ばかりだ。

 ちなみに、ラグーザでは人間だけでなく、牛もカッルーバが好き。粉末を飼料に混ぜると美味しく食べるそうだ。やはりラグーザっ子ですな。

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by hyblaheraia | 2007-08-25 21:13 | 料理 | Comments(4)

馬車に再び遭遇

 わぁ、見て!早く写真、写真!
 運転するテレーサが叫ぶ。前方を見るとのどかな風景が。カメラをバッグから取り出し、スイッチを入れた時には、車のスピードが速すぎて我らの真横に。

f0133814_5245993.jpg それは馬車。頭に赤い飾りを付けた馬が、お祖父さんを乗せてゆっくりと進んでいた。

 ちなみにここはラグーザ新市街の主要中の主要道路、ローマ通りVia Romaだ。土日は歩行者天国となるが、この時は平日の午後、車がひっきりなしに通る時間帯だった。にもかかわらず、馬は車に驚くこともなく、のんびりとマイペースに進んでいく。
 良く見るとお祖父さんは携帯番号をプッシュしていた。


f0133814_5351751.jpg そして今、通話中。
 もしもし、わしだがのう、今、駒娘(こまむすめ)と帰るところだから、まぁあと1時間くらいかねぇ・・・。なんて話していたりして。
 エレガントな姿なので女の子、駒娘と私が命名。

 馬車という前時代の乗り物と、20世紀の発明である携帯電話とのコンビネーション。そして馬車の通過をじっと待つ車と、悠々と渡っていく馬との心理的コントラスト。新旧、緩急が入り混じる不思議な瞬間を横切る我々。


f0133814_5354548.jpg 振り向くと、馬車はまだ交差点近くにいて、さっきの車もようやく動き出したところ。
 いやいや、おしとやかなお散歩ですこと、駒娘さん。

 それにしても、中途半端な飾り付けの馬車だ。頭に羽飾りが一本だけだが、毛並は美しく整えられ、二人乗り用の荷台も色付けされている。農業用では決してないし、かと言って祭り用でもない。
 もしかすると前にも見たが、これも自家用車?!


おまけ:
f0133814_6333088.jpg 別の日に、馬を搬送する専門車を見た。三角形の標識の中央には馬のデザイン、下にはTrasporti Cavalli、馬搬送注意の文字が。
 馬の体系に合わせて横に細長く、縦に長い車。
 象搬送車なら、道をふさぐ事間違いなし!
 
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by hyblaheraia | 2007-08-24 06:04 | 生活 | Comments(2)

ヴェンディーカリ自然保護指定地区

 ポルトパーロからラグーザへ帰宅する朝、せっかくだから他の町にも寄ろうということになっていた。宿の部屋には白い鳥の一群が水辺に集まる印象的なポスターがあり、何となく皆それが気になっていた。
 ここに行ってみる?我々が返事する間もなく野鳥を見ながら泳ぎましょうよ!、と目を輝かせるテレーサ。頭は碧い海で一杯だ。

f0133814_20103446.jpg ヴェンディーカリ自然保護指定地区Riserva Naturale Orientata, Vendicariと呼ばれるそこは、ポルトパーロから車で30分ほど北上した海岸に位置する(地図に赤いラインで表示)。

 ここには美しいビーチと野鳥の降り立つ湿地帯、昔の塩田マグロ工場ホーエンシュタウフェン家の塔、があるとのこと。
 テレーサは早速水着に着替え、シャワーもチェックしご満悦。心は既に海へと飛んでいる。日焼けが嫌いな我々は、のんびり散歩することにした。

 
 名前の分からない様々な植物が生い茂る砂利道を300メートルほど歩く。足元には可憐な花が咲き、目の高さには赤い実がたわわに。背丈の2倍はある葦が風に揺れ、緑濃い葉の中にはセミ、納屋の壁にはトカゲが。
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f0133814_21354351.jpg 茂みから抜け、目の前が開けるとそこは昔の塩田跡。砂利道の両脇に延々と広がっていた。遠くに見えるのは昔の納屋。

 この574ヘクタールの敷地には、四季を通じて多数の渡り鳥が訪れるそうだ。
 代表的な鳥は、オジロシギ。おそらく宿のポスターで見たあの鳥たちだろう。秋にはアオサギコサギ(小型のシラサギ)、コウノトリ、まれにフラミンゴもやって来るらしい。それは見てみたかった!そう言えば、上野公園のフラミンゴは遠くから見ると薄ピンクで優雅だったが、近付くと臭かったものだ。
 湿地の水位が上がる11~3月にはガンカモの王国となり、キツネなども現れる。夏だから渡り鳥もキツネもいないが、その姿を想像しながらゆっくり散歩。

f0133814_2223435.jpg 真っ赤に染まるこの沼は、プランクトンのせいだろうか。小さな白い鳥が、すぃーっと飛んできては水面に一瞬触って飛び立ち、沼の上を迂回して何度も同じことを繰り返していた。
 やっぱりプランクトンか虫を食べているのだろう。
 小さな鳥のミニマム・ハンティング、とても可愛らしかった。

f0133814_223384.jpg ヴェンディーカリの海!ああ、今日も地中海は碧い
 じゃ、私は泳いでくるから、後で携帯で連絡するわね!
 テレーサは行ってしまった。

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 我々はゆっくりとマグロ工場跡地へ。力強くそびえる赤レンガの煙突。青空と海の色にくっきりと映えている。漁から戻る船に、安心感を与えただろうな。

f0133814_2210638.jpg 釜戸の跡と思しきものが並ぶ。レンガを良く見ると、焦げた炭のようなものがあった。海から上がったマグロを解体して、ここで煮たり、焼いたりして製品化したのだろうか。
 残念なことに、マグロ工場の説明はどこにもなかったので、想像するしかない。

f0133814_22103697.jpg まるでポンペーイ遺跡のような雰囲気が漂う。壁があったり、柱があったり、隠れんぼに興じる子供たちの声が響く。


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 潮騒を聴きながら、海辺の風にあたる気持ちよさ。石にもたれて座っていると、全く暑さを感じなかった。

f0133814_22443790.jpg ホーエンシュタウフェンの塔は修復中でこの通り。
 シュタウフェン朝のドイツ国王ハインリヒ6世(1165-97)は、シチリア王女コスタンツェとの結婚により、1194年パレルモにて戴冠。わずか3年の天下のうちに、この塔が建てられたのだろう。この幅から言うと、塔とういうよりは要塞か。


 海と自然を満喫し、帰途へ。大聖堂の修復が終わったばかりの世界遺産の町ノートNotoに行く案もあったが、疲れたので次回ということに。
 その代わり、途中、車の中からイスピカ洞窟Cava d'Ispicaを見ることができた。
f0133814_2337138.jpg これは石灰石の絶壁の中に穴を開けた住居跡。新石器時代からギリシア、ビザンチン、キリスト教初期、中世までの生活跡があり、考古学的に極めて重要な場所だ。今度、ゆっくり訪れてみたい。

 モディカからラグーザ向かうとき、荒涼とした丘の連なりに何とも言えない安堵を感じた。きれいねーと言う私に、やっぱりあなたたちはアマンテ・デル・マーレamante del mare(海に恋する人)ではないわね、とテレーサ。
 日焼けは苦手、その通りでございます。

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by hyblaheraia | 2007-08-23 23:59 | シチリア他の町 | Comments(2)

ポルトパーロでテレーサの誕生日

 ボンジョルノー、アウグーリ!piciu, piciu!(お早う、おめでとう!ハグして両頬にチュー!)
 テレーサの誕生日である今朝は、お祝いの言葉で始まった。強風の夕べとは一転して、快晴となだらかな海が広がる朝。海に恋する彼女の誕生日としては完璧な絵図が。

f0133814_0545729.jpg 宿から見えるカポ・パッセロ島Capo passeroの海は、一面クリスタルブルーに染まる。空よりも彩度の高い水色がどこまでも。
 潮の流れに沿って描かれる色の濃淡、水に流れる織物のようなしなやかさ。

f0133814_0552784.jpg これほど透き通る海を見たのは人生において初めてだ。
 ワォ、これこそ紺碧の地中海よー!テレーサも朝から大はしゃぎ。
 まずは海を見ながら散歩とバールでの朝食とする。


f0133814_0542978.jpg 途中、元気なサボテンの実を見つけた。オッハヨウゴザイマス!という声が聞こえてきそうなイガグリ坊主たち。
 イタリアではフィーキ・ディンディアfichi d'india、インドのイチジクと呼び、棘のある皮を剥いて中身を食べる。ラグーザ弁ではイ・フィクパーレ。
 ザクロの実を口の中で転がし潰すあの食し方で、食べる最中はみな無言になる。味は柿に似ていて甘いが、あごが疲れるので私は少々苦手。

f0133814_0555664.jpg バールではシチリア名物リコッタのコルネット(クロワッサン)cornetto di ricottaとカップッチーノを注文。
 砂糖を混ぜたリコッタはふわふわとして、一口かぶりつくとミュワッと出てくる。はみ出したリコッタを舐め、さらにもう一口、そしてミュワッ。止められない朝の幸せである。
 テレーサはシチリアに来てから毎日、カンノーリcannoliとリコッタのお菓子を食べている。口と手が粉砂糖だらけ。


f0133814_0563079.jpgf0133814_0565687.jpg

 プルンバーゴPlumbagoが窓辺一杯に咲き乱れるレストラン。可憐な薄い青紫にキュンとさせられる。日本名はルリマツリ(瑠璃茉莉)。海岸の家々でよく見かける。
 我が家では45~48度が5日間続いた時に一度枯れてしまったが、奇跡的に1本だけ根が生き残った。今は高さ10センチほどの小さな苗だが、それを大切に育てている。ここまで大きくなるには何年かかるのだろう。
 いやいや見惚れている場合ではない。花より団子だ。レストランのメニューを確認し、夜の誕生会はここに決定。テレーサも笑顔、いい所が見付かって良かった。


f0133814_0572155.jpg 例によってテレーサは午前中に一泳ぎ。私は急激な日焼けのためか蕁麻疹が出てしまったので長袖、帽子、バスタオルを羽織り、SPF30の日焼け止めクリームを塗りたくり、パラソルの下で読書。ああ、情けなや。

 夕方になると地元の祭りのため、ブラスバンドが現れた。
 制服で身を固め、それぞれの楽器を手に集合。観客の最前列に陣取り、カメラを持って待ち構えていると、隊員はおもむろにバールに着席、ゆるりとカフェを始めた。都会人テレーサは目を丸くして驚く。
 シチリアではよくあること。そのうち始まる。始まれば聴こえる。聴こえたら見よう、ということに。


f0133814_0581349.jpg 教会の壁に昨日は気付かなかったレリーフ。イエスの誕生、三人の東方博士、の場面だろうか。

f0133814_2515949.jpg マドンナ像の到着を待つ小さな山車。
 巨大な聖人像が掲げられたラグーザのそれとは対照的で、こんなにも素朴。拡声器とリボン、手作りな感じがいいな。


f0133814_0583978.jpgf0133814_059518.jpg

 さて、いよいよ誕生会ディナー。テレーサはこの日のために仕立ての良いワンピースと金のサンダルを持参。こげ茶に白いドット、胸元に琥珀色のボタン飾り。アップにした髪にはキラキラストーンのヘアピン、耳には彼女の好きなグリーンの石が光る長いピアス。誕生日に敬意を表して、私もきれいな服を持ってくれば良かった。
 シチリアのスプマンテMurgoで乾杯。夜はあまり食べないテレーサはハタcerniaのクスクス添え一品、ルカは海の幸のクスクスマグロの地中海風リコッタ・サラータ乗せ、私は海老蟹のタリアテッレハタの野菜添えをいただく。
 プチトマトで有名な隣町パキーノの白ワイン、インゾーリアDafneも追加し、デザートには木苺とリコッタのトルタシチリア伝統菓子のビアンコ・マンジャーレbianco mangiare(白い召し上がれ、の意)を。
 テレーサが席を外した隙に、ルカはテーブル担当のウェイトレスの元に走る。どんなに小さなドルチェでも彼女が頼んだものには必ずキャンドルを一本付けてください、と頼みに。
 願い事を思い浮かべ、キャンドルを消すテレーサ。本島に素敵な笑顔だった。ハッピーバースデーを歌ってあげたかったのに、すぐに消してしまって残念。

f0133814_329779.jpg 食後は懐中電灯を照らしながらこの崖に行き、ござを敷いて流れ星を待った。普段よりも近く、強く見え、鳥肌が立つほどの星の数。初めて見る天の川はまさにミルキーウェイ、夜空に薄く白い道を描いていた。イタリア語ではla Via Latteaミルクの道、同じ言い方だ。

 風が強く寒くなってきたので宿に戻り、ゲートが閉まっているプールに塀を乗り越え進入!長椅子に座りながら流れ星を数えた。
 悪いことをしているスリルと、ちょっと子供に返ったようなワクワク感。ラグーザの10倍は強く輝き、10倍は多い満点の星空は、一生記憶に残るだろう。


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by hyblaheraia | 2007-08-23 04:23 | シチリア他の町 | Comments(6)

シチリア最南端、ポルトパーロとカポ・パッセロ

 三角形をしたシチリア島の最南端の町、ポルトパーロPortopalo。30年前に訪れた時の海の碧さを語り、今年の誕生日はそこで流れ星を見ながら過ごす!とロマンティックな旅をテレーサが決定。我々を連れての再訪となった。
f0133814_8131129.jpg ラグーザを朝9時に出て、国道115線でモディカModica、イスピカIspica、パキーノPachinoを通り、少々道に迷いながらも2時間半程で到着。
 宿でチェックインを済ませ、ランチまで時間があるので、さっそく町を散策。海が近いだけあって教会の時計台にはマグロの形の風見が。

f0133814_815867.jpg 陶器の店の前にはシチリア伝統の荷馬車carretto sicilianoが、花壇となってこんな生き生きと。色のコントラストが眩しいほど。
 海があると街の雰囲気はどうしてこうも開放的になるのだろう。山の町ラグーザはどちらかと言えば、しっとりしている。

 ところで到着間もなく携帯に「マルタへようこそ!あなたの携帯はここでもイタリアと同じように使えます。」というメッセージが来た。
 マルタまでは100キロ程、その少し向こうはもはやアフリカ、地中海の果てにいることを実感する。
 が、「イタリアと同じように使える」はずの携帯は、常に電波ゼロ、画面には「緊急用に限るSolo per emergenza」の文字。陶器店の店主に聞くと、この町ではTIM社(私の)携帯は使えないので、WINDに買い換えたとのこと。そんなことあっていいのだろうか。驚きである。


f0133814_8284654.jpg さて、宿に戻り魚介三昧のランチを食べ、昼寝をしたらいざビーチへ!
 するとこの通り、老若男女が泳ぐ泳ぐ、寝そべる寝そべる、焼く焼く、喋る喋る・・・。
 少々騒がしかったこともあり、テレーサの希望で場所を移動。相変わらずビーチ選びには厳しい彼女。

f0133814_8352011.jpg 移動した先はまさに、カポ・パッセロ島 Capo Passeroまで目と鼻の先の距離。
 人々は島に向かって泳ぐ、でもなく歩いている。何とも不思議な光景。
 シチリア本島とこの小さな島の間を点々と人が行き来し、一本の線が海に描かれている。

f0133814_8384027.jpg さらによく観察すると、人々の頭には荷物が!こんなビーチは始めてだ!
 テレーサ曰く、あちらの島にはバールも店もないので、必要な荷物を持参し、濡れないよう頭に乗せて歩いているのだそうだ。ほほー、なかなかユニークな場所だ。


f0133814_8464142.jpg 一泳ぎし、水着が乾いたら(テレーサの鉄則)、町の目抜き通りを散歩しながら宿へ。
 ジェラートやグラニータを美味しそうに食べる人々を見て、つい我々もカフェに着席。
 グラニータをつつきながら、今晩はどのレストランに行く?何を食べたい?と晩ご飯の話題に花が咲く。

 祭り用のイルミネーションが夕日色に溶け込むこの時間は、いつもならバルコニーで花の手入れをする頃。ああ、愛しの植物達、元気だろうか。植物の管理は、我々にとって旅行中最大の問題なのである。早くも家がちょっと恋しいか。


f0133814_9124422.jpgf0133814_8552678.jpg
 宿へ帰る途中、今度はタツノオトシゴの風見を発見。このひょっとこな感じがかわいい。さらに歩くと美しい庭が。吸い込まれるように中を除くと、そこは聖フランシスコ会の施設だった。「平和で健やかでありますようにPace e bene」という文句が見えた。
 そう言えば、同会の神父が携帯を切るときに、「チャオー」ではなく「パーチェ・エ・ベーネ」と挨拶していたのをローマで聞いたことがある。


f0133814_981354.jpg 終わり行く一日を見届けながら、テレーサは明日の海を考え、ルカは今晩の星空を、私は・・・今晩の魚料理はニンニクびたびたでありませんように、と願うのだった。
 さぁ、シャワーを浴びてさっぱりしたらレストラン!と気合を入れて出掛けたものの、またもや納得できない内容だった。
 観光地なのに・・・、イブラなら考えられない・・・とさらに郷愁の想いが。


f0133814_984383.jpg それでも夜は屋台が並び、地元の祭り前夜だけあって華やいだ雰囲気だった。
 夜の海岸通りのそぞろ歩きは、何も買わなくても楽しいもの。ちらちら覗きながら、でも買わない。
f0133814_99620.jpg 気付くとイルミネーションが闇夜に輝いていた。今日も良く遊んだなぁ。
 明日はテレーサの誕生日、レストラン選びは万全に行かねば!


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by hyblaheraia | 2007-08-22 09:52 | シチリア他の町 | Comments(0)

プンタ・ブラッチェット、プンタ・セッカを通りラグーザ海岸へ

 影一つない海辺の丘でギリシアの遺跡を巡り、暑さにうだりつつも食欲は全開!せっかくなら海岸線の小さな町で美味しい魚介料理を食べようと、対向車も人も牛さえもいない田舎道を走り、プンタ・ブラッチェットPunta Braccettoへ到着。

f0133814_1825367.jpgf0133814_18255349.jpg

f0133814_18252851.jpg 家々の軒先を飾るハイビスカスとブーゲンビリアが目の覚めるような色彩を放ち、潮の香りと波の音で心も高鳴る。
 観光地ではないのでバールと日用品店の他、一軒のレストランがあるだけの小さなビーチだった。迷う隙もなくレストランへ直行。
 が、ここでちょっとしたアクシデントが発生。テレーサが食べたムール貝の中に、一つ悪くなったものがあった。ウェイトレスがお料理はどうでしたか?と聞きに来た時、最初は言葉を濁していたテレーサだったが、何か問題でも?と問われたので正直に話した。すると逆に、どの貝ですかと問い詰められ、実物を見せると、しばらくして厨房からドイツ人女コック長が、皿にムール貝3つと品質表示の紙を載せてやって来て、シラクーザから今朝届いたばかりで新鮮だからそんなはずはない!と息巻いたのだ。一同唖然・・・。悪いものが混入してすみません、でも新鮮だから大丈夫です、と誤りに来たのならわかるが、その全く逆。自分を正当化するとは。
 と、擦った揉んだがあり、このビーチで泳ぐつもり(さっき泳いだのに?!)だったテレーサは、移動体制へ。海岸線を走りながら、次に向かったのはプンタ・セッカPunta Secca

f0133814_1981528.jpgf0133814_1913731.jpg
 白い灯台が有名なここは、人気刑事ドラマ『モンタルバーノ警部』の自宅がある町。
 ヨーロッパでは『コロンボ警部』くらい人気のこのドラマは、ラグーザ市内(特にイブラ)で撮影され、地元自慢の一つとなっている。右の写真は撮影で使われたモンタルバーノの家。白壁のゆったりとした空間にハイセンスな家具が置かれ、眼前には青い海が広がる。
 彼がこのビーチで泳ぐシーンを見ると、うーむよしよし、と地元の老人のように目を垂らして頷いてしまう。
f0133814_1917568.jpgf0133814_19221699.jpg

 教会の壁にはこんな聖母子像が。窓辺に溢れるように咲くペチュニアが盛夏であることを感じさせる。我が家のバルコニーもこんなふうに鮮やかな花々で一杯にしたいが、なにしろ水問題があるので、ほどほどにしか置けないのだ。
 
 散歩しながらモンタルバーノ邸の前のビーチを下見し、イマイチな顔のテレーサはもっと素敵なビーチで泳ぎたいとのこと。そうなればやはり、地元のラグーザ海岸へ行くしかない!私は最初からマリーナがいいと言っていたんだけどな・・・。
f0133814_19304475.jpg 海岸線をさらに進み、途中カスッツェCasuzzeを通る。
 ラグーザ弁で「数件の家」を意味するこの集落は、昔は本当に数える程しか家がなかったそうだ。今はラグーザ人の夏の家々が立ち並び、賑わっている。
 この集落を抜けて10分ほどで我らの海、地元中の地元、マリーナ・ディ・ラグーザMarina di Ragusaに到着。
f0133814_19311163.jpg 世界遺産の町だけあってビーチのレストランも充実、ジェラートもピカイチ、素敵なブティックや土産物店、アクセサリーや海辺のグッズを売る屋台もずらり。ああ、やっぱりここが一番だな。
 地元で有名なレストラン(Lido Azzurro)には、長椅子、パラソル、シャワー、コインロッカーの貸出しサービスもある。既に午後だったので、長椅子だけを借りる。一椅子5ユーロ、ちょっと高いな。
 テレーサは泳ぎに泳いだ後、シャワーを浴び、水着を着替え、長椅子でリラックス。濡れたままビーチにいるのは嫌いなので、必ず水着を2、3着持参するのだそうだ。シャワーと着替えの水着数着、これが彼女の海水浴の鉄則とのこと。ほー、なるほど。
 長椅子に寝そべり、持参した『トポリーノ(ミッキーマウス)』を読みながら、時折クククッと笑うテレーサ。ラグーザのビーチにご満足いただけただろうか。ヒヤヒヤ。

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by hyblaheraia | 2007-08-21 19:53 | 自然 | Comments(0)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


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