カテゴリ:祭り( 20 )

ヴェスパ誕生70年祭 ラグーザで記念イヴェント

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 その名はヴェスパ Vespa、日本語の意味はスズメバチ。イタリアを代表する工業デザインの一つであり、世界中で愛されているピアッジョ社のスクーター。そのヴェスパ誕生(商標登録)からちょうど70年目となった4月23日、サン・ジョヴァンニ広場では記念イヴェントが開かれていた。


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 ラグーザ、モディカ、コミソの3つの町にあるヴェスパ・クラブが、それぞれのブースに自慢の数台を展示。


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 1940年代の最初期のモデルから現在のものまで、ヴェスパがずらりと並ぶ。何十年も前のものとは思えないほど、どれもメンテナンスが行き届き、ピカピカに磨き上げられている。見た目はまるで新車。


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 けれども中には、古びた走行不可能なものも。
 説明プレートには「あの伝説の一台がここに」という書き出しが。映画《ローマの休日》(1953年)でオードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックが乗っていたのと同じモデルで、1952年製。フロント・ライトがハンドル部分ではなく、前輪の泥除け部分に付いているのが特徴なのだそう。


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 なるほど後輪が外れて動かなくても、伝説の一台は永遠に伝説。
 こうしてプレート読んでいくと、持ち主のヴェスパへのこだわりや愛情を知り、他のヴェスパへの眼差しも変わっていく。


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 こちら、ロープで立ち入り禁止となったゾーンには珍しいヴェスパが数台。


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 例えば、メカニック部分がなく部品と化したヴェスパも、アンティークとして展示され、


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修理と塗装で甦った一台も、こうして修理過程の写真とともに堂々と。


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 そしてこの日、人々の注目を一身に集めていたのが、この幌付きの一台。全体から醸し出される、なんとも言えない朗らかさ、明るさ、人懐っこさ!


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家族や友達とワイワイ乗り合わせ、ラグーザの丘を走り抜けたのだろう。いや、もしかすると現役か?!


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 コロンとした横からの姿も、

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ブルンブルン聞こえてきそうな後ろ姿も愛らしく、見ているだけで心が和む。
 デザイン性だけでなく、親しみ易さ、乗れそう・乗ってみたいと思わせる安心感こそが、世界中で世代を超えて愛される所以なのではないか。ギラギラのエンジンやらモーターやらがむき出しのバイクだとそうはいかないから。


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 ところで各車両には、このような金色のタグが輝いていた。FMI(Federazione motociclista italiana)イタリア・オートバイ愛好家協会による、歴史的モーター認定のエンブレム。大切にしてきた愛車ヴェスパの勲章のようなものなのだろう。
 これは1956年製で、


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 こちらは1957年製。先の幌付きとは雰囲気ががらりと変わり、サイドカー付きの、非常にエレガントなフォルムが印象的。


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 白鳥号と名付けたくなるような色、ふくよかさ、そして曲線美。


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 他に目を引いたのは、後部座席が横座りになっているこのタイプ。さあ、お乗りなさいと言わんばかりに、見ている者を誘いんで来る。お姫様座りで乗るヴェスパは、さぞロマンチックなことでせう。


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 こんなアタッシュケース付きのものも。サイドカーと横座りシート付きということは・・・運転手はまさに両手にバラ?!


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 会場にはテントがいくつか出ていて、地元のヴェスパ・クラブとMFIオートバイ愛好家協会への勧誘も行われていた。こうした活動で、お蔵に眠る歴史的ヴェスパが日の目を見るチャンスが生まれるのだろう。

 こうして見て回り、一言にヴェスパと言っても、いろいろなタイプがあることを知った。そして、立ち話のおじいさんたちの話に耳を澄ますと、一台一台に刻まれた歴史をまるで家族のことを話すかのように、愛情深く語り合う声が聞こえてきた。青春時代にともに遠出した一台を大切にメンテナンスし、動かなくなっても古き良き思い出とともに手元に残しておく、そうしたヴェスピスタ(Vespistaヴェスパ愛好家)たちの温かい想いがあふれる時間。

 一台のヴェスパには、人それぞれに語る夢があり、思い出があり、今がある。ヴェスパはまさにイタリア人にとっての夢。その夢は世界中のヴェスパ愛好家の夢へと広がっている。


追伸:世界中にヴェスパ・クラブが存在し、日本ではヴェスパ・クラブ北海道、宮城、東京、横浜、京都、大阪などがあるようです。ヴェスパへは本当に世界中で愛されているのですね!


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by hyblaheraia | 2016-04-30 08:51 | 祭り | Comments(2)

Fata farfalla 妖精の蝶々 -手作り衣装 完成報告ー

 まったく季節感とリアルタイム性のない本ブログ。ラグーザに暮らして、マイペースな性格がさらに助長されているようで、最近の口癖は何事も「まぁいいか」。いつの間にか、リディアも覚えて使っているほど、口をついて出る言葉。
 久しぶりのブログ更新は、今さらながらカーニヴァルの記事。既に初夏の青空が広がる4月末ではあるけれど、衣装製作の途中で放置された記事から先に進まないので、2月の出来事でも思い切って、まぁいいか、ということに。

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 さて、カーニヴァルではFata farfalla 妖精の蝶々になりたい!という本人の希望を叶えるべく、作ってみたのがこの衣装。翅はワイヤーハンガーを2つ、変形させてつなげ、そこにベイビー時代のタイツをかぶせたもの。
 タイツの幅が細かったので、翅が縦に大きく広がらず、蝶々というよりはガみたいな形になってしまったけれど、本人は大喜び!一度も付けようとしなかった前作の布の翅(ルカに「風呂敷みたい」と言われた!)には、相当がっかりしていたらしく、これは見るなり目を輝かせ、家の中でも翅をつけて飛び回るほど。近所のシニョーラにも「私、妖精の蝶々になるの!」とはりきっていた。
 材料探しに苦労した白い触角も、何とか形になり(白いモールがどの手芸店にもなかった!)、幼稚園の仮装パーティー前日には、ただただ安堵…。母のこの深い安堵は、あなたには分かるまい。

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 さて、カーニヴァルの仮装パーティー当日、幼稚園は異様な盛り上がり!はじけるような色彩と子供たちの歓声、そして大音量のステレオ。既にそこは異空間。

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 横に大きく張り出した翅を揺らしながら、元気に入って行く妖精の蝶々。両手を広げて飛び回り、お姫様に扮したクラスメートも一緒にてふてふと。
 スパイダーマン、ゾロ、警察官、騎士、クマ、モンスター、白雪姫やお姫様。思い思いに仮装し、いつもとは違うきらびやかな時間が瞬く。


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 幼稚園でもカーニヴァルのお菓子、キャッキェレが振る舞われたそうだけれど、まだまだ興奮覚めやらぬ我が家の妖精の蝶々は、もっと食べたいと懇願。甘いものには甘い母は、早速、バールで数種を買い求める。
 手前の平たいのがオーヴン焼きのキャッキェレ、奥のよじれたのが油で揚げたもの。コヮ、コヮ、パリ、パリッと軽やかにはじける口当たりとともに、リディアは楽しかった一日を語り、私は母娘ともに初めて参加した仮装パーティーが無事終わったことへの、小さな達成感を味わっていた。

 来年はどんな仮装になるのだろう・・・。ディノサウロの可能性はまだ大なので、今から予習しておこうかな。





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by hyblaheraia | 2016-04-25 02:27 | 祭り | Comments(4)

母の悩み -カーニヴァルの衣装作りー

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 まるで春のような陽気が続いた1月のシチリア。最高気温16~17度、真っ青な空と軽く頬が焼けるほどの太陽の下、まぶしさを耐えながら思い悩むのは、幼稚園でのカーニヴァルのための衣装作りについて。

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 1月末に出た幼稚園からの指令は「2月5日のカーニヴァル、子供たちは仮装して来るように(給食なし)」とのこと。リディアに何になりたいかと尋ねると、即、ディノサウロ!ティランノサウロ・レックス!と、恐竜の中でも最も凶暴な種を希望。ガーガー吠える練習までして、盛り上がり始める。
 
 恐竜の衣装をネットで見てみると、一回しか着ないものなのに高いし、大袈裟な着ぐるみで可愛くないので、古い服をリフォームして作ることに。けれども、さぁ作ろうというところで、インフルエンザにかかりダウン。
 そうこうしているうちに、幼稚園でお友達から影響を受けたのか、ディノサウロはダメ!妖精になる!と言い出すリディア。ドラえもんや赤ずきんちゃんになると言う日もあったけれど、結局、妖精がいいと。

 良いでしょう、でも同じ羽が生えたものでも、妖精ではなく蝶々ならどう?妖精の蝶々 Fata farfallaはどう?と、やや強引に蝶々へと気を向かせる。なぜなら、妖精になる女の子は他にもたくさんいるはずだから。


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 試作品はこちら。よく見かける妖精の羽ではなく、袖と一体化して、腕を動かすと羽ばたくように見えるもの。リディアが元気に飛ぶ姿をイメージして、赤ちゃん時代の枕カバーを水彩絵の具で色付けし(リディアと共同作業を予定していたものの、あまりにアヴァンギャルドな絵柄になり、私一人で作成)、開くと左右対称になるように作ったのだけれど、この羽、どうしても好きになれないらしく、全然付けようとしない。


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 カーニヴァルでは衣装を着たくない!とまで言い出すし。ルカにも、風呂敷みたいと言われるし。はぁ、がっかり。オリジナリティがあって、色も元気一杯でいいと思ったのに。

 結局、よくあるような蝶々の羽をワイヤーハンガーで作ったのだけれど、形にやや問題あり。本人はすごく喜んで、毎日付けて飛んでいるのだけれど(前作の風呂敷羽が相当ダメだったということか…)、色も雰囲気もおとなし目で、リディアっぽくない。それに、華やかなお姫様ドレスを着て来る女の子たちの中で、見劣りしそう。

 ある朝、幼稚園で先生に聞いてみた。みんなどんな衣装を着るんですか?と。女の子はお姫様、白雪姫、男の子はスパイダーマン、ゾロ、カーボウイなど、との答え。先生は続けて、
 昔は家で衣装を作ったものなのよ。それはそれは素敵な出来栄えだったわ。
 私も頑張って衣装を作っていますが、どうなるか。
 ええ!あなた自分で縫っているの?(すごく目を丸くしている)
 いえ、ミシンがないので手縫いと切ったり、結んだりですが。
 ブラーヴァ~!偉いわ!頑張って!(ボンッ!と背中を叩かれる)


 ああ、やっぱりみんな買うのね。カーニヴァル専門の衣装を着て、華やかに非日常の時間を楽しむのね。手作りなんて、やぼったいのかな…。今頃気付いたお祭りの精神。オリジナリティーにこだわっていたのは間違いだった。
 明日はいよいよ、幼稚園でカーニヴァルのお祭り。華麗なドレスのお友達の中で、リディアは地味な衣装を恥ずかしく思ったりしないだろうか。

 反省、反省、そして心配、心配。テラスのベンチに座り、冬とは思えない太陽に髪を焼かれながら、ため息をつく毎日。



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by hyblaheraia | 2016-02-04 18:40 | 祭り | Comments(4)

3月19日のバンバンバーン!

 バンバンバーン!バーン!
 ゆっくり寝ていたい朝も、春の光を浴びてのんびり散歩していても、夕方お茶でほっと一息ついていても、耳と心臓をつんざく爆音でヒヤッ、ドキッ。
 朝9時、正午、夕方5時。一日三回、バンバンバーン!
 しかも金、土、日、3日連続、バンバンバーン!!

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 その正体は、サン・ジュゼッペのお祭りを告げる花火。町が静かなだけに、突然の爆音が非常に心臓に悪く、悲鳴を上げてしまうほど。もう少し慎ましくできないものでしょうか、教区長様。


f0133814_17286.jpg 3月19日はサン・ジュゼッペ(聖ヨゼフ)の日。
 我が家から徒歩5分の教会では、毎年この守護聖人祭が行われ、花火が盛大に上がる。そしてこの音を聴くと反射的に買ってしまうのが、フリッテッレ。サン・ジュゼッペ祭りには、クリームたっぷりの揚げ菓子を食べる伝統がイタリア各地にあるらしい。

 ナポリはゼッポラという揚げシュークリームが有名だけれど、ラグーザではフリッテッレのリコッタ入り。素朴で温もりのあるこのお菓子を食べ、夜の華やかな花火を見ると、ああ春が来たな、祭りの季節の始まりだ、今年の夏はどれくらい暑くなるのだろう、といろいろなことを考える。

 さあ今年もフリッテッレをバーンと買って、ババーンと食べて、ボボーンとたくましく!
(写真上:祭りと関係のない巨大シュークリームもドーンと買っています)

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by hyblaheraia | 2010-03-22 01:56 | 祭り | Comments(12)

追想 サン・ジョヴァンニ祭りへの

昨夜、眠くて書いたので意味不明でした。書き直しました…。


 過ぎ去ったものへの記憶とは、体感した音、光、空気の震えや温度、艶めかしい感触のようなものを一心に甦らせることによって、それらを脳裏に深く刻もうとする行為なのではないだろうか。だから、記憶の糸を手繰り寄せているうちに、その時の感覚を呼び起こそうと、想像が想像を呼び、全ては実際の体験よりも色と艶と濃淡を増し、妖しく光を放つのではないだろうか。

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 サン・ジョヴァンニ祭りの記憶は、今私の中で色や光の濃度を高めつつある。例えば、斬首された聖人の銀細工が周囲の空気をひたと止めた瞬間は、実際よりも長く冷やりと思い起こされ、

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 盛大な爆竹で空気が裂け、火薬の匂いが立ち込めた瞬間は、耳と鼻の奥を突く鋭さを思い出す。

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 聖人像を照らすランプと蝋燭の炎のゆらめき、鮮やかな光のアーチは、妖しい暖色の空間となってうねり出す。人の肌さえも橙色に輝くその夜は、異様な空気となって記憶に浸透している。


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 短白衣に身を包む聖職者の列は、厳格な階位と、強固な意地を張り巡らせた白い蛇のイメージとなって降りて来る。衣類の装飾は聖職位に比例し、短白衣の見事なレースには教区間のシニョーラたちの技が競われていたからだ。

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 聖人がゆっくりと我らの前に現われるあの一秒一秒は、もどかしくもあり、終わらないで欲しくもあった。その矛盾した感覚が浮き上がって来る。

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 言葉なく見上げていると心を見透かされるようだった。


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 聖人の血を想像させる、ほとばしる赤が目に刺さった。それらは身体が覚えている。

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 そして、血痕のような花が目の前に咲き乱れた時、不思議と音が遠のき、身体がふわりと浮き、感覚のなさに支配された。自分の存在が祭りの興奮に溶ける、あの透明な感覚は何だったのだろう。


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 ブラスバンドのシチリア的な哀愁と、鳴り続ける鐘がもたらす高揚した聴感覚、溢れる光と生温い空気は、狂騒の魔物なのだろうか。そこにいる時は感覚を麻痺させ、私の存在さえも飲み込んでしまうが、そこから解放された途端にどっしりと重い安堵感がのしかかり、現実に押し戻される。

 こうして記憶というのは、色はより鮮やかに、光はより煌びやかに、香りはより芳しく付け足しながら、自己の内で永遠に美化され続けるものなのかもしれない。
 ラグーザにいると、ふとそんなことを思う。

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by hyblaheraia | 2009-09-08 08:05 | 祭り | Comments(2)

サン・ジョヴァンニ祭り 2009年

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 新市街の守護聖人、サン・ジョヴァンニ祭り。この祭りは、夏の終わりも意味する。今年は静かに見ていよう。

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by hyblaheraia | 2009-08-29 07:25 | 祭り

春は羊突猛進

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 復活祭前になると必ず現れる羊の砂糖菓子、兼 飾り。今年も羊突猛進の勢い。
 かわいいから一人連れて帰りたくなるけれど、足をもぎ取り、身体を潰してカフェに入れるのは可哀相なので、やっぱりやめて、


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 オーソドックスにカンノーリなど。
 最近、ずっとおやつは手作りしていたので、人が作ったものは簡単に楽しめていいけれど、納得がいかない点もある。やっぱりおやつは、できる範囲内のものなら自分で作るのが一番。
 好きな音楽を聴きながら、おやつ作りに没頭し、作業していることが確実に形になる喜びもある。

 今日は朝からじっくり史料を読み、J.S.バッハの《マタイ受難曲》に陶酔し、夕方におやつを頬張り、脳にも心にも大いなる喜びを注入。あの羊たちのように、猛進したいところ。

 もうすぐ良いお知らせができるので、ちょっと前向きな感じ。

春は羊突猛進の季節!     
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by hyblaheraia | 2009-03-27 08:03 | 祭り | Comments(16)

ナターレのラグーザ

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 宵の明星と流れ星の輝きに微笑みかけられるサン・ジョヴァンニ教会(カッテドラーレ)。決して洗練されたイルミネーションとは言えないけれど、普段とは違う華やいだ雰囲気に包まれている。


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 元気な若者を乗せた小さな汽車が汽笛を鳴らしてコルソ・イタリアを登っていく。その後もひたすら、同じコースをぐるぐる。何とも微笑ましい演出だな。
 大都会ナポリのショッピング街は大混乱で皆恐い顔をしていたけれど、田舎のナターレはのんびり落ち着いた華やぎがある。

 サン・ジョヴァンニ広場にはテントが張られ、砂のプレゼーペが展示されていたので、入ってみると、

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 こんなにも素朴で優しい雰囲気。
 郊外の牧草地に寝そべっていそうな牛も、

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 田舎風の石畳も、なだらかな丘陵も、普段見慣れたラグーザの風景。そして丘には、

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 ムーロ・ア・セッコ(ラグーザ県伝統の、セメント類を使わない石積みの壁)もちゃんと積まれている。ああ、いいな、こういう地元の魂が刻まれたラグーザ風プレゼーペ。

 もはやイタリア中がパネットーネを食べ、本来はいなかったバッボ・ナターレ(サンタ・クロース)が来て、英語のクリスマス・ソングが流れ、地方独特のナターレが失われている現代に、こういう土着なプレゼーペがあって嬉しかった。



 さて、光溢れるラグーザ新市街で、普段はほとんどしないショッピングをルカと楽しむ。と言っても本屋だけれど。

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f0133814_637141.jpg 買ったのはこの4冊。
上:
Gomorra (邦訳 『死都ゴモラ』)
Perdas de Fogu (サルデーニャ語で「火の石」の意味)
下:
La lunga attesa dell'angelo
La punizione del maiale (又吉栄喜『豚の報い』の伊語訳)

 『ゴモッラ』はDVDも欲しかったけれど近所にはなし。
 『ペルダス・デ・フォーグ』はサルデーニャでの化学兵器開発で、癌の死亡率と奇形の牧畜が増えたことを伝えるものだそう。
 La lunga attesa dell'angeloは昨日の討論番組で筆者を見て気になったので。15世紀ヴェネツィアが舞台の小説。
 そ・し・て・

 La punizione del maialeは、実はルカと友人の共訳・解説!まだ出版社から届いていないので、実物が見たくて「豚の報い、ありますか?」と聞いてみたりして。そして実物を見たら、欲しくて買ってしまった。ナターレだし買っちゃえ!


f0133814_85497.jpgEiki Matayoshi
La punizione del maiale
L'oleandro alle spalle

a cura di Luca Capponcelli e Costantino Pes

Editrice: Mestrale

『豚の報い』と『背中の夾竹桃』の二編所収。
表紙は私、ではありませんので。


ナターレはやっぱりウキウキしますね。     


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by hyblaheraia | 2008-12-21 08:27 | 祭り | Comments(18)

ロザリアの聖母の祭り 2008

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 ロザリアの聖母の祭り(エッチェ・オーモ教会の守護聖人祭り)が11日の日曜日にクライマックスを迎えた。
 プロチェッシオーネと呼ばれる宗教行列の日、この通りは神秘的な空気に包まれる。光の道に聖母マリアの御輿が吸い込まれるように入っていくこの瞬間が好きだ。


聖母像がここに来るまでに・・・  ←click
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by hyblaheraia | 2008-10-18 06:14 | 祭り | Comments(10)

夏の終わり -サン・ジョヴァンニ祭り2008-

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 ラグーザ新市街の守護聖人、サン・ジョヴァンニの祭りは毎年、この聖人の命日である8月29日にクライマックスを迎える。
 聖人御輿が通る道は光り輝き、マリーナから帰って来た人々で賑わう。

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 29日の1週間前からいろいろな催しがあり、宗教行列も数日前から始まっていた。我が家のすぐ下を通った聖人御輿。
 去年はエッチェ・オーモ教会に一晩泊まったので、近所も私も大いに盛り上がったけれど、今年は遠くから拍手だけ。ご近所も同様。

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 ところで、シチリアの祭りと言えば花火。朝9時、正午、午後5時、そして夜8時と11時(だったかな・・・?)、とにかくバンバン、ドンドン、凄まじい。

 地元のハトたちにとっても辛い1週間となる。大爆音に怯えて肩を寄せ合う姿が、あちらにも、こちらにも。きっと我が家の屋根にも。
 そして本格的に花火が上がり始めると、


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 空を右に、左に逃げ惑うハトの群れ。

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 真下にいると、サワサワサワ、サワサワサワ、という音が聴こえた。


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 祭り最終日は広場から歌声が聴こえ、夜は華やかな花火が打ち上がる。そしてハトたちは再び逃げ惑う。
 今年はパソコンの前にお地蔵さんのように座り込んでいたので、祭りには何も参加できなかったけれど、花火を見つめ、秋の風を感じつつ、一年のリズムが身体に浸み込んでいることを実感した。

 さぁ、9月だ。

ピンチ状態のまま新学期に突入しちゃいました。     
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by hyblaheraia | 2008-09-02 17:08 | 祭り | Comments(10)


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

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2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


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