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スコリッティ海岸からカ・マリーナ考古学博物館へ

 スコリッティScoglittiの海は素晴らしい、とナポリの友人から情報を得ていたテレーサは、ラグーザに来る前からそこに行くことを決めていた。朝早くここを出て、午前中に泳ぎましょう!と前の晩からかなりハイテンション。海で泳ぎ、自分を解放すること、それが今年のヴァカンスのテーマなのだ。
スコリッティ海岸からカ・マリーナ考古学博物館へ_f0133814_1848994.jpgスコリッティ海岸からカ・マリーナ考古学博物館へ_f0133814_18484320.jpg
 車で1時間程で到着したそこは、白い砂浜と水色の海がなだらかに続いていた。人も少なく、波は穏やかで、水温もまずまず、きもちよく泳いだ。
 頭上から太陽が照り付ける正午頃、そろそろ引き上げようとしたところ、ビーチに設置されている公共シャワーがどれ一つ機能しない。水の出ないシャワーが5mおきに点々と。塩水で目が痛いので、とりあえず顔と目だけはすすぎたいところだが、バールさえ近くにない。ラグーザ海岸ならこんなことないが、ここはヴィットーリアVittoriaという隣町の海岸、観光地ではないので海水浴に来る人々は、数分歩けば自宅があるという地元民ばかり。シャワーなんてなくても良いのだ。
 備えあれば憂い無しとはこのこと。そんなこともあろうかと思って水道水を入れたペットボトルをトランクに積んできたので、それで3人とも手、足、顔、目を簡単にすすぎ、次の目的地へ。

スコリッティ海岸からカ・マリーナ考古学博物館へ_f0133814_1901432.jpg やってきたのはカマリーナ考古学博物館Museo Archeologico di Camarina。
 海の見える小高い丘の上に、紀元前598年頃ギリシア人が建設した町の跡。かつては壮麗なアテネ神殿と、碁盤の目に整備されたギリシア都市がここにあり、少し離れた丘のネクロポリス(墓場)に人々は葬られていた。

スコリッティ海岸からカ・マリーナ考古学博物館へ_f0133814_1943028.jpgスコリッティ海岸からカ・マリーナ考古学博物館へ_f0133814_195277.jpg
 そのネクロポリスから出土された品々が館内に展示され、庭には石でできた錨や棺が展示されている。

スコリッティ海岸からカ・マリーナ考古学博物館へ_f0133814_19334949.jpgスコリッティ海岸からカ・マリーナ考古学博物館へ_f0133814_19341171.jpg
 水平線が180度広がる海を見ながら、丘の先、つまり岬部分へ。何百メートルもあるこの道の辺りには民家や店が立ち並び、豊かな生活が営まれていたことを想像しつつ。
 
スコリッティ海岸からカ・マリーナ考古学博物館へ_f0133814_19363282.jpgスコリッティ海岸からカ・マリーナ考古学博物館へ_f0133814_1946096.jpg
 写真から想像できない暑さと乾燥した空気の中、アゴラAgoraと呼ばれた当時の広場を目指して3人とも無言で進む。暑い日も寒い日も、この距離をひたすら歩いたギリシア人は忍耐強い性格だったのだろう。いや、現代人が軟弱なのか。
 広場と言ってもこの通りで、何の説明もなく少々がっかり。ここで政治集会でもあったのだろうか。そして暑すぎていても立ってもいられず、早々に退却、本館に戻る。
 前に来た時に印象深かったのがアンフォラanfora(壷、水がめ)の展示室。残念ながら閉室だった。係員に外の窓から多少見られると聞き、写真を一枚。上下2階に分けて大量に陳列されるこの展示室は圧巻だ。
 アンフォラとはワイン、オイル、ミルクなどを入れるテッラコッタの瓶のこと。船で輸送する際に船底の砂に刺したので、下がつぼんだ形をしている。人間の知恵の詰まったこの瓶について、調べれば調べるほど興味が湧き、熱中してしまう。ラグーザに来てから、こうして豆知識がちょっとだけ増えたかな。

 古代の息吹に触れた後は、お腹も空いたしランチへいざ!

人気blogランキングに参加中 カマリーナで蚊に噛まれーな・・・。
by hyblaheraia | 2007-08-20 20:18 | 歴史


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

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2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


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