危うく…

f0133814_07344361.jpg

 「全ての角に悪魔が潜んでいる」という言い方がイタリアにはある。10年以上歩き慣れた道で、このようなことが起こったのは悪魔の悪戯だったのか。否、大事に至らなかったのは天使が守ってくれたからなのか。

 昨日の朝11時頃、リディアを連れて散歩に出ようとしたときのこと。家を出てすぐの十字路で工事があり、砂やら石切の粉が風とともに大量に飛んでいたので、リディアに目を閉じさせ、抱っこして十字路を渡るつもりだった。普段通り、歩道の終わりで車を確認しようと、立ち止まったはずのその時、突如、ガサっと歩道から落ち(段差がかなりある)、リディアを抱き抱えたまま道路に倒れ込んでしまった。そしてその瞬間、白い車が猛スピードで私たちの前に走り込んできた。なんでこんな所に車が!、ああ、もうだめだ…!そう、はっきりと頭で感じた。車の後部座席のドアが顔にくっつくほどの近さだった。

 結局、私の軽い捻挫で済んだけれど、もし転んだ衝撃でリディアが腕から離れていたら…、抱っこする角度がほんの少し違ったら…、私があと数センチ前に転んでいたら…、と考ると恐ろしくて体がわなわなと震えた。そして3人で昼ご飯を食べながら、この時間がなかったのかもしれないと考えると、この変わらぬ時間の連続があることを心から有難く思い、私とリディアのいないルカの生活などあってはならないと心が引き締まった。こどもの命を預かる親の責任の重さを痛感しながら。

 工事現場の男性が言っていた。母親が子供を抱いたまま車に巻き込まれた、と見ていた誰もが思ったのだと。そんなことにならなくて本当に良かった。

f0133814_07211135.jpg
 イタリアには「落馬したらすぐその馬に乗るべし」という言い方があるそうで、午後涼しくなってから、家族3人で現場検証と助けてくれた人々へのお礼に出かけた。転んだ場所は、古い石畳にV字の亀裂があり、道路には大きな穴がいくつもあった。おそらく左足が歩道の石畳の亀裂にはまり、つま先から道路に落ち、穴にはまってバランスを崩し、リディアを抱っこしている右側にバランスを崩して倒れたのだろう。左足の欠けた爪とズボンの汚れからみて、そうだろうと推測する。

 考えれば考えるほど、無事であったことが奇跡に思えてくる。もしかすると、去年亡くなった祖母二人が、角に潜んでいた悪魔を追い払い、私たちを守ってくれたのかな…と思っていたところ、今日の電話で母が言っていた。少し早いけれどお盆の用意をして仏様をお迎えしているのよ、と。
 
f0133814_07203881.jpg
 暑いシチリアまで来てくれた100歳の二人の天使。今頃はきっと、お母様、やれやれでしたね~。ほんと、そうでしたね、お母様(そう呼び合っていた大正女性)と言いながら、ラグーザの美しい景色を仲良く眺めていることだろう。夕方の空を仰ぎながら、カリフラワーのような真っ白な頭の天使が飛ぶ姿を想像している。



[PR]
by hyblaheraia | 2015-07-11 11:00 | 生活 | Comments(8)
Commented by アイシェ at 2015-07-11 22:24 x
驚きました。。。ホントにご無事で何よりでした。シチリア旅行中はトルコと違い、歩行者優先でいつも車のほうが止まってくれていたので、まさか!という感じです。本当に良かった。
Commented by Mchappykun at 2015-07-11 23:17
何事もなく,(捻挫はなさったようですが)本当に良かったです。読んでいて私もドキドキしました。
私も5月友達3人を乗せてロサンジェルスへ行く途中のハイウエーでタイヤがパンクしました。事故にもならず,路肩に止めてAAAに来てもらいましたが、70マイル(110キロ)で運転していて,よく何事もなかったものと,皆胸を撫で下ろしました。同じような状況で死亡事故になったケースもあると後で聞きました。車は2週間前にメインテナンスをしてもらったばかりでした。私を含めて4人とも未亡人。4人の夫たちが力を合わせて私たちを守っていたのかもしれません。
Commented by hyblaheraia at 2015-07-12 15:46
> アイシェさん
いまだに夜はいろいろ考えてしまいます。本当に幸運でした。リディアも怖い思いをしたらしく、その日はその時のことを何度も聞いてきました。痛かったの?シニョーレ(助けてくれた工事の男性)は何をしたの?白い車はどうしたの?怖かったの?という具合に。
ラグーザはナポリなんかに比べるとかなり歩行者に優しい町ですが、時々我が物顔の運転をする人がいます。あの白い車の女性は交差点で全く減速せずに、同乗者とおしゃべりに花を咲かせていたのではないかと。車のドアを開けて、身を乗り出してこちらを見ていただけで、あまり誠意が感じられなかったし。

と相手のせいにばかりしないで、私も今後はこれまで以上に気を付けます!アイシェさんも段差や道の穴には気を付けてください!あ、大都会大阪にはそんなものありませんよね。
Commented by hyblaheraia at 2015-07-12 15:58
> Mchappykunさん
毎日通る道なので、そこを歩くたびに気持ちを引き締めています。家族、友人、良く知るお店の人、そしてブログでこうして話しているうちに、恐怖が和らいできました。
110キロで走行中のパンク!それはややもすれば、大事故に繋がりかねない事態でしたね。何もなくて本当に良かったです。しかし、メインテナンスの直後にそんなことが起こるとは…。そうですね、きっとご主人様たちが守って下さったのだと思います。
Mchappykunさん、運転も外を歩く時もどうぞお気をつけて。
Commented by futamura at 2015-07-12 16:58 x
本当にご無事でなによりです!
読んでいて、こちらも緊張してしまいました。
今後もお気をつけて。

そうそう、去年シチリア南岸を旅行していたとき、イブラを見下ろすあの有名な場所で、ちょうど「警視モンタルバーノ」のロケをやっている場面に出くわしました。
Commented by アイシェ at 2015-07-12 22:29 x
いえいえ、大阪も段差は多いですよ。それに市バスやタクシーが赤信号で平気で突っ込んできます。。。
Commented by hyblaheraia at 2015-07-13 16:14
> futamuraさん
その日にルカに、これまでも凹みに足を取られて転んだことが何度かあったと指摘されました。工事現場の男性にも、頼むから、もう転ばないでよ、と今でも言われております…。はい、気を付けます。

モンタルバーノの撮影現場に?!それはすごい確率でしたね。私はこれまで1度しか出くわしたことがないのですが、現場が結構ピリピリしていました。
外部リンクにfutamuraさんのブログを入れようとしているのですが(以前のものはなぜか全て消えてしまいました)、何度やっても失敗してしまいます。無効リンクです、と言われてしまい。RSSの問題のようですが…。ちょっと調べてみます。
Commented by hyblaheraia at 2015-07-13 16:16
> アイシェさん
ぎょ~~~!バスとタクシーが赤信号で?!
そこはナポリですかね。アイシェさん、気を付けてくださいねー!!
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

掲示板

最近は・・・
早寝早起きして新しいことに挑戦中!
16/11/2016


迷惑コメント対策で承認制にしております。
::::: ::::: :::::

自己紹介に代えて


ご連絡等はコメント欄にお願いいたします

::::: ::::: :::::


2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


Locations of visitors to this page
2010年2月16日リセット
世界の赤い花びら!


Click for Comiso Air Station, イタリア Forecast

今日の月はどんな月?



ラグーザ ホテル

カテゴリ

全体
自然
生活
歴史
祭り
伝統・技術
料理
菓子
変わった野菜と果物
野鳥・昆虫・動物
大学・研究
政治・社会
音の絵:写真と音楽のコラボ
シチリア他の町
イタリア他の町
ナポリの実家
一時帰国
ブログ・・・周年とゲーム
未分類

タグ

(60)
(50)
(46)
(42)
(40)
(38)
(36)
(35)
(35)
(34)
(31)
(27)
(22)
(21)
(20)
(15)
(14)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(9)
(8)
(8)
(8)
(8)
(7)
(6)
(6)
(5)
(4)
(3)
(2)
(2)

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

以前の記事

2016年 11月
2016年 10月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 02月
more...

最新のコメント

明けましておめでとうござ..
by アイシェ at 07:35
> Mchappykun..
by hyblaheraia at 06:11
牛乳と油で生クリームがで..
by Mchappykun2 at 01:30
> アイシェさん それ..
by hyblaheraia at 17:09
今人間ドックが終わったば..
by アイシェ at 11:48
> Mchappykun..
by hyblaheraia at 06:20
> 鍵コメさん は..
by hyblaheraia at 13:37
東京にいらしていたのです..
by Mchappykun2 at 01:31
> 鍵コメさま ご心配..
by hyblaheraia at 19:29
> ゆうゆうさん 素早..
by hyblaheraia at 07:18

画像一覧

ブログジャンル

海外生活
音楽

検索

記事ランキング

ライフログ











お気に入りブログ

生きる詩
gyuのバルセロナ便り ...
ルーマニアへ行こう! L...
写真でイスラーム  
エミリアからの便り
アフガニスタン/パキスタ...
イスラムアート紀行
夫婦でバードウォッチング
La Vita Tosc...
パリ近郊のカントリーライフ
トルコ~スパイシーライフ♪
now and then
Vivere in To...
シチリア時間Blog
フィレンツェ田舎生活便り2
ふりつもる線
ちょっとスペインの別荘 ...
ぐらっぱ亭の遊々素適
ヴェネツィア ときどき ...
石のコトバ
ボローニャに暮らす
フランスと日本の衣食住
イタリア・絵に描ける珠玉...
cippalippaの冒...
スペインのかけら
Berlin Bohem...
VINO! VINO! ...
::: au fil d...
sizannet
イタリア料理スローフード生活
ペルー と ワタシ と ...
しの的エッセンinドイツ
PoroとHirviのとおり道
料理サロン La cuc...
カッラーラ日記 大理石の...
イタリアの台所から
オルガニスト愛のイタリア...
Animal Skin ...
しのび足
道草ギャラリー
白と黒で
ちまもの読書日和
andante-desse
il paese - p...
やせっぽちソプラノのキッチン
坂を降りれば
A Year of Me...
お義母さんはシチリア人
Espresso!えすぷ...
シチリア時間BLOG 2
London Scene
hatanomutsum...
小鳥と船
mi piacciono...
カマクラ ときどき イタリア
やせっぽちソプラノのキッチン2

外部リンク