光と影、白と黒、憧れと報復

f0133814_671550.jpg
 観光客のいなくなった旧市街イブラのドゥオーモ広場。買い物後のシニョーラたちは視線を落とし、身体を揺らしながら長い斜面を登って行く。
 正午の広場では、強く、太い日差しが広場の石の白さとぶつかり、ものの色形が際の際まで異様なほど浮き上がって目の奥を刺してくる。

f0133814_674536.jpg
 坂の上にそびえるサン・ジョルジョ教会を目指して、目を細めながら一歩一歩近付く時、美しさと痛みが脳を混乱させる。足早に路地を曲がり日影に入った瞬間、今度は白さの衝撃が黒い視界となってじわじわ襲ってくる。

f0133814_68652.jpg
 こんな日はサン・フランチェスコ教会の頭のない女神像が、いつもよりも遠くを仰いでいる。光をはじく白い存在に憧れを重ねていると、背を向けた途端に黒い幕で残像を覆われてしまった。
 光と影は白と黒を作り、憧れを報復に変えてしまうのだろうか。


追伸:最後の写真は私の大好きなアングルで見たサン・フランチェスコ・アリンマコラータ教会Chiesa di S. Francesco all'Immacolataの鐘楼です。実は大学の教員トイレからの眺めです。
[PR]
by hyblaheraia | 2009-11-17 06:56 | 生活 | Comments(16)
Commented by fumieve at 2009-11-17 14:11
この時期、こちらではこんな強い青空には出会えません。すっきり晴れても、どこか頼りない水色。

ここしばらく大学の話がなかったので、ひょっとして日本語のクラスがなくなってしまったのかと心配していました。
Commented by gabbyna at 2009-11-17 22:17
歴史を感じさせる場所があっていいですね。
そして自然の大きさも感じられるし、時の流れも実感できる。。
いい場所だと思います。
Commented by hana at 2009-11-17 22:25 x
違う国である事を忘れて、自分のアパートから思わず窓の外を見させるくらい、すごい濃い青空ですね。

体がすいこまれそうです。
Commented at 2009-11-18 09:58 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by jose at 2009-11-18 17:57 x
光と影、白と黒、良い事と悪い事は一対、片方だけ長くは続かないと言う事か。
久しぶりに広場が見れて嬉しいです、カオス、シチリア物語を思い出します。
2007年の暑い夏に広場の中程にある小綺麗な雑貨屋のお姉さんがいきなり店の前に出て水を含ませた海綿を頭の上でギュと絞って水を垂らすというのを見ました、イタリアの人は普通にやるのでしょうか、それとも何かのマネ?ちょっとびっくりしたのもついでに思い出しました。
Commented by アイシェ at 2009-11-18 23:02 x
私は、↓の丸いものも好きですが、光と影のくっきりとした境界線も大好きです。いや、境界線というより、くっきりした影を見て眩しい光を感じるのが好きです。
あのシニョーラたちにふら~っとついて行きたくなりました。。。
Commented by grappa-tei at 2009-11-21 12:08
つい先日見た「副王家の一族」(I VICERE')のロケーション場所として、ラグーサも出ていたのですが、どの部分がそれなのか分かりません。ご覧になっていて、ご存じでしたら教えてください。この作品、久々に日本公開のイタリア映画ですが、イタリア国内での扱いはどの程度でしょうか?いずれにしろ、日本で公開されるイタリア映画が余りに少ない(年に数本?)のが悩みです。50-60年代は華やかだったのにと思うとホントに残念なことです。
Commented by hyblaheraia at 2009-11-30 07:29
~fumieveさん~
最近、暖かい日が続いていて春みたいです。そちらは灰色の冬空の季節でしょうか。
この日はルカが所用で大学に行くと言うので一緒に付いて行っただけだったんです。今年度の授業はまだ始まっていないんですよ。
Commented by hyblaheraia at 2009-11-30 07:31
~gabbynaさん~
ここを訪れた人なら誰でも好きになる場所だと思います。空間の演出の仕方が絶妙で、いつ行っても感動します。何年もここに住んでいるのに、いつまで経ってもカメラ片手に歩いています。
Commented by hyblaheraia at 2009-11-30 07:34
~hanaさん~
そうなんですよ、ここの空は濃いんです。ペンキを空一面に塗り終えたばかりのような、光る青です。冬になるほど濃さが増して来るのは、冷たい空気と関係しているのかなと思います。
パリのお空はどんな色でしょう?今度、空の写真をぜひアップしてください。
Commented by hyblaheraia at 2009-11-30 07:42
~鍵コメ 2009-11-18 09:58さん~
ご指示通りに致しましたのでご安心ください。

そうですか。それは素晴らしい工房ですね!そういう場所でいろいろな楽器の弾き比べをぜひしてみたいですが、作者の方が近くにいらっしゃると緊張してしまって…。以前に、チェンバロをレンタルする時にいろいろな楽器を弾かせていただいたのですが、その時のことを思い出します。
Commented by hyblaheraia at 2009-11-30 07:50
~joseさん~
《カオス・シチリア物語》をご存知だなんて嬉しいです。やはりjoseさんはシチリアにお詳しいのですね。あの映画にはラグーザ県の風景もたっぷり出てきますよね。月に憑かれた男の話で、満月に青白く照らされる大地が印象的でした。
水を含ませたスポンジを頭からギュッ!というお話ですが、ワイルドな女性ですね~。確かに夏に40度を超えると、私も家では濡れタオルを首からかけたりしていますが、広場でギュッはちょっと驚きです。でもカッコイイですね~。
Commented by hyblaheraia at 2009-11-30 07:56
~アイシェさん~
対象がもたらす効果というのは面白いな、といろいろ考える毎日です。今晩の月と雲の関係も素晴らしく、またテラスで写真をたくさん撮ってしまいました。
シニョーラたちにふら~っとついて行きたくなる…、その感じ分かります。お昼なんかご馳走になれたら嬉しいですね~。
Commented by hyblaheraia at 2009-11-30 08:06
~grappa-teiさん~
ご質問にお答えするのが遅くなってすみませんでした。
I Vicerèにラグーザが出ているとは全然知りませんでした。この作品はYoutubeで偶然知っただけで、観たことがないんです。観る機会があって分かったらお知らせします。
ところでラグーザの映画館は市内に2つ、郊外に1つあるのですが、お客さんが5人集まらないと上映しないんですよ。びっくりでした。
トルナトーレのVaariaはもう日本では一般公開されていますか?
Commented by jose at 2009-12-01 15:49 x
《カオスシチリア物語》渋いですよね、「月の病」の舞台もラグーサ県だったのですね、その他エピローグ「母との対話」の一部がリパリ島の石灰採掘場は分かるのですが後は分かりません、分かる所が有りましたら御教え下さい、それとプロローグ「ミッザロの鳥」と言う題のミッザロとは何でしょうか?
またしても教えて君になってしまいましたすいません、気になっていたもので。
Commented by hyblaheraia at 2009-12-02 23:02
~joseさん~
《カオス・シチリア物語》を観ていてはっきり分かる場所は、イブラのピアッツァくらいですが、きっとこれはラグーザ近郊だろうなと思う所は多々ありました。のどかな牧草地帯や農道だと場所を特定するのは難しいですね。でもムーロ・ア・セッコ(セメントを使わない石積みの塀)とカッルーバ(イナゴ豆の木)があれば、ラグーザ県だと思って良いと思います。地元の人々が良くそう言うので。
ミッザロの鳥…、気付きませんでした。時間のある時にDVDを観ておきます。何でしょうこの名前の由来は。私も気になります。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

掲示板

最近は・・・
早寝早起きして新しいことに挑戦中!
16/11/2016


迷惑コメント対策で承認制にしております。
::::: ::::: :::::

自己紹介に代えて


ご連絡等はコメント欄にお願いいたします

::::: ::::: :::::


2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


Locations of visitors to this page
2010年2月16日リセット
世界の赤い花びら!


Click for Comiso Air Station, イタリア Forecast

今日の月はどんな月?



ラグーザ ホテル

カテゴリ

全体
自然
生活
歴史
祭り
伝統・技術
料理
菓子
変わった野菜と果物
野鳥・昆虫・動物
大学・研究
政治・社会
音の絵:写真と音楽のコラボ
シチリア他の町
イタリア他の町
ナポリの実家
一時帰国
ブログ・・・周年とゲーム
未分類

タグ

(60)
(50)
(46)
(42)
(40)
(38)
(36)
(35)
(35)
(34)
(31)
(27)
(22)
(21)
(20)
(15)
(14)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(10)
(9)
(8)
(8)
(8)
(8)
(7)
(6)
(6)
(5)
(4)
(3)
(2)
(2)

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

以前の記事

2016年 11月
2016年 10月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 02月
more...

最新のコメント

明けましておめでとうござ..
by アイシェ at 07:35
> Mchappykun..
by hyblaheraia at 06:11
牛乳と油で生クリームがで..
by Mchappykun2 at 01:30
> アイシェさん それ..
by hyblaheraia at 17:09
今人間ドックが終わったば..
by アイシェ at 11:48
> Mchappykun..
by hyblaheraia at 06:20
> 鍵コメさん は..
by hyblaheraia at 13:37
東京にいらしていたのです..
by Mchappykun2 at 01:31
> 鍵コメさま ご心配..
by hyblaheraia at 19:29
> ゆうゆうさん 素早..
by hyblaheraia at 07:18

画像一覧

ブログジャンル

海外生活
音楽

検索

記事ランキング

ライフログ











お気に入りブログ

生きる詩
gyuのバルセロナ便り ...
ルーマニアへ行こう! L...
写真でイスラーム  
エミリアからの便り
アフガニスタン/パキスタ...
イスラムアート紀行
夫婦でバードウォッチング
La Vita Tosc...
パリ近郊のカントリーライフ
トルコ~スパイシーライフ♪
now and then
Vivere in To...
シチリア時間Blog
フィレンツェ田舎生活便り2
ふりつもる線
ちょっとスペインの別荘 ...
ぐらっぱ亭の遊々素適
ヴェネツィア ときどき ...
石のコトバ
ボローニャに暮らす
フランスと日本の衣食住
イタリア・絵に描ける珠玉...
cippalippaの冒...
スペインのかけら
Berlin Bohem...
VINO! VINO! ...
::: au fil d...
sizannet
イタリア料理スローフード生活
ペルー と ワタシ と ...
しの的エッセンinドイツ
PoroとHirviのとおり道
料理サロン La cuc...
カッラーラ日記 大理石の...
イタリアの台所から
オルガニスト愛のイタリア...
Animal Skin ...
しのび足
道草ギャラリー
白と黒で
ちまもの読書日和
andante-desse
il paese - p...
やせっぽちソプラノのキッチン
坂を降りれば
A Year of Me...
お義母さんはシチリア人
Espresso!えすぷ...
シチリア時間BLOG 2
London Scene
hatanomutsum...
小鳥と船
mi piacciono...
カマクラ ときどき イタリア
やせっぽちソプラノのキッチン2

外部リンク