ボルロッティの分類

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 熱帯的なピンクが、限りなく白に近い薄緑とマーブル模様を作るボルロッティ豆。否、正確には、ボルロッティの莢。その色に魅せられて、この季節のBorlotti freschi(生のボルロッティ)をつい買ってしまう。


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 莢の鮮やかさにばかり見とれていると、中から出てくる豆粒に言われる。我々にも色合いの違う美しさがある、と。ああ、本当にその通りだ。

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 この上品な色の広がりと、その無限のマーブル世界。薄黄緑から白みがかった桃色、そこから少しずつ白みが消えて、次第に薄紫へ。そんな色の段階を見ることができる。
 触感はさらに想像を超えている。豆の粒はまんべんなくみずみずしさを湛え、触るとぷるるん、きゅきゅっ、ぷにゅ。
 夢中になる頭を一瞬上げて、少し遠めに見ると、一つとして同じでない色と模様に改めて気付く。同じ房の中にいる7~8粒の豆にも、それぞれ表情の違いがある。

 まさに自然の宝石だ。
 一粒一粒の個性を見分けようとしながら、なんとかこのボール一杯の豆たちを私なりに理解したくなった。そして・・・



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 分類に挑戦。分類の視点は豆の地色と模様の相互関係
 最初5分くらいは作業が進むけれど、豆を見続けるほどに分類の軸がぼやけてくる。最も極端な例から頭を整理しなおして何度もやり直す。
  

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 そして解決。分類図はこのように完成!
 上記の視点に基づき、全体で9種類に分けられる。左から順に1,2,3・・・9と番号を付け、5を基準と考えるならば、右に行くほど地の桃色度が強くなり、左に行くほど地の白~緑度が強くなる。これは豆の成長の度合ではなく、あくまでも個々の豆の色彩的性格の違いを示すもの。
 だから6~8の違いを明確にするのが難しかった。3種ともに地はピンクだけれど、6は茶色の、7は黒の柄、8は黒の柄が大きく入っているもの。


 なんてボルロッティと遊びながら、カンタータの分類でゼミ仲間と意見を異にした日々を思い出していた。
 分類に意味がなければならない、という意見に対し、分類自体に意味を持たせるのではなく、分類してみることでそこにきれいに収まるものと、収まらないものを見出すことが大事、だと主張した。

 対象全てを分類しきれなければその分類法が成立しないのではなく、分類から漏れたものにこそ、そのものの個性を見出すことが大事なのではないか。今もその考えは変わっていないことを、豆々しい分類学で再認識した一日だった。
 ボルロッティの理解は生物学的には間違っているだろうけれど。
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by hyblaheraia | 2009-06-30 08:02 | 変わった野菜と果物 | Comments(22)
Commented by poronliha at 2009-06-30 17:25
ほんとうにおもしろい豆ですね!
でもここまでちゃんと分類してる hyblaheraia さんがすごいです(笑)
鞘もきれいな色だし、自然っておもしろいなーって感じます。この豆、食べるより飾っておきたいかも・・・
Commented by fresco1939 at 2009-06-30 23:05
愉快ですねぇ。こんなに多彩なものが、色鮮やかな鞘に入っているとは。1番のいじらしいこと・・・
さて、ペルゴレージの曲とバッハのBWV1083をYouTubeで聴き比べました あの曲はスターバト・
マーテルの一曲ですね。私もこの曲が大好きです。バッハの編曲より、やっぱりペルゴレージの方が
好きです。ペルゴレージがナポリ楽派だと初めて知りました。早逝したのがいかにも惜しいですね。
Commented by grappa-tei at 2009-07-01 09:43
何とでも遊んでしまうその遊び心がすばらしい!こんな豆、勿論日本にはないから、お目にかかれることはそちらに行かない限りなんでしょうか?ちょっと見て、触ってみたいです。
Commented by YuccaR at 2009-07-01 11:25
とっても楽しませていただきました。まず豆の写真。わ~こんな豆売ってるの、イタリアの豆って素敵!と思うと、実の写真。模様がおもしろい、と見ていると、調査、分析が始まり、おやおや、ご苦労様^^と見ていると、分類をテーマの論議をなさったことが出てきて、hyblaさんの考え方があらわされて、納得です。手近なもので遊んでいるようで、学者さんなのですねえ。音楽も美術も分類、定義ってしにくくありません?それをきっちり、(強引^^;)に定義するのはどうもねー・・・・・。
Commented at 2009-07-01 21:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-02 02:09
~poronlihaさん~
この豆はイタリアだけにあるのでしょうか?ヨーロッパ全般に普及しているものと思っていました。この鞘の色は自然だけが出せるものかもしれませんね。きれいで捨てるのがもったいないです。戦時中はこの鞘もゆでて食べたそうです。
分類は楽しいですよ。最近、我が家は豆ブームですので、また違う豆で分類しちゃうかも。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-02 02:17
~fresco1939さん~
房なんて書いてしまいました、鞘ですよね。さらにペルゴレージも、Salve Reginaなんて書いてしまいました!!あわて者です。おっしゃる通り、かの有名なStabat materですよね。あーお恥ずかしい。
そして最後のお言葉ですが、偶然私も、ペルゴレージが早世しなければ、音楽史は変わっていたかもしれないな~なんて話していたんですよ。あと同じくキャリアの頂点で急死したチェスティも、あと10年、その後の音楽を聴かせてあげたかった~、とかぶつぶつ話していました。
また早とちりをしても、どうぞお許しください。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-02 02:21
~grappa-teiさん~
なんと申しますか、時間がゆったりとしているので、ついこんなことをしてしまうんです。去年もこの豆で遊んでいる記事がありました。
やっぱりこの豆はイタリアのものなのでしょうか。乾燥したものはスーパーで簡単に手に入るので、ヨーロッパ全土にあるのかと思っていました。
触った感じは感動的です!ぷにゅ、きゅっ、なんですよ(全然説明になっていませんが・・・)。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-02 02:29
~YuccaRさん~
このお豆、人気者になりましたね。よく伝えておきます。
せっかくこんなにきれいなのに、茹でると薄紫色になってしまうのがもったいないです。重曹と塩を入れて茹でると、マーブル模様が多少は残ることを最近、発見しました。
分類というのは物事を理解するための一つの方法に過ぎないので、我々の目で勝手に枠を作って、そこに入れて満足してもどうなのかな・・・と。はみ出し者がどうしても気になってしまうのです。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-02 02:42
~鍵コメさん~
こんにちは。ビーズみたい、という表現は素敵ですね。今日もこの豆を剥きましたが、一粒一粒の色合いと触った感じが何とも言えず、料理するのがもったいないような気がしてしまいます。
食べ方ですが、30分くらいゆっくり茹でて、それをオリーブオイル、ワインビネガー、塩、ニンニク一片と合わせて冷やし、前菜や付け合わせとして食べたり、他の野菜と煮込んだり、ピューレにしてスープにしたり、いろいろできるんですよ。
カテゴリーをまたいでいる音楽家や作家の存在は、まさに現代の文化のあり方を示しているのでしょうね。いろいろなジャンルのものに挑戦したいと思います。
Commented by YuccaR at 2009-07-02 14:35
口はばったいのですが、私が美術史で居心地悪い思いがするのもそこなんです。私もはみ出し者が気になってしまいます。・・・と、言うか、それもスタイルで、まとめる必要はない気がしてしまって。
Commented by jose at 2009-07-02 22:56 x
此のマメよく見かけましたが内の豆も大理石のような老成した亀の甲のような感じで綺麗ですね、一つの鞘から色々な色柄の豆が出てくるのかそれとも似たような豆が出てくるのか?
Commented by fresco1939 at 2009-07-02 23:34
莢は私も間違っていました。変換すると最初に鞘がでてきましたから、つい、うっかりしてました。
さて、またペルゴレージですが、あのスターバト・マーテルを聞いていると、バッハと同じ時代に
生きていたとは思えない、すごい曲ですよね。もっと長生きしてくれたら、たしかに音楽史も変わった
かもしれないと常々思っています。ロッシーニのスターバト・マーテルも好きですが、やっぱり
ペルゴレージが・・・。チェスティという作曲家は初耳です。ヴェネツィア楽派だとか。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-03 06:30
~YuccaRさん~
今、はみ出し者でも、将来はカテゴリーの中心にきっちり入っているかもしれない、と考えると価値判断とは何かと考えさせられます。
マイナーな分野の研究者は、戦う相手が多いですね。作品の正しい評価をできるだけの知識と、どんな一般意見にも惑わされない強い信念、それを証明するための論理性と史料が必要なのでしょうね。頑張らねば。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-03 06:41
~joseさん~
おっしゃる通り、大理石のような模様と品の良い色合いで、本当にきれいなんです。一つの莢からも、色のグラデーションが多少違うものが出てきます。ただ、豆が赤紫一色の場合は、鞘の粒が全て同じように赤紫になっています。
今日食べたボルロッティは、全体的に濃いピンクと白でした。薄紫はきっと若い豆なのだと思います。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-03 07:06
~fresco1939さん~
ペルゴレージのスターバト・マーテルの書法は、きっと当時の音楽家に衝撃を与えたと思います。彼の死後、ペルゴレージの名を使った贋作がたくさん出回ったのは、人気のほどを示していると思います。
チェスティの歌の美しさは、あまり知られていないのですが、近いうちに有名なオペラ・アリアとラグーザの画像を合わせて動画を作りたいと思います。
チェスティがヴェネツィア派と言っているのは、少し古い本です。オペラ《オロンテーア》が1649年ヴェネツィア初演と誤って認識されていたため(本当は1656年インスブルック初演)、ヴェネツィアのカヴァッリのライバルとして語られてきたのです。
ロッシーニのスターバト・マーテルは聴いたことがないので、後でネットで探してみます。楽しみです。
Commented by saku at 2009-07-03 09:45 x
寝る子は育つといいますが・・・
昨今流行のスピリチュアルでは”いつまで~も眠れるときは、近々くる運命の大転機に際し、体力を温存している証拠です”とありますぞ。
近いうち何か起こるのでは!!!ウフフフ。。。
Commented by fresco1939 at 2009-07-03 10:54
ロッシーニのスターバト・マーテルですが、私はムーティのCDを聴いています。YouTubeで
検索したらアリアの中に入っていますが、いずれも録音が悪くて、この曲の良さが出ていません。
ロッシーニらしくオペラを思わせるものがありますよ。
NAXOSの「STABAT MATER」のCDには、ペルゴレージとロッシーニなどの曲が
抜粋で収録されています。
カヴァッリという人、これも初耳でした。チェスティの歌、楽しみに待っています・・・
Commented by アイシェ at 2009-07-03 19:54 x
なんともかわいらしい・・・自然は加工されず、そのままの姿が一番いいな、と思います。分類されたまめ子たちを見ていると、この子たちのお父さん、お母さんはどんな姿だったんだろうと考えてしまいます。。。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-04 17:46
~sakuさん~
寝る子は育っていますよ・・・!
スピリチュアルって初めて聞きました。なるほど、運命の大転機のための体力温存、ホホホ、良いお話ですわ~。なんだろう?来月、突然大富豪になっちゃうとか?!
今から買う家を考えておかないと!畑のある古い石造り農家で、エトナ山とモンティ・イブレイ、地中海が見渡せるところが希望です。
果報は寝て待て、なのでたくさん寝ておきます。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-04 17:50
~fresco1939さん~
ロッシーニのスターバト・マーテル、昨日聴きました。ドラマティックですね。オペラ・アリアのようなものもあり、合唱は和声がきれいで、最後まで聴き入りました。教えてくださってありがとうございます。
カヴァッリのオペラ・アリアもなかなか泣かせるんですよ。ヴェネツィア派特有の2分の3拍子のラメント・バスに乗って、いつまでも悲嘆をたゆたわせているんです。
チェスティのアリアと動画、只今、アイディアをしぼっているところです。もうしばらくお待ちください。
Commented by hyblaheraia at 2009-07-04 17:55
~アイシェさん~
自然が成せる美しい模様ですよね。その後も何度かこの豆を買いましたが、この日の薄紫は色のグラデーションは、あまり見ませんでした。そういうところがまた、自然の成せる憎い技なんですよね~。
あ、この豆子たちのお父さん、お母さんは残念ながら分かりませんが、彼らの子供たちは、すぐそこに!!
・・・その意味は、来週のお楽しみ・・・
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