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ランキング撤退

 このブログのあり方というか、方向性について半年くらいずっと考えていました。これについて、実は3月中にいろいろと実験をしていました。

 実験1:一週間、毎日アップすればランキングの順位は上がるのか。
 実験2:楽しく、面白い記事(食べ物など)にすれば順位は上がるのか(政治、社会問題は書かず)。
 実験3:音楽を入れた記事はどう数字に表れるか。
 実験4:ラグーザの景色と独り言を綴る記事はどうか。
 実験5:アップしないとどうなるか。

 など、いろいろ試み、そして、非常に疲れました。

 以前よりもランキングの数字が低い、書いても伸びない、それは記事がつまらないからだろうか、内容が重いからだろうか、こういう感動は伝わらないものなのだろうか、など長い間、ランキングというものに大いに悩まされてきました。そしてあらゆるブログで、毎日あるいは一日に2度アップされているのに、コメントはほとんどなく、けれどポイント数は桁違いに多いのを拝見し、競争意欲をすっかり失ってしまいました。
 
 そもそもランキングに参加したのは、当時、日本に伝わり始めた情報への反発からでした。テレビや雑誌等でラグーザが紹介され始めた一方で、私の愛するこの町の素晴らしさが伝わっていないことに、何とも言えない物足りなさを感じていたからです。世界遺産やお店のステキな小物ばかりではなく、なんの飾り気もない、日常の美しさにこそが、ラグーザの命ではないかと。寒い冬に耐え、春とともに喜びが爆発する地元の宗教祭事、野鳥たちの懸命な生き様、天空に描かれる四季の絵画、そういうものを伝えられるのは、ここに住む私しかいない!という変な使命感に駆られ、思いつくままに書いてきました。そして、まだほとんど知られていなかったこの町のことを、正しく知って欲しくて、ランキングに参加し、露出度を高めたのですが・・・。
 
 もういいです。競争に負けてもいいのです。
 分かってくださる方々だけに、ひっそりと伝えていくことができればそれでいいのです。

::: ::: :::

 この一ヶ月、シチリアではいろいろな問題が起きました。
 モディカで10歳の少年が野良犬集団にかみ殺され、翌日には、旅行者のドイツ人女性がビーチで同じ犬たちに襲われ重傷を負いました。地元からの通報を無視し続けた行政の責任です。

ランキング撤退_f0133814_2264176.jpgランキング撤退_f0133814_2272564.jpg

 カターニアでは、首相ベルルスコーニの主治医であったスカパニーニ前市長時代に、8億5000万ユーロ(約11億円)もの市財政が行方不明になりました。ラグーザでは、市が負担すべき運営費が払われず大学が窮乏。なのにラグーザに原子力発電所を建設する動きが出ている始末(日本とは事情が違いすぎる!)。水道とガス、鉄道さえも完備されていないのに本末転倒です。シチリアの政治は腐っています。
 外国人問題も然り。先日は、リヴィアからシチリアに向かうアフリカ難民350名を乗せた船が転覆。死体が無造作に放置された映像が生々しく放送され、難民を家畜のように見ている視線を感じずにはいられませんでした。
 そして毎週必ず耳にする外国人への暴行事件。ナポリで暴行されアフリカ系イタリア人の若者は、ルカが大学で教わった先生の息子さんでした(イタリア国籍保持者)。暴力は人ごとではない、こんな身近で起こっていると、この国への絶望と恐怖に苛まれました。

 そんなことも、現地にいる私の率直な言葉で伝えたいのですが、それはきっとランキングの方向性とは逆行しているのでしょう。
 時事問題を書くにはニュースを読んだり調べたり、イタリア語の問題もあって結構時間がかかります。コメントにご質問いただいたこを調べてお答えしたり、コメントを通じてお互いの意見をじっくり論じあったり、一つの記事にたっぷり時間をかけなければ納得のいくブログ発信にはなりません。
 また、ゲームやクイズ、SOSシリーズ(右したのタグ参照)など、読んで下さる方々が参加できる「参加・対話型ブログ」が私の理想なのですが、これもまた大いに楽しむにはゆとりある時間が必要です。
 ランキングを見てブログを辞めたくなるのはおかしなことだと思うのです。だから何にも捉われず、自由に清々と、心に引っ掛かかることを書いていきたいと思います。

 長い間、ランキングの応援をありがとうございました。皆さまのお陰で、Googleで「ラグーザ」と入れるとこのブログがヒットし、下に関連キーワードで「ラグーザに流れるもの」も出てくるほどにまでなりました。これで十分です。本当にありがとうございました。そしてこれからも、ラグーザの日常にお付き合いいただければと思います。
 
 ランキングからこちらに来て下さる方のために、しばらくはランキング・サイトに登録したままにしておきますが、投票クリックは終わりといたします。
by hyblaheraia | 2009-04-02 22:00 | 政治・社会


シチリアのラグーザ(ラグーサRagusa)より、時に音楽を交えて。ナポリ人の夫ルカと娘リディアも度々登場。リンクフリー。


by hyblaheraia

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2013年11月、共著出版



2009年4月、共著出版



1999年3月、共著出版


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